第一幕・薔薇組編その1

雲国斎先生が上手へと去りますと、ここで唐突に響く「ウチャ!喜びの歌」のメロディー!
薔薇組の歌はこれか〜!(何の曲で来るか、いまひとつ予想が立たなくて…)
中央セットの裏からバラを口に銜えて艶やかに登場したのは、琴音さんと菊ちゃん!(曲が終わると同時に「オーレ!」とバラを客席へ投げてました。)
……って、あれ?何時もの薔薇組ですね。

琴音「銀座のみなさ〜ん!盛り上がってますか〜!?(大拍手)
   (頷いて歩き出そうとしたところをさらに振り返って)…本当ですか〜!?」

もちろんです!まるで千穐楽のようなテンションです。(^^)
いつもの拍手→手拍子もバッチリです。(笑)

菊之丞「さすが銀座ですね〜すごいにぎやかです!」

嬉しそうに辺りを見渡す菊ちゃん。ですが、ここで何時もと同じじゃいけない
ことに気づいたみたいです。

菊之丞「あれ?斧彦さんはどこいっちゃったんでしょう?
    さっきまでいたのに…」

琴音「あらホント…どこいっちゃったのかしら?
   ほら、あの子地上に慣れてないでしょ。」

菊之丞「ホント、のんきなんですから、斧彦さんは。」

慣れてないって…(笑)
きょろきょろと探す二人ですが、琴音さんがすっと舞台中央に立つとこちらに向かって一言…

琴音「みなさま…斧彦コールをお願いできますでしょうか?」

もちろんです!!たぶん、それがしたくてしょうがない人たちがこちらにはたくさんいますもの。(爆)

菊之丞「琴音さん、なんだか…菊之丞もドキドキしてきました。」

琴音「あたしたち、ホントは此処出番無かったんですものね;;
   寂しかったわね。
   じゃ、いくわよ…せーの!」

斧彦さーーーん!!!
会場中のコールがかかると……なんと、奈落から光に照らされた斧彦さんが登場!!
…ってその顔につけてるシュノーケルは何ですか!?(^^;;

斧彦「ふごーーー!ん〜〜!ん〜〜〜!!」

琴音「なに言ってるかわからないわよ!」

斧彦「ああ、そうだったわ。
   (ゴーグルを外して)じゃ、改めて…みなさーんお元気ですか〜?」

手を振る斧彦さんに向かって、大きな拍手が。ずっと、待ってましたものね。

斧彦「キャー!チューしてあげる!」

そして、嬉しくなった斧彦さんはそのまま客席へと降りて…ほ、本当に座ってる方にキスを!!(汗)
これには琴音さんも菊ちゃんも驚いて、琴音さんが後を追って客席へと降りてきます。

琴音「ちょっ…あなた、ホントにしたわね!(汗)
   斧彦、チューしていいのはあたしたち薔薇組の部屋に来た人だけでしょ!」

菊之丞「いや、一応チューしていいですか?って聞いて頷いたら良いってことになってます。」

斧彦「そう?じゃ…チューしていい?」

再び最前列の別の方に顔を向ける斧彦さん。
もちろん(?)頷いたので、キスの洗礼再び!(笑)

琴音「って、ちょっと大丈夫?!クセになったりしないでね!(笑)
   しかもよりによってなんでこの服装なのよ!!」

そう、その確認ととって尚且つ了承したその人は、琴音さんのコスプレをしていたのです!(大笑)
薔薇組が薔薇組に絡んでる〜
このままだと斧彦が会場中をキスして練り歩きかねないと思ったのか、琴音さんは斧彦の腕を掴んで舞台の上に無理矢理戻します。

琴音「もう、初めて出揃ったと思ったら台本に無いことばっかりやるんじゃないの!」

あ、今のキスはアドリブだったんですか!?
いやぁ〜…薔薇組はどこからどこまでが予定通りの動きなんでしょう。(^^;;

菊之丞「危険だから今まで出てこなかったんですよね〜
    でも、何で今回出てきたんですか?」

そうそう、今までちっとも出てこなかったのにね。

琴音「決まってるじゃない。お客様の熱い声援があったからよ!」

その通りだ!と言わんばかりの大拍手!うんうん、三人揃うのを待ってましたものね。

斧彦「っさ、盛り上がったところで!
   音楽スタート!!」

琴音「ちょっと、仕切らないでよ!」

斧彦さんの叫びと共に、本当に音楽が。
そして、前奏が流れる中斧彦さんはおもむろにカバンに手を突っ込み…小さなバラの付いたハンドマイクを用意!

琴音・菊之丞「マイマイクかよ〜〜!!」

思わずツッコミを入れてしまう二人にも、それぞれマイクを渡し(笑)
三人での初ソングのスタートです!

♪モダンブギ(薔薇組Ver)

琴音「♪モダンボーイが」
三人「♪街を行く」
琴音「♪デモクラシーと」
三人「♪握手して」
菊之丞「♪かわいい男たちと浪漫がランデブーね」
三人「♪あぁ 夜も更けたわ グッナイ」

…すいません、此処から次のサビまでの部分…聞き取れませんでした!(泣)

三人「♪今日も東京 全てが ららモダン
    いつも東京 オカマって素晴らしい」

菊之丞「♪ネオンを見上げりゃ 別れが辛い
     地下の生活に 明日は無いのよね」

三人「♪今日も東京 全てが ららモダン
    いつも東京 オカマって素晴らしい」

歌詞はモダンギャングと似てますが、ちゃんと薔薇組してますね。
三人揃ってポーズを決め、拍手喝采です!

菊之丞「どうも、ありがとうございます〜!」

琴音「ホントに、緊張したけど楽しかったわ!」

斧彦「もう一曲やろ!」

斧彦さんの提案にえっ?となる二人。え?え?ホントにやるんですか??
と、アドリブなのか本気なのかの判別が付かないまま見ていると、琴音さんが素早く
「そんなこと言うとみんな本気にしちゃうでしょ!用意してないんだから。」
と諌めてました。なんだ、残念。(^^;;

琴音「そうだ!(舞台中央に出て)
   はじめて薔薇組が三人揃ったんだから、なにか美味しいものでも食べにいかない?」

あ、これが台本の流れなんですね。(爆)
さんせ〜い!と手を上げる菊ちゃんに、斧彦さんも乗り気の様子。

斧彦「牛の丸焼きとか?豚の丸揚げなんてのもいいわね。」

菊之丞「もう!斧彦さん、もっと上品なこと言えないんですか?」

斧彦「じゃあ…セミの塩茹でなんてどう!?」

琴音「セミのどこが上品なのよ!
   もう。行くわよ、菊之丞。」

はい!と返事をする菊ちゃんを連れて下手の舞台通路へと進む琴音さん…
って置いてちゃっていいんですか〜?(^^;;

斧彦「あ、待ってぇ〜〜置いてかないでぇ〜〜
   (ふと地面に目を落として)…ガムだわ。
   (ひょいっと拾って口の中に)まだ甘い。ラッキー♪」

ちょ…拾い食いはダメですよ、斧彦さん!!!(滝汗)
琴音さんもビックリして、本当に先に行っちゃいましたよ!<一応、袖で待っていた。

斧彦「もう、一人はイヤ!!」

えー…意外なほど笑いを撒き散らして、斧彦さんも後を追いました。(^^;;
いや〜〜はじけてますね!!
誰も居なくなった舞台はまだ銀座。「メトロで行こう」のメロディーが流れるそこに、奈落からガイドブックを片手に持ったさくら(冬服)とアイリス(夏服)が登場!

アイリス「混んでたね〜〜地下鉄〜〜!!」

さくら「そうね。」

アイリス「ねぇ、次どこに行く?」

さくら「ええっと…銀座〜〜(懐からガイドブックを取り出す)
    …銀座はまず、資生堂パーラーがよろしい。
    西洋の香りと風格を堪能できる。ですって。
    (資生堂パーラーがある方向を見る)あら?
    あれはカフェライオン、あっちはカフェタイガー
    こっちはカフェキリン!?
    ふふっなんだか動物園みたいね。」

アイリス「さくらぁ〜(ひょいっとさくらの手からマップを取る)
     まだガイドブック見ないと銀座わかんないんだ〜」

さくら「だっていろんなお店がありすぎて覚えられなくて…」

アイリス「アイリスは平気だよ!
     だって、巴里はも〜〜〜っと広いもーん!」

さくら「そうね。」

紐育に続いて巴里ですか。意識して地名を絡めてるんでしょうか。
しかしさくらさん…マイペースですね。

アイリス「あ、ねぇねぇ!!
     さくらがいた仙台には、王さまがいたんでしょ?」

さくら「王さま?…そうかもね。
    あのね、青葉城っていうのがあってね、おばあさまの子供の頃には
    そこにはお殿様が住んでいたの。(おとのさま?と首をかしげるアイリス)
    お殿様は、フランスの王様ね。」

アイリス「すてき〜!」

さくら「けど、おばあさまの時代に、王様はいなくなってしまったの。」

アイリス「あ!アイリス知ってるよ!
     日本にも、フランス革命みたいなのがあったんだよね。えっと…明冶ミシン!!」

さくら「カタカタカタ…(ミシンで縫い物をするジェスチャー)
    ……明冶維新!」

アイリス「…いしん〜〜〜…」

しゅーん、となるアイリスに、さくらは優しく笑いかけます。

さくら「お勉強してるのね。」

アイリス「(ぱっと顔を上げて立ち上がる)あのねアイリスね、日本人になるの!」

さくら「えっ…アイリス、日本人になるの?!」

アイリス「うん!日本語がちゃんと喋れるようになったら日本人だってマリアが言ってた!」

さくら「マリアさんが…」

アイリス「だから、アイリスは…ちゃんと、しゃべれるようになるので、ございます!」

さくら「うん、えらいな!」

アイリス「えへへ…
     あ!アイリスお買いものしたいでございます〜〜!」

下手の方へと駆け寄るアイリス。
…なんかちょっと違うような;;
いや、アイリスかわいいからいいんですが…でも、アイリスはもう十分日本語上手なんですけどね。
これからはワンランク上…使い分けがちゃんとできるようになるってことでしょうか。

アイリス「さくらは何がほしいでございます?」

さくら「あたし?あたしは……
    …あたし、今なにが欲しいんだろう?」

アイリス「じゃあ、探しにいこっ!」

さくら「うん!」

素で首をかしげるさくらさんに、アイリスは両手を差し出して手をとります。
ここで軽快なメロディーが流れて…隠し曲です!

♪欲望の街

二人は舞台中央の銀座・和光の時計塔を中心にしたセットに腰をかけて歌います。

さくら「♪今欲しいものはなんだろう」
アイリス「♪素敵なドレス」
さくら「♪髪飾り」
アイリス「♪あれも欲しい」
さくら「♪これも欲しい」
二人「♪迷ってしまう」

ここで、なんとさくらとアイリスを乗せたままセットが回転!
裏側、別の所から現れたのは織姫(夏服)とカンナ(冬服)。彼女たちも街に出てきたみたいですね。

カンナ、織姫「♪ねぇ何を食べに行こう」
織姫「♪ラザニア」
カンナ「♪うな丼」
織姫「♪パスタ」
カンナ「♪すき焼き」
二人「♪ステーキ 迷ってしまう」

回る中央のセットから降りたそれぞれはさくら、アイリスが下手。
カンナ、織姫が上手でそれぞれ電車に揺られるような動き。(カンナがつり革に手が届かなくてふらふらしてる動きです。(笑))
今度は同時に歌います。

さくら「♪今欲しいものはなんだろう」
アイリス「♪かわいいバッグに」
さくら「♪」(ここ、聞き取れませんでした;;)
アイリス「♪あれも欲しい」
さくら「♪これも欲しい」
二人「♪迷ってしまう」

カンナ、織姫「♪ねぇ何を食べに行こう」
織姫「♪カツレツ」
カンナ「♪卵丼」
織姫「♪ピッツァ」
カンナ「♪やきそば」
二人「♪ステーキ 迷ってしまう」

目移りを続ける二組。それぞれ袖に下がると、再びスポットが中央の回転セットに戻ると、
そこにはマリアさん(夏服)が腰掛けてました。

マリア「♪この街には何でもある
     だけど本当にあるのだろうか
     みんな何かを探しているんじゃないの?」

歌い終わり、時計塔の上に移動するマリアさん。再び中央のセットに戻ってくるさくらたち。
上手側にさくら、アイリス。下手側にカンナ、織姫が座り今度は三パターンの歌声が入り混じる。

さくら「♪今欲しいものはなんだろう」
アイリス「♪素敵なコートに」
さくら「♪ハイヒール」
アイリス「♪あれも欲しい」
さくら「♪これも欲しい」
二人「♪迷ってしまう」

カンナ、織姫「♪ねぇ何を食べに行こう」
織姫「♪グラタン」
カンナ「♪牛丼」
織姫「♪ジェラート」
カンナ「♪焼き鳥」
二人「♪ステーキ 迷ってしまう」

マリア「♪この街には何でもある
     だけど本当にあるのだろうか
     みんな何かを探しているんじゃないの?」

はうっ…とどこか疲れたようすのさくらさんたち。結局、決まらなかったんですかね?
疑問を投げかけたまま暗転。紗幕。たしかに、都会には物は溢れてるんですよね。
暗転したかと思ったのもつかの間、下手の舞台通路にラムネを片手に腰掛けているレニ(夏服)にスポットが

レニ「♪夏の陽射しを 軽やかに受け
    大きく手を振り 歩いてゆこう」

♪夢のなかに

久しぶりに高音で歌うレニの曲ですね。朗々と歌い上げるレニ。
一番を歌い上げたところで立ち上がって舞台へ。紗幕が上がると、そこは劇場の舞台裏…稽古場でしょうか。
左右に階段があり(上手側の階段上にはカーテンがかかっていて、下手側はバルコニーのようになってました。)広場になっている中央部分には椅子と台本が。
これから「青い鳥」の読み合わせでしょうか?
椅子に置いてあった台本を大事そうに抱えながら二番を歌う。

そこに徐々に集まってくる花組の面々。最初に上手の階段からマリアが。歌うレニを静かに見守ります。
下手の奥から織姫とカンナがやってくるんですが、マリアが騒がないように、と合図を送り、続いて帰ってきたさくらとアイリスが上手奥からやってきても同じ合図を。
全員が見守る中、レニは最後まで歌いきりました。
もちろん、最後には客席からだけではなく花組からも拍手が。歌い上げるまで気づかなかった様子のレニはちょっと照れてましたが。(^^)

マリア「さぁ、お稽古始めましょう。」

織姫「はーい。」

それぞれに返事をして、席につく面々。

織姫「あ!それなんですか?」

そんな中、アイリスが持っている見慣れないものを目ざとく見つける織姫。
じゃーん!と席に座った織姫とその隣にいるカンナの目の前に黄色とオレンジ色で作られたポーチを見せるアイリス。

アイリス「銀座で買ったの〜!」

織姫「へぇ〜!かわいい!」

アイリス「でしょ〜!さくらは何が欲しいのかわからないんだって〜」

織姫「暑くてぼーっとしてるのかもね〜、さっくらさんは。」

そんな会話は耳に入っていないのか、さくらは上手側の端の椅子に座って台本をめく…る?

さくら「…!?台本忘れた!!」

む、無意識だったんですか!(^^;;
何も持ってないのにページをめくる仕草をしてるなぁ〜と思ったら…慌てて立ち上がるさくらさん。

さくら「あたし、台本取ってきます!」

マリア「急いでね。」

さくら「はいっ!!」

そのまま上手へと走り去るさくらさん。

織姫「あーあー、さくらさんはいっつもぼ〜としてまーす。
   夏暑いですから、なおさらぼーっとしてまーす!」

カンナ「まぁまぁそう言うなよ。あいつも大変なんだよ。
    すみれがいなくなってセンターを一人でしょってるんだからよ。」

織姫「それは、わかってますけど〜」

アイリス「大丈夫、さくらはがんばり屋さんだよ。」

マリア「そうね。でも、もう少し緊張感を持ってもらわないとね。」

織姫「それでーす。」(^^)

下手端から、カンナ、織姫、アイリス、レニ、マリアと座った状態での会話。
…あ、失礼。カンナだけは立ったままです;;
ぱらぱらと台本をめくりながら、素朴な疑問を口にするカンナ。

カンナ「けどよぉ、今回の青い鳥…何でお菓子の家が出てこねぇんだ?」

はい?と全員揃っての怪訝顔。だって、それは…

織姫「…それってヘンゼルとグレーテルでーーす!」

そう!!物語自体が違う!!

アイリス「青い鳥はチルチルとミチルだよ〜」

カンナ「だからよ(下手側の階段を上がりながら)パンくず落としてくやつだろ?」

マリア「それもヘンゼルとグレーテルよ。」

カンナ「ええっ!?(階段の上で)じゃあさ!おばあさんを釜に入れちゃうやつは?」

織姫「ヘンゼルとグレーテルでーーす!!!」

カンナ「ええっ…じゃあ、思い出の国行って死んだじいさんとばあさんに会うのは?」

あ、それは……と口を開きかけた面々を遮って織姫が叫びます。

織姫「それもヘンゼルとグレーテルでーーーす!!!」

レニ「…それは青い鳥だよ。」

はい、レニ。その通りです。(笑)
しかし織姫さん…すごい勢いでした。(^^;;

カンナ「(へっ?となっている織姫に)な!ごっちゃになってるだろ!
    (頷く織姫)よく似てるよな!!」

レニ「青い鳥の作者は、メーテルリンク。ヘンゼルとグレーテルを随分意識したみたいだよ。
   最初の上演台本には衣装はヘンゼルとグレーテルのようにって書かれてる。」

へぇ〜と感心する面々。レニは相変わらず博識ですね。
けれども、カンナは何となく納得がいかないようで…

カンナ「それってさ、パクリじゃねぇの?」

マリア「…オマージュじゃないかしら。」

カンナ「おまーんじゅう…えっ!?おまんじゅうなの〜??」

くっ…この流れは!!わかっていましたさ、誰が犠牲になるかくらい!!今回は紅蘭がお休みですからね!!
全ての時が止まって…案の定、上手側のカーテンは妄想ステージでした!!そこにいたのは…でっかく「福」と描かれた白饅頭の着ぐるみをきたさくらさん!!
ここでも斧彦さん登場!!そうか、ちゃんと薔薇組ですからね、妄想にも参加しないと!(笑)
それぞれの衣装に「お」「まん」「じゅう」と書いてあって、並ぶと「おまんじゅう」になるんです。
ちなみに、斧彦さん、琴音さん、菊ちゃんの順番で並ぶとそうなります。レニ、アイリスと着ぐるみから離れていましたが、久々に戻りましたね。(笑)

さくら「♪おーまんじゅう おーまんじゅう
     一十百千 千客万来!
     鶴は千年 亀は万年
     おまんじゅう!」

でも、メロディーはあれです…運動会とかでよく聞く…クラシックの「天国と地獄」です。
1フレーズ終わると、パン食い競争から徒競争へ。その最後の流れで頭に運動会で玉入れに使うかごを頭に乗せた体操服姿の武田が現れて…動きのテーマは障害物競走?
着ぐるみの中から白玉をドンドン出すさくらさん。あらかじめ周りに散っていた数個の玉は薔薇組の二人が投げてます。(笑…こちらも、真っ白の体操服姿ですよ。)

さくら「♪おーまんじゅう おーまんじゅう
     甘くてふっくら みんなで食べよう
     おーまんじゅう おーまんじゅう
     甘くて美味しい おまんじゅう!おまんじゅう!おまんじゅう!」

ってさっくらさーん!武田に玉ぶつけちゃいけませーん!(笑)
でも競技(?)的にはOKらしく、一位の旗を受け取ると、再度「おまんじゅーうー!」と歌いながら、妄想ステージへと戻り

さくら「いぇい!!」

Vサインで幕!薔薇組は置いていかれました!!(爆)
(いやいや、勢いあまって客席に落ちてしまったり零れた玉を回収するために必要だからおいていかれたんですが)
素早く身を屈めて上手へと戻りました。
ゲストな斧彦さんはあまり玉入れなどには参加せずに、ただひたすらマイペースにお饅頭を食べてました。
そして、お帰りは武田と一緒に奈落へと下がって行きました。(笑)
カンナ「さくら饅頭か〜こりゃめでたいや!はははは…」

織姫「めでたいのはカンナさんの頭のほうでーーす!!」

なんか、今回は織姫のツッコミが炸裂してますね。(^^;;

マリア「…さくらが出ないところから始めましょう。(カンナも降りてきて、椅子に座る)
    24ページ。織姫の猫。」

織姫「はーい。
   …あーあ、疲れた。」

カンナ「こら、疲れるな!猫!青い鳥を探しに行くんだぞ。」

織姫「勝手に行けば〜?どうせそんなものいやしないのさ。」

カンナ「いるさ。光の妖精が言ったんだ!」

織姫「いない、いない。」

カンナ「いるかもしれないだろ!」

織姫「無駄な努力はしないこと〜」

アイリス「ねぇ、チルチルお兄ちゃん…ホントは、青い鳥なんていないんじゃないの…?」

レニ「もっと探そうよ。青い鳥を捕まえれば、みんなが幸せになるんだよ。」

読み合わせは順調ですね。今回の劇中劇…どうなるか楽しみです。

大神「みんな!今、紅蘭からキネマトロン通信が入ってるぞ!」

そこに、下手の階段上から大神さんが登場。バルコニー部分から身を乗り出すようにそう告げると、わっと湧いた花組は立ち上がり上から降りてきた巨大スクリーンに目を向ける。

アイリス「もしも〜し!こうらーん!もっしもーし!」

大神さんも階段を下り、みんなと同じフロアきたところで、スクリーンにノイズが走り映し出された紅蘭の映像…の、背景が…背景が!!

紅蘭「はいな!紅蘭です〜〜」(笑顔で手を振る。こちらの花組も同様)

カンナ「おい、紅蘭〜
    なんだってこの大事な時期に出張してるんだよ〜」

カンナの裏表の無いぼやきに、紅蘭苦笑い。
ここで台本を取りに行っていたさくらさんも戻ってきて、全員で通信することに。

紅蘭「ほんまゴメンね〜
   どーしても!紐育華撃団のスター、調べさせてもらいたかったんや〜!」

カンナ「えっ!?じゃあお前今、紐育にいるのかよ!?」

大神「ああ、そうだよ。緊急で行ってもらったんだ。」

大神さん、あっさり言ってますが花組みんな驚いてますよ。(^^;;
やっぱり、この背景(ちなみに昼)は紐育だったんですね!

カンナ「なんで青い鳥の公演だってのに、紅蘭出張させちゃうんだよ〜!」

大神「それは…」

紅蘭「すんまへん、カンナはん。ウチがわがまま言うたんや。
   (両手を顔の前に合わせて)堪忍やで!
   ま!ウチがおらへんでもみんなで公演、成功させてぇな!」

織姫「大丈夫でーす!まかせて!」

織姫がガッツポーズを取ると、安心したように笑う紅蘭。離れても培った信頼は揺らぎませんね。

紅蘭「おおきに、織姫はん!
   あ、せや!大神はん!」

大神「ん?」

紅蘭「この人が会いたいって!
   (画面外右側を見て)ん?……なにしてんねん、こっちこっち!」

と紅蘭が引っ張ると、画面が横にずれて後姿で映る人物が……って………その、見覚えがありすぎるモギリ服はもしかしなくても!

カンナ「隊長?」

大神「お、この後姿は…!」

大河「一郎叔父!」

わひゃあああああっ!!!!!振り向いたお顔はやっぱり新次郎!!(驚)
なんかもう、画面を眺めている花組の反応を見る余裕も無く画面に釘付け状態なんですがっ<何を隠そう「V」で誰に一番転んだって新次郎ですよ。星組みんな好きですが。
(後日…花組の皆さんは驚きの色が強かったですね。でも、誰かはわかってるみたい。)

さくら「大河新次郎さん!」

やや意外そうだけど、嬉しそうなさくらの声とともに舞台が一瞬のうちに暗くなり、レニにスポットが。

レニ「説明しよう!
   大河新次郎。大神一郎の姉の息子で大神一郎とは叔父、甥の関係にあたる。
   大神一郎に代わって紐育華撃団に協力するために渡米した。
   その活躍は、先月発売された「サクラ大戦V」に詳しく描かれている!」

振り返ったレニはそれだけタイムボカン的に説明すると、またモニターへと身体を向けました。(笑)
照明も戻り、話の続きです。

大神「新次郎、どうだ?紐育は。」

大河「はい!摩天楼に、バキューンッです!」

えっ…新ちゃん、どうだって聞かれてその返しかたって…(^^;;
ちなみに、「摩天楼にバキューン!」は「摩天楼に」で右手で作った銃(人差し指と中指が銃身)を敬礼と同じように頭の横に掲げて「バキューン!」でこちらに向けて撃つ!という動きでした。
もしも、紐育のショウが実現した暁には……これが最後の決めポーズになるんでしょうか?

カンナ「なんじゃそりゃ。」(笑)

大神「そうか、バキューンッか。」

って通じたんですが大神さん!!(笑)

カンナ「っておいおい!納得するなよ!」

当たり前のように返事をするから花組さんたちも「えっ!?」と驚いてますよ。代表してツッコミするカンナ。(^^;;

大河「でも、女性ばかりの華撃団は大変です…
   一郎叔父の苦労がわかります。」

大神「うん…!」

さくら「苦労だったんですか!?」

大神「うん。」

花組「ええーーっ!?」

レニ「苦労なの!?」

少々オーバーリアクションの花組に、大神さん…地雷を踏みましたね。
「苦労ですかー!?苦労なの!?苦労かよ!?」と近くにいた織姫、アイリス、カンナにずずずいっと攻め寄られてしまっています。(^^;;
マリア、レニ、さくらは詰め寄らなかったものの、同じ気持ちのようで(苦笑…さくらさんはその場で「苦労だったんですか!?」と繰り返してましたし)
しどろもどろになる大神さんに助け舟を出したのは、なんと紅蘭。

紅蘭「(手を叩きながら画面に戻る)はいはいはい、またみんなで大神はんを困らせて〜
   あ、せや…帰ったらすみれはんにも会いに行くってそない伝えといてください。
   こっちのスターは、すごいもんな〜!(な〜、と新次郎と目を合わせて頷きあう)
   神崎重工にも、キチンと研究してもらわんとな!」

大神「ああ、わかったよ。」

紅蘭「ほな、皆はん。ごきげんよう〜〜」

手を振りながら画面外へと去る紅蘭。続いて新次郎も締めの挨拶に。

大河「またお会いしましょう、一郎叔父!」

大神「ああ。新次郎も頑張れよ!」

大河「はい!」

ガッツポーズの新次郎がかわいい。(笑…ゲーム本編でも仕草などが一々かわいいと思うのですよ;;)
これで、通信も終わりかな?と思いきや紅蘭が慌てて画面に戻ってきました。

紅蘭「あ、せやった!
   新青い鳥の舞台セット、ちゃんと設計して親方に渡しといたさかい!
   心配せぇへんといてな〜!
   ほな、またな〜」

紅蘭と新次郎が手を振る中、ノイズが走り通信終了(映像終了)
ああ、ビックリした……そういえば、紐育って日常的にキネマトロン使ってないですよね。
和やかに笑い合って稽古を続けるためにこちらに顔を向けなおす花組の面々(大神さんは下手へと下がりました。)

カンナ「紅蘭も、ちゃんと考えてくれてんだよな。
    いねぇのは寂しいけどよ。」

マリア「新しい華撃団の装備を研究するのも、大切な仕事よ。」

カンナ「そうそう、華撃団は秘密部隊だからな。
    歌と踊りの舞台も大切だけどよ(くるりとターンする)
    帝都を守る努力も、ちゃんとしていかないとな!」

歌と踊りの歌劇団、平和を守る華撃団。どちらもあっての花組ですからね。
カンナの言葉に頷く一同。

織姫「そうですね〜(台本を掲げて)でも、今はお稽古がんばるでーす!」

カンナ「おう!あ、けどよその前にみんなで饅頭食べねぇか?」

織姫「お饅頭のかわりに台本食べたらどうですかー?」

カンナ「いただきま〜す(台本をかじろうとして)…ってあたいはヤギか!」

すみれ「山猿さぁ〜〜ん。」

カンナ「…ヤな予感。」

どこからともなく響くお声!紫の照明に続き「なやましマンボ」のメロディー!
下手の階段上に現れたのは、そう…すみれさま!!
前奏にあわせて扇子で舞う姿は相変わらず素敵です。(^^)

すみれ「まぁ〜〜みなさん、カンナさん。おこんばんわ〜」

カンナ「おこんばんわ〜じゃねぇよ!何しにきたんだよ。」

すみれ「まぁ、ご挨拶ですこと。(扇子を付き人に渡して、付き人から果物盛り合わせを受け取る)
    わたくしは神崎重工の重役として華撃団を陰ながら
    そう!あくまでもかーげーなーがーら!ご支援してあげてますのよ。」

ああ、この言い回しも懐かしく心地よい。
階段を降りながらのその台詞を、ほほえましく聞いている花組ですが、上手側へと移動していたカンナが唸ります。

カンナ「なんだよ、その言い草は。もう頭きたっ!!!
    すみれ!!」

すみれ「なんですの?」

カンナ「あのな…!!……いいか、よく聞けよ!!
    …すみれ!!」

すみれ「もう、なんですの?!」

なかなか先の出てこない痺れをきらすすみれ。

カンナ「すみれ!!…会いたかったぞぉ〜〜!!!」

ああ、ようやっと本音が!!その言葉に、すみれも顔を緩ませます。

すみれ「カンナさん…!わたくしもですわ!」

カンナ「すみれ〜〜!!」

すみれに抱きつくために駆け寄るカンナ、それを受けるためにすみれも駆け寄るんですが…

すみれ「カンナさん!
    あ、これ差し入れです。」

手にした果物盛り合わせをすいっと前に差し出して目前でカンナをスルー!(笑)
それでこそ、すみれさま!!

カンナ「肩透かしかよ〜〜!!」

勢いづいたカンナはそのまま下手へ。(笑…あわててさくらが追いかけます。)
果物盛り合わせを椅子の上に置くと、織姫が一歩前に出てすみれに話しかけます。

織姫「すみれさん、相変わらずお綺麗ですね〜」

すみれ「もう一度大きな声でハッキリと言ってくださいます?」

ぴくっと反応する織姫さん。お、これは…こちらも、久々にきましたね。

織姫「…すみれさん。相変わらずお綺麗ですわねぇ〜!」

すみれ「まぁ〜!あなたほどではございませんわ。」

織姫「この辺(頬の辺り)の皺なんか見事にお隠しあそばして!」

言われたら言い返す。しかも、倍にして!
……そんな二人の対決はどんどんヒートアップ!

すみれ「!?まぁ〜随分日本語がお上手になられて。
    イタリア語はもう忘れてしまいましたのね。
    あ〜〜ら!ごめんなさい。そもそもイタリア語の喋れないイタリア人でしたわね。」

織姫「ほーっほっほっほ…喋れますわぁ〜」

と、いつかの正月公演で歌ったお国自慢ゲキテイをさわりだけ披露!
そう、見事に歌ってましたよね!けど、流石のすみれさん。切り替えしてきます。

すみれ「まぁ、インド人だったの。」

織姫「インド人違いまーす!イタリア人でーーす!!」

あ、ちなみに「インド人」だったのは初日の昼夜で14日〜17日は「メキシコ人」と言われてました。
18日は「まぁ〜〜…イ、イ、イ、イギリス人だったの。」とちょっと苦しかったですね。(笑)
19日はとうとう「宇宙人」でしたよ。(大笑)

マリア「もう、二人ともやめて!」

流石にそろそろ…と見かねたマリアが二人の間に入ってきます。一緒にレニも前に出て止めるのかと思いきや…

レニ「ファイト!」

煽りましたよ!!(笑)

マリア「ブレイク!!」

戦いのゴングがなるかと思いきや、こちらも瞬時に止めるマリアは流石です。(大笑)

マリア「それで、すみれ。どうしてお稽古場に?」

すみれ「(ふいっと背を向けて)…陣中見舞いですわ。」

マリア「…それだけ?」

すみれ「……最近の花組、ちょいとおかしくありませんか?」

改めて一同を見つめるすみれ。
…どういうこと?と目で訴えるマリア。

カンナ「なんだと…そりゃどういう意味だよ。」

マリア「カンナ。」

カンナ「こいつに言われる筋合いじゃ無ぇじゃねぇか!
    だってこいつ花組辞めたじゃねぇか!」

さくら「カンナさん…!!」

さすがに雲行きが本格的に怪しくなってきたのを感じ取ったさくらが口を出しますが、これが逆に火に油で…

カンナ「さくら!お前だって…すみれと二人でセンターに立ってたのに
    その片方の柱が居なくなってお前毎晩泣いてたじゃねぇか!!」

さくら「でもカンナさん!それであたし、すごく成長できたんです…」

すみれ「さくらさんはわかってるようですわね。よろしいですわ。
    でも、最近の花組おかしいですわ。」

カンナ「なんだと…!?」

すみれ「お笑い劇団のようになってはいませんか?!」

あいたーー!!そ、それは…否定できないっ(爆)
カンナもやられたっと自分の頭を軽く叩きます。(カンナが中心的にお笑い路線に入ってるので、ちょっとさくらやマリアたちに指差されてます。)

カンナ「誰に言われてもいいけど、てめぇにだけは言われたくねぇんだよ!」

でも、言い返すだけは言い返す。(^^;;

すみれ「お忘れではありませんか?
    …花組の本来の役目は、帝都の安全と平和を守ることですわ。
    舞台は、その為の修行の場です。」

マリア「そうよ、チームワークを養うためのね。」

レニ「それから、神聖な場所に立つことで霊的な能力を高めること。」

マリア、レニの意見に続き頷く一同を一瞥するすみれ。

すみれ「…ご自分たちをお忘れになってなければ、それでよろしいですわ。
    (歩きながら)ま、せいぜい舞台の稽古、頑張ってくださいましね。
    (階段を上りながら)…岡村。
    (控えていた運転手から扇子を受け取る)では皆様、ごきげんよう。」

優雅に一礼をして下手へ去るすみれ。

マリア「すみれ、待って!」

その姿にまだ何かある、と感じ取ったのでしょうか。
マリアも後を追って下手へと駆けていきます。
残った面々はそれぞれにすみれの言葉を反芻します。

さくら「すみれさん、あたしたちが何か見失ってるものがあるんじゃないかって…
    言いにきたんですかね?」

すみれの真意を知りたくて首をひねるさくら、アイリス、レニですが、カンナと織姫は即座に否定。

織姫「そんなことありませーん!あれはすみれさんのただの嫌がらせでーす!」

カンナ「おお同感だ。織姫と同感ってのは嫌だけど同感だ!」

ちょっと引っかかりを感じないでもない織姫ですが、そこにはあえて触れず頷き返してました。(^^;;
が、さくらはそう簡単に切り替えることができず、依然不安顔。

さくら「見失ってるもの…あるかな……」

カンナ「ないない!」

織姫「そうでーす!花組はいつでも真っ直ぐでーす!」

アイリス「うーん…みんなと一緒に居ると楽しいし〜
     お稽古もだんだん楽しくなってきたし〜…
     お休みの日に浅草や銀座に行くのも楽しいし〜……
     見失ったものなんて、ないよねぇ?」

→第一幕・薔薇組編その2へ続く

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