みなさま、こんにちは。またはこんばんは。えーおはようございます。
お久しぶりの方はお久しぶりです。
当時、会場でお会いした皆様。お相手してくださってどうもありがとうございました。
そして…「サクラV」からここに来たというみなさま、はじめまして。
如月紫水という、巴里も好きだし、紐育もすっごく好きだけどやっぱり帝都は大好き。歌謡ショウが大好きという者です。


今年で通算9年目となる歌謡ショウ。おそらく、真面目なショウは最後…ということで様々な面が豪華で楽しく、あっという間の9年目の夏でした。
特に今年は日替わりゲストの存在が大きかったですね〜やはり、見れるものならば全ゲスト見たい!!と心に決めたのが運命の分かれ道。
結果、今まで一回の公演の最大観劇数は5回くらいだったんですが今回あっさり更新して7回見に行きました。(^^;;
今回は見てない回を宣言した方が早いです。(苦笑)
ということで、このレポートは13日・夜、16日以外の日で構成されております。

今回、やたら枝が多いですが…一幕、二幕は日替わりゲストに合わせて一部のシーンを入れ替えています。
なので、そこ以外は共通となっていますので、それぞれ見たいゲストの公演のレポートをクリックしてください。
三幕はどの公演も共通項なので一つです。

あ、バレ発言は……「サクラV」に関しては重要なものはありませんが、それ以外の各シリーズはそれなりにバレが散らばっていると思います。
では、今年のレポートを始めます!

27日追記:一部修正いたしました。ポチさん、那畑詠未さん、どうもありがとうございました!


―――――レポート開始―――――

そういえば、いつからか入場列待ちにあった巨大な氷はなくなりましたよねぇ…残念。
そんなことを思いながら列に並んでいると、恒例の挨拶回りが!これこれ、これが楽しみなんですよ。
親方、西村、武田、公平先生、大神さんと握手をして(初日と2日目はボスも居ました!)から会場に入ると

入った途端のロビーのTVに映し出されている紐育の映像と…懐かしい映像。
「サクラV」のプロモーション映像はたくさんみてますが、後者のPSP版サクラ大戦1&2はこの会場が初!!
当時の内容をそっくりそのまま移植、というものみたいです。戦闘シーンもARMSではない、昔のまま。
PS2から「サクラ」に触れた人はこれを機に「サクラ2」に是非是非触れてほしいですね。
来年の春発売予定だそうです。

そのままロビーをうろついたり会場内の花を見たり客席内を移動していたりしていると異変が。
舞台の端や客席のそこかしこで一見奇妙な人たちが…道化、ですね。竹馬みたいなものを仕込んで背を高くしている人や
客席を眺めてメモ用紙に似顔絵を走らせる道化、風船を膨らませて、飛ばして遊ぶ道化、英字新聞を読む道化
二階にも犬や猫を模した道化がいたみたいです。そして、開幕を知らせるベルも今年は道化の人が鳴らしました。
手持ちのタイプの、よく福引などで当たりが出ると鳴らすあのベルです。
その二人が、上手側客席通路、下手側客席通路を舞台に向かって下ってきます。その二人…すばり琴音さんと菊ちゃんなんですが。(笑)
下手側が琴音さん道化、上手側が菊ちゃん道化です。そのまま舞台に上り、他の道化さんたちと一緒に一礼して、はけて行きました。
一風替わったオープニングになる、とは事前情報でありましたがもうここから始まってるのですね。

広井「どーも!いらっしゃいませーー!!」

と、ちょっと静かな空間に響く何時ものお声!!掃除人さんの登場ですよ。
下手側の客席通路から登場してお客さんにお菓子を配りながら、ご挨拶しながら舞台へ。

広井「初めて、初日にカメラが入りました!
   初日の緊張感を収めてしまおうというこの試み!
   何が起こるかわかりません!(笑)初日ですからね。」

たしかに、こちら側も何が起こるかまったくわからないですものね。そういう意味では素直な映像が収められるかも。

広井「今年は、オープニングから雰囲気が違いましたよね。変なの居ましたよね。(笑)」

ええ、たしかに。あまりに普通にしていたので最初皆さん気づかれてなかったくらい。(^^;;
ここで諸注意へと移行。何時もの携帯の電源を切ってくださいというものに続き
REDの掲示板などでも話題に上がっていたネタバレする人、一人で盛り上がっている人はよろしくないので控えてくださいという旨と

広井「後は、もう注意事項はありませんよね?…(客席から「掛け声!」とツッコミ)
   あ!あと掛け声!!ありがとうございます。初日ですから!(^^;;
   ドンドン掛けて下さい。けど、のべつ幕なしかけていいかというとそうではなく…
   掛けるタイミングというものがありますので、探りつつお願いします。」

そうですよねー…掛け声って難しいですよね。個人的には後追いに気をつけていただきたいな、なんて…
先に良いタイミングで言われちゃったら、今日はダメだったなとすっぱり諦める潔さも必要ですよね、多分。

また、後日…「今日初めて観る方いらっしゃいますか?」と聞いて
「不思議な空間にようこそ。(笑)通常のお芝居とはちょっと違っておりまして…まず、通常の舞台では
 コスプレイヤーの方は居ませんよね。けど、歌舞伎座に来ているおばさまたちだって普段から着物着ている
 わけではございません。晴れの日ですから。あれも、ある意味コスプレイヤーかと!(笑)」
と開き直った発言をしていました。あと、太正時代という架空の世界の話だとも。
こういう話が出てくるにいたったのは…今回、敵役の役者さんのファンの方々に向けて、でしょうか。
(客席を見ていると、どう見ても今までの歌謡ショウの客層じゃないな〜と思う方々がちらほらといらっしゃったんですよ。)

広井「今年はね、台本こーんな(人差し指と親指で3cmくらいの幅を見せる)
   厚かったんですよ!
   で、本読みしたら4時間かかっちゃってね!
   その通りに舞台化したら六時間くらいのものになっちゃいますよ!
   どうすんだこれ、昼夜の興行か?ってね。
   もう、大変大変…」

ホウキをだらだら掃きながら広井さんが裏話を暴露していると、下手から親方登場!

親方「広井!大変大変って何が大変なんだ!」

広井「あ、親方!
   いや、いろいろと…すみれさんが復活したりして…」

親方「ああ、そうだな…」

広井「裏方は大変だって言ってたじゃないですか!
   お弁当には、あったかいものが食べたいわ。とか
   三越からおとりになれば?とか…三越からとれるんですかね?」

親方「さぁ…」

広井「薔薇組三人勢ぞろいだし、三人娘も出るし…
   ダンディは2日しか来ない。」(笑)

親方「忙しいんですよ、ダンディさんも…!
   で、お前が長々やるから舞台が押してるんだよ!!
   まいてけ、まいて!
   ということで「ゲキテイ」振り付け講座ー!」

広井「やるのかよー!まいてるんじゃなかったの!?」

いえ、これはやらないと。いくら常連さんが多い(汗)歌謡ショウとはいえ、初参加の人はいるのです!

親方「えー助っ人を呼びたいと思います。変なみなさーん。」(笑)

と、呼ばれてそれぞれの袖から出てきたのは先ほどの道化の皆さん。主に男性出演人の皆さんが道化になっているみたいですね。
振り付けは、いつものサビのところのおさらい。最初に動きを説明して、歌に乗せて繰り返してお終い。

親方「これだけです。道化の皆さん、ありがとうございました〜!」

振り付け講座が終わると、すたこらと退散していく道化の皆様。(笑)
再び舞台に親方と広井さんだけになったところで、舞台の隅でぶちぶち言ってた広井さんが中央に戻ってきます。

―――14日・昼―――――

この日は、親方が…今までつっこみたかったけどつっこめなかったことをついに口に出しました!

親方「前から思ってたんだけどよ、広井…お前なんでそっち行くんだよ。やれよ!」

広井「俺やだよ〜!!」

広井さん……そういう振りできて、こちらが乗せないとでも?(笑)
客席のノリには逆らえず、しぶしぶ舞台上に上がります!
掃除人、初踊りですね!!めちゃめちゃやる気無く踊ってますが。(笑)

ですが、親方は「念願の、広井に振り付けをやらせて」大満足のようです。(^^)
こちらとしても、貴重なものが見れて面白かったです♪

―――――

広井「今これやるのおかしいよ!これ踊るの約三時間後でしょ!?」

親方「(苦笑)みなさん、休憩時間とかにおさらいしてくれれば。」

広井「あ、これ強制じゃないですからね!踊らなくたっていいんです!」

親方「そうです!でも、踊ると舞台との一体感というか、そういうものが味わえると思います。
   では!!第四回スーパー歌謡ショウ、最後までお楽しみ下さい!!」

二人で一礼。その後は本当に押しているようで(^^;;
足早に下手へと駆けて行きました。そう、フィナーレでの一体感というのは歌謡ショウならではですよね。
ちなみに、三人娘がゲストのときは広井さんは「かわいい!なんだろうね、あの不思議な可愛さは!」とおっしゃられてて
斧彦さんのときは親方が「今日楽屋が狭く感じるんだよ…」と言っていたのを受けて「それは…斧彦さんがいらっしゃるから…」
と返した広井さんにすごい反応が。待ちに待っていたとも言える薔薇組勢ぞろいですからね。

親方「今日いらしてる方は、怖いもの見たさというか…マニアックな方もいらっしゃると!」

はい、ここに居ます。(笑)
いや〜…日替わりゲスト、楽しみですね♪
と、ここで暗転していく中で開幕のアナウンスが…初日は大神さんでした。

大神「本日はお暑い中、大帝国劇場にお越しいただきありがとうございます。
   サクラ大戦歌謡ショウも今年で9年目を迎えることとなりました。
   皆さんのお陰で、今日、9年目の幕を開けることが出来ます。
   篤く、御礼申し上げます。
   では!本日初日「新青い鳥」の幕を開けさせていただきます!!」

―――14日・昼―――――

カンナ「今日は暑い中、大帝国劇場に来てくれて
    ありがとう〜!ありがとう〜!ありがとう〜〜!!
    サクラ大戦歌謡ショウも今年、9年目の夏を迎えることとなりました。
    これも、今来てくれているあなた!
    そう、あなた!!コスプレのあなた!
    マリアのようなあなた!!
    すっげ〜〜感謝しています!
    今年も、燃えるような熱い舞台をお届けします!
    どうぞ、最後までごゆっくりお楽しみ下さい!
    プーーーーーーー!!!
    …ベルだぞ。おならじゃないぞ。(笑)
    では、幕を開けます!!」

―――14日・夜―――――

レニ「本日は、大帝国劇場にご来場賜り
   まことにありがとうございます。
   サクラ大戦歌謡ショウも今年で9年目の開催となります。
   これもひとえに、応援してくださる皆様のお陰です。
   精一杯頑張って舞台をつとめさせて頂きます。
   どうぞ最後まで、お楽しみ下さい。
   では、そろそろ新青い鳥の幕を開けさせていただきます。」

―――17日―――――

かえで「本日は、大帝国劇場にご来場賜り、まことにありがとうございます。
    サクラ大戦歌謡ショウも、今年で9年目の開催となります。
    これもひとえに、皆様のご支援の賜物と感謝しております。
    花組一同、精一杯の舞台を勤めさせていただきます。
    では、新青い鳥の舞台の幕を、開けさせていただきます。
    どうぞ、最後までお楽しみ下さい。」

―――18日―――――

織姫「みなさ〜ん、チャオ!
   …あれ?お返事は?…チャオ!
   声が小さい!チャオ!!
   本日は、大帝国劇場にご来場賜りありがとうございまーす。
   サクラ大戦歌謡ショウも9年目となりまーす。
   これはすごいことでーす!これも、皆さんの応援のお陰と
   感謝感激雨あられでーす!
   花組みんなで力を合わせていい舞台をお送りしまーす。
   どうぞ最後まで、楽しんでいってくださいね。えへ。」

―――19日―――――

マリア「本日は、大帝国劇場にご来場賜り、まことにありがとうございます。
    サクラ大戦歌謡ショウも、今年で9年目の開催となります。
    これもひとえに、皆様のご支援の賜物と心より感謝しております。
    花組一同、初めて勢ぞろいする薔薇組も
    精一杯、舞台を勤めさせていただきます。
    どうぞ、最後までお楽しみ下さい。
    では、新青い鳥の舞台の幕を、開けさせていただきます。」

―――――



さぁ、今年もレビュウ曲からかな?と思っていると、聞き覚えの無い曲…イキナリ隠し曲でした!!

♪レビュー「新・青い鳥」

幕は下りたままの舞台の上手、下手からそれぞれ道化の皆さんが登場して歌い上げます。

道化「♪さぁ 幕を開けよう 希望の幕を
    幕を開けよう」

道化の皆さんが舞う中、舞台中央の迫り出し部分にある奈落から「青い鳥」の衣装を着たレニとアイリスが背中合わせで微笑みながら登場!
ここで幕も上がりますが、まだ紗幕がかかったまま。でもうっすらとその向こうに同じく「青い鳥」の衣装に身を包んだ花組が。

レニ・アイリス「華やかな幕を!みんなの心を一つにして!!」
道化「♪さぁ 幕を開けよう 希望の幕を
    幕を開けよう」

ここで二人が道化の間を抜けて紗幕に手を伸ばして、それぞれカーテンを開けるように動くとそれにあわせて紗幕が上がる。
舞台全体が明るくなり、出演者が新青い鳥の衣装で勢ぞろい!!が、青い鳥…さくらさんだけいません。
舞台の両脇部分には、布に包まれてまるで空中に浮いているような方も…これが、今回の他ジャンルとのコラボレーション。
エアリアルという、布を使ったパフォーマンスが舞台に変化をつけます。

レニ「♪たくさんの眩い光と色を」
アイリス「♪たくさんの台詞と歌と踊りに」
全員「♪重ね合わせ ショウが始まる
    君のための ショウが始まる」

全員「♪ほんの一時に 心を一つに
    光と影の夢の中 舞台には魔法が溢れて」
レニ「♪そこに生まれる 幸せのかたち」
アイリス「♪だけど何故だろう現実は 不安だらけ」

全員「♪ほんの一時に 心を一つに
    光と影の夢の中」
レニ・アイリス「♪幸せを探してみようよ」

全員「♪たくさんの眩い光と色を
    たくさんの台詞と歌と踊りに
    重ね合わせショウが始まる」

しー!と、アイリスとレニが人差し指を口に当てて曲調が落ちて…
ここで、唯一居なかった青い鳥のさくらさんが奈落から登場。

さくら「♪ここに生まれる幸せのかたち
     だけど何故だろう現実は 不安だらけ」

ソロで歌い上げたさくらさんは、そのまま客席へと降りていきます。居なくなった迫り出し部分には再びレニとアイリスが立ち

全員「♪ほんの一時に」
レニ「幸せを、探してみよう」
全員「♪心を一つに」
アイリス「本当に、幸せがあるの?」

手を取り合って、少し不安げな表情。
客席を回って戻ってきたさくらさん。その手につれられて一人のお客様(なんと本当の一般の方!)が舞台へ上がり、レニとアイリスの間に立ち手を繋ぎスポットを浴びます!

さくら「♪それを探す旅をしよう さぁショウを始めよう」
全員「♪たくさんの眩い光と色を
    たくさんの台詞と歌と踊りに重ね合わせ ショウが始まる
    君のためのショウを始めよう」

君のための、で連れられたお客様に出演者全員の視線が。すごい…ここまで客席を巻き込むなんて!!とうとう舞台に誘っちゃいましたよ!
そのまま曲が終わり、暗転して幕が下りたので最初決められた役者さんが混じっていたのかとも思ったのですが、後から聞いた話だとまもなくスタッフさんに連れられて席に戻ったそうなので、本当に一般の方だったみたいです。



…さて、舞台は物語へと入ります。
暗転からあけると背景をつけた紗幕があり、下手の舞台通路にはつまらなそうにカウンターで店番をしている一人の女性。
自分の隣のラジヲから流れる帝国歌劇団・花組であるさくらの歌「恋をしませう」をBGMに舞台の中央では真っ白な軍服に身を包んだ男三人が飲み交わし
談笑しながら大皿料理(見た目オムライスっぽいんですが…大きめの日の丸の旗がクロス状に二本刺してあります)テーブルを囲んでいます。

園部「いや〜愉快愉快!!しかし岡村、貴様は相変わらず無茶をしているな!」

岡村「そういう園部は、少し分別臭くなったんじゃないのか?」

園部「なんだと〜!」

どうやら、気の合う同期ってところですね。
そこに、下手から同じ海軍服に身を包んだ大神さんが。

大神「やぁ、遅れてすまん!」

園部「おお〜!大神!!」

早く座れよ!と歓迎されるままに舞台から見て正面の席に連れてこられる大神さん。やっぱり大神さんは人徳があるんですね。

大神「貴様らもうすっかり出来上がってるな。」

岡村「いや〜まだまだ!ほら、大神も飲め!」

園部「よし!大神も来た事だし、改めて乾杯といこう!(それぞれにグラスを持って)
   大神、一言。」

大神「それでは…我々同期生の再会を祝って!
   そして、変わらぬ友情に…」

全員「乾杯!!」

まずは駆けつけ一杯?(笑)
座ろうと身を屈めたところで、ラジヲから流れる歌声に気づき顔を上げる。

大神「ん?これは…さくらくんの歌だな。」

岡村「(大神のグラスに酒を注ぎながら)そういえば、大神は
   この真宮寺さくらのいる大帝国劇場に赴任してるんだったな!」

大神「ああ。」

園部「何!?…本当か?(頷く大神)
   そうか…!辛かろう、大神!そんな所に身を落として!!」

あ…そうか、一般から見ればそういうことなんですよね。
思いっきり同情されてます。(^^;;

大神「あ、ありがとう…
   でも、気に入ってるんだ。劇場の仕事。」

園部「馬鹿野郎っ!!(バンッと机を叩いて立ち上がる)
   俺たちは何のためにあの辛い訓練を受けてきたんだ!!
   …お前ほどの男が、劇場務めとなは。」

大神「そんな哀れむような目で見るな。
   それに俺は、今の仕事に誇りを持っているんだ!」

そう、モギリにしてももう一方の任務にしても…大神さんはいつも全力投球ですものね。
戦うだけじゃない、劇場の暮らしを愛してこその大神さん。
そんな大神さんに隣に座っていた岡村が笑いかけます。

岡村「そうか…そうか!ははっ大神は変わらないなぁ!
   誇りを持ってる…!
   おい、園部!そういうお前は今の仕事に誇りを持っていると言えるのか?」

もう一人の将校にも逆に問われ、言葉に詰まる園部。一本、とられましたね。
しぶしぶ認める園部に岡村が笑いかけます。

岡村「園部!お前の負けだ。」

園部「…よし、……よし!歌うか!!(お、いいねぇと湧く一同)
   大神も、あの江田島を思い出して歌おう!」

大神「…見よ、暁に!」

♪見よ暁に!

前奏部分で、台詞あり。下手から大神、岡村、園部。そして、もう一人の将校さんがラッパの音にあわせて腰に下げていたラッパを吹きます。

大神「目標!右四十五度。射撃用意!!」
岡村「目標!右四十五度。射撃用意!!」
園部「目標!右四十五度。射撃用意!!」
大神「撃ち方…始め!!」

大神さんが江田島士官学校時代を思い出す歌…というイメージそのままの歌でしたね。一番が終わったところでまた別の訓練を思い出したようで

大神「七番方角、敵機見よ!」

と戦闘演習ですかね。CD版とは違い、2番が無い短縮版でした。「♪桜花咲く〜」での同期生たちの手旗信号が「がんばれ大神」といってるそうです。うわ〜…細かい!
最後の「♪殴り殴られ〜」で肩を組んで歌うところはまさに戦う男の友情という雰囲気が出てましたね。
ん?……大神さんだけ肩の階級章の星の数が違う…一つ多い。え、もしかして中尉なのは大神さんだけで皆さんは少尉なんでしょうか。
歌が終わると共に暗転。
しばしの間をおいて、紗幕は下りたまま(けどテーブル等は片付けられて、大神さんたちも下がっています。)の舞台に上手から響く三味線の音色…待ってました!!

雲国斎「七重八重 花は咲けども 山吹の
    実の一つだに なきぞかなしき

    そもそも遡る事500年
    ダイナミックに時代が動く室町時代。
    東の果ての荒くれの土地に太田道灌が作りましたのが
    江戸城でございます。

    その後、江戸幕府に参謀として仕えましたのが天海僧正でございます。
    あらゆる妖怪が跋扈するこの東の蛮国、江戸!
    天海僧正は密教の秘術を駆使し改造し
    天下泰平を築き上げたのでございます。

    波の音、春の日が差し心が躍る
    恋のあやとり上野の桜
    今年19の蕾も揺れて 誰が折るやら散らすやら

    華のお江戸も400年
    ペリー来航、竜馬殺害、西郷登場
    時代は大きく変わります
    太平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船)
    たった四杯で夜も眠れず

    おいおい!見たか黒船。凄いもんだね。
    おいおい、いつまでもそんな頭してんじゃないよ。
    ちょん髷なんて今はもう相撲取りぐらいだよ。
    おい!見てみろよ鉄道だ!立派なもんだ!
    おい!ガス灯だ!明るいじゃねぇか。
    お!牛鍋だ!美味そうだねぇ!
    すごいねこの文明開化ってのは!!

    その明冶も40年
    またまた時代は変わりまして、花も嵐も踏み越えて
    頃は太正蒸気の時代!
    西洋暮らしも身につきはじめ
    男と女が手を繋ぐ、浪漫の風も爽やかに
    柳を揺らし、夢を見る」

いよっ日本一!!流れるような口上は相変わらずお見事!

下手へとそのまま去る雲国斎先生。さて、ようやっと紗幕が上がると…そこは深川のある一軒家。
真夏の太陽が照りつける中、庭の一角の家庭菜園に精を出す男が三人。

武田「お!このナスいい色ですね、米田さん!」

米田「おう、どれどれ。(武田からナスを受け取る)今年は何とか全うなのが出来たな。
   なんでもそうだけどよ、育てるってのは大変なもんだ。」

西村「これ…(手ですくった土を軽く口に含む)
   土がいいですね。」

米田「わかるのかい?」

西村「ええ、家が農家ですから。」

米田「へぇ〜…まぁ、ギャングの実家が農家でもおかしくねぇか。」

支配人姿ではなく、いわゆる親父の格好(腹巻に股引、肩には手ぬぐい)なので、ここは引退した米田さんの家なんですね。
ナスを片手に汗をぬぐう米田さん。そんな米田さんを手伝うのは、西村と武田。遊びに来てたんですかね。
ん?…下手にぽつんとある電柱の影に居るのは……優作?何してるんでしょう??

米田「おう、これ朝漬けにして、一杯やろうか?」

武田「お、いいっすねぇ!」

米田「そんじゃそっちのキュウリも、いいとこもいどいてくれや。」

西村「へい!」

嬉しそうに畑の中を動く二人。
米田さんは手に持ったままのナスを見つめてポツリと呟きます。

米田「まだまだ…思うようにはできねぇな。」

と、そこに軽快な太鼓の音色と共に上手奥から登場した人物が

政「インケツ〜あめは、いっかがかねぇ〜♪」

わっインケツの政さん!石焼き芋屋から飴屋に転職ですか?まぁ、たしかに夏場は石焼き芋屋じゃやっていけないでしょうが…

米田「おう!いくらだい?」

政「へい!一袋10銭になります!」

米田「じゃ一つもらおうか。」

政「ありがとうございます!!
  あ、これ…(籠から紙風船を取り出して)よかったらお孫さんに!」

米田「お?おう…」

言われるまま紙風船を受け取る米田さん。飴を一つ売った政はそのまま、先ほどの調子で上手へと去っていきました。

米田「へっ…嫁もとってねぇのに、孫もねぇや。」

ぽんぽんと膨らませた紙風船を弾ませながらのぼやき。ああ、そうか…米田さんは独身なんですね。家族のような存在はいますが…
と、ここで米田の買い物に気づいた西村と武田。

西村「飴なんか買って、どうするんです?」

米田「決まってんだろ。食べるんだよ。」

西村「あれ、米田さん辛党じゃなかったでしたっけ?」

米田「たまには甘いもんも食べたくなるんだよ。」

武田「またまた〜!子供みたいなこと!(家に上がって、障子の向こう側へ)」

米田「俺だってな、昔は子供だったんだよ。」

と、そこに上手から風呂敷包みを手にしたかえでさんが登場。ちょっと中をうかがってます。

かえで「ごめんくださーい。米田さん、いらっしゃいます?」

米田「おお、かえでか!入れ入れ。(招かれるまま、垣根を開けて庭へ)
   今日は劇場は休みか?」

かえで「はい。今日は休演日ですから。」

米田「暑い中よく来てくれたな。
   立ち話もなんだから、ま、上がれよ。」

家主の案内どおりに、上がろうとしますが何処からとも無く呼び止められ辺りを見回すかえでさん。
家庭菜園の中からひょっこり顔を出す西村。続いて武田も家の奥から顔を出します。

西村「どうも、こんにちは。」

武田「こんにちは!」

かえで「まぁ、二人とも…!どうしたの?」

武田「これからね、朝漬けで一杯やるんですよ!」

米田「おう、かえでお前もどうだ?」

かえで「あ、ありがとうございます。でも…今日は米田さんと大事な話があるの。」

二人の登場に驚いたかえでさんですが、声の調子をより深刻なものへと落とすと
その空気を敏感に感じ取った西村は立ち上がると垣根の側へ。

西村「あ…じゃあ、僕たちはそろそろ……」

米田「おう、すまねぇな。」

かえで「ごめんなさいね。」

西村「いいえ、お気になさらず…
   おい武田!行くぞ。」

武田「へっ?だって、朝漬けで一杯…」

けど、武田はマイペースです。(^^;;
そんな武田に「いいから、行くぞ!!」と手招きをするとしぶしぶ西村の側へ。

米田「悪いな、今度埋め合わせすっからよ。
   ダンディボスにもよろしくな!」

西村「はい!」

まだちょっと渋っている武田の背中を押して、上手へと去る二人。
その後姿を見送るかえでさんと米田さん。

かえで「…よく来るんですか?あの銀座のギャングさんたち。」

米田「ん?ああ、たまにな。(足の裏を手ぬぐいではたいて家の中へ)
   あ、そうだ!麦茶飲むか?
   砂糖入れて甘くした麦茶、うまいぞ〜」

かえで「え、ええ…あの、これアンヂェラスのケーキです。」

米田「おお、アンヂェラス。浅草のな。
   モダンな味だよな。(かえでから受け取った包みをちゃぶ台の上に置く)
   …で、なんだ?また問題でもあったのか?
   けどよ、俺はもう大帝国劇場支配人を引退したんだ。
   今はほら、趣味で畑を耕してるただの年寄りだ。」

かえで「…それで、本当に満足ですか?」

米田「…満足するっきゃないだろ?」

笑って、ちょっと待ってろと障子の向こうへと消える米田さん。
その様子に、ため息を付いてしまうかえでさん…かえでさん、確かに様子が変です。
誰かを心配して、という感じではなく自分の中の何かが揺らいでいる感じ…
縁側に腰をかけたかえでさんは手提げカバンの中から一枚の書状を取り出して米田さんを待ちます。
ヤカンとコップを載せたお盆を持って戻ってきた米田さんには顔を向けず言葉を紡ぎます。

かえで「…内示がありました。」(はらりと書面を見せる)

米田「内示だぁ?」

かえで「陸軍に戻れって……」

米田「…誰がそんなもん出しやがった!」

かえで「陸軍省軍務局、宇佐見少佐です。」

米田「あの野郎…!こんなもんは、破って捨てちまいな。
   花小路伯爵と創った帝国華撃団ってのは、軍務局の管轄外だ!」

かえで「でも、わたしは軍人です!」

書状を乱暴に叩く米田さん。ですが、かえでさんは頷かないんです。
そのかえでさんの様子に少々驚きを隠せない米田さん。

米田「お前…宇佐見の内示を受けようってのか!?
   大帝国劇場を辞めてよ!」

かえで「(立ち上がって数歩前へ)…米田さんや、あやめ姉さんが守ってきたものはわかります。
    だから、わたしも守ってきました。
    でも、わたしは…(米田を振り返って)帝国華撃団の最前線に立っていません!
    わたしは…わたしなりに、この国の未来を考えて…!!」

米田「この国の未来とは大きく出たな。」(かえでさんを縁側に腰掛けさせる)

かえで「……陸軍の最前線に立って、強い軍隊を作るという道もあるんじゃないでしょうか…」

米田「おい!……頭冷やせよ。」

声を鋭くして、かえでさんの頭をよぎっている考えを止めます。
睨んだまま麦茶を差し出す米田さん…

米田「軍隊をでっかくしちゃいけねぇよ。
   そんなことをしたら、必ず魔物がとり憑くぜ。
   いいか、市民が望むのは平和だ。誰も戦争なんて望んじゃいねぇ!」

かえで「しかし…!!」

米田「わかってる。平和は難しい…
   だからてめぇの足元、都市を守るんだ!!
   それが帝国華撃団だ!」

すみれ「ごめんくださいまし〜」

と、緊迫しかけた舞台に響く、なつかしのあのお声!!
それと同時に舞台の照明もあの方の色、紫いっぱいに。(笑)

米田「あの声は…すみれか!?」

かえで「えっ?」

米田「おいおい、今日はどういう日風の吹き回しだ?
   おう、入ってこい!」

すみれ「お邪魔いたします〜」

ここまでは、声だけで…すっと日傘を差しながら上手から登場したすみれさん(夏服)に、会場中が惜しみない拍手を!!
また…また、舞台の上に居るあなたを見ることが出来て嬉しく思います!!

すみれ「皆様方〜!ご無沙汰しております〜〜!(客席に手を振りながら歩く)
    まぁ〜〜…お懐かしゅうございます。(舞台中央に立って)
    それでは皆さま、お声をそろえて「すみれさま〜!」と叫んでくださいまし。
    さん、はい!」

すみれさま〜〜〜!!!!!!
ああ、懐かしい。(笑)思いっきり呼ばせていただきました。(^^)

すみれ「まぁ〜…!すみれ、感激ですわ!」

米田「おいおい、すみれ。挨拶は済んだか?」

その様子をあたたかい目で見守っていた(笑)米田さんの声に我に返ったすみれは日傘を閉じながら縁側へと向かいます。

すみれ「あら、すいません…つい嬉しくなってしまって。」

かえで「すみれ。」

すみれ「まぁ、かえでさんもいらしてたんですか?」

かえで「久しぶり…元気そうね。」

すみれ「ええ、おかげさまで。」

和やかに軽く挨拶を交わすとすみれさんは米田さんを真ん中にした状態で下手側に座ると、持っていたバッグからハンカチを取り出して汗を拭いたり、扇子を出したり休んでます。
そして、米田が麦茶を入れてくれたのと同時に、すみれさんが口を開きます。

すみれ「ところで米田さん、いつまでも畑を耕してないで
    早く現場に復帰してくださいまし。
    帝都防衛は、民間で出来ることもたくさんありますのよ。」

米田「おいおい、来る早々いきなりなんだよ。」

かえで「それは、あなたが口出しすることじゃないわ。」

すみれ「いいえ〜言わせて貰います。(汗を抑えながら)
    帝都防衛構想というものはわたくしたち神崎重工の力なくして実現しませんのですから。」

笑顔を湛えたすみれさんの言葉に、米田さんは好ましげな苦笑いを浮かべますが、今日のかえでさんはそんなすみれの言動に引っかかっていってしまいます。

かえで「ふふ…相変わらずね。
    でも、軍を排除した防衛構想には限界があるじゃないかしら…?」

すみれ「…あら。(飲んでいた麦茶を置いて表情を硬くする)華撃団の副指令とは思えない発言ですこと。
    軍になんか頼らなくても、帝国華撃団は帝都防衛に十分な能力を備えてますわ。」

かえで「ええ、十分な能力を備えているわ。
    けど…花組には、限界がある!」

すみれ「そう!はなっから限界のある部隊ですわ。
    帝都しか守らない部隊。おっほほほ…それが花組ですわ。
    (かえでの方に向き直って)…お忘れになったのですか。
    攻め込むためではなく、大切なものを守るために戦う!
    それが帝国華撃団ではありませんか!」

そんな場所だったから、すみれさんは舞台に立ち、戦い、そして…引退していったんです。
けれど、今の考えのかえでさんとは真っ向対立するばかりで…

かえで「そんなことは…民間人となったあなたに言われなくても、わかっているわ。」

すみれ「そうでしょうか。
    それぞれの国の華撃団がしっかりと足元の都市を守っていけば魔物が
    国や権力者にとり憑いて戦争を仕掛けるなんてことにはなりませんわ!」

かえで「それでも、仮に他国の魔物が攻めてきたら…!!」

パンッとわざと扇子の音を立てて立ち上がるすみれさん。

すみれ「…帝国華撃団花組が、霊力と科学で叩きます!!!」

お互いの主張がぶつかり、交わす視線も厳しいものに…

♪時の流れに

曲と共に、舞台が暗転。紗幕が下り、舞台前方に出てきたすみれさんとかえでさん二人きりのシーンとなりました。
過去、すみれとかえでの対立の歌はありましたがそれは舞台の話だったのであくまでも話し合い色が強かったのですが…今回は、深刻ですね。
短縮せずに、一曲歌いきりました。
が……この場で和解とはいかず。最後に目だけ合わせてすみれさんは下手に、かえでさんは上手に歩き去ってしまいました。
かえでさん……スッキリしないまま場面転換。

紗幕が上がると、ここは銀座の大通り。様々な人が居ます。よくよく見ると青山養老院のおじいさんおばあさんも。(笑)
あれ?政さん、今度はサンドイッチマンですか?
そんな中、ひときわ目立つ眼帯をした恰幅のいい男。真紅のドレスに身を包んだ女性を連れて歩く姿を目撃した若い男二人が目の前で礼をします。

タケ「マカオの親分!ご無沙汰しております!」

マカオの虎「おお、お前たちは?」

タケ「大前組のタケです!」

ハナ「ハナです!」

マカオの虎「おう。お前ら暑苦しいからあっち行ってろ。
      …さっ今日は何でも好きな物買ってやるよ。何がいい?」

女「あたしが欲しいのは、マカオの親分だけ。」

マカオの虎「…高望みするんじゃねぇ。ダイヤで我慢しな。」

ダ、ダイヤが妥協点なんですか…男ですねぇ
いやよ、いや〜〜!と駄々をこねつつもマカオの親分の隣を歩く女性。そのまま上手へ。
そして入れ違いに聞こえる三味線の音…下手から雲国斎先生がやってきました。

雲国斎「銀座〜銀座、銀座銀座、ゴー。
    銀座〜銀座、銀座銀座、ゴー。
    麗しの銀座よ〜〜」

口上とは違った独特の言い回しがまた面白いです。(笑)

―――14日・夜―――――

ちょっと(?)言い回しが変わってました。

雲国斎「銀座、銀座、銀座、イェイイェイ!
    銀座、銀座、銀座、シャバダバダ〜!
    麗しの銀座よ〜〜」

ここって先生の気分次第なんでしょうか?(笑)

―――――

上機嫌の雲国斎先生を見つけた一人の綺麗な女性が素早く前に来て声をかけます。

雲国斎「いやいや、いいですなぁ〜銀座は。」

リサ「せんせぇ〜い!」

雲国斎「あ、こりゃ…カフェタイガーのリサちゃん!」

リサ「もう、お見限りですこと。
   今日こそお店に寄っていってくださいね。」

雲国斎「いやいや、今日はダメだよ。
    これから上野の寄席行かなきゃいけないんだよ。
    お客さんが待ってるんだから!」

リサ「もう、お客さんとリサ、どっちが大事なの?!」

雲国斎「そりゃお客さ…………リ、リサちゃん。」

あ、乗せられちゃった。(爆)
ほらほら、笑顔が深くなってきましたよ。

リサ「でっしょ〜〜!さ、一緒にお店行きましょ!」

雲国斎「はい、行きましょ行きましょ!」

リサ「あ、でもせんせい?その前にリサ、新しいバッグが欲しいなぁ〜」

雲国斎「バ、バッグぅ〜?」

リサ「ねぇ〜〜!買って買って買ってぇ〜〜!」

雲国斎「う……買いましょう!!」

ああ、ダメな大人だ雲国斎先生…(^^;;

→各自の一幕へ続く
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