紐育レビュウショウ
「歌う♪大紐育♪」




こんばんは。開き直って大河新次郎ファンと名乗る如月紫水です。(笑)
待ちに待った紐育星組の初公演!!もう、夢中で見てました。
初々しさもあって本当に楽しくてしょうがなかった!です。
DVD化も決まり、一安心ですが(無いかも、と怖い事を聞いてたので喜びもひとしおです。)
来週のブロードバンド放送まで待ってられない!7月まで待ってられない!!ということで記憶が新しいうちにレポート参ります!


―――レポート本文―――――

初めての会場、初めての紐育公演ということでなんだかドキドキしながら会場へ。
厚生年金会館とは近い感じですが、あちらより表通りには面してないのでなんだかひっそりとした感じを受けました。
初めてのショウということか、会場前の出演者によるご挨拶等は無く普通に入りました。

厚生年金会館や青山劇場に比べロビーがこじんまりとしている印象ですが、会場は横に広いです。
普段は音楽的なことに使われることが多いらしく、上手にはとても立派なパイプオルガンがありました。
(今回は、もちろん出番なしですが;;)

とにかく歌謡ショウと違って何が起こるかわからない、ので1ベルの後直ぐに席に着いて待っていると
舞台の上手からホウキではなくモップをかけながら一人の…アメリカ人?が登場!(笑)
金髪のアフロにサングラス、青と白の縦ストライプのオールオーバーの胸の部分にはでっかく唇のマーク。
ってことは、この人は紐育リトルリップシアターの掃除人!?

掃除人「…名前、OG(オージー)・シンプソン。新キャラです。」

舞台中央まで進んだ掃除人さんが名乗ってくれました。OGさんです!(笑)
初日では「この衣装、前日に届いてまだ新キャラのキャラが固まってなくて戸惑ってる」とぼやいてました。

OG「もう、掃除ず〜〜っとやってるんだけど、つらい…
    何が辛いって、給料が安い。週給5ドル。
    これもね、全部支配人のサニーサイドが悪い!」

安すぎですよ、サニーさん!(汗)
やれやれ、とぼやきつつモップを動かしていると…

ジェミニ「O〜G〜〜!」

下手から木のバケツを片手に掃除係姿のジェミニが登場!!
ジェミニに手を振って答えるOG。

ジェミニ「ちゃんと掃除してる?」
OG「してるよ〜!」
ジェミニ「ホント〜?なんか、あんまり綺麗になってない気がするんだけど。」

ちらちらと今さっきまでOGさんがモップがけしていたあたりをジェミニが見ているとOGさんは「この劇場が(もともと)汚いんじゃないの?」と暴言一つ。(^^;;
その言葉にジェミニが「ええっ!?」と驚いているんですが、その後の言葉がうまいものが出ず「ツッコミ弱いね。」とOGさんに逆にダメ出しされてました。

―――18日・夜公演―――――

この辺りは回を重ねるごとにツッコミポイントが変わってましたね。18日の夜公演では「いつも端にいるよ。センターここ。」と舞台の中央を指してジェミニに一歩前進させてました。

ジェミニ「ここ?(センターに足を進めて)ここに立つの?」
OG「(隣に来て)これ、新コンビ?長く続くよ、きっとこれ。」(笑)

だとしたら嬉しいですね!…でもメインヒロインが前説を務めるなんて、ある意味すごいかも。

OG「ジェミニは掃除終わったの?」
ジェミニ「うん!終わった!」
OG「仕事速いね〜」

ちらっと下手の方を見てそう言うジェミニに、OGさんはそう言ってから今度はジェミニの服装に注目して

OG「お腹出して寒くないの?」
ジェミニ「(ちょっと右手でお腹を押さえて)うん…春だから大丈夫!」
OG「春だから大丈夫なんだ!」(笑)

そういえば、ジェミニが掃除係だったときって春〜秋口ですものね。ギリギリ寒くない季節か。

―――19日・昼―――――

楽前、二日目の公演ということもあって、ずいぶん変更点がありました!
まず、OG・シンプソンの設定が固まってきたとのこと。

OG「設定でございます。モップがけ人!(笑)
  おじいさんは、神父でした。という設定にしてください!」

わかりました、インプットしておきますね。(笑)
「今回はキャラ固まってないから、来年に期待してください!」と言ってますが…って、来年!!
やってくれるんですね!ありがとうございます!!

そして、給料が安いとぼやいたところでジェミニが入ってくるんですが、どうもOGの給料が安いのは
“ちゃんと仕事をしてないから”だそうです。(^^;;

OG「週給5ドルなんだよ!」
ジェミニ「それは、ちょっと安いよね…」
OG「でもちゃんと仕事するよ。台本も遅れたしな!みんな困ったよな。」
ジェミニ「う、うん…でも、頑張るよ!」

ジェミニ、健気ですね…!
ここでジェミニにもおじいさんが神父という設定を話してます。

OG「おじいさんが神父なんだよ!だから、シンプソン(神父孫)なの!」
ジェミニ「ああ、そっかー!」
OG「気づかなかった?」
ジェミニ「気づかなかったよ〜…そうだったのかー」

ジェミニ、駄洒落好きなのに。(^^;;
で、話はちゃんと掃除したの?という中に入ります。

OG「ジェミニは終わったのか?」
ジェミニ「うん!ボクのほうはバッチリだよ!」
OG「そうだよな、ジェミニって完璧主義者なんだよな〜」
ジェミニ「そうだよ、なんでもできちゃうんだよ!」
OG「でも……昨日も言ったけど、(お腹の方を見て)それ寒くないの!?」
ジェミニ「うん、ボクも最初ビックリしたよ。初めて着たとき、どこまで上げて縛られるんだろうって…(笑)
     でも、こういう衣装だから!」(笑)

ええ、そうですね。そういう衣装ですね。(^^;;

OG「あ、そうだ。ジェミニ、クッキーあげるよ。」

と、OGがポケットから、クッキーを取り出してジェミニに手渡してました。ちょっと戸惑いつつもジェミニは受け取って、そのクッキーを受け取ってパッケージを見て

ジェミニ「これ日本語だね。」
OG「それね、ミゼット・池田って日系人から貰ったの!舞台部なんだけどね。
  それ食べて練習しなよ。」
ジェミニ「うん、食べてちゃんとおいしいクッキー焼けるようになるよ!」

お、これは…前日に公演を見た人じゃないとわかりにくい会話ですね;;
まぁ、後半に関わってくる会話なんです、これ。
ここで、OGが何か思いついたのかジェミニに声をかけて話題転換を。

OG「最後にさ、敬礼…敬礼じゃないや!」

あれ?今そこに掃除人さんが居ますか!?(笑)
えー、気を取り直して…最後にみんなでやるバキューンを、客席も混ぜて一緒にやろうと言い出したので急遽「バキューン講座」となりました!
ジェミニがバケツを置いて説明をはじめようとすると、OGはそそくさと階段を降りて客席へ。(笑)

ジェミニ「なんで降りるの〜?」
OG「いや、客席から見ようと思ってさ!」

まぁ、いつものことですよジェミニ。(笑)
そして始まった、フィナーレのバキューン!のためのコーナーですが、かいつまむとジェミニがせーのと声をかけたら左手を腰に、人差し指と中指を銃身に見立てた右手を額にかざしてバキューンポーズをとります。(笑)
そして、ジェミニが摩天楼に!と言ったら左手を胸の前で水平にして、その上に右肘を乗せて
「バキューン!」の「バ」で右手を下ろし、「キューン!」で撃つ!!…これがバキューン講座でした。
OGの「難しいって言ってる!もう一回やってください!」のコメントで二回ほど講座を繰り返し、最後に全員一緒にバキューン!をやりました。

ジェミニ「余裕がある人は最後、銃をふーって吹いてください!」
OG「(舞台に戻って)いいよ〜とっても!」
ジェミニ「終わります、初講座を。」

ぺこっと頭を下げるジェミニがかわいいです。(笑)
初講座、お疲れ様でした!
ここで終わりかな?とおもったらOGがこのコンビの話題を振ります。
なんと、OGはず〜っとジェミニの下で働いてたとのこと!それこそテキサスの農場から!(笑)
隅っこで馬の世話とかしてたみたいです。(^^;;

ジェミニ「全然気がつかなかったよ、こんな派手な人〜!」(笑)
OG「こうやって設定が出来ていくんだよ!(爆)
   今はキャラ固まってないけど、来年またがんばろう!」
ジェミニ「うん!じゃあ、みんな!まったね〜!」

ここでジェミニが手を振って下手へとも戻っていきました。
初の講座付き前説で、新たな設定が次々と明らかになりましたね。(笑)

―――――


ジェミニ「じゃあ、ちゃんと掃除するんだよ。」

言いながら、ジェミニは数歩歩いて下手側へ。そこまで行ったところでくるっとこちらに向き直り

ジェミニ「みなさん、今日は本当にありがとうございます!
     どうぞ、楽しんでいってくださいね!それじゃ!」

と一礼してから手を振って下手へと去って行きました。
…で、残されたOGさんは

OG「っておい、放置プレイかよ!
   キャラ固まってないってのに相方いなくてどーすんだよ!」

とぼやいてみるもののジェミニが戻ってくることも無く(^^;;
いつもの諸注意へと入っていきました。「携帯電話をお持ちの方は…捨ててください。」とちょっと大きなジョークが出たりもしましたが(笑)
拍手は細かく歯切れ良く。掛け声もかけてください。等でした。

OG「じゃあ…皆さんも紐育リトルリップシアターのお客さんとして頑張ってください!
   よろしくお願いします!(礼)
   …それでは、これからショウが始まります!どうぞお楽しみ下さい!!」

最後にそう締めて、OGさんは上手へとはけて行きました。
はい、初めてのニューヨーカーとしての公演気合入れて見ます!(笑)
OGさんが居なくなると同時に会場が暗くなり、アナウンスが。

杏里「みなさ〜ん!本日は、紐育リトルリップシアターにようこそお越しくださいました!
   ワンペアの吉野杏里です!
   さぁ、ついに紐育スターファイブのショウの開演です!
   最後まで、ごゆっくりお楽しみ下さい!!」

杏里のアナウンスと同時に舞台の緞帳が静かに上がり、舞台には赤い幕がかかっている状態に。
まだ暗転の中、次はオーナーの声が。

サニー「Ladies and gentleman!
    Thank you for coming today. I'm happy to see you here.
    Now…are you ready?
    It’s show time!!」

すみません、私は正直言って英語能力はほぼ皆無です!(汗…間違ってたら教えてください;;)
サニーさんのショータイム!!という高らかな声と共に曲が流れ幕が開くと、そこはリトルリップシアターのきらびやかなステージ!

♪ここはパラダイス〜リトルリップシアターのテーマ〜

やはり幕開けはこの曲でしたか。
舞台中央に大きな階段があり、金色のハイレグカットのレビュウ衣装と白いドレスに皆様は羽を背負っている女性ダンサーの方々に囲まれる形で白タキシードのサニーさんとその上に金色のジャケットを着た杏里が二人並んで階段の中央で歌いだします。(杏里が下手側です。)

杏里「♪シルクのドレスに悲しみを隠して らら今宵歌う 喜び
    紳士淑女のみなさまへ
    明日の 元気を 胸いっぱいに抱きしめて」

今回はプラムさんが欠席なので杏里がプラムのパートまで歌ってました。
歌いながら階段を降りて舞台中央前方でソロとなりました。
この間、サニーさんは階段の上にいるまま踊っています。
ご自分のパートのところまでくると、サニーさんも階段から降りて杏里の隣へ。

サニー「♪Little Lip’s 世界の恋人」
杏里「♪Little Lip’s Chu Chuu!」
サニー「♪Little Lip’s 娯楽の殿堂」
杏里「♪Little Lip’s Chu Chuu!」
サニー「♪Little Lip’s 光り輝いて」
杏里「♪Little Lip’s Chu Chuu!」
二人「♪ここはパラダイス」

杏里は階段の上に戻って「♪Little Lip’s Chu Chuu!」と歌ってました。
仕草がとっても可愛らしい!そこまで二人で歌い上げると、間奏に入ってすぐに下手からモギリ服の新次郎が登場!
アンサンブルの皆さんと一緒に踊りながら上手へ。(この間にサニーさんも踊りながら下手側へ移動。)
新次郎が上手、サニーさんが下手側に立つと同時に杏里も下手へ。そして「♪Now Let’s Dance! Just Sing a song!」で階段の上に紐育星組が勢揃い!

サニー「スターファイブ!!」

サニーさんがそう叫ぶと、スポットが当たり、階段を降りて舞台前方でそれぞれにポーズ!
リトルリップシアターが誇る5つの星がいよいよ登場です!
下手から、ダイアナ、サジータ、ジェミニ、リカ、昴です。
二番のメロディーの間はそこに杏里、サニーさん、新次郎も加わり
              新次郎
ダイアナ、サジータ、ジェミニ   サニー、リカ、昴
               杏里
のフォーメーションで歌ってました。

全員「♪一人じゃない 絶望するな
    ここは劇場 みんなを包む」

ここから全員歌に加わりました。
全員舞台前方で一列に並び(下手から新次郎、ダイアナ、サジータ、ジェミニ、リカ、昴、杏里、サニー)揃ってダンス!

全員「♪Come-on Singing Come- on Dancing Night and Day
    こころの翼を らら輝かせて さあ夢を Night and Day」

途中サニーさんと新次郎の立ち位置が変わったり、隣同士で前後したりしてましたが最後は全員階段の上に戻り
サニー○  ○杏里
  ○  ○  ○(下手側からサジータ、ジェミニ、リカ)
 ○       ○(下手側からダイアナ、昴)
     ○新次郎
の立ち位置でキメポーズ!!
オープニングからとっても華やかです!!

曲の終わりと共に暗転。紗幕が下りて港に船がついた合図の汽笛の音が。
幕が下りたままの舞台に照明が入ると、上手の方に今付いたばかりの船と思われる書割。
舞台のやや下手側には「IMMIGRATION」=移住と書かれたボックスに一人の職員。
そして、その順番を待つ人たちが4人ほど並んでいます。ここはエリス島の移民局のようですね。当時はここをパスしてようやくアメリカに入国できたんですよね。

女性「OH! NO!!」

たった今審査を受けている一人の女性がなんだかとてつもない悲鳴を上げてますが(^^;;
どうやら審査員のお兄さんに謎かけをされたようですね。まぁ、ジョークとして言ったので
「OK! You are entry OK!」ともちろん入国を許可する印をパスポートに押してもらえましたが。(「Thank you! Thank you!」としきりにお礼を言って下手へと走って行きました。)

審査員「Next, passport please.」

言われて、次の順番だった女性が慌ててパスポートを差し出すと審査員は「You are Belgium?」と訊ねます。
「Yes!Yes!!」と頷く女性。

審査員「Can you speak English?」
女性「…Yes!!Yes!」
審査員「(片手をかざして)What’s this?」
女性「…(少し目を泳がせて悩んで)!Hand!」
審査員「NO!(えっ?と怪訝そうな顔をする女性に)Five!!」

と、指折り数えてみる審査員。(^^;;
なるほど、先ほどの女性もこうやって謎かけられてたんですね。もちろん、悔しそうな顔をした女性は無事入国できましたよ。次は一組の男女なんですが

審査員「Next, passport please.
    (二人同時に来たので止めて)No, one passport please.」

と一人ずつですよ、と教えてまず女性のを見ることに。今度は「Spanish」とスペイン人の女性と(名前はイライザと仰るそうです。)「Germany」とドイツ出身の男性のよう。
審査員が「イナバウアー?」と質問すると、体を反ってみたり。(笑…時期ネタですね。)
ここで審査員が男性に今度は頭に被った帽子を指差して「What’s this?」と質問します。
男の人が「Hat!」と答えますが、またもハズレで審査員は帽子を外して「Head!」と自分の頭を指差します。(^^;;
まぁ、もちろん入国はできますよ。女性の方が喜び勇んで行こうとするのを「Are you marriage?」と審査員が後ろから尋ねると、女性が「Yes!!」と大きな声で返事をして言ってしまいました。
そして、最後に並んでいた女性は手馴れた様子で審査員にパスポートを渡します。

審査員「Are you Irish?」
女性「Yes.」
審査員「(両手をかざして)What’s this?」
女性「H…(Handといいかけて)NO!TEN!」

と指折り数えてみせる女性。これにはやられた、と審査員も「Oh, my god!」と苦笑いしながら入国を許可。
やりすぎてしかえしされましたね。(笑)
パスポートを荷物に入れる女性に、審査員がちょっと身を乗り出して尋ねます。

審査員「Your tiki tiki girl?」
女性「I’m I? Don’t look my Irish.」
審査員「Let’s go drink with me?」
女性「Oh no, your not my time!」

ナンパ失敗ですね。(笑)
華麗にかわして女性は下手へ。残された審査員がちょっとバツが悪そうに帽子を直していると上手から期待に満ちた目で辺りを見渡しながら革鞄片手に和服の新次郎が現れました!
審査員が「Next, passport please.」と言っても聞こえてません。(笑)

審査員「Hey Boy! Passport please.」

身を乗り出して呼ばれて、ようやく気づいた新次郎は「Yes!」と返事をして駆け寄ってパスポートを渡します。審査員がパスポートを確認しているときも「すごいなぁ紐育は…」ときょろきょろと辺りを見渡しています。

審査員「Your Japanese?」
大河「Yes!」
審査員「Your(パスポートを再度凝視して)…19!?ホントに!?」

ちょ、日本語飛び出してますよ!(笑)新次郎が思いっきり頷くとそりゃ冗談だろう?なノリでし審査員が前に出て「You very young! Junior high school student!?」と茶化すと、新次郎はちょっとムッとした表情で

大河「それは若すぎだろ…!
   NO! I have young mind!
   (どんっと胸を叩いて)…若い心ね!」

と自分で自分をフォロー(?)してました。まぁ、審査員もなんとなく納得したみたいでブースに戻って手続きを再開させます。
それにしても中学生か…って本編でもサジータさんやダイアナさんにそれくらいに間違えられてたか。(^^;;

審査員「Your speaking English very well.」
大河「I do.」
審査員「Do you have stay?」

手続きをしがてら、どこに住むのか聞かれた新次郎は懐から一枚の紙を取り出して審査員に見せます。

大河「Please have a look! Little Lip Theater!!」
審査員「You Little Lip!?」
大河「Yes!」
審査員「OK! Your OK!」
大河「ありがとう!」

この審査員、リトルリップシアターのファンなんでしょうか。すっごく上機嫌で入国許可の判を押してました。思わず日本語でお礼を言ってしまった新次郎ですが

審査員「どういたしまして♪」
大河「おい!?」

すっごいにこやかに帽子を外して礼をする審査員。あなた日本人だったんですか!?(笑)
新次郎も驚いてますが、一拍間を置くと舞台が暗転して新次郎にスポットが。舞台センターでこちらに向き直り語りだします。

大河「ぼくは、ある密命を受け、日本を旅立ちました。
   15日間船に揺られ、ここ紐育に降り立ちました。
   紐育は想像を超える大都会です。
   そして、リトルリップシアターのオーナー、サニーサイドさんの下で働くことになった。
   …ぼくの名は、大河新次郎!」

そうか、世間一般的には密命なんですよね。
新次郎が紐育に来ることになったいきさつをかいつまんで説明し終えると、舞台に照明が入り、上手から数枚の紙を手にしたサニーさんが入ってきます!
新次郎の独白を境に舞台は着いたばかりの港から劇場へと移動したようです。

サニー「やぁ、大河くん!(はい、とサニーサイドの方を見る。)
    キミが書いたショウの構成だけどね〜…」
大河「やっぱりダメでしたか?」

すたすたと新次郎の前を通って下手側へと行くサニーさんの後ろ姿を不安げに見る新次郎。ショウの構成…ということは完璧にディナーショウの続きですね。
そんな新次郎にサニーさんは振り返って笑いかけます。

サニー「いいや、初めてにしては上出来だよ。
    大丈夫、素晴らしい!ザッツ・オールライト!!」
大河「本当ですか!?」
サニー「(頷きつつも書類を見て)だけどなぁ〜」
大河「だけどなぁ?」
サニー「いや、トップシーンなんだけど
    ここは田舎の女の子が大都会に来たところから初めようじゃないか。
    で、スターファイブの面々を、歌で次々と紹介していくんだ!」

サニーさんの説明に納得して頷く新次郎。サニーさんは下手と上手を行ったり来たりしながらさらに説明を続けます。

サニー「シーンを短く繋げて、スピード感を出すんだ!」
大河「なるほど、さすがサニーさん!
   ……うん。たとえば、こんな感じでどうでしょうか?」

人差し指を立てて新次郎が提案すると、曲が流れてきて舞台暗転。
新次郎とサニーさんは上手へはけて、ずっと掛かっていた紗幕が上がるとそこにはカウボーイハットを被ったジェミニの後姿が!

♪サムライ魂

ああ、田舎娘が都会を目指す歌ですものね。
この曲、個人的にかなり好きなので生で聞けて嬉しかったです♪
アンサンブルのみなさんの衣装はモガとカントリーの中間っぽいイメージを受けました。
舞台全てを使った歌ではなく、前方半分といったところでしょうか。(青と白の縦ストライプの紗幕がまだ奥に掛かってるんです。)
間奏部分で荒野を走るバスが通り過ぎてしまい(アンサンブルの皆さんはこのバスを待っている人たちという設定のようです)追いかけても追いつかず、ヒッチハイクするように歩くジェミニがお気に入りです♪

ジェミニ「♪ほんの少しだけでいいから 優しさ分かち合おう
      青い空を心に映して 極上の笑顔とともに
      それがテキサスのサムライ」

最後のサビで上手からラリーが登場!ジェミニが手綱を握り、中央に連れてくると歌い上げると同時にアンサンブルのみなさんの手を借りてラリーにまたがりました!

ジェミニ「ラリー、GO!」

ラリーを歩かせ、そのまま下手へ。
曲の終わりでまたバスが通りがかるんですが、またしても逃してしまい今度は慌てて追いかけるアンサンブルの皆さんに「やれやれ」と肩をすくめるジェミニにラリーの嘶きが重なって曲の終わりとなりました。
暗転すると、ジェミニはそのまま下手へ。
間をおかず次の曲のイントロが流れてくる中、ストライプの紗幕が上がるとそこはもう大都会・紐育

♪ザ・シティー

舞台の奥が高くなっていて、横の階段が左右にあるセットの上にサジータと杏里がスタンバイ。
サジータがプラムのパートを担当していました。

二人「♪ザ・グレイトシティ・オブ・ザ・ワールド NY」
サジータ「♪新しい街」
杏里「♪輝く街」
二人「♪ザ・グレイトシティ・オブ・ザ・ワールド NY」
サジータ「♪何者にもなれる」
二人「♪スーパー・シティ」

舞台上では二人のアンサンブルの方が白スーツに帽子で踊っています。
歌いながら二人も舞台の前方へ。一番が終わったところ、間奏に入るとモギリ服の新次郎が下手から走りこんで参加。

新次郎「♪摩天楼の窓に 流れるたくさんの雲が
     この街の ホントのこころ 映し出してる」

センターで歌う新次郎に続くサジータと杏里。
最後のサビでは新次郎とサジータが入れ替わり、下手から杏里、サジータ、新次郎で中央部分に立ち歌い踊る。
ここでアンサンブルの入れ替えが。白スーツの人たちがはけて、シスターの姿をした二人が入ってきました。
最後の盛り上がりでは新次郎が下手、杏里が上手のシスターと踊り、そのままはけていきます。
残ったサジータがセンターでキメポーズを取ると一瞬の暗転の後、すぐに彼女の曲へと入りました。

♪ダウンタウン・ハート

だからアンサンブルの衣装がシスターなんですね。
歌に入ると細長いフェンスを押してさらに二人のシスターと、ちょっと柄の悪るそうな黒人(顔を黒く塗った)男性二人が入ってきます。
この曲はなるべく大人数の方がいい部分がありますからね。

サジータ「♪Downtown Heart いつも笑顔で
      Downtown Heart Oh My Soul
      Downtown Heart ママにキスして
      Downtown Heart Oh My Soul
      Downtown Heart いつも笑顔で
      Downtown Heart Oh My Soul
      Downtown Heart ママにキスして
      Downtown Heart Oh My Soul
      Downtown My Heart」

あまり派手に動いたりはしない曲でした。最後のひときわ高いコーラスは一番下手に居たシスターが担当していました。
曲が終わると同時に、両脇に居た柄の悪そうな男二人がナイフを取り出して、サジータに絡みだします。

不良1「おい、そこのネェちゃん!
不良2「ずいぶんカッコいい格好してるじゃねぇか。」
不良1「哀れな俺たちに、お恵みを〜!」

言いながら、ナイフをかざして脅す二人に、シスターたちは悲鳴を上げてそれぞれ下手、上手二人ずつはけます。(このときに、フェンスも下げてました。)

不良1「頼むぜ〜!」
不良2「おい、金出せって言ってんだよ。」
サジータ「…はんっ」

脅されたサジータは二人を一瞥すると何も言わずに舞台の奥へとまっすぐ歩いて行きます。

不良1「シカトかよ!愛想の無いネェちゃんだな!」
不良2「おい、聞いてんのか、コラ!?」

わめく二人をなおも無視し、サジータは後姿のまま髪を解いてからようやく二人に目を合わせます。

サジータ「…歯の汚い奴。字が読めない奴。
     そして、靴紐の結べない奴はこの国のドリームから見離されるよ。」

サジータがひと睨みすると同時に、下手の舞台奥上部に小さな人影が。
しかし、それに気づかない不良二人は一度靴紐を確認するもサジータを睨み返します。

不良1「なんだと、コラ!!」

感情の赴くままサジータに切り掛かろうとすると、サジータが本格的に動くより早く銃声が響きます!

リカ「お前ら悪いやつ!とりあえず撃っとく!!」

金の銃を抜いたリカがそう叫ぶと、彼女の曲のイントロが流れてきます。
銃声と共にサジータは下手へはけ、不良たちも一時上手に下がります。
去る直前、目を合わせてにっこりと笑うサジータとリカが小さいながらもいい雰囲気だなぁと思いました。

♪バウンティーハンター・リカ

とにかくリカのためにある曲!銃を戻して、歌いながら舞台の前方にやって来ます。
そこに、歌いだしの辺りでアンサンブルの二人が持ってきたリトルリップシアターのロゴが入った板を舞台中央に置いていきます。
その後もアンサンブルの方々が行き来する中歌うリカ。

リカ「♪ばきゅーん! とりあえず 撃っとく!
    ばきゅーん! 銃の腕は すごい!
    行け行けリカ 撃て撃てリカ 野生に生きる」

間奏部分では、先ほど置かれた板の上で見事なタップダンスを披露!!
すごく上手で、可愛いんです、リカ!
タップが終わるとすぐに歌なので拍手をし損ねてしまうんですが;;
タップが終わったリカは下手に移動しながら踊ります。

リカ「♪悲しくたって 涙は見せない わたしは ひとりで やってきた」

この部分で、一旦アンサンブルの人が全て引いて、上手から道化の格好をしたボブ・ラッシー先生が初登場!
元のサビに戻ると、アンサンブルの人たちも戻ってきて最後へ向かいます。
上手からおっかなびっくり入ってきた不良の二人がタップ板を回収して、下手へ。最後にはけたお姉さんに鼻の下をのばしていると、上手に移動したリカに見つかって曲の終わりと共に一発!
まぁ、もちろん当ててませんよ。(^^;;
ふっと得意げに銃口の煙を吹くリカで暗転。すぐさまリカは上手に下がり、下手からは車椅子に座ったダイアナさんが舞台に入ってきます。

♪ある日青空を見上げて

あまり動きがあるイメージの曲ではないのですが、サビで軽くステップを取るダイアナさんが可愛らしいんです。
間奏部分では上手から入ってきたラッシー先生を相手にリフトを披露したりするくらい、ダイアナさん動いています。

ダイアナ「♪青空を見上げて いつかひとりで
      立ち上がる勇気を 少しだけ下さい また涙を流してもいい
      青空を見上げて 空想しましょう
      わたしのすべてを ああ抱きとめる 愛しい人を
      優しい手で わたしを抱いて」

最後のフレーズを歌い終わると同時に、ゆっくりと車椅子に戻り曲の余韻と共に上空を見上げます。

ダイアナ「…夜になって、星空を見つめて……
     そして誰もが孤独を味わうのですね…」

ぽつりと呟いたダイアナさんの言葉と共に暗転。そのまま下手に下がり、入れ替わりに今度は上手から昴が登場。

♪輝く星座

ディナーショウで一足先にお披露目されていた曲ですが、振り付けも全然違うので新しい気持ちで聞くことが出来ました。
歌いながら階段をゆっくりと上がっていく昴さん。

昴「♪イブの偽りには まだ 隠されてる果実が…
   凍てついた 規則に 無意味に身をゆだねる」

間奏部分で、大規模な場面転換。階段上部で腰掛けた昴さんを乗せたまま、階段をぐるりと動かし、こちらに平面を向けると上からリトルリップシアターの入口の看板が下りてきます。(シンバルが大きく響くあたりですね。)
場面はシアターの屋上へと移動したのでしょうか。

昴「♪何を言えばいいのか 言葉にすれば消える果実」

立ち上がって、最後まで歌い上げる昴さん。
歌い終わりは一歩階段を下がって、顔だけこちらに向けた振り返るような姿で。
暗転すると、昴さんはそのまま下へと下がり(現段階では舞台全体をロゴが遮ってるので上から見ない限りどちらにはけたかはわからないのです。二階席から見たら上手でした。)
これでお終いかと思いきや、明るい曲調と共に舞台が明るくなり、上手からジェミニが舞台前方のロゴの前に登場。

♪ボクノユメ

田舎娘が都会に出てきて、生きている歌ですからこの構成の最後にピッタリな曲ですね!「サムライ魂」のときと変わって、カウボーイハットはかぶってません。

ジェミニ「♪未来は明るいだろう ボクは信じていた
      だけどそれはちょっと 間違いみたいだ
      それでも歩いてく」

この部分で、スカートの裾をぎゅっと握って困った顔になるジェミニがなんとも言えず好きです。
一番のサビの前で、ステージの上手寄り、下手寄りの屋上部分にダイアナ、昴がそれぞれ登場(ダイアナが下手です。)
それに続いてサジータとリカも登場。この二人は先ほどまで昴さんがいた部分の階段にいます。

サジータとリカはただ普通に座っているんですが、ダイアナは足をたたんで、ロゴ看板まで下ろしていません。昴は片膝を立てた状態で座っています。
ジェミニがサビを歌い上げると、間奏部分では4人が軽く手だけ踊っています。

二番からはジェミニも屋上に移動して、みんなを見つめてセンターで歌います。

ジェミニ「♪have my dream have my dream 輝くユメを
      have my dream have my dream きっとたどりつけるだろう
      have my dream have my dream 明るい未来
      have my dream have my dream ボクは笑顔で暮らしたい
      ボクノユメを信じて いつも笑顔で歩こう」

最後の「have my dream」のコーラス部分を星組の4人が担当しておりました。
声が重なると深みが増す感じがしますね。
全員が並んで、まるで朝を迎えるような爽やかな雰囲気の中、紗幕が下りて曲の終わりとなりました。

そして、紗幕が下りて上手には新次郎とサニーさんが戻ってきます。

サニー「―――そうだ、そのスピード感だ!現代はスピードの時代だ!
    (下手に歩きながら)長い台詞に耐えられる観客は少ないんだ。
    こう、シーンを短く繋いでだね…」

ねぇ、と初回ではこちらに振ってきました。(^^;;
その後姿を見て、新次郎はある形式が頭をよぎります。

大河「あ、それってコラム形式ですよね!」
サニー「お、よく勉強しているね。」
大河「(頷いて)一郎叔父も、劇場勤務になったときすごく悩みながら
   いろいろ勉強したって聞いています。
   最初は誰でも素人ですが、現場で失敗しながら、恥をかきながら
   粉骨砕身の覚悟で仕事に取り組んでいけば
   必ず認めてもらえると教わりました!」

キラキラした目でそう語る新次郎ですが、サニーさんは上手へ歩きつつ聞き流し…あまり興味のある話ではないのでしょうか。(^^;;

サニー「うん。じゃあ、メインの部分の相談をしようか。」

と、あっさりスルーされてます。(爆)
ちょっと肩透かしをくらっちゃった新次郎ですが、すぐに立て直して下手へと歩くサニーさんに提案します。

大河「メインには何かテーマが必要だと思います!」
サニー「(チチチ、と指を立てて首を振って否定する)テーマ主義は英吉利のお得意とするところだ。
    しかしここは紐育だよ?そんなものは必要ない!ボストン・ティーパーティーさ。」

ボストン・ティーパーティーとは、アメリカの独立戦争の発端となったと言われている事件ですね。

サニー「とにかくサプライズだ!
    メインは、サプライズ!!」
大河「サプライズ…驚きのことですね!」
サニー「(頷いて)英吉利にはロイヤルシェークスピア
    巴里にはコメディーフランス
    羅馬にはオペラ、東京には歌舞伎。
    そしてこの紐育にはレビュウショウだ!」

高らかに宣言するサニーさん。
…ですが、18日の夜公演、19日の昼公演ではこの部分の台詞が飛んだのか、新次郎に「この紐育には…なんだと思う?」と振って「レビュウショウですか?」と答えさせてました。(笑)

サニー「レビュウとは斬新かつ奇抜にシーンを切り貼りするショーウィンドウなんだ!」
大河「ショーウィンドウですか!」
サニー「ショウなんです!」

ショウとかけたギャグなんですが、初日はちょっとウケたものの、後の二公演ではちょっと滑ってましたね。(^^;;
18日の夜では「さっきはここでウケたんだけどな…」とサニーさんがボソッと言ったり
19日の昼では新次郎が申し訳無さそうに苦笑いしながら頭を下げたりしてました。

サニー「紐育は世界一忙しい大都会だ!物語をだらだらと語っている時間は無いんだよ。
    おいしい歌、おいしいシーンだけを切り取って、それをダイジェストで繋げばいいんだ!」
大河「わかりました!さっそくとりかかります!!」
サニー「頼んだよ。」
大河「はい!」

人々が求めているものを提供するのも劇場の勤め、とばかりに高らかと宣言するサニーさんに、新次郎は頷いて準備をするべく上手へかけていきます。
それを下手側で見送るサニーさん。新次郎の姿が見えなくなると同時に、紗幕が上がりそのセンターにいた杏里がひょっこりと顔を出します。
ちなみに、杏里の後ろには屏風の前に石灯籠や提灯を飾り、鎧兜や福助、達磨。間には盆栽が飾られた一種異様な部屋のセットが……言わずもがな、リトルリップシアターの屋上(おそらくはサニーさんの私室でしょうか?ゲーム中には出てきませんが、こういう部屋があってもおかしくないですよね。)ですね。
下手側には二人掛けのソファーもあります。

杏里「サニーサイドさま!大丈夫なんですか?」
サニー「何が?…ああ、大河くんに今回のショウの構成を頼んだことかい?」
杏里「そうですよ!だって、大河さんは素人なんですよ!」

心配する杏里をうんうんと頷いてなだめつつ、サニーさんはソファーの方へ。それを追いかける杏里。

サニー「しかし、彼の叔父である大神一郎は
    あの大帝国劇場の支配人だ。」
杏里「それが?」
サニー「それがって…あの大神一郎は日本人だ!
    大河くんにだって、新しいスタイルのショウを築けると思うんだ!
    直感だけどね。」

ははっと軽く笑ってみせるサニーさんですが、直感でそこまで出来る人ってのもすごい気がします。
でも、まだ杏里は納得がいかない様子。

杏里「でも、いくら大神一郎さんがすごいからって
   大河さんは全然関係ないじゃないですか!」
サニー「血筋を侮ってはいけせんよ、杏里。
    この国は歴史が浅いせいか、なんでも自分たちで作っていると勘違いしているところがある。
    しかし、人類の歴史とはそう簡単なものじゃあない。
    文化とは、血の継承だよ。それをもっともよく表しているのが、あの歌舞伎なんじゃないかな。」

室内に飾られた盆栽をいじりながら杏里に語るサニーさん…アメリカの若さを愛しつつも、いろいろ考えてるんですね。
と、そこに上手からオレンジのスーツに羽飾りの付いた同じ色の帽子を被った派手な人がステップを踏みながら部屋を横切って下手へと去っていきました。(笑)
突然の乱入者に戸惑って目を合わせる二人ですが、すぐに会話を再開させてました。

杏里「御高説、拝聴つかまつりました。(ぺこりと頭を下げる)
   でもここは紐育です!
   カポネが監獄にいて、映画が大産業に発展し
   新しい自動車が次々に発表され
   アボット、コステロやロイドやマルクスが新しい笑いを生み出しています!
   ここは新しい街なんですよ!」

うーん、なかなか杏里が引き下がりませんね…って、二人が議論している中をまたあの人が、今度は下手から入って上手へとステップを踏んで行きます。(笑)

ラッシー「新しい、街!…新しい、踊り!」
サニー「…ラッシー先生、さっきからなにをやってるんですか?」

お、名前が明らかになりましたね!はい、この方こそ紐育リトルリップシアターの振付師、ボブ・ラッシー先生です!
詳しくはドラマCD「オーバー・ザ・レインボー・サンシャイン」を御参照下さい。(笑)

ラッシー「新しいダンスを考えているところなんだよ。
     こう、エネルギッシュで…動物的で…躍動するようなスタイルが無いか
     考えてるところなんだよ!!(ぱっと盆栽たちを見る)
     あ、見っけ。これだよ…東洋のスタイルを使おう!!」

部屋に飾ったあった盆栽がラッシー先生のインスピレーションを刺激したようです。(笑)
自己完結させて頷いているラッシー先生にサニーと杏里は顔を見合わせていますが、そんなことを気にしないラッシー先生はサニーさんの名前を呼びます。

ラッシー「サニー!一歩前進。(言われるまま一歩出るサニーさん)…よろしい。
     君は、ニッポン趣味だったよね。
     (近づいて、右手を大きく上げて体を反らせる)君が踊りたまえ!」
サニー「わたしがですか!?」

同じようにポーズをとってかえすサニーさん。真面目だからまた可笑しいんですけどね。(笑)

ラッシー「嫌なのかね?」
サニー「いえいえ、喜んで!」

喜んで、で懐から扇子を取り出す辺り、用意のいいことで。(笑)
振るだけ振ってラッシー先生は下手へといっちゃいました;;

♪BON−PSY

言われたサニーさんは扇子を広げて張り切って舞いを!…と言いたい所ですが、なんとなく宴会芸みたいな雰囲気が漂っちゃうのはなぜでしょう。(^^;;
曲の前奏中に杏里は上手にはけ、入れ替わりで刀を手にしたジェミニが下手から入ってきます。

ジェミニ「♪君は東からやってきた 優しい風
      幼いけれど なんて熱い」

ジェミニのパートの間、サニーさんは神妙な面持ちでソファに座って出番を待ちます。
間奏部分では背景の紗幕に光が入り、舞台奥の高い位置で内掛けを羽織ったラッシー先生とアンサンブルの方2名が踊っているんですが…二人は頭に盆栽、ラッシー先生は鏡餅の被り物(帽子?)を被ってます。(^^;;
ジェミニとサニーさんはそれぞれ下手、上手で舞い踊り、最後は日本式に礼でしめました。

サニー「…いや〜〜ニッポンはいいねぇ〜〜」
ジェミニ「伝統と格式がありますよね。」

暗かった照明が戻ると、二人ともポーズを解いて憧れの日本へと思いを馳せます。

サニー「ニッポンの美学だな。こう、型があるんだよ。」
ジェミニ「型ってなんですか?」

刀を鞘に納めたジェミニがそう訊ねると、サニーさんは少し困ったように上手側へと歩きながら口を開きます。

サニー「うーんそうだな…スタイルと言うのかな。
    英語にはちょっと訳しにくいんだよ。
    伝統に基づく、鋳型というか…様式美とでも言うのかな。
    型の中に、精神を押し込める!
    一見不自由のようだけど、この型を極めると、精神は無限の自由を持ちうるのだと
    日本人は考えたんだ。
    わたしは、その極意を知りたいんだ!」

うん、と語るサニーさんですが、ジェミニは何かを思い立ったのか上手側で刀を水平に構えて、瞳を閉じて精神統一しています。

ジェミニ「空というところ形無きところ。
     知らざる事を空と見立てるなり。
     無論、空は空にして無なり。有る所を知りて、無き所を知る!
     ハァーーー!!」

最後の、右手の人差し指と中指を立てて気合の声と共に手を前に出す部分は、とても言葉だと伝わりにくいんですが…
音としては「コォォォ!」の方が近いかな?
言い終わると同時に、かちんっと刀を鞘に納めるジェミニは普段と違ってカッコよく見えます。

サニー「ジェ、ジェミニ!なんだね、それは?」
ジェミニ「師匠から授かった極意です。ハァーーー!!」

印を結ぶようなまま、気合を飛ばすジェミニに、サニーさんの目が輝いてるように見えます。(^^;;
ってあの、これ宮本武蔵の兵法五輪書の空之巻ですよね。ミフネさん、剣法は自己流だと思ってたんですが、参考としたところはあるんでしょうか。

サニー「マーベラス!!ニッポンは素晴らしい!
    ファンタスティック!!
    空は空にして無なり…なんって自由なんだ!
    知らざる所を知りて、無き所を知る!まさに真理!!
    我々にないものを、あの大河新次郎は持っている!
    そうは思わんかね、ジェミニ!」

真理、の部分でジェミニは自分が手にしていた刀を鎧兜の隣にある刀置きに収めます。
はい!とにっこり笑って頷くジェミニ。
ちなみに、宮本武蔵と言えば二天一流。二天一流といえば大神さんや新次郎の剣の流派…ちゃんと繋がってるんですね!

ジェミニ「西洋が東洋の心を持つと、世界は変わると思いますよ!」
サニー「そうだよ!我々は東洋を手に入れるぞ!そして新しいショウを作ろう!
    ショウは世界を救うぞ!ショウは思わないか?!」

またも、ショウにかけた洒落だったんですが、こちらはどちらかと言えばすべり気味でしたね。(^^;;
でも、サニーさんはめげずにやる気十分で上手へと足取り軽く進めます。

サニー「それ、そら、そらそら…!!!
    …あ、セリフ忘れた。」

狂言風の言い回しで遊んでいたら、飛んじゃったみたいです。(爆)
咳払いを一つして、姿勢を正すと後ろ(舞台ほぼセンター)にいるジェミニに背を向けたまま話しかけます。

サニー「あ〜…ジェミニ。君はこの後わたしがなんて言おうとしていたか
    知ってるよね?」
ジェミニ「?(両手を広げて肩を竦める)…わからないであります!」
サニー「君は台本を読んでないのか?」
ジェミニ「んもう、しょうがないなぁ…えーと、たしかサニーさんは……
     あ、そうだ!(ぴしっと右手を高く上げて)
     次は、極めて日本的なショウをやろう!
     そうだ!「マダム・バタフライ」がいい!って
     言いたかったんじゃないですか?」
サニー「そう!その通り!!(笑)
    次は、「マダム・バタフライ」だ!!」

サニーさんが高らかに宣言すると、音楽が流れ、暗転。
ジェミニとサニーさんは上手へ下がり、サニーさんの趣味全開の屏風一式は鎧兜で半分に割れて舞台袖へ。
そして紗幕が上がるとそこは「マダム・バタフライ」の舞台。

♪愛の花

白い海軍服に身を包んだダイアナ(眼鏡も外しています)…ピンカートンが上手寄りの舞台奥の高い位置に居て、歌いだしと共に舞台中央にある障子に光が灯り、蝶々夫人の影が映し出されます。
蝶々夫人のパートに入ると障子の裏から昴演じる蝶々さんが静かに登場し、障子の前、畳の部分で祈りを捧げます。
「♪あなたの神様に 祈りました」の部分ですが、物語の中で蝶々さんはピンカートンのためにキリスト教に改宗するのです。それをを表すように合掌から手を組む祈りに変えるのが印象的でした。

二人「♪たとえ嵐が来ても 繋ぎ合ったこの手を
    離さないで」

舞台前方に降りてきたピンカートンと下手へと移動した蝶々さんが互いに歩み寄り、歌と共に舞台中央で抱き合い、寄り添うのですが周りの女性ダンサーが二人を隔てる何かとなり、離れ離れのまま曲の終わりへ。
ピンカートンは下手側の舞台奥の階段から、再び高い位置へと戻り蝶々さんは障子の前で歌います。
曲の最後、蝶々さんが“五木の子守唄”の歌詞を歌い上げるところで、中央から紙吹雪が舞います。

ピンカートン「♪可愛い人 花を敷き詰め わたしの帰りを待っている
        けなげなその姿が 愛を映し出す」
蝶々「♪おどまかんじん かんじん あん人達ゃ よか衆
    よかしゃよか帯 よか着物」

それぞれセンターに立ち、ピンカートンは舞台に背を向けたまま、蝶々さんは真っ直ぐに前を見据えたまま幕が下ります。
次々に倒れる女性ダンサーさんたちは、いったい何を表していたのか…夢の終わりか、蝶々さんの心か。
歌の余韻を噛み締めながら拍手を送ると、上手からモギリ服の新次郎が登場して深々と礼をします。

大河「…みなさん、いかがだったでしょうか。
   第一幕は以上を持ちまして終了となります。
   これより20分間の休憩となります。みなさま、ごゆっくりとおくつろぎください。
   あ、それから!紐育星組のグッズが発売となっています!
   ぼくたち、初めてブロマイドを作ったんです!
   こちらの方も、どうぞよろしくお願いします。
   それでは、第二幕でお会いしましょう!大河新次郎でした!」

最後にもう一度一礼をして、新次郎は上手へ。
その姿を拍手で見送ると会場内が明るくなってきました。
ここまで、感覚的にはあっという間でした。後半も、こんな感じで進んでいくのでしょうか。
あ、ちなみにブロマイドはしっかり全種類ゲットしておりますとも。(笑)



第二幕へ

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