サクラ大戦歌謡ショウ五周年記念公演
「海神別荘」レポート



皆様、こんばんは。またはこんにちは。それでも違う人はおはようございますです。(笑)
如月紫水です。

ただ今もの凄くハイテンションです!!(>▽<)
歌謡ショウを見終えて、そのまま家に帰りこれを打っています。
なので、文章にそのテンションが出ないように抑えるのが精一杯です(^^;;
忘れないうちにいろいろ書きたいので、早速本文に移りますね。

<基本的に初日と11日(昼)…です。>

追記:修正しました。
tommyさん、天狼さん、さいんしいたさん、橘 一朗さん、ryufugaさん、マニはしさん、へーちゃんさん、賽鍵さん、久遥しのぶさん、フェルさん、ぶる〜きんぐさん、FOOLさん、いぬえしさん、しろまるさん、はるか彼方さん、KeNJIさん、ダンさん、黒子組隊長さん、角原パラムさん……どうもありがとうございました!!


―――レポート本文―――

ここの所涼しい日が続いた帝都。隅田川の花火大会は肌寒いくらいでした。
しかし、じわじわと暑くなってきました。
まるで、熱気の高まりがそのまま反映されているかのようですね。
会場の約一時間前に<大帝国劇場>厚生年金会館へ。

普段ならグッツの先行販売が始まっている頃。行くのが遅かったのか、買い損ねました。(^^;;
(仕方が無いので中に入っていた知り合いに最低限の物だけ頼んで買って貰いました;;)
初日以降は改善されていたみたいです。

会場まで知り合いと話したり会ったりして並ぶ並ぶ。
今年からは所々にでっかい桶に入ったでっかい氷があって……日本の涼ですねぇ…などと思いながら手を近づけると、凄い冷気でした。
でも……この氷、一歩離れると全然涼しくないんですよね、風がないと(^^;;
(並ぶところは壁に囲まれているので、あまり風通しが良いとはいえない所ですから…)
できることなら、氷の後ろに扇風機を置いて冷風を感じさせてほしかったです〜…なんて、5年ぶりの浴衣を着ながら思っていると、親と合流。

そしてほどなくして、恒例の出演者の挨拶回り!!
田中公平先生と武田と西村とダンディのボスと金田先生でした。
すみません、イキナリ握手を求めたおばさんは母です;;m(__)m

そして、会場。
ここでも、ロビーにいた広井さんに握手を求める母。
突っ込もうとしたら、かわされて…なんかいつの間にか広井さんと握手をしていました。(^^;;
嬉しいんだか、恥ずかしいんだか……
(DVDなどに映像として残らない事を祈ろう;;)

開演までの1時間……
長いようで、知り合いと話したりしていると凄く短いんですよね。

そうそう、今回の舞台の形はエプロンステージらしいですね。
従来だったらオーケストラピットと客席が隣接していたのですが、今回はオーケストラピットを囲む形で舞台が前に出来たような形で…横にちょっと弧を画くようなエプロン広がりな部分が出来ていました。
それと、一番前の下には青とピンクのライトが一列…劇中に演出として使うライトです。
光がつくと、舞台全体がその色に染まって……なんとも綺麗でした。
1階席からはわかりにくいので、2階席の特権ですね。

それにしても、最前列の人おいしいですね…手を伸ばせば届く所に役者さんが来るんですよ!!
最高じゃないですか!!羨ましい…(^^;;

そしてそして…6:00を少〜し過ぎた頃に、恒例の前説が!!
舞台下に頭にタオルを巻いたいつもの裏方着の広井さんが登場した途端に拍手!!

広井「誰だよ、こんな所に道作ったの!俺が通れねぇーじゃねーか!
   いつもここ通ってたのによ〜
   あ〜あ…って、ここキレイにしておかないと……」

ホウキをはきながら、舞台中央まで。


――11日――

広井さんが登場するときに

広井「寝たの朝の6時だぜ。……飲んでて。
   だから昼の公演は止めようって言ったのに〜〜
   そう言って電話したら「ダメです。」っていわれちゃってさ〜〜」

そりゃ飲みすぎですってば!!(^^;;


――――――――――――

広井「みんな夏は暇だね!(笑)
   正月も暇だけど、夏も暇なんだ!
   お盆だよ。田舎帰らなくていいの?」(笑)

広井「さて、恒例になりました…携帯電話!PHS!それとドッチーモ!(笑)
   今一度電源をご確認ください。時々ピッピピッピなってますからね。」

広井「それと、掛け声、拍手。
   どんどんやってください!!昔の浅草なんてみんなかけてたもんね。
   でも、短くお願いしますね。
   ピッって決まるとかっこいいですから!」

そこに客席から絶妙なタイミングで「広井王子!」と

広井「そう!!(^^)
   ね、会話が途切れた時にピシャッと決める。そうするとかっこいいんですよ。
   掛け声が入ると、ああ、お客さんと一緒に舞台を作っているっているんだなぁって感じますから。」

広井「それと、今回のステージ…もう、目の前ですよね。
   でも、だからって「ぼく、北海道から来たんです。」とか会話しないでくださいね!(笑)
   いくら客席から近いからって
   こんな…しゃがんで演技して目が合っても絶対に会話しないでくださいね!!」(笑)

ああ、記憶力が薄れている;;
こんな事を言ってました。
それと…重大発表。

広井「ここに電報が届いています。
   「5周年おめでとうございます。
    当ホテルでぜひ12月にディナーショーを開催していただきたく
    ご検討願います。
    ウェスティンホテル大阪」
   長くやっているといいことあるね〜〜!!!!(^^)
   もう、検討しちゃいましょう!!
   でもね、12月ってみんな忙しいから全員そろうかどうかは解からないけどね。
   でも検討しちゃいましょ!!」

大阪で!関西の人には朗報ですね!!(^^)
関東の人間が、今度は足を長く伸ばす番ですね。(^^;;

広井「さてと、仕事戻らなきゃな……」

と、下手に行こうと振り返るとそこには親方が!

親方「広井ー!またサボってただろ!?」

広井「ちゃんと仕事してましたよ!
   ホラ!!」

親方「でも、今なんかべらべらべらべら、喋ってただろうが!」

広井「喋ってませんよ、仕事してますよ!!」

親方「お前別の所でも変な事言ってただろう。
   歌謡ショウが今年で終わるって。
   俺の親方としての立場はどうしてくれるんだよ!」

―――15日―――――

この親方の「別の所」が変わっていたようです。

親方「広井、お前ネットで余計な事喋っただろう!」

広井「ネットってなんですか?」

親方「ネットって言やぁ……網だよなぁ;;」

それ以降、コレは「蒸気通信網」となったみたいです。

―――――

広井さん、親方に向かって土下座。
そうだ、そうだ!もっと親方見たいぞ!(笑)来年も!!
……なんて思っていると……

親方「ほらSEGAの香山さんも続けるって言ってんじゃねーか!」

持っていたパンフレットを広げて見せてみる親方。

広井「これって裏切り行為だよな!
   つい一週間前までは「ダメ」だって言ってたのに!!
   いや、ホントに。マジ話。
   もう、そんなこと言ったら来年もやるよ!!」

広井さんの一言に会場から喜びの雄叫び!!
(歓声よりも、雄叫びの方が相応しいだろう)

広井「マジで!もう、ずーーっとやっちゃうよ!!」

前説でこんなに盛り上がった事があるだろうか?否、ない!!
ファイナルだと大きく出ていたので、喜びもひとしおっ!!!!
やっぱり、広井さんはウソツキだって言ってた友人の言葉は正しかった。(笑)

広井「どうせなら、こんなちまちまやってないで8月ぜーんぶやっちゃうよ!」

おおっ大風呂敷。(笑)

広井「でも歌謡ショウって形式はもう五年もやってるからね。
   新しくしないと。
   花組は新機軸ですからね。」

親方「どうするんで?」

広井「今お客さんの歓声を聞いてて、たった今!!タイトルが浮かびました!!
   「広井ー!こうしろーっ!」って電撃が体をビリビリビリビリって駆け抜けましたよ!
   スーパー歌謡ショウっ!!!」

会場からはもう、割れんばかりの拍手、拍手!!!
嬉しい…嬉しい!!来年もこの劇場で会えるんだ!やったぁっサクラは散らない!!
もう、始まる前からヒートアップアップ(^^;;

親方「スーパーになるんだ。」(^^;;

広井「スーパーになれば空だって飛ぶんですよ!
   歌舞伎だってスーパー歌舞伎ってあるじゃないですか!!
   花組も飛びますよ!!?!」

客席の上を?(爆)
いや、そうなったら嬉しいな〜なんて……(^^;;

広井「それでは、舞台を楽しんでくださいっ」

親方と一緒に上手に退散。
もう、ゲキテイ振り付けコーナーはなくなったのかな?


まぁ、なにはともあれ……胸躍らせる開幕です!!
白い正装の公平先生が上手から登場。
オーケストラピットへ。頭をちょっと出して(笑)礼。
いよいよです。
タクトが振られます!!
そして、幕が……
さくらさんのアナウンス。

さくら「ようこそ!大帝国劇場へ!!
    ただ今より、歌謡ショウ五周年記念公演「海神別荘」を開演いたします。
    重ね重ね申し上げますが、今一度、蒸気携帯電話の電源をお切り下さい。
    きってありますか?大丈夫ですか?(^^)
    心の準備はいいですか?
    ……では、幕を開けます!」


花組「ビバ!花組!!五周年記念!!!」

♪花組レビュウ

衣装は従来のレビュウ衣装と同じでした。
他のダンサーの方(野沢那智さんの所の生徒さんみたいです)の衣装は……う〜〜ん…「つばさ」の時のフィナーレ衣装が豪華になったと思ってください。

左からレニ、紅蘭、マリア、さくら、すみれ、カンナ、アイリス、織姫…です。
オープニング、5周年に相応しい華やかな曲で幕開け。
こりゃ、期待するなって方が無理ですよ!!
この曲で早速花組が客席の目の前へ!!
す、すごい……

その時は順番も入れ替わり…左から、さくら、マリア、レニ、紅蘭、アイリス、織姫、カンナ、すみれ
…でした。

紅蘭「♪空に舞う無垢な〜」

花組「♪雪」

紅蘭「♪秘めたるは恋よ〜」

花組「♪花」

紅蘭「♪二人を見つめる〜」

花組「♪月」

紅蘭「♪故郷に吹く〜」

花組「♪風」

アイリス「♪見上げればいつも〜」

花組「♪星」

アイリス「♪あなたと私が〜」

花組「♪夢〜」

花組「♪みんなと共にある〜喜び〜〜」

織姫「♪世界を輝か〜せる」

レニ「♪世界に虹をか〜ける」

このフレーズが終わると移動開始。
(そうそう、紅蘭とアイリスのソロ部分のメロディーはソロじゃない人は膝をついて踊っていました。)
元の位置へ戻りながら…

マリア「♪華やか〜で楽しい
     歌とダンスが弾ける」

カンナ「♪花咲き〜みだれ、心ゆ〜たかに」

花組「♪声高〜ら〜か〜に〜〜」

もうもう……ひたすらに素敵でしたっ
今でも、曲が全然頭から離れません。
まさに…世界を輝かせる舞台!!


曲が終わって、拍手が鳴り止んだ頃。
紗幕が下りていた舞台の向こうに光の点点が……それとともに子供の歌声。

「♪ちょぉ〜おちん行〜列、よ〜いやさっさ。ちょぉ〜ちん行〜列、よいやさっさ。」

「待ってよ〜〜!!置いてかないでよ〜〜〜!!!」

どんどん進んでいく光の点点を追いかける一人の女の子。
去年は竜神会の一人娘役をやった杏奈ちゃんです。今回の舞台では出番はこれだけでした。(^^;;

列に追いつく為に走って舞台を駆け抜ける。
それを下手手前で見かけたかえで。手には何か四角い平面的な包みを持っている。

かえで「お盆かぁ…私も小さい頃、ちょうちん行列やったわね。」

昔を思い出し、微笑むかえで。

かえで「迎え火たいて、お供え物して……あ、そうそう!
    きゅうりやナスに割り箸さして、馬作るのよね!
    あれバナナじゃいけないのよね。」

しょっぱなから笑わせてくれます、かえでさん(>▽<)/
去年バナナになったから愛着があるのかしらん?(^^;;
バナナの馬………なんだかなぁ…想像できないや;;
でも、かえでさんファンは今年のお迎えはバナナ馬にしている人がいたり…しないですよね、さすがに(^^;;

はっとなり、目的地へと急ごうとしたその時…

かえで「あ、金田先生!」

道端を歩く金田先生を発見。
その声に、金田先生もかえでに気づき……

金田「ややっこれはかえでさん!
   いやいやいや…台本どおりとは言え、奇遇ですなぁ!」

それは言っちゃいけないお約束です!金田先生!!(笑)
かえでさんも苦笑。(^^;;
気を取り直して……

かえで「今お宅に伺おうと思っていたんですよ!」

金田「いやいやいや…最近帝国歌劇団からお声が全然かからなくて…
   この金田金四郎、家でゴロゴロしているうちにカビが生えて、そのカビからペニシリンまで出てきて……
   …今なんていいました?」

いや、金田先生…いくらなんでもサビすぎです。(^^;;
言いながら、舞台中央へ。
ふと、かえでさんの最初の一言を思い出し聞きなおす。

かえで「で、ですから、今お宅に伺う途中だったんです!」

金田「拙の宅へ!?
   では、また帝国歌劇団のお役に立てる時がきたんでゲスね!!」

かえで「はい!」

金田「いやいや嬉しいですなぁ…で、演目は?」

かえでさん、一息入れて力強く演目を告げる。

かえで「泉鏡花の「海神別荘」!」

金田「なんと!あの泉鏡花先生を!!
   いやはや…これは難しいでゲスなぁ……」

かえで「あの、それで先生……
    お稽古とかのことを考えると、あまり時間が……」

金田「して、どれくらい?」

かえで「これで!」

と、指を三本立てるかえでさん。

金田「三ヶ月!?」

かえで「…これで!」

金田「三週間!?」

かえで「三日で!!」

普通に考えたら……なんて期日;;

金田「なぁ〜んだ三日もあるんでゲスかぁ……って三日かよ!オイ?!!」

ですよね、金田先生。(^^;;

かえで「お願いします、先生にしかお願いできないんです!!」

かえでが頭を下げると……上手からダンディ団のボスこと、団耕介が登場!!!
「花 命 組」(命だけちょっと大きい字です。)と、もう半面に「帝國歌劇団」と黒で書かれた扇子を手にちょっと踊りながらの登場。
かえでと金田先生を見つけ、近づいていく。
その様子に気づかず、かえでと金田先生は会話を続ける。

金田「そ、そんなぁ……
   大体なんでそんな事になったんでゲスか?」

かえで「実は別の台本があったんですけどね、米田支配人が急に…
    「花組には冒険をさせるんだ!新機軸だぁ!!」って叫びまして…
    もう記者会見してしまって………」

金田「そりゃあ、大変でゲスなぁ…」

ダンディ「何が大変なんですか?」

かえで・金田「うわあぁぁ!?!」

大仰に驚く金田先生。ああ、こけちゃった;;

かえで「ああ、びっくりした;;」

金田「だ、誰ですか?あんたは!」

ダンディ「俺ですよ、ダンディ団の……」

扇子を口にくわえて…新春と似たような、けどちょっとグレードアップした踊り自己紹介をするダンディのボス。
相変わらず、華麗で素敵な自己紹介(^^)

ダンディ「団耕介ですよ。」

金田「この人は踊らなきゃ自己紹介できないんですかね?」

……だから、それも言っちゃいけない部類ですよ、先生!(爆)

ダンディ「で、何が大変なんですか?」

金田「いえね、花組さんの次回公演の台本がでゲスね……」

ダンディ「花組さんの次回公演……どんな、演目なんで?!」

かえで「海神別荘です。」

ダンディ「出雲のお国の怪人28号?」

(爆)んな聞き間違えしなくても……
二人ともこけちゃったじゃないですか!!

金田「違うでゲス!「海神別荘」でゲス!!
   これは、大変でゲスなぁ……悩みますなぁ……」

ダンディ「そういう時は温泉に行きやしょうよ!」

金田「温泉!?いいでげすなぁ〜!
   ねぇ、かえでさん!温泉で台本書きやしょうよ!」

ダンディの提案に大乗り気の金田先生。

かえで「そうねぇ……でも、お盆でしょ。今から汽車の切符がとれるかしら?」

ダンディ「じゃあ、あっしのバスで行きましょう!」

かえで「えっ!?ダンディさん、バス持ってたんですか!?」

ダンディ「船も持ってたんですけどね。」

ちょっと照れながら言うボス。
船……ああ、あのOVA〜轟華絢爛〜の第二幕で壊れた(壊された?)ヤツですね。(^^;;

ダンディ「それにしても…花組さんと温泉。夢のようだぁ……
     さくらさん、シャボンでお背中を流しましょう!
     いいえ、あたしがダンディさん。
     さくらさん……!!」

一人ある種妄想を広げるダンディのボスに、かえでが肩に手を置いて一言。

かえで「花組行かないわよ。」

ダンディ「そ、そうですよね………しゃぼ〜ん……」

しょぼんとシャボンをかけて……ダンディさんお上手!!(笑)

金田「ダンディさん、あんた代わりにあたしの背中を流しなさい。」

かえで「さぁ、行きましょうか。」

ダンディ「それじゃ、バス引っ張ってきます!」

ダンディのボス、下手へ走っていく。

金田「かえでさん、ぱーっといきましょう!」

かえで「ふふっ…先生は、ぱーっとお仕事!」

金田「しゃぼ〜〜ん……」

首を下げてうなだれる金田先生。
でも、顔を上げて見合わせると二人で笑顔。さぁ、出発だ!!

♪バスは行く行く夢乗せて

上手から「♪号ィデンダ♪」と書かれた小型バス(?)に乗って(引っ張って?)登場したダンディ、かえで、金田先生の三人。
そのまま歌いながら舞台中央へ。
中央に来るとかえでさんとダンディのボスは二人で歌って踊る。
金田先生はと言うと……何処から出したのか、湯のみとお酒を取り出して、ご機嫌気分でした。(^^;;


―――11日――――――

別に、かえでさんたちに変わったことは無いのですが…
後ろの紗幕が上がるはずだったのに、なんか引っ掛かってたのか…上がらなかったんですよ。
いや、後ろはきっとてんてこ舞いだったんだろうなぁ……

―――――――――――――――――


そして、曲が終わりバスが下手に消えた頃。
暗い辺りに白狐の群れが…舞台を跳ねる。
怪しい雰囲気。鳴き声を残して、去って行く。

さてさて…それも一変して……今まで閉じていた紗幕が上がり…(おそらく)小さな下町の一角。
左に稲荷神社。右に「名代 見返り稲荷ずし」と書かれた稲荷寿司屋。真ん中に石段。
店の中では、一人の男が眠っている。

女「まったく…毎日毎日暑いわねぇ……
  松きっちゃ〜ん?いないの〜??」

寝ている男「松吉」を探す一人の女性。前前回の「アラビアのバラ」では新聞記者。前回の新春歌謡ショウで親方の助手をしていた山沢のりさんである。
この人も、長年歌謡ショウに参加していらっしゃる方の一人。もうすっかりファミリーですね。
でも、パンフレットには「女」と役名がされているので、そっちで通しますね。

女「なんだ、いるんじゃないの。
  ほら、起きて!
  ……もう、いいわ、勝手にやっちゃえ。お足、ここにおいて置くからね。」

寝ている松吉を揺さぶるが起きる気配なし。しかたなく、女は店の奥から稲荷ずしを取り出し、お代を置いて隣りの神社へ。
御稲荷さんにお供えして、御参り。

そこに、三味線の音色が……

雲国斉「仏ほっとけぇ〜世は情けぇぇ〜〜〜
    墨田名物数あれどぉ〜
    月島界隈のさぁくらぁ〜もちぃ〜〜
    おっと忘れた。見返り稲荷神社ぁぁ〜〜〜」

女「いよっ日本一!」

……浪曲って覚えるのが難しいです;;
米田支配人より数十倍上手い(爆…わからない人は、花組対戦コラムスの米田のストーリーモードをやろう。)浪曲師の登場。
下手石段の上から階段を下りるまで、見事な浪曲。
唄いながら稲荷神社の説明。(昔からある名物だとか…)
唄が終わり…女に道を尋ねる。

雲国斉「あの、すみません。大帝国劇場にはどう行けばいいでしょうか?」

女「あ、そこの向こう側の通りの広小路から、バスで一本ですよ。」

雲国斉「どうも。
    走れ〜高速の〜帝国〜かげき団〜〜」

ああ、三味線バージョンのゲキテイを唄いながら!!上手(広小路)に!!
なにか帝劇に用事だろうか?
ちょっと女は首をかしげて、反対の上手へ歩いていく。

そこへ入れ違いで織姫とレニが石段の上から登場。
ああ……今年も同じ衣装なのねっレニ!!(密かに夏服を期待していたので……)
織姫は夏服でした。

織姫「もう、暑っいですね〜…」

レニ「暑いね…」

織姫「待ち合わせ場所って何処でしたっけ〜?」

レニ「長命寺だよ。」

織姫「だいたいこの暑いのに「桜餅を食べに来い」なんて…
   誰が言ったですか〜?」

レニ「すみれだよ。」

織姫「やっぱり!
   みんなも来るですか〜?」

レニ「うん、みんなに電話したって言ってた。」

織姫「それにしても……日本の夏は蒸し暑いですね〜〜〜…」

手でパタパタと仰ぎながら、ぼやく織姫。
さすがにレニも暑そうだ。そりゃそうだよね、冬服だもん(…そういうもんじゃない?(^^;;)

織姫「大体、なんで暑いのに桜餅ですか〜?
   暑い時はかき氷でしょ!
   ガリガリガリ…キーンッって
   キーーンッって」

カキ氷を作って食べてコメカミが痛くなるジェスチャーをする織姫。
たしかに、夏はかき氷ですね〜イチゴ氷食べたいです。(爆)


そこに一際高く響く蝉の声。
ミーンミンミンミンミーーン…

織姫「ミーンミンミンミンミン…
   ウルサイでーす!セミーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

…ピタッ
えっ?と、顔を見合わせる二人。
すごい、織姫!!セミが鳴き止んだ!!(^^;;
さすが。(笑)

織姫「それより長命寺ってのはどこですか〜?」

レニ「さぁ…でもきっとこの辺りだよ、たぶん。」

織姫「たぶん?」

レニ「きっと。」

織姫「きっと?」

レニ「行こうか。」

織姫「ちょっちょちょちょっとぉ〜〜!!」

レニの爽やかなかわし方に、織姫の方がうろたえてしまう。
ああもう……新春でおとそを飲んだのがまだ残ってるのかしら?と思ってしまうぐらい(素直に、成長したと言え)
にこやかで抑揚のあるセリフ…レニ〜〜可愛いっ!!

織姫「そんないい加減な事でいいんですか〜?」

レニ「だいたい、物語の始まりはいつもいい加減に……」

織姫「物語の始まり?」

レニ「そう!」

織姫の言葉を待ってましたかのごとく、即答するレニ。そしてイキナリ綺麗な高い声で静かに歌いだす

レニ「♪物語の始まりはいつも」

織姫「いつも?」

レニ「♪いいかげん〜
    そう!いつも、い〜い〜かげ〜ん〜〜」


♪物語のはじまり


まさかレニがこんなタイプの歌を歌うなんて……ちょっと意外?でも、可愛いからOK(爆)
RED展のパンフレットの広井王子さんと山田洋次監督の対談で出てきた「天気予報」が元ですかね。
(天気予報……例をあげると、映画「男はつらいよ」の冒頭で寅さんが帰ってくる前のなんでもない、日常の会話のようなシーンをこう呼ぶらしいです。)


レニ「♪はじめはね、お客さんが〜落ち着かないと
    難しい話はし〜な〜い〜」

織姫「そういうもんなんですか〜?」

レニ「♪できれば天気のお話と〜か〜ね」

織姫「今日は暑いですね〜」(公演ごとにその日の天気を言っていました。)

レニ「♪これからどこに行〜くと〜かね」

織姫「長命寺でしょー?」

レニ「♪そう!そういうなんでもな〜いお話か〜ら
    物語は〜は〜じ〜ま〜る〜〜」

織姫「♪なんでもな〜いお話か〜ら物語〜は」

二人「♪は〜じ〜ま〜る〜〜〜」

二人のハーモニーで仕上げ。
……でもね、レニ。そんな歌歌われたら落ち着く事なんてできませんわよ。(^^;;
(逆にテンションアップしたかも;;)

歌い終わり、織姫も納得したようで…

織姫「なるほどね!
   じゃ、長命寺を探すで〜す。」

レニ「待って。」

歩こうとした織姫の手を掴み止めるレニ。

レニ「なんとなく…こっち。」

織姫が行こうとした方向(上手)と逆方向を指して歩き出すレニ。
すたすたと石段の方へ向かう。

織姫「なんとなくって……さっきそっちからきたじゃないですか〜!」

でも、後を追いかける織姫。
だんだん、ホントにいいコンビになってきましたね、この二人(^^)



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