スーパー歌謡ショウ「新編・八犬伝」

こんばんは。はじめましての方ははじめまして!お久しぶりの方はお久しぶりです!
如月紫水です。

さてさて。いよいよやってまいりました歌謡ショウならぬスーパー歌謡ショウ!
歌も踊りもスーパーに!舞台装置もスーパーに!役者さんたちもスーパーに!
…けれど、このレポートはスーパーには多分なりません。(笑?)
なぜならば、書き手のボキャブラリーは去年とまったく変わっていないからです。(爆)


こうして開けて読んでくださっている方々がいらっしゃる限り、精一杯書こうと思います。
あ、もちろん長文ですので(汗)お気をつけ下さいませ。

また、今回の公演中にはたくさんの方にお会いする事が出来ました。
お会いできた皆々様、どうもありがとうございました!m(__)m

今回私が見に行った公演は15、16、17(夜)、21(貸切)、25日です。
……回を重ねるごとに観劇数が増えているような…(^^;;
このままいけば、いつか全公演か?(爆)

今回は舞台のネタ上、ゲーム本編バレもちらほらありますので、それがイヤだという方は、お気をつけ下さい。
それでは、レポートの始まりです!
まずは初日の会場前から……(これがまた結構長いので、その辺に興味が無い方はずばっと20cmほどすっ飛ばしてください;;)

<追記:補足いたしました。ryufugaさん、FOOLさん、ムラサメさん、和泉彼方さん、おうかさん、殺女愛好家さん、mi-2hiroさん、賽鍵さん、さいんしいたさん、萌里さん、紅葉さん、ノゾミさん、橘一朗さん、天地一心さん、黒子組隊長さん。どうもありがとうございました!!>


レポート本文―――――――


今年から装いも新たに、会場も変えた花組の舞台。電車に揺られ、新春公演でお馴染みの青山劇場へと向かいます。
グッズの先行販売のために、会場より2時間早く到着。
けっこう人が多いですね〜…皆さん楽しみなんですね!

ところで、例年初日に言われるグッズ販売の回転率の悪さは、今年もその気がありました。(^^;;
(初日は大量買いするファンがたくさんいるというのも事実なのですが…それで一人あたりにかかる時間が長い)
1時間ならんでようやくグッズをゲット!!
今年はバイトしたのでいつもよりも多く変えました!(^^)
米田さんの徳利も買いましたよ♪結構しっかりした作りです。

買い終わったところで、今日一緒に観る父と「初日のあの雰囲気が見たい」と言って見るのは明日なのについて来た(笑)母と合流。
会場までまだ1時間弱…なので、すぐ傍のレストランで食事を。(青山劇場と隣接している、こどもの城一階のレストラン)

こういうところのレストランって意外とバカ高くなくて美味しいんだよね。と思いながら店内に入ると……ビックリ仰天!!なんとBGMが「歌謡全集2」!!
ちょうど「春が来る」がかかっていました。いやぁ、青山劇場ってここまでサクラ一色なんですね!!すごいです。なんか嬉しくなっちゃいました。

ず〜〜っと聞きながら食事をして、「イカルスの星」を聞き終え「奇跡の鐘」の途中で店を出ると、ちょうど会場前のご挨拶を終えてダンディ団の皆さまと親方が帰る所。
本番、頑張ってください!!

そしていよいよ会場。
今年もロビーにはお花が一杯!その中でも一番目立つ位置に置かれた飾り花の中には…ありました!富沢美知恵さんのお名前が!!そのすぐ横には市川春猿さんのお名前も!!
…本当に今年はすみれが舞台に立たないんですねぇ……

席に行くと、嬉しい事にみなさんと名刺交換が出来ました♪
ご挨拶も出来て本当に嬉しかったです。皆さま、どうもありがとうございました!!m(__)m

歌謡ショウ初心者(笑)の父と入り口で貰ったチラシチェック。
実は歌謡ショウってこういった(最新)情報の宝庫だったりするんですよね。

今回の公演の販売商品リスト、「活動写真」のDVD予約のチラシと、REDのHPのOhji’s Cafe BBSで使われているアイコンシールなど、サクラ大戦ezWebの千社札風シール
avexの情報誌「Pam!」(表紙は「銀河鉄道999」)、横山智佐さんが書かれた「1000日の夕食」のチラシ(ソフトバンクより8月下旬発売予定)
駅などに貼られている公演ポスターを描かれた横尾忠則さんの個展「森羅万象」のチラシ(東京都現代美術館にて8月10日〜10月27日)
今年も登場、国本武春さんの出演情報、折笠愛さんの最新アルバムのお知らせ、田中真弓さんの劇団「おっ、ぺれった」の第何回公演?「ねこの手も貸したい」(東京芸術劇場、小ホール2にて11月22日〜12月1日)の公演チラシなどがありました。

なかでも「サクラ」ファンには耳より財布に痛しの情報は…
ドラマCD第五期シリーズが発売決定!!
11月13日から続々登場!!第一弾は巴里編「ライブatシャノワール〜ジャン班長の優雅な一日(仮)」
12月には巴里編「巴里のクリスマス(仮)」、1月には「巴里編・歌&サントラアルバム(仮)」
少し間を置いて4月以降に帝都編「レ・ミゼラブル前編(仮)」、「レ・ミゼラブル後編(仮)」、「帝都編・歌&サントラアルバム(仮)」が発売予定!!

巴里もどんどん活動していて嬉しい限りですね。帝都は初めての前後編、どうなるか楽しみですね!
また、収録予定の楽曲も書かれていました。(見たくない方はここから高速で10cmほど下げてください;;)
まだ全てのタイトルに仮題とついているのですが…

巴里編は
「夢追い人」ロベリア・カルリーニ
「ラグタイムショー」エリカ・フォンティーヌ&北大路花火
「アラビアンカフェ」エリカ・フォンティーヌ&コクリコ
「愛の火よセーヌを渡れ」グリシーヌ・ブルーメール

帝都編は
「夏物語」藤枝かえで&男性コーラス
「我が名はジャベール」李紅蘭
「愛しき人よ」真宮寺さくら&マリア・タチバナ
「小金持ちは金持ちだ」桐島カンナ&ソレッタ・織姫
「恋よ恋」アイリス&レニ・ミルヒシュトラーセ
「我が心に響く永久の鐘」マリア・タチバナ&アイリス

また、今回もシリーズで買うと応募特典があるそうです。
そして、もう1つ…サクラの歌曲ファンが待ちに待っていた物がいよいよ!!!
すでにサクラ大戦.comで発表済みですが「サクラ大戦 COMPLETE SONG BOX」(仮)発売決定!!
12月11日発売で完全予約限定生産!予約締め切りは10月14日!
八枚組CDで価格は18,000円とやはりお高いですが……こういう物を待っていた身としては、これは手にするしかない!!大丈夫!親も呆れ気味だけど反対はしない!!(爆)
第四期ドラマCDまでの未収録歌曲を含む139曲が一挙にそろう!
松原さんの書き下ろしジャケットにスペシャルブックレット。ピクチャーCDレーベル……今からお金を溜めなきゃ!!(^^;;

そんな情報にワクワクして開演…の前の前説を待ちながら舞台の構造をじっと観る。
今回は舞台に奈落を作るためにオーケストラピットの部分まで舞台がでてきているので、こちらから観ると凸の逆さまのような形をした舞台でした。
その出っ張った部分の左右が升席となっていました。完全に座敷状態。きっと本当に目の前で役者さんたちが演技するのでしょうね…やっぱりすごい席なんですね!!

今回は妹に頼んで絵を書いてもらいました。
百聞は一見にしかず。というわけで、詳しくはこちらをご覧下さい。↓
http://www.tctv.ne.jp/sakurwar/superkayousyou_butai.htm
戻るときはブラウザの「戻る」を選択してください。

そうこうしているうちに下手から掃除人の広井さんが例年通りほうきを持って下手の客席前から登場!すぐ近くにいた田中公平先生と笑顔で握手をして舞台の掃除へ。
そうなんですよねー今回は公平先生はタクトを握らないんですよね。

広井「はいはい、ごめんなさいよ〜」

箒を履きながら向かいの桝席の方へ移動。
これがまたテンションの高い軽快なトークで…すみません、キチンと順番どおり記憶できてませんので……ざざっと書きます。(泣)こういう事を言っておりました。

広井「今回は凄いよ、こんな所に席作っちゃって!桟敷がある劇場ってのは都内に三つだけなんだよね。
   歌舞伎座、明治座、演舞場…でもみんな横だからね、こんなまん前にあったのは江戸時代だけだからね!」

広井「恒例ではありますが、今一度、携帯電話などの電源をご確認ください。
   お願いいたします。」

広井「さて、はじめて歌謡ショウにいらっしゃった方はおりますか?
   「八犬伝」だから来ちゃった。って方もいますか?
   なんでこんないろんな格好の人がいるのかしら?珍しい!
   今時の劇場にお客さんが若い人ばかり。これも珍しい!」

広井「これはゲームが元になっている、いわば逆バーチャルな世界です。
   ですから、役者さんを本名で呼んじゃいけない!あくまでこれは太正時代の劇場と架空の空間ですから
   お客さんも太正時代のお客さんを演じなきゃいけない!!」

広井「何がスーパーになったってさ、俺達がスーパー忙しくなっただけじゃねーか!
   これ(奈落部分)を作るのに徹夜だよ!」

広井「スーパーだからね、今年は図に乗ってるよ〜!!」(笑)

広井「来年はさ、ソニーに行くよね!ね「熱き血潮に」。オーバーワークスも今年は死ぬ気で仕事してますので
   どうぞそちらの方もよろしくお願いします。」

―――16日―――――

この日は広井さんが素晴らしい発言を…

広井「来年はさ、もしかしたらセガとソニーの共同主催って事になるのかな!?
   そしたらさ、ソニーのビルの前に歌謡ショウの宣伝とかが出されるわけだ。
   いいな〜見てみたいな〜。」

ここで会場から「見たい!」と掛け声。

広井「ね!見てみたいよね!!
   よ〜し、話しておこ。」(笑)

以上、箒をはきながらの思い付きでした。(笑)
でも、本当になったら嬉しいですね!!さらにスケールが大きくなる事でしょう♪

―――――――

広井「これ作るの大変だったんだから!誰だよこんな舞台考えたのは!
   バカだよ!!」

と、ぼやきまくっているところに下手から親方が登場!!
広井さん慌てて真面目〜に仕事に戻る。(笑)

親方「おい、広井!今なんかぶつぶつ言ってなかったか?」

広井「言ってませんよ!(汗)
   ちゃんと掃除してましたよ!ここの人たちが散らかすんだもん!」

と、上手の升席の方々を非難。皆さん苦笑。(^^;;

親方「そういう裏表があるようじゃダメなんだよ!」

広井「…裏表って、最近じゃ前も後ろも斜めだってありますよ!ポリゴンは。
   手間四倍!(笑)
   こんなカクカクしたのはファミコンの頃の話じゃないですか!」

右、左、とファミコンの頃の人物の動きを再現する広井さん。(笑)
そうですよね〜今は360°なんでもアリですからね〜進歩しました。「ドラ○エ」の第一作目なんて前しか向いてなかったんですから。(爆)

―――23日(昼)―――――

「裏表」ってことで日本ハムの話題があったみたいです。
企業の不正隠しのネタですね。

何日だったかは覚えてませんが、「ムネオハウス」の話題もあったはず…現代人なら知ってなきゃいけないニュースネタですね。
…現代?……太正じゃ……(自主規制)

―――――――――

親方は「何わけわかんない事言ってんだ…そうじゃなくて!」と反論。

親方「人としての生き方を言ってるんだよ、俺は!」

広井「生き方とは、これまた大きく出ましたね!」

親方「いいか、仁義礼智忠信孝悌ってな…」

広井「何それ?」

広井さんの的外れな言動に親方ショック。(^^;;

親方「お前、今回の演目知らないのか?」

広井「知らない。」

親方「「八犬伝」だよ!滝沢馬琴って人がなぁ、48年もかけて書いた長ーいお話なんだよ!」

広井「バカだな!」

親方「バカじゃないよ、執念だよ。失明してまで書いたんだから。」

広井「…ベートーベンか?」

親方「ベートーベンは耳が聞こえなくなったんだろ!」(^^;;

広井「じゃあ、見えなくてどうやって書いたんだ?」

親方「それは……息子の嫁さんに書かせてたんだよ。」

広井「ひでぇヤツだな!」

親方「違うだろ。
   話はな、八人の若者が、愛の戦士となって戦う話なんだよ!」

広井「…あかほりさとるがそんな話書いてませんでしたっけ?」

あー、そうですね!書いてますね!(笑)
でも、八人じゃなくて、最近は十三人とか十四人とかじゃ…(爆)

親方「それはおいといてな…
   で!八人の戦士が悪と戦う話なんだよ!」

広井「七人しかいないじゃん!」

広井さんの一言に、親方が止まる。
そうですよねぇ、そのままじゃ「八犬士」じゃなくて「七犬士」ですもんね。

広井「今年の正月にすみれさん引退しちゃったじゃん!
   どうすんの?」

親方「それは…………
   …それは、観てのお楽しみということで。」

親方の最後のオチにだあっとコケル広井さん。(^^;;
ですが、すぐに立て直して二人で真面目にご挨拶。

広井「それでは、最後までどうぞよろしくお願いします。」

大拍手に送られて、下手の方へ消えるお二人。

ところで、19日からは「ゲキテイ」振り付け講座が復活したようですね。
親方を筆頭にダンディ団の皆様が登場して振り付け練習したとか。
で、その間広井さんは脇でしゃがんでいじけてたとか。(笑)

さぁ、いよいよ開演です!!暗くなってきたところで、さくらさんのアナウンス。

さくら「本日は、お暑い中、大帝国劇場にご来場賜り、ありがとうございます。
    今年から装いも新たに始まります、スーパー歌謡ショウ!
    さてどうあいなります事か。あたしもワクワクしています。(^^)
    一幕の上演時間が約60分。15分の休憩を挟みまして
    二幕の上演時間が約1時間45分となっております。」

長っ!会場も今までと違い、長い二幕にどよめき。
「八犬伝」に力を入れてるんですね〜

さくら「それでは、幕が開きます。
    どうぞ最後まで、ごゆっくりお楽しみ下さい。」


―――16日―――――

今回は開演アナウンスも日替わり!この日はアイリスでした。

アイリス「ほんじつは、おあつい中、だいてーこく劇場にごらいじょうたまわり、どうもありがとうございます
     今年から、よそおいもあらたにはじまります、スーパー歌謡ショウ!
     どうあいなりますか。もう、アイリスワクワク!みんなもワクワク?
     あ!それから、上演時間を言うね。一幕の上演時間は約60分。
     15分の休憩を挟んで、二幕上演時間は約1時間45分となっております。
     じゃあ、そろそろ幕が上がるよ。最後まで、ごゆっくりお楽しみください!」

―――17日(夜)―――――

この日はレニでした。

レニ「本日は、お暑い中、大帝国劇場にご来場賜り、ありがとうございます。
   今年から装いも新たに始まります、スーパー歌謡ショウ。
   いかがあいなりますか。ワクワクしています。
   一幕の上演時間が約60分。15分の休憩を挟みまして
   二幕の上演時間が約1時間45分となっております。
   では、幕が上がります。最後まで、ごゆっくりお楽しみください。」

―――19日―――――

母の情報によりますと、この日はかえでさんだったそうです。
「んー、なんて言っていたかはハッキリ覚えてない。」そうですので、とりあえず誰だったかだけでも;;

―――18日(昼)、23日(昼)―――――

この両日はカンナさんだったようです。
自分のことをモデルのようなとか言っていたらしいです。(笑)
…そう言えば、私は「紅蜥蜴」以来、カンナのアナウンスに巡り会ってないなぁ

―――24日―――――

ブロードバンド放送を観る限りでは、どうやら紅蘭だったようですね。
音声の都合で、何を言ってるかまでは聞き取れませんでしたが;;

―――――――


拍手の中、するすると幕が開くと、紗幕の向こうには銀座の町並み。
舞台下手に立つダンディ団にスポットが当たると…

ボス「♪銀座〜」

西村「♪銀座〜」

武田「♪銀座〜」

ダンディ団「♪ここは銀座〜」

と、歌いだしたところで舞台の飛び出した部分…奈落から花組全員が登場!!衣装が微妙に綺麗の豪華になってます!
紗幕も上がり始め…

ボス「♪誰もが憧れる〜街〜」

♪輝く、銀座ストリート

音楽が華やかに変化すると共に、舞台も光に溢れ、みんなで踊りだす!!
花組は舞台全体で踊るように、かなり広々と踊っていました。(立ち位置を一応下手から順番に書きますとレニ、紅蘭、マリア、さくら、カンナ、アイリス、織姫です。)
振り付けもちょっと雰囲気が変わりましたね。柔らかい感じです。でも全員でそろって踊るとパワフル!
(あ、余談ですが今回の振付師、室町あかねさんは元宝塚の方だそうです。)

一番までは花組の皆さん全員でしたが、終わると同時にマリア、カンナ、織姫が抜けてダンス。
サビが終わると、花組さんは引いて、入れ替わりにかえでさんと大神さんがダンスに参加。
(……このとき、初日の大神さんからは別の意味で目が離せなかったです;;)

華やかな部分が終わると、静かにボスが中央で締め。このとき、踊っていた皆さんは二人一組でポーズ。大神さんとかえでさんは例の「でこつん」ポーズで。(^^)
曲が終わると共に、ダンディ団以外は舞台から引いて、銀座の静かな町並み。
道行く雲国斉先生に挨拶をしていたダンディ団も千葉助の紙芝居の自転車を追ってダンディ団も下手へ。

銀座の町並みをあらわしていた色とりどりの看板(これがちょっとした遊び心からか「BLACK CAT」とか書かれているんです。)や、街灯が舞台上に消えると、大帝国劇場が回り舞台で回転。
回転し終わった所は帝劇のロビー。
中央の階段に織姫(冬服)が立ち、その斜め下でどかっと座っているカンナ(冬服)。そこから左にあるソファに雑誌を読んでいるマリア(夏服)。
そこに柱時計の鐘が…

織姫「ああ、時計が零時をつげました。
   なんということでしょう…!わたしの魔法が消えてしまいます…」

階段を下りて、演技の練習にをする織姫。どうやら「シンデレラ」のようですね。

織姫「わたしはあなたの愛を忘れないでしょう。
   ですから、どうか…私の愛を、忘れないで……忘れないで…!」

カンナ「忘れちまうよ!」

せっかくノっていたのに、カンナの冷たい言葉に邪魔され、ムッとした織姫は…

織姫「わたし、幸せです。こうしてあなたの胸で、美しいまま死ねるのですもの!」

カンナにずんずん迫りながらイキナリ「紅蜥蜴」の演技に入った織姫。なんと「愛は永久に」と曲までかかって!(笑)
マリアもカンナもちょっとビックリしてましたが、かまわず階段に横たわって演技を続ける織姫。

織姫「涙。もう、随分涙なんか流していなかった。」

カンナ「約束しよう、僕は、君のぬくもりを、その愛を…忘れない!」

カンナもついノって演技を続けますが……

カンナ「ちがぁぁぁーーーう!!」

と、織姫の肩を抱いて見つめあったシーンで拒否反応?を起こしてストップ。(^^;;
やっぱりすみれでないと…?

織姫「なんですか、カンナさん〜!
   もう、せっかくお稽古してましたのに〜」

カンナ「だいたい、なんでお前ぇは「シンデレラ」や「紅蜥蜴」の稽古なんかしてやがんだよ!」

織姫「「シンデレラ」や「紅蜥蜴」をやりたいんで〜す。
   愛の物語はいいですからね〜」

上手でドレスの裾を翻しノリノリの織姫をよそに、不機嫌そうにカンナが口を開く。
……んん?カンナの様子がやっぱりおかしい?

カンナ「んなこと言ったって、今回の演目は「八犬伝」って決まってんだよ。」

織姫「何故ですか〜!?」

カンナ「知らねぇよ!支配人引退するとか言ってた米田のジジイが勝手に決めちまったんだから!!」

あ、やっぱり米田さんはまだ帝劇でご健在なんですね。

マリア「娯楽作品でしょ。いいんじゃない?」

二人に向けて雑誌を読みながらさらりと発言。思わず二人ともソファに座っているマリアに迫る。(織姫左手、カンナ右手)

カンナ「娯楽作品なら、なんでもいいのかよ!」

マリア、雑誌から目を離しカンナを見る。

マリア「支配人には何がお考えがあるのよ。」

カンナ「いいやぁ〜あのじーさんはお考えが足りませんねぇ〜」

マリア「カンナ!」

カンナ「だってよ、考えてもみろよ!正月公演ですみれが引退して
    花組は七人になっちまったんだぜ!
    それなのに「八犬伝」はねぇだろ!?」

織姫「あ〜、そゆことですか。」

ドレスの裾をヒラヒラさせながらの織姫の言い方に、カンナも真似して反論。

カンナ「あ〜、そゆことですか。じゃねーよ!
    おい、織姫!いくらバカちんのお前でも数勘定ぐらいはできるだろ!
    どう考えてもおかしいだろ!!
    なぁ、マリア。「八犬伝」やめよう!」

マリア「そうは言っても…」

カンナ「そうだ!「七匹の小ヤギ」にしよう!
    次の演目は「七匹の小ヤギ」に決定〜〜!!」

織姫「……ヤギ、やで〜〜す…!!」

カンナの発言を真に受けて、本気で嫌がる織姫。しゃがみこんじゃってます。(^^;;
ですが、二人ともそんな織姫を相手にしないでマリアはカンナを説得。(爆)

マリア「もうパンフレットもポスターも作っちゃってるわよ。」

カンナ「作っちまってるのか!?」

織姫「……ヤギ、やで〜す…!!」

マリア「宣伝だって始まってるわ。」

カンナ「宣伝もしちまってるのかよ!?」

織姫「……ヤギ、やで〜す…!!」

…いや、織姫。もうわかったから!!(^^;;

マリア「前売りも開始してるわよ。」

カンナ「…今なんて言った?」

マリア「…前売りも開始してるわ。」

カンナ「前よりも愛してるわ…だなんて、急にそんなこと言われても、マリア!!」

いつからそんな事にー!!?!!ってかそんな仲に?!(笑)
後ずさるカンナに「違うでしょ!」とマリアも立ち上がる。

織姫「ヤギ、やで〜〜す!」

だから、わかったってば、姫!!(笑)
でも、その直後悟ったように早口でまくし立てる。

織姫「稽古で〜す!稽古しかないです!
   役は自分で掴み取るものなので〜す。
   待っていても空から降ってはきませ〜ん!
   なぜなら、勝利の女神には前髪しかないからで〜す。
   ここんとこハゲ、ここんとこハゲ。」

と、自分の特徴ある前髪の横を指す。(笑)
つまり、常に前進あるのみと…
と、そこに………

レニ「織姫。」

………しょ、肖像画の顔がレニにぃぃ〜〜〜〜!!?!?!( ̄□ ̄)
突然の出来事に、三人とも「うわあぁぁぁ!?!」と大怯み!……そりゃあビックリしますよ〜なんですか?トリックアートですか?( ̄▽ ̄;;

織姫「レ、レニ!?
   どうしてそんなことろにいるですか〜〜?!」

カンナ「レ、レニが絵なった!?!」

レニ「ある意味正しい。」

マリア「…レニ……??!?」

レニ「…おやすみ。」

………何事も無く行っちゃいましたよ;;
しかも笑顔で「おやすみ。」って…レニ〜?(^^;;

カンナ「…大帝国劇場がビックリ屋敷に変身か?
    いっそのこと劇場やめて遊園地にでもするか?」

さくら「そんなのダメです!」

こ、今度は懐中電気を手にしたさくら(夏服)が柱時計の中からぁ〜〜!!?!!
二度目の「うわあぁぁぁ!?!」…どうなってるの?

カンナ「さくら!?お前、何で柱時計の中から出てくんだよ?!」

さくら「…どうしてあたしロビーにいるの!?」

カンナ「いや、あたいのほうが聞いてんだよ!
    質問に疑問で返すなよ!!」

お互いにわけがわからない状態で混乱気味の帝劇ロビー。

マリア「カンナ、なんだかおかしいわ。」

神妙な面持ちで異変を捕らえるマリア。
おかしいって言うよりは、不思議現象と言うような…?

カンナ「おかしいか。おかしいときは……あっはっはっはっは。」

…いや、そっちの「可笑しい」じゃないから。(^^;;

カンナ「ご一緒に。」

さくら「え?あ…あははははは……?」

マリア「カンナもさくらも真面目に答えてよ!」

織姫「マリアさん、もう、そんなに怒ると血圧上がりますよ〜」

怒るマリアの肩に手を置き、ソファに座らせる織姫。血圧上がるって…(^^;;
「4」の時からうすうす感じてはいたんですけど、マリアさんって最近妙に説教くさいというか、真面目一直線と言うか、老け込んだというか…い、いやいやいや!!そんなマリアさんも大好きですよ!!(汗)
いつまでも私の本命はマリアさんです!!
…話がずれましたね、すみません;;
その隣に織姫も座ると、笑顔でズバッと一言。

織姫「ただでさえ寒い国の人は血圧上がりやすいんですからね〜
   頭の悪い二人は何を言ってもムダで〜す。
   (立ち上がり、オーバーアクションをしながら)箸にも、棒にも
   からまりませ〜〜ん!」

えぇ!?!(汗)
もちろん、それに反論しないカンナではありません。

カンナ「あはははは…(マリアが座っているソファに移動しながら)
    なぁマリア。(腰掛ける)おかしいってのは…こいつの頭の事じゃねぇか!?」

織姫「わたしおかしくないで〜す!おかしいのはカンナさんで〜す!
   イマジネーションを使ってみぃ〜〜んなを騙してまーす!」

お、織姫!!それは言ってはいけな……

織姫「イマジネーションを使って、自分のことを小さく見せてるでしょー!!?
   ほんとは二メートルなのに!!」

そ、そうだったのか!!てっきり大きく見えるイマジネーションかと…(笑)
これにはカンナもビックリで思わずマリアに質問。

カンナ「そうなのか、マリア!?」

マリア「織姫、おやすみなさい。」

さすがにマリアさん、これ以上はまずいと踏んだのか、有無を言わさない勢いでソファから立ち上がる。と、しばらくして織姫が「あ。」と納得したように返事。

織姫「そうですね、女優に睡眠不足は大敵で〜す。
   さっすがマリアさん!そこまでわたしのことを大事に考えてくれてたですね〜。
   ありがとうございます。グラッチェ♪
   それではわたし、もう寝ま〜す。おやすみなさ〜い。
   チャオ、チャオチャオ……チャオ!」

まるで「つばさ」を彷彿させるような台詞回しで階段を上がる織姫。きっと「つばさ」を観た方はここでニヤリと笑っていたに違いない。(^^)
織姫が二階へ上がると、カンナが苦笑いしていたマリアへ駆け寄る。

カンナ「マリア、大変だなぁあんな変なのを相手にして!
    マリアは偉いよ!な、さくら?」

さくら「はい、マリアさんは立派です。」(^^)

マリア「ありがとう。」

カンナ「な!
    ところでマリア、折り入って相談なんだけどよ…」

マリア「何?」

カンナ「「八犬伝」はやめよう。」

マリア「……その話はさっき終わったでしょう?」

話題を蒸し返すカンナにマリアは息を吐きながら返す。

カンナ「いやいやいや!マジでだよ。
    だってよ、どう考えてもおかしいぜ。
    すみれが引退して、あたいたちは七人なんだぜ!?」

マリア「…やっぱりどう考えてもおかしいわ。」

カンナ「だろ!?」

マリア「さっきからレニが肖像画から顔を出したり、さくらが柱時計の中にいたり…!」

あ、カンナと話が噛み合ってない。(^^;;

マリア「さくら!」

さくら「はい!!」

マリア「説明して。
    どうして柱時計の中にいたの?」

さくら「あ、あたしは……裏の廊下を見回りしてたら、急に壁がぐるぐるして、気がついたらここに…」

そう聞かれても、さくらさんだって事情はさっぱりですよねぇ。(^^;;

カンナ「夢でも見てたんじゃねぇの?
    夢見ていよう〜♪…」

さくら「違います!!ちゃんと見回りしてました。」

カンナ「そ、そうか…でも、気をつけろよ。二度あることは三度あるって言うからな……」

アイリス「じゃ〜〜ん!アイリス知ってるよ〜!!」

と、カンナのすぐ横の花壇から出てきたアイリス(夏服)。(^^;;
三人目の突然の登場にまたも「うわあぁぁぁ!?!」とビックリ。

マリア「ア、アイリス!?」

さくら「し、知ってるって…何を?」

アイリス「これはね〜全部、紅蘭の発明なの。」

マリア「紅蘭の発明〜??」
カンナ
さくら

アイリス「そうだよ。これはねぇ…」

よいしょっと、と花壇から出てくると、舞台中央へたったか進み、紅蘭の発明紹介のポーズを真似して…

アイリス「じゃーん!ちゃんちゃかちゃんちゃんちゃーん♪
     名付けて、空間移動装置「どこでもくん」一号〜!!」

マリア「空間移動装置「どこでもくん」一号〜??」
カンナ
さくら

アイリス「そう!すみれがやめてからみんなが寂しくないように、なんか面白い事をって紅蘭が作ったの。」

カンナ「紅蘭のヤツ、余計な事しやがってぇ〜〜!」

階段を駆け上ろうとしたカンナを止めるさくら。

さくら「紅蘭は地下ですよ!!」

ピタッと止まって、振り返るカンナ。

カンナ「そうか、地下だよな、地下。
    紅蘭〜〜!!」

と、地下(奈落が入り口)へと下りていくカンナを追ってさくらも

さくら「心配だからあたしも行きます。」

マリア「お願いね。」

二人を見送るマリア。しかし、なかなかかがんだ状態から動かない。
ようやく動いたかと思えば、重い言葉が。

マリア「そうね…カンナの言う通りかもしれないわね。
    すみれが引退してから、私たちなんだか変ね。」

♪「仲間たちよ」

マリアさんのソロ曲。ですが、これはソファに座っているアイリスへの聞かせ歌のようでした。間奏部分の二人の会話が、あまり歌謡ショウでは触れられなかった過去に触れております。

マリア「…ねぇ、アイリス。「八犬伝」のお話って、花組とよく似てるの。」

アイリス「似てる?」

マリア「そう。でも…♪友情は簡単じゃない。」

この一節が終わって、しばらくの長い間奏では、アイリスのセリフ。
横に座ったマリアに話し掛ける。

アイリス「…アイリスね、普通じゃないでしょ。霊力があるでしょ。
     だからフランスにいたときいつも仲間外れだったんだ。
     お友だちはジャンポールたちだけ。
     パパやママも、アイリスの事怖がってたんだよ。」

さらりと言った一言に、マリアは顔を上げて思わずアイリスを見る。

アイリス「でも、日本に行けば、アイリスみたいな不思議な力を持った仲間たちがいるって聞いて
     アイリスすっごく嬉しかった!
     マリアだって、そうでしょ?」

マリア「(マリア、ふっと笑う)…そうね。
    私も花組の皆に出会って、心を開けるようになった。」

マリア「♪そうやって友情と 信じる意味を知った
     深い絆で結ぶ 仲間たちよ」

アイリス「なかよしってこと?」

マリア「信じあうってことかな?」

アイリス「へへ…ちょっとわかる。」(^^)

マリア「同じ志しを持って悲しみや苦しみを分かち合えるって、とっても素晴らしい事なのよ。
    …「八犬伝」、絶対成功させましょう。花組が出会ったあのときを思い出せるように…!」

マリアの言葉に、頷くアイリス。

マリア「♪大きな花となり 時を越えて咲こう
     いつかきっとわかる 血縁のつながりを越え
     そして悲しみを分かち合い 家族となる喜びを
     私たちは信じている。
     ああ 仲間たちよ」

アイリス「ねぇ…マリア。」

マリア「♪ああ 仲間たちよ」

アイリス「「八犬伝」、やろうね!」

アイリスに笑顔で頷き、最後はより一層高らかに。

マリア「♪ああ 仲間たちよ」

二人で高く上を見上げ、暗転。
すると、間を置くことなく次の曲が…

♪光武

奈落から紅蘭(冬服)が顔を見せた…と思ったらなんと!!出ました!いよいよ出ました!ついに出ました!光武!!
カメラスコープの部分までですが、紅蘭が肩に乗れる実物サイズで!!
大きなスパナ片手に光武二式を整備中の紅蘭。高らかに愛する機械を歌います。

最後をカッコ良く決めて、再び奈落が下がっていくと……爆発音。(汗)

紅蘭「またやってもたぁぁ〜〜!!」

何を爆発させた紅蘭ーー!?!!(笑)
そのまま暗転。
舞台が明るくなると、次の日の朝、大帝国劇場前。
下手からほうきを持ったレニ(もちろん冬服)が登場。気持ち良さそうに伸びをしてます。(^^)

♪おはよう グッドモーニング

今回は立て続けに歌なんですね。
青い鳥の衣装を身につけたダンサーさんと一緒に軽やかにダンス。
なんだか歌謡ショウの回を重ねるたびにレニが明るく可愛くなっているような気がします。(^^)

一番を歌い終えると、舞台も回り、帝劇のロビー。
あ、ちなみに劇場ロビーの絵も描いてもらいました。桜花こりん(妹のH.N.)、お疲れ様!ありがとう!!
絵はこちら↓
http://www.tctv.ne.jp/sakurwar/super_kayousyou_butai_robi.htm
こちらもブラウザの「戻る」でお戻りください。

またまた柱時計からさくらが登場!しかも今度は戦闘服。(^^;;
「あれ!?」とうろたえるさくら。

さくら「お、おは、おはよう…」

レニ「おはよう、さくら。」

さくら「ど、どうしたのかしら…」

レニ「どうしたのその格好?」

さくら「光武の早朝訓練に行こうとして、シューターの中に入ったら、ここに…」

レニ「…紅蘭の空間移動装置がまだ働いてるんだ。」

さくら「困ったわね…」

レニ「いいんじゃない。いつもとちょっと違う事を楽しんじゃえば。」

レニの意外な発言に驚き顔のさくら。
そうですよね、レニがこんな事を言うなんて♪

さくら「楽観的ね。」

レニ「…悲観的よりはいい?」

控えめな感じのレニに、笑顔で返事。

さくら「…うん!」(^^)

……微笑ましいですね。(^^)
もう〜〜……元気でカワイイ!!二人ともステキ!!腕組んでくるくる回ってるし!!(>▽<)
二番は二人で歌います♪

レニ「♪くよくよしない」

さくら「♪めそめそしない」

二人「♪素晴らしい笑顔で」

そこに、下手からあくびをしている紅蘭が登場。メガネを口にして目をごしごしこすっています。
二人に「おはよう」と声をかけられ、メガネをかけた紅蘭も仲間入り。……爽やかな朝ですね!

レニ「♪グッドモーニング グッドモーニング
    おはよう」
   さくら「♪おはよう」
      紅蘭「♪おはよう」

全員「♪新しい朝」
    グッドモーニング」

ここのはもりがまた綺麗で。最後は下手でレニ、中央でさくら、上手で紅蘭がポーズ。

紅蘭「おはようさん〜」

さくら「おはよう、紅蘭。」

レニ「おはよう。」

ふぅ、と一息ついて、ここで紅蘭がさくらの服装に気づく。(^^;;

紅蘭「いやぁ、昨夜はカンナはんにたっぷり叱られましたわ〜
   …って、うわっ!さくらはんどないしたのその格好…」

さくら「…どこでもくん一号。」

さくらの呟きに紅蘭は「ああ!!」と慌て顔

紅蘭「しもた!地下格納庫の「どこでもくん」外し忘れてたわ〜!」

レニ「早く外して。これはまずいよ。(さくらの戦闘服を見ながら)
   ボクたち一応秘密部隊なんだし。」

さくら「…一応?」
紅蘭

……一応?(爆)や、やはり帝国歌劇団=帝国華撃団というのはもはや公然の秘密!?( ̄□ ̄;;)
二人の突っ込みにレニはすぐさま訂正。(笑)

レニ「絶対。」

そうですよね〜最優先秘密事項ですものね。(笑)

レニ「とにかく。もしもお客さんが劇場にいる時に、この格好で出てきて…」

さくら「(ばっとポーズをとる)わたしたち、正義のために戦います!」

つられて紅蘭もポーズ。(笑)

レニ「…なんて言ったらまずいよ。」

紅蘭「そらあかんわ!」

さっそく地下へ行こうとする紅蘭をレニが呼び止める。

レニ「でもすごい発明だよね!」

紅蘭「へ?」

レニ「空間を移動するなんて、すごいアイディアだと思うよ。」

アイディアだけでなく、それを実行してしまった紅蘭もすごい!ですよね。(^^)
レニの言葉にぱあっと表情を明るくする紅蘭。

紅蘭「おおきに!!
   ウチな、みんなより霊力が弱いやろ?せやから機械を作るんや。
   機械は人間の弱い部分を補ってくれるんやで。
   みんなの足を引っ張らんように
   すみれはんが抜けた花組の戦力がダウンせえへんように、ウチいろいろ考えてるんや〜」

とんとん、と小さくジャンプしながらちょっと恥ずかしそうに言う紅蘭。
紅蘭は、やっぱり発明ですね。

さくら「紅蘭らしいわね。」

紅蘭「けど、まだまだうまく作動してくれへんのや〜」(^^;;

パカパカと柱時計の振り子の部分を開け閉めする紅蘭。

紅蘭「なんでやろ?……すぐ、外してくるさかいな。」

レニ「あ、紅蘭!」

上手に走っていこうとする紅蘭を呼び止めるレニ。
小さくガッツポーズ。

レニ「ファイト!」

紅蘭「おおきに♪ほなな〜」

微笑ましいです〜(*^^*)
紅蘭を見送った二人がニッコリと笑いあったところで…あ、柱時計からマリアさんが。(汗)
しかもこっちも戦闘服!!(爆)
顔を上げた時の視界の違いに「!?」とうろたえるマリアさん。(^^;;

さくら「あ、マリアさん。おはようございます。」

マリアに気づいたさくらが丁寧に挨拶。

レニ「おはよう、マリア。」

マリア「レニ、さくら……これはいったい…」

レニ「紅蘭の空間移動装置。まだ外してないのがあったみたい。
   今、外しに行った。」

マリア「そう…それで、さくらもここに?」

さくら「はい。
    早朝訓練がんばるぞ!ってシューターにしゅーって入って、スタッて降りたらここで…」

ダストシュートに入ったことを説明するさくら。

マリア「そうなの……私は光武に乗ったらここに…」

紅蘭、この「どこでもくん」っていったいどんな構造になってるの!?
摩訶不思議。(^^;;
そこへ、二回から織姫とアイリスが降りてくる。ああ、早起きがニガテ組みですね。(殴)

織姫「おはようで〜す。」

アイリス「おはよう〜」

織姫「って!さくらさん!マリアさん!
   劇場で戦闘服はまずいで〜す!!」

やはり目に止まった二人の服装。(^^;;

さくら「それがね…」

二人に説明しようと口を開いた所で、反対側の上手よりの階段から最後のカンナが登場。

カンナ「いやいやいや〜朝飯五杯食ったら一本独鈷5本も出てきちゃって大変だ。あっはっはっはっは!」

これって苦笑以外どうしろと?(^^;;
全員がロビーに集まると、カンナもマリアとさくらの服装に気づく。

カンナ「うわっ!ど、どうしたんだ、その格好。マリアにさくらも…
    敵か?敵は何処だ!?」

さくら「違いますよ、カンナさん。」

レニ「紅蘭の空間移動装置。
   まだ外してないのがあったんだ。」

レニの解説に、いつもなら「しょーがーねーなぁ」で終わるはず。いや、花組誰もが終わると思っていたであろう。
けれど、カンナの反応は…

カンナ「なんだと!?
    紅蘭のヤツ、まだ壊してなかったのか?しょーがねぇ、あたいが行って…」

さくら「ちょ、ちょっとカンナさん!」

上手に走っていこうとするカンナを呼び止めるさくら。

さくら「紅蘭はみんなのためを思って、いろいろ発明してるんですよ…」

カンナ「…そんなの、あたいにだってわかってるよ。」

レニ「紅蘭の発明品を壊すっていうのは、ちょっと。」

「壊す」発言でみんなに顰蹙を買ってしまったカンナ。
……やっぱり、ずっと一緒だったお相手がいないと調子が狂うんでしょうかね…

さくら「いつもの、カンナさんらしくないですよ。」

カンナ「…なんだよ、あたいらしいって。」

アイリス「誰にでも優しいカンナってことじゃないの?」

アイリスの発言に動きが止まるカンナ。う〜〜ん、けど……

マリア「カンナ。すみれがやめてから、あなたちょっと変よ。」

カンナ「ふ、ふん!
    それを言うなら、すみれがいなくて七人なのに「八犬伝」をやろうってのに
    反対しないみんなのほうが変じゃねぇか!
    だってよ!ってことはすみれがやる役を他の人にやらせるってんだろ!?
    そんなの、すみれに対して優しくねぇんだよ!」

マリア「カンナ…!」

織姫「あーもー!!わからずや!意地っ張り!
   とうへんぼく!へんくつのクツワムシ!!」

ソファに座っていた織姫が立ち上がりカンナに迫ります。今のカンナにかわす余裕はなし。(^^;;
正面から食って掛かります…

カンナ「なんだと、織姫。お前はいらん日本語ばっかりベラベラ覚えやがって!
    イタリア語も話せないイタリア人のくせに!!」

まぁ!と目を大きく開ける織姫。ある意味「禁句」にみんなざわめき。

さくら「カンナさん、それは言ってはいけない…」

さくらがフォローに入ろうとすると、今日は強気の織姫。

織姫「チェリーさん。心配はナッシングで〜す。」

さくら「あ。あたしは織姫さんに味方しようと…」

織姫「けっこう、けだらけ、ねこはいだらけで〜す。
   あなたは頭の上のハゲを追っていればいいで〜す。」

ハゲ?と会場も舞台も全員がハテナマークを浮かべる。
ハゲ?……さくらさんにハゲ!?(爆)

レニ「…ハエ。」

レニの素早い訂正で「ああ!」と納得。織姫も言い直し。(笑)

織姫「そうそう、ハエで〜す!」

さくら「…はえはえ。(はいはい)」(┌_┌;;

微妙なギャグで場が和んでるのか荒れてきてるのか…いや、荒れてるんだな。

アイリス「もう〜カンナが悪いんだからね!」

カンナ「……何で?」

アイリス「えっ…?」

カンナ「何であたいが悪いんだ?ええ!?」

カンナの予期せぬ反応に、後ずさるアイリス。とっさにカンナを止めようとするマリアと、アイリスの前に入って守るように立つレニ。

カンナ「レニもそう思ってんのか!?
    お前は、掃除もしないのにほうきなんか持ちやがって!」

レニの持っているほうきをぺしっと叩く。
うーん、さっきまで掃除はしてたんだけどね。まぁ、そんな事今のカンナには通じないですね;;

さくら「カンナさん…!」

カンナ「さくらもそう思ってんのか!?
    織姫もか!?」

マリア「いいかげんにしてよ、カンナ!!」

とうとう語気を荒げるマリア。
カンナの意地っ張りの性ですね…ああ、どんどん引っ込みがつかなくなっていく……

カンナ「マリアもあたいが悪いって思ってんのか!?」

マリア「思ってないわよ…!!」

カンナ「ふん!わかったよ、わかりました!!
    どうせあたいが全部悪いんだよ!!」

ガツッとソファの足を蹴る。
荒れたカンナが相当ショックだったのか、アイリスは泣きながら下手へ。

さくら「あ、アイリス!」

すぐさまマリアが後を追う。が、その前にレニに呼び止められる。

レニ「マリア。「八犬伝」、やろうね。」

マリア「…ありがとう、レニ。」

最後にちらりとカンナの方を見て、アイリスを追うマリア。続いてレニ。
(ところでこのシーン、すごく真面目で痛いシーンなのですが、足を蹴ったところが痛むのか、カンナの動きが可笑しくてつい観客からは忍び笑いが…あ、花組さんはそんなカンナに気づいてませんよ。)

さくらも何も言わず上手へと去る。
残ったカンナは「なんでい。」とソファに粗く座る。そこへ、唯一残った織姫が近づき、そっと隣に座って一言。
(21日では花壇の花を抜いて渡していたそうです。)

織姫「カンナさん。
   …七転び八起きでーす。」(^^)

カンナ「…うるさーーい!!」

織姫「な、なんですかー!?
   間違ってないでしょ〜〜!?」

カンナに怒鳴られ、追われ、二階へ避難する織姫。

カンナ「ちくしょう!なんだってんだよ、もう!!」

一人になったカンナは、再びついソファの足を蹴ってしまう。…しかも同じ足で。(^^;;

カンナ「痛!!
    ……すみれぇ……いたっちゃっちゃっちゃ……」

痛いと居なくて寂しい思いが一緒くたになってしまって、最後はちょっと涙声。
ソファにだらっと座り、腕を頭に乗せて天井を見るカンナで暗転。
……カンナぁ……(TT)

場面は変わって、しばらくたったロビー。ソファで本を読むレニと、階段に座り、タオルで顔と髪の毛を拭いている織姫。

織姫「…ねぇレニ。
   わたし一生懸命考えたで〜す。
   「シンデレラ」は主役が二人でーす。ダメでーす。
   「八犬伝」はみんなが主役でーす!だから、「八犬伝」をやるですね〜。」

レニ「織姫……」

ニッコリと笑って、立ち上がり、舞台中央へ。

織姫「きっと支配人はいろいろ考えて「八犬伝」に決めたで〜す。
   わたし、日本の男は優柔不断だと思ってました〜
   でも違いま〜す。日本人は、みんなに優しくあろうとするので〜すね。」

レニ「和を持って尊し……かな。」

織姫「(^^)
   良き解釈はイバラの道を甘く香る花園に変える。ですね〜!」

レニ「どういう意味?」

あ、レニも知らない言葉なんだ。

織姫「イタリアの格言で〜す。
   日本でいえば、雨降って土固まる。でしょうかね〜?」

レニ「…そっか。」(^^)

二人で笑い合うと、織姫がいつもの調子で話題転換。

織姫「あ〜あ!お風呂で難しいこと考えてたら喉乾いてきたで〜す!
   食堂でなにか冷たいものでも食べましょ。かき氷でも食べるで〜す♪」

レニ「ボクも行く。」

二人仲良く下手へ。16日はシロップの話をしながら。レニはミルクだそーです。(^^)
17日(夜)は織姫はイチゴ。レニは練乳。…やっぱりミルク系。私も前はよく家でシロップが無かったので練乳かけて食べてましたよ…ってそんな事はどうでもいいんです!(爆)
この二人も「八犬伝」の意味を知ったんですね!
さて、舞台には見慣れる男性が柱時計から登場。……あ!あの方は…!!

米田「うぅ〜いっと……おお?!!」

米田支配人〜〜!!!
どうやらトイレだと思ったらしく、用をたそうとした所で気がつきました。(^^;;

米田「地下室のトイレに入ったのに、何でこんな所に居るんだ?
   …やっぱり昨日の酒がいけなかったのかな?すっぱかったもんなぁ…(笑)
   甘口辛口ってのはあるけど、すっぱ口ってのは聞いたことねぇからな。」

……それって賞味期限が危ないお酒だったんじゃあ…(^^;;

米田「俺もそろそろ酒控ねぇといけねぇかな……」

そう言いながら、ロビーを観て回ると、下手から大神さんが通りかかって…

大神「あれ?支配人?」

米田「お?おお、大神か。
   (大神の手にしている物を見て)なんだそりゃ?」

大神「あ、はい!今回の公演ポスターです。
   浅草おかみさん会に届けてきます。」

と、手にしていた今回の公演ポスターを広げてみせる大神。
満足そうに米田が頷く。
それにしても、おかみさん会ときましたか。(浅草を観光地として盛り上げようと、応援する会…と言うのでしょうか。本当に浅草にありますよ。この調子でサクラもどんどん浅草に進出しないかしら?)
ポスターを丸めながら目的地に行こうとするが…

大神「ところで…どうなさったんですか、こんな所で…」

普段は支配人室にいる米田がこんな時間にロビーにいるのが珍しいらしく、改めて聞く大神。
すると、不思議な現象を思いだした米田は大神の肩に手を置いて話し出す。

米田「それがさっぱり…地下室のトイレに入ったんだがよ、出てきた先はここなんだよ!
   お前ぇわかるか?」

大神「…わかりません。」

米田「そうだよなぁ…」

二人で頭を傾ける。
が、わからないものはわからない。(笑)

大神「……それじゃあ、行ってきます。」

届け物に行こうとするが、米田に呼び止められる。

米田「あ、おい!大神!」

大神「はい?」

米田「いい加減、俺のこと支配人って呼ぶのはやめろ。」

大神「し、しかし…」

米田「お前ぇはこれから帝国歌劇団の舵取りをしなくちゃならねぇんだぞ!
   俺は言うなれば顧問だ。
   英語で言やぁ、アドバイザーだかオブザーバーだか…まぁ、そんな事ぁマリアに聞きゃいいや。
   とにかく!もっと自覚をもてや!」

大神「しかし!まだまだ米田支配人が必要です!!」

反応を渋る大神に、声を張り上げる。

米田「上官命令!」

大神「はっ!!」(敬礼!)

米田「本日より、支配人としての自覚を持つこと!いいな!!」

大神「はい!!」

米田「…よろしい。持ち場に戻れ。」

大神「はい!」

お、大神さん男前!!
…と思ったら三歩走ったところで止まって…

大神「あの…!」

米田「なんだ?」

大神「支配人見習ってことで、やらせていただきます!!」

深く頭を下げて、今度は声をかけられても行っちゃいました…
やっぱり、大神さんは大神さんですね。米田さんも苦笑い。

米田「あいつ、俺に気を使いやがって……
   へへっ…しかしよ、若いってのはいいな。それだけで価値がありやがる。」

言いながら、「おっと…」と自分の身に降りかかった妙な出来事の原因を探して(?)あたりをうかがう支配人。
階段の上をきょろきょろ見ていると、地下室(奈落)から夏服に着替えたマリアさんが登場。

マリア「米田支配人。こちらでしたか」

米田「お?おお、マリア。
   悪ぃんだが、今日の訓練立会いなんが、なんか変なことになっちまったな。」

マリア「ええ。それで、今日の早朝訓練は中止にしました。
    そのご報告を…」

米田「おお、そうか。
   それじゃあ今日一日ヒマになっちまったな。酒でも飲んでくるか。」

さっき控えるって言ってなかった?(爆)
まぁ、そんなことは米田支配人にはきかないんですね。(^^;;
階段から降りてソファの前を通り過ぎようとしたところで、マリアが口を開いてとめる。

マリア「あの、支配人…」

米田「ん?なんだ。」

マリア「折り入ってご相談が…」

米田「…折り入ってときたもんだ。
   話してみろ。」

ソファに深く腰掛けた支配人に、マリアが重い口を開く

マリア「はい…すみれがいなくなってから、私たちの心がバラバラになってしまいそうな気がするんです…」

みんなをまとめる立場としては、辛いですよね、マリアさん……

米田「トップスターの穴はなかなか埋まらないってか?」

マリア「…はい。」

米田「そりゃあよ、穴を埋めよう埋めようって考えてるからいけねぇんじゃねぇのか。
   いないもんはいない!無い者ねだりをするより
   今ある者で最高の舞台を作ればいいんじゃねぇのか?」

弱気のマリアを強い語気で止める。立ち上がり、マリアの肩に手を乗せる。

米田「今を精一杯生きる!それが観客に伝わればいいんじゃねぇか。」

マリア「今を、精一杯生きる…」

米田の思惑の片鱗を見たマリアは顔を上げる。米田は真っ直ぐに答える。

米田「いいか。すみれがいないからこそ、「八犬伝」をやるんだ。
   そういう風に書いてくれって、金田先生に頼んであるんだよ。
   七人の「八犬伝」なんて前代未聞だ。
   七人の…トップスターの「八犬伝」だ。」

マリア「……わかりました!
    みんなにそう伝えます!」

米田「(満足そうに頷く)おう。頼んだぜ。」

マリア「では、失礼します。」

心の引っ掛かりが取れたマリアは軽い足取りで上手へ。
うぅ……支配人!やはりあなたはすごい人です!!

米田「へへっ…花組はいいなぁ。」

娘たちの姿を見守る支配人……やっぱり、この方は愛情溢れる人です。
と、そこへまたまた柱時計の中から冬服に着替えたさくらさんが。(笑)

さくら「あれ?!
    ……またここだ…」

米田「おう、さくら。」

困り顔(?)のさくらに、米田さんが挨拶する。

さくら「あ、支配人。おはようございます。(深くお辞儀)
    マリアさんが今日の早朝訓練は中止だって…」

米田「ああ、聞いてるよ。」

さくら「あ、はい。
    それで、着替えをして……またここに出てきちゃうんです;;;;;」

…さくらさんって、きっとその柱時計と相性がいいんですよ。(爆)
だってさくらさんだけ3回もそこから出てきてるんですよ。(^^;;

米田「まぁ、どうせ紅蘭の発明かなんかだろうよ。」

さくら「いいえ!」

先ほどのカンナの影響か、とっさに大声で否定してしまうさくら。その声に米田さんもビックリ。
「あ…」と手を口に当てる。

さくら「…すみません。」

米田「なぁに、さくらが謝る事じゃねぇよ。
   紅蘭だって考えがあってのことだろう。
   新しい事をやろうとすりゃあ、失敗もある。けどよ、失敗の先には素晴らしい発明が待ってるんだよ。」

さくら「紅蘭が聞いたら喜びます。」(^^)

米田「ん、そうか?
   …ところで、さくら。ちょっとこい。」

手招きをして自分がいる下手の方へさくらを呼ぶ。
ここで「さくら」のBGMが。

さくら「はい?」

米田「最近お前ぇぽーーっとしてねぇか?」

さくら「え?そ、そうですか?」

米田「何で稽古のときセンターから外れるんだ?」(曲が止まる)

さくら「えっ!?」

米田「外れてるだろ、意識的に!!
   ………怖いのか?」

さくら「…はい。
    すみれさんが立っていた場所に、あたしなんかが立っていいのかって…」

米田「バカヤロウ!!!」

米田の一括に肩をビクッと震わせる。

米田「いつまでそんな事言ってんだ!
   いいか、お前もトップスターにならなきゃいけねぇんだ!!
   わかるか、、このおたんこなす!!」

米田に怒鳴られ、しゅんとなるさくら。
そこへ、上手階段上からカンナが降りてくる。

カンナ「何だ何だ何だ?何大声出してんだよ。」

さくら「あ、カンナさん…」

カンナ「あんまりさくらの事きつく言うなよ。こいつ、いっぱいいっぱいなんだからさ。」

さくらの肩に手を置いてさくらを庇うカンナ。しかし、米田さんはここで引かない。

米田「そうやって甘やかすからダメなんだ!」

カンナ「(ムッとして)…なんだよ。
    さくらがダメなら、あたいたち花組はみんなダメ!ダメ!だぜ。」

米田「なんだと?」

さくら「カンナさん!」

まだまだ拗ねてるカンナに、思わず焦る。

カンナ「いいんだよ、言ってやった方が!
    いいか?だいたい、すみれがいないのに「八犬伝」をやろうってのが
    そもそも間違ってんだよ!
    こんなのは失敗するに決まってんだよ!!」

米田「なんだと?!」

米田さんが何か言おうとするが…
そこに、カンナを探していたのか、二階(上手より)から紅蘭がカンナを見つけて降りて来る。

紅蘭「あ、カンナはん。
   (階段を下りて、カンナの横で小さくなりながら)堪忍な。
   もうどこでもくん一号は全て停止させたさかい。もう、おかしな事はおこらへん。」

紅蘭に「おお、よしよし」と肩をぽんぽん叩くカンナ。
どうやら、紅蘭はさっきまでの微妙な空気に気づいてないみたいですね。

米田「失敗を恐れちゃならねぇ!
   失敗を恐れちゃ前には進めねぇ!」

紅蘭「(ピョンっと大きくなって)おおきに!」

米田「だから「八犬伝」をやるんだ!」

カンナ「紅蘭の発明と舞台とどう関係があるんだよ!」

ようやく紅蘭も緊迫していた空気に気づいたのか、横にいるさくらにこっそり「どないしたん?」と聞く。
耳打ちでさくらの説明を受けた紅蘭は「あちゃ〜…」とさくらと同じ状態で聞き手にまわる。

かえで「あらあら、賑やかねぇ…どうしたの?」

一波乱起こりそうな中に、下手からかえでさんが荷物を抱えて登場。
水を差されたカンナは「いじいじ、いじいじ…」と階段に座り込んで花壇に寄りかかりながらいじけてます。(^^;;

米田「それがよぉ、カンナが「八犬伝」はダメだ!なんて言いやがってよぉ。」

かえで「あら、どうして?
    ほら、台本だってもうできたのよ。」

さくら「台本できたんですか!?」

「うわぁ」と嬉しそうにソファに腰掛けたかえでと米田から台本を受け取るさくらと紅蘭。さっそくページをめくる。

紅蘭「今回の舞台はぎょうさん仕掛けがあるって聞いてるで〜
   ウチの腕の見せ所やな。」(^^)

さくら「そうね。」(^^)

かえで「今回の構成は、米田さんなのよ。」

さくら「支配人直々ですか!?」

紅蘭「そらすごいなぁ!」

テンションが上がる二人に比べ、カンナは「ふーーん!」とまだいじけモード。(^^;;

カンナ「なんでい、なんでい。」

米田「文句も誉めるのも、読んでからにしてくれや。」(カンナの方へ台本を差し出す。)

カンナ「ふん!あたいは読まねぇからな!」

米田「いいかんげんにしねぇか…!」

立ち上がり、また一悶着あるか!?と思ったらかえでさんの横止め

かえで「ああ、米田さん!
    みんなに、公開オーディションの話してくれました?」

米田「お?おお、すっかり忘れてたぜ。
   公開オーディションをするぞ!」

さくら、紅蘭、カンナと一様に「えぇっ!?」と驚き顔。
中でもカンナは大ショック。

カンナ「やっぱり、そういうことなんだ…
    すみれの役を、他の人にやらせるんだ……!
    ……すみれぇぇぇ〜〜〜!!サボテン女ぁ〜〜」

階段の真ん中にショックのあまり伏せると……
うわぁぁ!!上手から「カンナの妄想4」が!
で、今回の犠牲者(?)は…

「オーッホッホッホッホ!!サボテン、マンボ〜〜!!」

♪サボテンマンボ

やたらと速いテンポの曲に乗って現れたのは、サボテンのきぐるみの織姫!!手にはマンボって事で紫の扇子。(笑)

織姫「♪サボテンサボテン、マンボ!
    サボテンサボテン、マンボ!」

ところで、この歌詞なんですが…とにかく織姫の素晴らしい活舌で聞き取れるんですが、早口で書き取れない!!(爆)
ですが、皆様の補足で無事に歌詞が完成しました!!
ありがとうございます。

織姫「疑心暗鬼 以心伝心 弱肉強食 焼肉定食 五里霧中〜♪
   一蓮托生 呉越同舟 天衣無縫 千両役者 無理難題〜♪」

まぁ、見事な四文字熟語でした!!(一部ちょっと違いますが。(笑))

織姫「♪いつでも陽気にサボテンサボテン、マンボ!
    いつでも愉快にサボテンサボテン、マンボ!
    サボテ〜ン〜〜〜〜マンボ!!」

見事に歌い上げて、妄想ボックスに帰る織姫&薔薇組。
場所は戻って帝劇ロビー。

カンナ「……おい。
    今のは何だ?こ、こんな、こんな…」

今見た変な踊りの振り付けを真似するカンナ。
あなたの妄想でしょ!?(^^;;

カンナ「みんな見たか?」

みんな一様に「ううう〜〜ん」と首を振る。

カンナ「見ただろ!?
    支配人も見ただろ!?」

見てない見てない。と首を振るが…

カンナ「だって支配人笑ってたじゃん!
    ウソついてもすぐにばれるんだよ。支配人、ウソつくとすぐえくぼできるんだもん。
    えくぼできてるよ。」

米田「………」

カンナ「あれ?えくぼじゃなくて皺?」

米田「……(うんうんと頷く)」

カンナ「それは失礼しました。」(深く礼)

…なんか急に大人しいし礼儀正しいぞ!(爆)
気を取り直して隣に座っているかえでさんへ…

カンナ「かえでさんは見ただろ!?」

かえで「何を?」

カンナ「…どうしてそうやってウソつくかな。
    かえでさん、ウソつくと鼻の穴おっぴろがるんだもん。
    いますんげぇ広がってる。」

慌てて鼻の辺りを手でおおう。そっか、かえでさんって…と思ったら17日から違ってました!!

―――17日から―――――

カンナ「かえでさん、ウソつくと必ずそうやって髪の毛いじくるんだもん。」

と、髪に必要以上に触っているかえでさん。ごまかす為にかえでさんが出た次の行動は…

かえで「…つけひげ。」

触っていた髪を鼻の下につけてみる!!(笑)

カンナ「キャラ違うだろ!!」(^^;;

―――――――

続いて、かえでさんのすぐ横に立っていた紅蘭へ。

カンナ「紅蘭は見たよな!?」

ふるふるふるっと顔を振る紅蘭。

カンナ「わかりやす。すんげぇわかりやすっ。
    紅蘭、ウソつくとすぐ口トンがらがっちゃうんだから。
    今すんげぇトンがらがってる。」

台本で隠そうとするが「ウソが大嫌い」な彼女は隠しきれず、尖った口が丸見え。(^^;;
紅蘭って、ウソがつけないんですねぇ…

カンナ「どうしてみんなウソつくかなぁ…
    さくらはウソつかないよな!?」

最後、とすぐ横にいたさくらに話を振る。

さくら「えっ!?」

カンナ「見たよな?サボテンの踊り。」

さくら「さ、サボテンの踊り?」

困ったさくらは紅蘭へ目線を…

紅蘭「サボテンの踊り?」

紅蘭はかえでさんへ。おお!伝言ゲームですね!!

かえで「サボテンの踊り?」

そして終着点の米田。
自分のことを指差して…

米田「…野暮天のオヤジ?」

カンナ「上手い!!」

みんなに支配人に拍手を送る。
なんだ、いつの間にか場が和んでるじゃない。(^^)

かえで「またカンナの妄想じゃない?」

カンナ「ええっ!?
    あたいまた妄想しちゃったのか?!」

いや、あの、思いっきり「カンナの妄想4」って書かれてましたから。(笑)

カンナ「頭の中でサボテン女と織姫がごっちゃになったったのか……
    す、すみれぇぇ〜〜〜!!!」

ショックを受けたまま、二階(上手)に駆け上がるカンナ。

さくら「あ!カンナさん!!
    カンナさ〜〜ん!!」

すぐさまさくらも後を追って二階へ。
残った三人は「やれやれ」と息をつく。

紅蘭「カンナはん、重症ですなぁ…」

米田「ありゃ完全に“すみれ依存症”だな。」

たしかに、今回の舞台ではカンナが花組の中で自分の立ち場所がわからないで、浮いている感じが出てますね。
やはり彼女と一番一緒にいたのはカンナですからね。記念すべき妄想第一弾もすみれでした(爆)
「ふぅ…」と肩を落とす三人。

米田「ああ!!」

突然大きな声を上げて立ち上がる米田さん。
な、何か大変な事でも!?!

米田「トイレぇ……」

かえで「えぇ?」
紅蘭

…そういえば、支配人はトイレに行こうとしてたんですよね!
忘れてました。(^^;;

ここで暗転。紗幕が下りて、舞台の前方部分のみに。程なくして上手から薔薇組の琴音さんが登場!
なにやら慌てておりますねぇ…

琴音「ああ、どうしましょう!いったいどうすればいいのかしら?
   歌、歌のお稽古をしましょう!あとダンスと…
   それからえっと…あ!そうだわウォーキングの練習!
   ウォーキング、ウォーキング…
   そして、華麗なるムーンウォーク……できてないじゃない!

言いながら妙に腰をくねらせて歩く琴音さん。(^^;;
ムーンウォークは要練習ですね。(爆)
そこに、上手からうちわを片手に菊ちゃんが登場!

琴音「あああ!どうしたらいいのかしら!!」

菊之丞「琴音さん!琴音さん!琴音さん!琴音さん!琴音さん!
    こ・と・ね・さん!!」

琴音「はい。」

菊之丞「もう、落ち込んでください!!」

琴音「ええっ!?
   ……がぁぁーーーん!!」

落ち込んでください発言に、一瞬止まりつつも、よよよ…と泣き崩れる姿勢に。(笑)
しばらくして、自分の発言に気づいた菊ちゃんは琴音さんに近づいて訂正。

菊之丞「あ、間違えた。
    琴音さん!(立たせる。)
    落ち着いてください!」

琴音「え?じゃあ…
   お茶でも一杯。」

菊之丞「あ、いただきます。」

と、二人で正座をして琴音さんが抹茶を立てる仕草。で、菊ちゃんの前に抹茶を置くと、菊ちゃんは必要以上に茶器を回す。

琴音「回しすぎ回し過ぎ!」

それでもなんとか(?)抹茶を飲み終え、礼をする。

菊之丞「結構なお手前で…」

琴音「ああ、どうも…って菊之丞!!」

立ち上がり、我に返る。(謎)

琴音「落ち着いてなんかいられないわよ!
   花組さんが公開オーディションをするのよ!!」

琴音から大ニュースを聞いた菊ちゃん。
一拍ほど無反応で次の瞬間は…

菊之丞「ひょえぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

と、舞台上手はじまで驚いて引き!…たしかこれ、昔は琴音さんがやってましたよね?(舞台はじまで引き)

琴音「菊ちゃ〜ん。」

戻って来いこい。と手招き。

菊之丞「えひょぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

巻き戻し状態で戻ってくる菊ちゃん。(笑)

菊之丞「大変じゃないですか!琴音さん!!
    もう、落ち着いてる場合じゃないですよ!
    えっと、コラーゲン注射して、脂肪吸引して、永久脱毛して……」

菊ちゃんの方が大騒ぎじゃないですか。(^^;;
盛り上がっている菊ちゃんをよそに、琴音さんは重い顔。

琴音「…ちょっと菊之丞。」

菊之丞「はい?」

琴音「どこにそんなお金があるってのよ。」

菊之丞「えっ?今まで溜めたお金で……」

琴音「思い出してごらんなさい。
   去年の夏……巴里で全部つかっちゃったでしょ。」

言いながらあのレビュウ衣装の切れ込みを手で示す。(笑;;)
巴里で、思いっっきり大暴れしてましたもんね!!

菊之丞「そ、そうでした…」


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