さてさて…今まで下りていた幕が上がって、夜の巴里。紗幕がかかっています。
橋の上を喪服の女性が寂しそうに通りすぎる……
橋を下りて、上手から舞台手前に出てくる。

花火「人を好きになるって……悲しいこと………
   だって…絶対に別れがやってくるのですもの…っ
   それならば……人を大好きにならない方がいい!!!」

♪心の傘

細々と歌うと思ったけど……しっかりとした声量で、聞いててすごく良かったです!!
二番からは、紗幕の裏…橋の下で待ち合わせをして再開を喜ぶ恋人が踊る。

花火「♪語り合う、恋人を
    わたしは見てる〜
    置き去りに〜なった過去〜
    心の傘は誰〜が〜さ〜し〜て〜くれ〜〜るの〜……」

下手の方でフィニッシュ。

花火「♪出会えるはず〜ね〜
    あ〜な〜た〜〜に〜〜…」

曲が終わると同時に、大神さんが出てきて傘を差し出す。
その差し出された傘に身を寄せる花火。
二人で歩いていく………心の傘、さしてくれる人と出会えましたね。


場面転換。
迫水さんが部屋で電話をしています。
またフランス語で話しています。お相手は…どうやらグ・ランマ。
聞き取れたのは「ムッシュ大神・トレビアン!」だけ……基礎知識も何にもありませんから〜;;
電話が終わり、扉をノックする音が。
返事をして、入ってきたのは大神

大神「迫水さん、なんでグ・ランマの部屋に?」

迫水「ああ、グ・ランマが留守にするって言うからね。
   しばらくは、僕が代理だよ。」

大神「そうなんですか。
   ………」

迫水「大神くん、何か用かね?」

迫水の言葉に、少し言いにくそうに口をあける大神。

大神「はい……」

迫水「かけたまえ。」

大神にイスを勧める。
大神がイスに座った所で迫水さんが口を開く。

大神「…みんなには言えないんですが…なんだか自信が無くて……」

迫水「そんなことはないよ。
   君はそのままでいいんだ。
   不器用で真っ直ぐな君が一生懸命だから、彼女たちも信じているんだ。
   君は、彼女たちの心を繋ぐ「触媒」なのだから。」

大神「…触媒……」

そこに、扉を叩く音が。

エリカ「迫水さ〜〜ん!エリカです〜〜!!」

迫水「あ、ああ!!ちょ、ちょっと待って!!」

何故かうろたえて、大神を隠そうとする迫水。
大神も隠れようとする。部屋にあった箱の中へ大神をいれて、返事をする。

エリカ「あの〜エリカですけど〜?」

迫水「ど、どうぞ!!」

ガチャッと扉を開けてエリカが入ってくる。

エリカ「迫水さん、こっちに大神さん来てませんか?」

迫水「いいいや!来てないよ!」

エリカ「そうですかぁ…明日大神さんを起こさなきゃいけないのに……
    何時に起こせばいいか聞きたかったのに……
    …ま、いっか!テキトーな時間に起こせば!!」

なんてエリカらしいアバウトさ…(^^;;

迫水「そ、それじゃあ、今日はもう遅い!さ、帰って休みなさい。」

エリカ「は〜〜い!
    それじゃ、おやすみなさ〜〜い!」

と、来た時とは別の方向へ行こうとするエリカ!

迫水「ああ!エリカくん!!
   そっちはトワレ。おトイレ。」

エリカ「あ…いっけな〜い
    エリカまたやっちゃいました〜」

お茶目に言いながら、今度は正解の扉へ。

エリカ「それじゃ、おやすみなさ〜〜い!」

バタンッと扉が閉められて、迫水が箱の蓋を開け大神を出そうとすると…
コンッと一つドアの叩く音がして返事を聞かず室内に入ってくるのはグリシーヌ!!
あわてて蓋を押し戻す迫水さん。(^^;;

迫水「あ、ああああ!
   グ……グ……グリ……」

焦っていて口が回らないのか、名前が出てこない。

グリシーヌ「グリシーヌ。」

と、手を胸に当てて名前を言うグリシーヌ。

迫水「そ、そう!
   グリグリグリシーヌ!」

それでも口が回らないらしい。(^^;;

グリシーヌ「グリグリグリシーヌ?
      …それより、あの男の事なのだが……」

迫水「大神くんが、どうかしたのかい?」

やっと落ち着いたのか、真面目な返答。

グリシーヌ「うむ。あの男の事なのだが…
      あの男は本当に優秀なのか?」

と、大神が入っている箱に腰を下ろしてはっきりという。
迫水さん、ちょっと慌て顔。

迫水「彼はとても優秀だよ。立派な日本男児だよ。」

グリシーヌ「……そうか…ムッシュがそう言うのであれば、そうなのであろうな…
      しかし、私にはボケナスにしか見えんのだが!?」

迫水「そうかもしれないが……そこが彼のいいでもある。
   例えばそこにあるご飯のような……クロワッサンのような存在だよ。」

グリシーヌ「ふむ…
      時に大使。クロワッサンの意味はご存知か?」

迫水「…三日月だろう。」

迫水の答えに、満足したのか頷いて、箱から腰を上げる。

グリシーヌ「…それでは、今日はもう遅い。屋敷に帰る事にする。」

迫水「おやすみ、グリシーヌ。」

グリシーヌ「この件については、また改めて話をしよう。」

迫水に扉を開けさせて、すたすたと出て行くグリシーヌ。
扉を完全に閉めた後、慌てて大神を出そうとするが……

コクリコ「迫水のおじちゃん、おやすみなさ〜〜い!」

お休みの挨拶を言いに来たコクリコがイキナリ扉をあけて、また機会を失う!
大神…中で酸欠状態になってないだろうか?(^^;;

迫水「うわぁ!
   お、おやすみコクリコちゃん!!」

コクリコ「ん?」

部屋の中に入ってきて、鼻をクンクン、ヒクヒクさせながら辺りを見るコクリコ。

迫水「ど、どうしたの?」

コクリコ「なんか隠してるでしょ!
     ねぇねぇ、何隠してるの?」

と、箱の蓋を開けようとする。が、迫水が必死に止める。

迫水「べ、別に何も隠してないよ!
   こ、この中にはね…パンツ!パンツが入ってるの!!」

コクリコ「ええっ?」

迫水さん…もうちょっとマシな言い訳は…(^^;;
ちょっといぶかしげな顔になるが、思い出した本題と思われる話題へ。

コクリコ「ねぇ、イチローしらない?
     明日いっしょにサーカスに行く約束をしたんだけど
     待ち合わせの時間決めてなくて……」

迫水「あ、ああ!それなら
   明日の昼に広場でどうだい?」

コクリコ「明日の昼に、広場だね。
     うん!わかった!!」

勝手に決めていいんかいな、迫水さん(^^;;
まぁ、大神さんはいるけど…(箱の中に)

迫水「さっ今日はもう遅いから、早く寝なさい。」

コクリコ「はーい。
     あ、パンツちゃんと洗うんだよ!」

扉を開けながらの言葉に、迫水は頷く。
今度こそいなくなった部屋で、慌てて箱の蓋をあける。

迫水「大神くん!大丈夫かい!?」

大神「こ、この中って……キツイです……」

はぁ…と、箱に入ったままうなだれる。
そこへイキナリ扉を開けて入ってきたのは……花火!!

花火「迫水さん。わたし…心を閉ざしすぎていたみたいです。
   でも、そんな私の心に、大神さんはすーっと入ってきました……
   まるでどしゃ降りの心に、傘が差し出されたようで……
   はっ……い、いやだわたしったら…は、はしたない……ぽっ
   おやすみなさいませっ!!」

………なんか、言うだけ言って帰っちゃいましたね。(^^;;
一回も迫水さんの方見てないよ……まぁ、見てたら酸欠でうなだれていた大神さんを見られちゃうことになるけどね;;
ちなみに、花火ちゃんのセリフの途中で気がついた大神さんは、何故か招き猫の真似をする。
…それって…意味あるんですか?(爆)

そこに…最後の来客が…
大神、再び箱の中へ(笑)

ロベリア「よぉ、迫水さんよ。」

迫水「や、やぁ!ロベリア!!
   あ、はは……あはははは……」

ロベリア「おいおい…どうしたんだ?迫水のダンナ。
     声が変だぜ?」

迫水「そ、そうかい?
   ちょっと夏風邪気味かなぁ!?」

迫水さん、この場だけで心臓が何回飛び出しそうになったんでしょうねぇ?(^^;;
気を取り直して、落ち着いて……

迫水「…で、何か用かい?」

イスに座り、一つ息を置いて喋りだすロベリア

ロベリア「な〜んかバカバカしくなっちまってよぉ…
     舞台に立って踊ったり歌ったり、巴里を守ったり……
     隊長も、こんなバラバラなアタシたちを、まとめるのもイヤになるだろうよ。」

迫水「…そんなことないさ。彼は帝都花組をまとめ上げた経験がある。
   それに、帝都の平和を守った実績がある。」

ガタンッ…と席を立つロベリア。

ロベリア「平和……平和がなんだってんだ…
     何処にいたって牢獄じゃないか!」

迫水「ロベリア……」


ロベリア、部屋から離れ、暗転。舞台中央へ。

ロベリア「所詮……何処にいたって牢獄さ…っ」

♪192455631

バックダンサー付き。囚人服で、ロベリアの歌にあわせて黒い棒を持って周りを囲み、牢屋に見せたり、鎖をもってロベリアを絡めたり………演出がすごく印象深いです。
ロベリアも素敵で…なんか、ロベリアに惚れそうな勢いです(おい;;)

最後も牢獄の中のような状態でフィニッシュ。

暗転。下手側に、大神さんが堅い決意を秘めた表情で登場。

大神「俺は絶対に…みんなの心を牢獄なんかにしない!!
   俺が光になろう!
   黄金の実りになろう!
   一緒に歩こう!
   心に傘をさそう!
   そして……君達は記号ではない!!
   俺は……巴里華撃団隊長、大神一郎だ!!!」

「サクラ2」最終話のアイキャッチのようなポーズを取る大神さん。
勇ましくってかっこいい!!
帝都の出来事を経て……成長した事が良くわかりました。

舞台暗転。
怪しい音楽…(怪人が出てくるときのテーマですね。)

シゾー「ウーッサササササッ
    な〜んかイイカンジに重い雰囲気になってきたピョンね〜
    オレ様は人間が楽しそうな顔をしているのが大嫌いだピョン!!
    どこかに楽しそうな顔をしているヤツはいないかピョンね〜?
    いたらオレ様が切り刻んでやるピョン!
    これを「ウサ晴らし」って言うピョン。」

真面目に悪役やってたかと思えば……やっぱりギャグだ。(笑)
そこへ……

エリカ「どいてどいてどいて〜〜〜〜!!!!!」

と、エリカが慌てて走ってくる!!
……手にマラカス持って。

エリカ「ウサギさん、ジャマよ〜〜!!」

どん!とシゾーを突き飛ばす。

シゾー「な、何だピョン!?」

エリカ「あ〜〜もう!!大神さんを起こさなくっちゃ!」

ジリリリリリリリッ…と、目覚ましの音と思われる音がなる!

エリカ「きゃあ〜〜〜!!急がなきゃ!!」

バタバタと上手の方へ走り……

エリカ「はいっ
    ♪おっはよ〜おっはよ〜ボンジュールっ
     おっはよ〜おっはよ〜ボンジュールっ
     大神さんっ大神さんっ
     おっはよう大神さん!
     ん〜!!」

♪おはようダンス
……ですね。
ここでベストを取った大神さん(本編のムービーとおんなじ恰好ですね。)が登場。
眠そうにあくびをしています。エリカはその脇に行ってさらに続きを……
あ。ちなみに、成り行き上シゾーも一緒にいます。(笑)

エリカ「♪早く起きてよボンジュールっ
     今日も元気にボンジュールっ
     くるくる、くるくる回って
     ボンジュールっボンジュールっボンジュールっボンジュールっ
     おっはよう大神さん!
     ヘイッ!!!」

最後もバッチリキメ!!
……しかし、笑顔なのはエリカだけで……

シゾー「な、なんなんだピョ〜〜ン……」

大神「あ、悪夢のようだピョ〜〜ン………」

エリカ「あれ?」


あのおはようダンスで爽やかな朝を迎えられるのは…エリカファンだけだと思うぞ。(^^;;

さてさて…曲はまたまた「昼下がりのセーヌ」
冒頭と同じく、カフェで一息つく迫水さん。
そこに、コクリコが、ロベリアが、グリシーヌが、花火が大神がやってきて……

大神「あれ?エリカくんはまだなのかい?」

ロベリア「もう、待ち合わせの時間だぞ。」

コクリコ「あーエリカ!!」

大神「エリカくん!こっちだよ!!」

エリカ「はーーい!今行きま〜〜す!!」

上手から走ってくるエリカ。何故か大周りして下手から到着(笑)
エリカらしい、意味のない遠回り。(^^;;

エリカ「はぁ〜〜間に合いましたね!」

グリシーヌ「「間に合いましたね」ではない!
      遅刻だ。」

エリカ「あれ?」

コクリコ「あー!ウサギさんだ!!」

シゾー「ウサギって言うなピョン!」

……さっきまで「ウサギ」って言われても、な〜んにも言ってなかったのにね。(爆)

ロベリア「そのウサギ、どうするんだ?」

コクリコ「う〜〜んと……じゃあ、サーカスに寄付してくる!」

シゾー「何ぃ!?」

……すみません、ここらへんも記憶が曖昧で…とにかく、コクリコが寄付してくるって言ったのだけ、覚えています;;
シゾーの手を引っ張って下手へ。
しばらくして……

コクリコ「ただいま〜〜!!」

花火「もう、寄付してきましたの?」

コクリコ「うん!」

エリカ「それじゃ、みんなそろった事だし、最後の歌です!」

はじめ同様、一列に並ぶ花組。

グリシーヌ「皆のおかげでステージが出来た。
      心より、礼を言う!!」

誇り高き声に、手を高く上げて礼。

ロベリア「まったく…そろいもそろってこんな所に来て……
     お前らみんな
     ……いいヤツだな。」

さすがロベリア。素直に礼は言いません。

コクリコ「楽しかった!!
     すっごく楽しかったよ!!
     みんな、どうもありがとう!!!
     お別れは寂しいけど…寂しい時こそ笑顔でいよう!」

ぺこりと、可愛らしく礼。

花火「楽しい時間は、あっと言う間に過ぎてしまいます。
   別れの悲しさと、出会いの喜びを…
   あらためて皆さんに教えていただきました。」


丁寧に礼。
曲が流れ出す……

エリカ「人生は、旅に似ていると、神父様が言ってました。
    出会いがあって、別れがあって………
    それを繰り返して…未来に、心が向かっていくのです。」

♪未来

感動的でした!!
歌っている間に、今回の出演者が舞台に勢揃いして、みんなで踊って…特に迫水さんは満面の笑顔ではじけていました。
会場の気持ちの高まりも最高潮です!!

エリカ「♪人と〜人が〜
     今未来へ〜〜向かって〜る〜〜」

満場の拍手に包まれる。
鳴り止まぬ拍手の中、幕が閉じる。
それでも、止まらない。
そして、アンコール!!

♪御旗のもとに

力強く、華やかに歌い上げる花組!!素晴らしいです!!
帝都とは違った新しい感動です!!

興奮冷めよらぬまま、幕が閉じて…終演のアナウンスが

エリカ「本日は、ご来場いただき、ありがとうございました!
    お気をつけて、お帰りくださ〜〜い!!」


こうして、巴里への一時のタイムスリップは幕を閉じたのでした。
外へ出ると、いっぱいの人が……この人たちは、これから巴里の夢を見るんだなぁ…と後ろ髪に思いながら、シャノワールを後にする。
……また、いつか会いたいな。

この夜のシャノワールでは、最後の「御旗」はオールスタンディングだったみたいですね。
それと、カーテンコールの時に花組の皆さんが涙ぐんでいたとも……特にコクリコだったそうです。
エリカが言葉に詰まっていると、後ろから迫水さんに励まされてやっと言葉が…

エリカ「本日は本当に…」

花組「ありがとうございました!」

そして、幕が下りたそうです。
(このとき、幕の下にいた花組を迫水さんが促して後ろに下がるようにして、幕とぶつからないようにしたらしいです。)


―――レポート終了!!―――――――――――

……はい、いかかでしたでしょうか?
抜けてる部分、間違っている部分も多々あって申し訳ないのですが(泣……)
抜けてる所とか間違っている部分を発見した人は、補足、よろしくお願いいたしますm(__)m
少しでも楽しんでいただけたら、幸いです。

……それにしても…これくらいの密度だと、書くのも楽ですね。
今年の歌謡ショウのレポートは第一幕だけでこれの3倍近くありますからね!!(爆!……でも、マジ話。)
さてさて…二幕はこれから書かなきゃね。


あ、そうそう!!これは後に私のHPにもアップしますので、その際に補足頂いた方のお名前を載せてもよろしいでしょうか?
ダメだったら言ってくださいね!


それでは、この辺で……次は歌謡ショウのレポートで会いましょう!!(^^;;


   BACK  書棚へ戻る