Shaved Ice




前略、母さん……
先日は懐かしい写真をありがとうございました。
あの写真を見たジェミニとリカがかき氷を食べたいと言ったので、みんなでかき氷を作ったんですよ。




   ◇  ◇  ◇




「ねぇねぇ、新次郎…これは何を食べてるの?」

摩天楼の隙間から照りつける陽射しはまだまだ強く、今日も暑くなりそうだと窓辺から青空を見上げていた大河は遊びに来ていたジェミニの疑問の声に振り返る。
その隣に居たリカリッタも覗きこんでいるのは一枚の写真。日本での夏の思い出。

「あ、これはかき氷だよ。この日は暑くてね…母さんが作ってくれたんだ。」

浴衣を着て硝子の器を手に見上げた夏空―――大神が帝都の仲間から貰い受けた総天然色のカメラを試し撮りしていた母が写したあの日の光景を思い浮かべて大河が懐かしさに目を細めたのとは逆に、ジェミニとリカリッタは目を大きく見開いた。

「これがかき氷…!聞くところによるとその冷たさのあまり食べた瞬間にこめかみがキリキリ痛むという…!!」
「そ、それは大げさだよ…」
「なあなあ、そのかき氷ってうまいのか?」

初めて聞く食べ物に目をキラキラと輝かせているリカリッタに大河は笑って頷く。

「うん、おいしいよ。細かく砕いた氷にシロップをかけて…日本の夏のお菓子かな。」

その答えに、リカリッタはさらに表情を明るくして大河のベストの裾を掴む。

「おおー!リカ、食ってみたい!しんじろー、かき氷つくろ!」
「そうだね、こんな暑い日はかき氷が食べたくなるんだけど…紐育にかき氷機なんてあるかなぁ……」
「それやったらウチに任しとき!」
「わひゃあ!」

突然耳に入ってきた妙な関西弁に三人が一斉にドアの方を向くと、バンッと扉を開けて仁王立ちしている紅蘭が楽しげに眼鏡を光らせていた。

「こ、紅蘭さん…急に出てくるからビックリしましたよ。」
「任しときって…紅蘭さんがかき氷機用意してくれるんですか!?」

霊子甲冑の研究のために緊急渡米してきた彼女の趣味は発明であることは、すでにシアターのスタッフ全員が知っている。
実際、彼女の発明品の一つであるキネマトロンに触れた星組メンバーはその技術力の高さに驚き、感心した。
ジェミニの期待をこめた眼差しと言葉に紅蘭は得意げに笑ってみせる。

「その通りや!ウチの手にかかればかき氷機なんてちょちょいのちょいやで!」
「おおー!さっすがこーらんだな!リカほめてやる〜!」

ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶリカリッタにうんうんと相槌を打って、紅蘭は視線を大河に移す。

「おおきに。ウチもかき氷が食べたいとこやったんや。
 せやからみんなには氷とかシロップの準備を頼んでもええやろか?」

その頼まれごとに三人はそれぞれに目を配らせると、すぐに首を縦に振った。

「もちろん、いいですよ。」

笑顔の快諾に、紅蘭も安心したように頷くとくるりと方向転換をする。

「ほな、ウチは早速とりかかるさかい。
 せやな…夕方にはできると思うから、それまでに揃えといてな。」
「はい、わかりました。」

返事を聞いた紅蘭は、パタパタと走り去っていく。背中からも楽しそうな気配が伝わってくるその姿につられたのか、ワクワクした瞳でジェミニとリカリッタは大河を見つめる。

「で、新次郎…ボクたちは何をすればいいの?」
「そうだな…まずは氷たくさんを用意しなきゃ。」

この中で唯一かき氷を食したことがある大河は基本中の基本である材料の確保を第一として頭を捻る。
何処に行けば手に入るのだろう。

「それならさ、プラムさんに聞いてみようよ。ドリンクバーならシロップもあるかも。」
「そうだね。よし、ドリンクバーへ行こう!」
「いえっさー!たっのし!たっのし!楽しみだー!うまいかき氷つくろうな、しんじろー!」

リカリッタを先頭にシアターに向かう三人も、先ほどの紅蘭に負けずとも劣らないくらい、楽しそうだった。


 ◇ ◇ ◇


「な〜るほど、そういうことならお安いご用よ。」

太陽が一番勢力を誇る時間帯に駆け足でやってきた三人に事情を聞いたドリンクバーの主、プラムは特製のミックスジュースを振る舞いつつ回答した。

「それじゃあ…」

ぱぁっと表情を明るくするジェミニに、プラムは笑顔のまま頷く。

「ドリンクバーの氷、使っていいわよ。」
「プラムさん、ありがとうございます!」
「シロップも特製のフルーツシロップを用意してあげるわぁん。
 でもそのかわり…あたしと杏里もかき氷を味あわせてもらうわよぉん?」
「もちろんですよ。みんなで食べましょう!」

大河のお礼と誘いに、プラムは抱きつかんばかりに破顔する。

「きゃっふ〜ん!ありがと、タイガー。
 それじゃ杏里も呼んで…ジェミニとリカはシロップ作り手伝ってくれる?」
「はい、わかりました!」
「リカもがんばる〜!」
「タイガーはみんなにかき氷のことを知らせてきたらどうかしら?」

ガッツポーズで返事をする二人に笑みを見せたプラムの役割提示に、大河も頷く。

「そうですね、じゃあそうさせてもらいます。」
「しんじろー、しっかりな!」


 ◇ ◇ ◇


「…なるほど、それでさっき紅蘭が王先生のところに工具を借りに来てたのね。」
「はい、そうなんです。ラチェットさんも一緒に食べませんか?」

手始めに訪れた屋外サロンで早速仲間を一人発見した大河が小首を傾げて訊ねると、ラチェットは目を通していた本を閉じて立ち上がる。

「そうね、じゃあごちそうになろうかしら。
 サニーにも伝えておくわ。あの人こういう事に仲間外れにされると拗ねるから。」
「ははは…そうですね。じゃあよろしくお願いします。」

どことなく乾いた笑いになるのは、その拗ねた様子を想像したくないからだろうか。
一瞬よぎった考えをそのまま振り切った大河は、ぺこりと一礼して屋上を後にする。
そして一階のエレベーターホールに降り立つと同時に指折り数える。

「ええっと後はサジータさんにダイアナさんと昴さんか…みんなどこにいるかな?」
「僕たちならここにいるよ。」
「わひゃあっ!」
「そんなに驚くことないだろう?」

楽屋口の方を振り返ると扇子を片手にこちらを見ている昴を中心にサジータ、ダイアナが大河を見つめていた。

「い、いや…急に後ろから三人いっぺんに現れたから……どこか出かけるんですか?」

思わず跳ねた心臓を押さえながら訊ねると、ダイアナがやわらかく微笑んで口を開く。

「はい。これからお二人と一緒に昼食を食べに行くところなんです。」
「サラダとフルーツ中心のうまい店を見つけてさ。
 一緒に行った昴とこれはダイアナに食べさせてやらないとなって話になってさ。」
「へぇ〜そうだったんですか。」
「ところで、大河は僕たちを探していたのかい?」

そのまま話が脱線しそうになったが、昴の一言に大河はぽんっと手を叩く。

「あ、そうそうそうなんです。
 あのですね、夕方にかき氷を作るんですけど皆さんもどうですかって聞きたかったんです。」

かき氷という単語にほう、と頷いたのは昴だけで、ダイアナとサジータはそれぞれに首を傾げる。

「かき氷…?なんだそりゃ?」
「細かく砕いた氷にシロップをかけた日本の夏菓子だよ。物としてはこちらのスノーコーンに近いな。
 ふぅん…誰の提案だい?」
「ぼくの話を聞いたジェミニとリカが食べてみたいって言って
 それを聞いた紅蘭さんがかき氷機を用意してくれるから、みんなで作ろうってことになったんです。」

その様子をそれぞれに思い浮かべる三人に、大河はにっこりと笑いかける。

「そういうことなんで、皆さんも一緒に食べませんか?」
「昼食前に聞いておいて良かったよ。デザートはかき氷で決まりだな。」
「はい。大河さん、楽しみにしていますね。」

誘われた三人は、快く頷いて答えた。

「よかった…じゃあ4時くらいにシアターに来てくださいね。」
「わかった。ああ、そうだ大河…僕は宇治金時が食べたいな。できるかい?」

そのまま昼食に出る三人を見送る姿勢だった大河を振り返り、昴がそう言うと大河は目をぱちくりさせてリクエストされた味を繰り返す。

「う、宇治金時ですか…家に小豆と緑茶があるので、それらしいものは作れると思いますよ。」
「ありがとう。じゃあ、楽しみにしているよ。」

おそらく、昴が所望しているような本格的な宇治金時は作れないだろう。というのは向こうも承知しているようで、その答えで満足した昴はそのまま前を行く二人に合流した。
やはりそれを見送りながら一旦家に帰って材料を取ってくるついでに加山さんも誘おうかな、と考える大河であった。


 ◇ ◇ ◇


「あ、おかえりー新次郎!どうだった?」

シアターの扉をくぐるなりジェミニの声をかけられた大河は、新たに杏里を含め、和気藹々という言葉通りの雰囲気で準備をしていた四人のもとへ歩み寄る。

「うん、みんなも来るってさ。器もたくさん用意しなきゃ。」
「…じゃあ、大河さんも来たしわたしは別の準備に向かいますね。」
「ええ、よろしくね。」
「別の準備?」
「大河さんには、まだ秘密です。じゃあ、また後で。」

まるでタイミングを見計らうかのようにドリンクバーから立ち去ろうとした杏里を呼び止めるが、さらりとかわされてしまい大河は首を傾げる。
もう一度声をかける間もなく杏里はステージの裏へと続く廊下の角を曲がっていった。

「んー…しんじろー、何の缶詰もってるんだ?」

どことなく釈然としない思いを感じつつもくんくん、と鼻を動かして出て行くときにはなかった小さな紙袋の中身を覗き込むリカリッタに大河は缶詰を手にとって答える。

「ああ、これは小豆だよ。昴さんが宇治金時がいいって言うから家に一度戻ってお茶と一緒に持ってきたんだ。」
「うじきんとき…?なんだ、それ?」

先ほどとは違った意味で首を傾げるリカリッタに、ジェミニとプラムも大河に目線を向ける。

「かき氷の種類だよ。甘く煮た小豆に抹茶をかけるんだ。」
「へぇ〜!何だかニッポンって感じだね!ボクも食べてみたいかも。」
「あらあら、ジェミニ…あなたさっきから食べたい味が増えてるわよぉん。
 イチゴにマンゴーにキウイにレモンにミルクに…」
「ず、ずいぶんたくさん作ったんですね…」

プラムから缶切りを受け取った大河は、小豆缶を開けながら調理スペースを見渡す。たしかに、色とりどりのシロップが所狭しと並んでいる。
指摘を受けたジェミニは照れ笑いを浮かべて大河の手伝いをするべく鍋を用意する。

「えへへ…なんだか楽しくなってきちゃって。」
「リカ、いっぱいいっぱいお手伝いした!だからいっぱいいっぱい食うー!」

かっき氷!かっき氷!と嬉しそうに跳ね回るリカリッタを微笑ましく思いつつも、食べ過ぎてお腹を冷やさなきゃいいけど…と心配する大河は昔自分も同じようなことがあったなぁと回想した。
宇治金時の材料をそろえ終えたところで、シロップ作りは完了となった。

「シロップは用意したし、氷もたくさん!こっちはいつでもいいよ。紅蘭さんの方はどうかな?」
「あ、じゃあぼく見てくるよ。」

再び屋上に向かって駆け出す大河を見送り、プラムが二人に仕上げの指示を出す。

「頼んだわよ〜…じゃああたしたちは器とスプーンを用意しましょ。」
「はーい!」
「…そういえば、杏里さんはどこに行ったんですか?」

新次郎と入れ違いに姿を消してしまった杏里を思い出し、きょろきょろと辺りを見渡すジェミニにプラムはにんまりと笑みを見せる。
どうやら、大河だけでなくジェミニとリカリッタにも杏里の行動は謎だったようだ。
唯一事情を把握しているプラムは、二人にウインクを一つしてみせてた。

「うふふ…杏里もかき氷を楽しむ為の準備をしてるのよぉん。」


 ◇ ◇ ◇


「あ、大河はん丁度よかったわ〜今みんなを呼びに行こう思っとったんよ。」

エレベーターから降りると、目の前に目的の人物が立っていた。向こうも同じくこちらに用事があったようだ。
何か言いたげな楽しそうな瞳に、大河はその用事が何であったかを察する。

「それじゃあ、完成したんですか?」
「ふっふっふ…バッチリや!
 でな、話を聞いたサニーはんと加山はんがめっちゃ張り切ってな、こないに準備してくれたんよ。」

くるりと両手を広げて屋上庭園が見渡せるように横にずれる。
そこに広がっていたのは見慣れた庭園ではなく、まるで日本にいるような光景。

「うわぁ〜!!すごいですね、まるで縁日みたいだ。」
「せやろ、せやろ!だからみんなをサロンに呼ぼうと思ってな〜で、そっちの準備は完了したん?」
「あ、はい!ばっちりです。皆さんにも声をかけましたし…あ、でも氷は運んだら溶けちゃうんじゃ……」

大河の疑問に、紅蘭のメガネが得意げに光り、びしっと自らの横にある30センチほどの箱を指を指す。

「だーいじょうぶや!こんなこともあろうかと、クーラーボックスも作ったんやで!」
「こ、紅蘭さんって本当になんでも出してくるんですね…」

ちらりと聞いた「紅蘭は「こんなこともあろうかと」って言って便利な機械をどこからとも無く出す」という噂は本当だったんだな、としみじみ実感しながら呟く大河に、紅蘭はからっと笑う。

「あはは。備えあれば憂いなしや!ほな、みんなを呼びに行くで。」
「はい、行きましょう。」
「あ、忘れるとこやった……これこれ、これもみんなに渡さんと!」

エレベーターのボタンを押し、いざ扉が開いたところで紅蘭は大河に一言断ってから急ぎ足でサロンに向かうと、テーブルの上に置かれた風呂敷包みを抱えて戻ってきた。

「何ですか?」
「ここまでセッティングされたら、徹底的にやりたいやろ。
 ウチ、着付けできるからみんなで浴衣を着ようと思ってな!さっき杏里はんに聞いてみたんや。
 そしたら、ちょうど作ってた言うな〜ナイスタイミングやね。
 ちゅうことで、今日はとことん紐育のど真ん中で日本風の夕涼みや!」
「わぁ…いいですね!じゃあぼくも一度家に帰って浴衣を持ってきますね。」
「うん、そうしてな。ほな、改めて行くで〜!」
「はい!」

ようやく日が西向きになってきた屋上を後にした二人は、終始笑顔で数時間後の宴を心から楽しみにしている様子だった。


 ◇ ◇ ◇


「やぁ大河くん、早かったね。キミが一番乗りだよ。」
「あれ?皆さんはまだなんですか?」
「ああ、ちょっと着付けに手間取ってるみたいでな。」

それから数時間後。空が青から朱色を帯びた頃。
着替えの為露天風呂の脱衣所を借りていた大河が戻ると、すでに浴衣に着替えていたサニーサイドと加山に出迎えられた。

「着付けができる人が少ないからね。杏里を紅蘭と昴が手伝っているわ。」
「あ、ラチェットさん!うわぁ…素敵ですね。」
「ふふふ…ありがとう。」

そこにやや遅れてエレベーター方面からやってきたラチェットは藤色に星柄の浴衣と桜を散らした黄色の帯という井出達に豊かな金髪をまとめ上げ、浴衣と同じ色の簪で留めていた。
その姿は普段のスーツ姿とはまったく違う印象を与えていて、大河は素直に賛辞を口にした。

「キミが来たってことは、みんなもそろそろかい?」
「ええ、みんなは次のエレベーターで来るわ。……あ、ほら来たわよ。」
「しんじろー見ろ見ろ!リカ、ニッポンー!」

エレベーターからいち早く飛び出したリカリッタは若竹色の浴衣に黄色の兵児帯で動きやすそうだ。
危ないからという理由か下駄ではなく草履を履いて大河のまわりをくるくる回る様にうんうん、と頷いてから大河は笑いかける。

「うん、リカとってもかわいいよ。」
「にゃははは!そーか、リカかわいいか!」

褒められて頬を軽く染めたリカリッタはよほど嬉しいのかそのまま屋上を駆け回る。
それに続き、サジータとダイアナ、ジェミニもやってきた。
鉄紺色、空色、橙色と色こそ各人に合わせてだが柄と帯はラチェットと同じく星柄に桜をちらした黄色の帯でまとめられている。

「浴衣ってのは見た目以上に帯をきつく締めるんだな。」
「そうですね。でも、背筋も伸びて何だか気持ちまで引き締まりますね。」
「これが浴衣…ボクあこがれてたんだよねぇ〜!ねぇ、新次郎おかしくない?」
「うん、よく似合ってるよ。」

きょろきょろと帯の後ろを確認しようとしたり、裾をつまんでみているジェミニに後押しの言葉をかけると、ジェミニは頭を軽くかいて破顔した。

「えへへ…そ、そう?ありがと新次郎!」
「ジェミニさん、着崩れてきたら言ってくださいね。すぐに直しますから。」
「あ、杏里くんとプラムさんも浴衣に着替えたんですね。」

さらに後のエレベーターから来たのか、プラムと杏里は揃いの白緑色に朝顔柄の浴衣に桜地模様の黄色帯という組み合わせで現れた。

「そうなの、杏里が用意しててくれたのよぉん。」
「もともと、みなさんにプレゼントしようと用意していたからグッドタイミングでした。」

えっへん、と胸を張る杏里に大河は先ほどドリンクバーで入れ違いになった理由はこれかと察する。

「ああ、僕たちが最後かい?」
「あ…昴さん、その浴衣……」

その声に振り返った大河は目をぱちぱちと瞬かせる。
紫紺色の浴衣の昴も、他のメンバーと違わず揃いの柄と帯だった。

「紅蘭と杏里が用意してくれたものが女物だったからね。どうだい?」
「は、はい…あの……とっても素敵です。」
「ふふふ…ありがとう。」
「さ〜て、みんなの御披露目も終わったことやし、納涼かき氷大会の始まりや!」

最後に白色に桜柄の浴衣を着た紅蘭が現れ、音頭を取ると宵の夜空の下、全員が一斉に返事をした。




   ◇  ◇  ◇




その後は、もう大騒ぎでした。
ジェミニとリカは最初加減がわからなくてこめかみを痛くしたり
サジータさんがいろいろな味を混ぜてそれをラチェットさんやダイアナさんに食べさせてみたり…ぼくも食べましたけど。イチゴとレモンは意外とおいしかったです。
昴さんは最初はうまく逃げてたんですけど、結局食べさせられてました。
でもその後サジータさんの顔色があまり良くなかったから……多分、仕返しはされたんだと思います。
サニーさんと加山さんは、なぜか卓球を始めてしまうし……

でも、みんなと一緒に食べたかき氷はとってもおいしかったです。
そうそう、紅蘭さんが作ってくれたかき氷機は大会が終わったら爆発してしまいました。
紅蘭さんの発明品はかなりの確率で爆発するって聞いていたんですが………まさか本当に爆発するなんて。

氷やシロップを一から用意したりと大変でしたが、みんなと一緒に食べたかき氷は日本で食べたかき氷に負けないくらいおいしかったです。

こっちは残暑が厳しいです。
母さんも体調を崩さないように、ご自愛ください。
それでは、また手紙を書きますね。

草々

   大河新次郎



    END

書棚へ戻る