第一幕・ダンディ団編その2

ここで舞台暗転。紗幕が下り、アイリスのみが前方に出てきてジャンポールポシェットから取り出した黄色い虫眼鏡(リボン付)であたりをきょろきょろ探す。
桟敷席に「見失ったものですか?」と聞いたり上手から通りがかったマサオちゃん。(笑)に訊ねて脅かされたりしながら探す仕草はかわいいの一言ですね。
このマサオちゃんとのやり取り、後半からアドリブになりました。17日は「…虫歯だらえけぇ〜〜;;」
18日は「…あ。ノリがついてる。」というとなぜか泣きながら去るマサオちゃん。
19日は大口あけてるのをいいことに、アイリスはポシェットからお饅頭を2、3個取り出すと
「あ〜ん、あー…ん。あ〜〜ん。」と次々に口に押し込む!(笑)
「おいしい?」と訊ねると、大きく頷くマサオちゃん。「良かったね!バイバ〜イ!」…うーん、かわいいです。
それにしても、マサオちゃん…口が大きいんですねぇ

迫り出し舞台部分で首をひねるアイリスを見かけたのは下手から登場した武田。あれ、いつもの上着じゃありませんね。

武田「あ、アイリスちゃん!」

アイリス「あ!武田のおじちゃん!(さりげなく服を強調する武田)
     あー!服しんちょうしたんだ〜!」

武田「あ、わかる!?これね、ボスに買ってもらったんだ!」

アイリス「へぇ〜!にあわなーい。(思わずこける武田)
     うっそ〜。えへへ。」

武田「と、ところでアイリスちゃんはこんなところでなにしてるのかな?」

立ち上がった武田がそう聞くと、アイリスはぱっと笑顔を見せて

アイリス「見失ったものを探してるの!
     そうだ…!一緒に探して、ベロ!」

と、武田にお願いをしますが…

武田「…さよなら〜〜」

さらっと流そうとする武田。珍しい。(笑)
けど、アイリスはその腕を掴むと、さらにお願い!

アイリス「ねぇ、お願い!一緒に探して!」

武田「え〜………」

アイリス「おーねーがーいーー!!(その場で回って駄々をこねる)
     …おねがいv」

最後のお願いはキラリン☆とかわいらしいおねだりポーズになにかをのせて(笑)
その光にあてられた武田は見事陥落!!

武田「…はいっ
   さ、さ、さ…探しますっ!!」

さ、さすがアイリスのおねだり!!!(笑)
もう、武田メロメロです。うっかりアイリスの手なんか握っちゃったときはもう、挙動不審としか言いようが…(^^;;

武田「あ、あ、アイリスちゃんの見失ったものはどこかなぁ〜!」

アイリス「違うよ、花組の見失ったものだよ!」

武田「そ、そうでしたか〜!
   で、何を見失ったのかな?」

アイリス「わかんないの。だから探すんだよ!」

武田「あ、そっか!てへっ
   花組さんの、見失ったものや〜〜い!」

武田の動作がさっきの影響(?)でやたらかわいくなっています。(笑)
二人できょろきょろと客席まで降りて辺りを見渡していると、上手から川岡刑事が登場!
ん?手に見慣れないものを持ってますね。

川岡「あ!アイリスちゃん!!」

アイリス「あ!川岡刑事!」

川岡「はっはっはお久しブリッジ!……ウケない!!」(爆)

いえいえ、決してそういうわけではないんですがね。(^^;;
この台詞、アドリブらしく14日・夜は「お久ブルドーザー!……俺を救ってくれ!!」と言ってました。(笑)
17日夜は「お久ブルドック…負け犬です!」と言ってました。(^^;;
18日は「お久ブリの照り焼き!ぱく!う〜んうまい!もう一杯!…いっぱいいっぱいだ!!」
そうとう苦しいらしいです。(爆)
19日は「お久ブロッコリー!ぱく!ブロッコリー!…ごめん!!」かなり苦しいらしいです。(汗)

川岡「築地警察きっての名刑事!川岡でっす!!」

武田「おう、こんなところでなにしてんだよ。」

川岡「聞きたいかい?」

アイリス「(武田と顔を合わせて)…どうする?」

川岡「いや、聞いてくれ!(爆)
   先日山田警部から頂いたこの風水羅針盤で
   帝都の犯罪を未然に防ごうと、こうして歩きまわっていたのですよ!」

―――16日、17日―――――

ここも、アドリブにかわりましたね。
どうやら休演日を挟んだ16日から変わっていたらしく、16日は
アイリス「千代大海?」
で川岡が張り手でどすこい、どすこいやってらしいです。(笑)
で、17日は…

川岡「聞きたいかい?」

アイリス「運動会?」

川岡「よーい…!(走り出す姿勢)
   ……アイリスちゃん。(腕を叩いて)ここ上げたね。」

にっこりと笑うアイリス。アイリスはある意味普段から鍛えられてますから。(笑)

―――18日―――――

川岡「聞きたいかい?」

アイリス「地中海?」

川岡「うわ〜海広いねぇ〜〜
   ってアイリスちゃん!聞いてるかい?」

ボケたあとに客席に向かって挨拶をしてたアイリスに、川岡さん肩透かしぎみ。(^^;;

―――19日―――――

川岡「聞きたいかい?」

アイリス「黄色いかい?うん、黄色いよ。」

と、自分の服装の色を指すアイリス。たしかに!(笑)
これは至極まっとうといえばまっとうな答えなので、川岡も納得してました。

川岡「うん、黄色い!黄色いよ。
   アイリスちゃん正解!ちょっと話し聞いてもらっても良いかな?」

納得しちゃうから、ストレートに聞いて流れに戻すしかないですよね。(笑)
   
―――――

と、高らかに掲げるのは手に持っていた盤…ああ、それはそういうものだったのですね。
そういえば、よくよく見ると四神の絵が書いてありますね。
なるほど〜と合点がいった二人は、羅針盤といえば…!と川岡刑事の側へと行きます。

武田「じゃあさ、あんたも一緒に探してくれよ!」

川岡「探すって、何を?」

アイリス「花組が見失ったものだよ!」

そう、風水で指針を立てるのも悪くないですよね。

川岡「見失ったもの…で、それは何かな?」

アイリス「わかんないから探すんだよ!」

川岡「わからないから、探す…
   (一歩前に出て)ん〜〜、まさに真理で〜〜す。」

え、ちょっと待って…その喋り方とその眉間に人差し指を当てて相手を探るように見る動き…古畑任○郎さんのモノマネですか?(^^;;
懐かしい…結構好きだったんですよね、あのドラマ。
と!!イキナリ川岡刑事が不審な動きを!!

川岡「やや!!風水盤が怪しい動きをしてる〜〜!!
   (ぶんぶんと上下に振られて、羅針盤に弾かれる)
   これは!!……地下を指し示しているぞ。」

慄く川岡刑事に、顔を見合わせるアイリスと武田。

アイリス「地下には、薔薇組がいるよ?」

川岡「薔薇組!!…なんだか怪しい響きだ!」

まぁ、たしかに怪しいといえば怪しい方々ですが…(汗)

川岡「そいつらが、この下に居るんだな!?(頷くアイリス)
   よし、一緒に探そう!」

と、勢いよく手を前に出したのはいいんですが、アイリスも武田も一歩引いたところから動いてくれませんよ。(笑)
仕方なく、一人で手を重ねる川岡刑事。(^^;;
ぱかっとマンホールを開けると、いまひとつ乗り気じゃない二人に向かって一言。

川岡「見失ったものが、あるかもな。」

えっホント!?と顔を見合わせるアイリスと武田。

アイリス「じゃあアイリスも行くー!」

武田「ベロも行くー!」

と、見事に乗せられて、三人は地下へ。
……張り出し部分のマンホールを閉めると同時に、舞台に照明が入り場面転換。
どうやら、これから三人が向かう地下のようです。
真言混じりのおどろおどろしい音楽が流れる中、舞台の下からセットがせり上がり、ここは闇の集団の基地のよう。
忍者のような者たちが舞台を見事な軽業で飛び回り、舞台と共にせり上がってきた頭領らしき人物が振り返る。

♪蒼き炎

幻夜斎「♪日毎夜毎に募る恨みは
     時を越えて燃え盛る 蒼き炎

     咲き誇るのなら 命短く散らすのだ
     闇に蠢くもの 邪悪な心 放つのだ
     涙枯れさせ愛を砕こう 暗闇を抱きしめ

     日毎夜毎に募る恨みは
     時を越えて燃え盛る 蒼き炎」

その立ち振る舞いときたら…なんて優雅で魅せてくれるのでしょう。
これが…今回の敵!

幻夜斎「我が名は…根来幻夜斎。
    機会が訪れた!我ら根来衆が世に出るときだ!!
    惰眠を貪る馬鹿共に鉄槌を食らわし
    西洋に被れたこの腐った帝都を焼き払い
    そして再び、天海僧正の意思を継ぎ美しき都を再興するのだ!
    それが我が願い!我が思い!!」

天海…!?ああ、その名前を聞くのも何年ぶりだろう。
かつて黒之巣会の頭目として対峙した、天海僧正…その影響はまだ残っていたのですね。
高らかに幻夜斎がそう告げると、せり上がってきたセットの上(物語上は、地上から下ってきた)から様子を伺っていた川岡刑事が堪らず声を上げます。

川岡「待て!!
   (根来衆を見渡して)…そうか、貴様らが薔薇組か。」

武田「あれ薔薇組さんじゃねぇよ。」

川岡「なに!?じゃあ、こいつらはなんだ?」

武田「知らねぇよ!」

幻夜斎「貴様こそ何者だ。」

川岡「つけものだ!うひょー!…つっこめよ!!」

いや、そんな唐突にギャグやられたらいくら武田だってつっこめませんよ。(^^;;
此処も実は日替わりで…13日の夜が「瀬戸物だ!」だったそうで
14日・昼が「くだものだ!うひぃ〜〜!」夜が「酢の物だ!うひひ!」
16日が「割れ物だ!がしゃーん!…自分で割っちゃたよ;;」
17日が「曲者だ!」……自分で曲者名乗ってどうするんでしょう?(笑)
18日が「つけものだ!」でしたね…日に日に落ち込み度が激しくなっていきましたが。(^^;;
19日は「つけもの」で、落ち込んで懐からハーモニカを取り出して哀愁を漂わせていました。
が、がんばれ川岡!!気を取り直して、舞台上に立った川岡はびしっと幻夜斎に向かって名乗りを上げます!

川岡「築地警察きっての名刑事、川岡だ!!」

幻夜斎「…蝿!」

呟きと共に手のひらを川岡刑事に向けると、一瞬のうちに煙に包まれた川岡刑事!
そして、虫独特の羽音…起き上がった川岡刑事は手のひらを窮屈そうにぱたぱたさせながらその音と共に上手へと…

―――18日―――――

楽日でもないのに(いえ、三人娘にとっては楽日ですね。)
幻夜斎がしかけましたよ!
すぐにハエにせずに、名乗った川岡の相手をするべく階段に座ってしまいます。(笑)

幻夜斎「川岡…下の名は?」

川岡「川岡連太郎だ!!」

そんな名前だったの!?(笑…どの字でれんたろうなのでしょう?とりあえず、この字を当てておきますが)

幻夜斎「川岡連太郎か…歳はいくつだ。」

川岡「だいたい、28くらい。」

幻夜斎「親はいるか?」

川岡「親は…いるさ!」

幻夜斎「子供は?」

川岡「子供は…まだ、いないよ。」

どんどん続く幻夜斎の事情聴取に、比例して慌てていく川岡。(笑)

川岡「あの、そろそろ…」

幻夜斎「(立ち上がって)そうか…残念だな。
    ええーい!!」

なにが残念なのかよくわかりませんが(笑)川岡がつい本音を零してしまったとほぼ同時にハエにされました。
なにかどこか安心したように飛んでるような気がするのは気のせいでしょうか?(^^;;

―――――

武田「川岡の奴が、ハエにされちまったよ!!くっそ…!!」

アイリス「行っちゃダメ!!!!
     …すごく、強い……霊力!」

幻夜斎の力を目の当たりにしたアイリスは警戒心をむき出しにして幻夜斎を見つめます。
対する幻夜斎は余裕の笑みを浮かべたままアイリスに目を合わせます。

幻夜斎「ほほう…そこの子供、お前も霊力を使うのか。
    名は何と言う?」

武田「アイリスちゃんでーす!」

幻夜斎「五月蝿い。お前には聞いておらん。」

武田の雰囲気を読み取らない明るい口調を一蹴する幻夜斎。
霊力を持たない武田には、やはりまったく興味は無いのですね…が。
そんなことはわからない、気づかない武田は頭に血が上ります。

武田「何だと?!
   (勢いあまって舞台に立つ)聞いて驚くなよ!
   俺はな、ダンディ団のベロムーチョ武田だぁ!!」

幻夜斎「ええーい!!」

殴りかかろうとした武田に触れることなく爆竹が武田の身体で火花を散らす!!
…ショックでその場に倒れる武田。

アイリス「!?ベローーー!!!」

これには警戒していたアイリスも堪らず駆け寄りますが、武田はピクリとも動きません…
膝をついて俯くアイリス

幻夜斎「……次は、お前の番だ。」

アイリス「…アイリス、怒ったからね……
     (キッと幻夜斎を睨みつける)絶対に、ゆるさないんだから!!!」

立ち上がったアイリスは、幻夜斎や忍者集団と距離をとる為に階段の下へ。そして、両手を胸の前で合わせて目を閉じて強く念じると

アイリス「えーーい!!」

煙に包まれるアイリス!そして、その煙が晴れた頃には…アイリスの姿は無く。瞬間移動したようですね。

忍者「お頭、消えました!」

幻夜斎「なんと強い霊力…もしやあれが、帝国華撃団…!
    ……ほのかに香る、あの子の香りだ。
    この漂う匂いを追え!」

忍者「はっ」

幻夜斎「まずは、帝国華撃団からだ。」

薄ら笑いを浮かべながら、暗転。
あの、ところで武田さんが倒れたまま……あ、ハエになった。(爆)
と、とりあえず死んでなくて良かった…あの独特の羽音を響かせながら上手へと飛んで行きました。
場面は変わって…劇場の裏手ですかね。紗幕が下りた舞台の前を下手から台本を読むマリアさんがやってきました。

マリア「…ここに台詞を追加して、ここには歌…
    人はだれも好奇心を持っているわ それはいつも生きている証なのよ
    …そうかもね。(舞台中央、張り出し部分で足を止める)
    何かをしたいと思ったり、何かを欲しいと思ったり
    誰かを好きになったり…ね、好奇心よね。(客席に向けて)
    生きてるって感じがする。」

台本を抱きしめてそう呟くマリアさんは、何処と無く嬉しそう。
生きている喜びを歌ったことのある、彼女らしい表情です。
と、そんなマリアのいる舞台上に上手から電柱を抱えた裏方さんが…って、あれは岩本!
正月公演のときに出てきた、岩本さん!!

岩本「は〜忙しい忙しい!!
   えーと、この大道具は…あ、あっちか!」

自分の仕事に夢中になっていてマリアに気づいていなかったようで、くるっと前を向いたところでようやく気づいてくれました。
マリアさんはにこやかに手を振ってるんですが、マリアを見た岩本はなぜか必要以上に驚いている感じ。

岩本「うわー!異国の人だーー!」

マリア「異国の人?」

って、誰に声をかけられたか自体、わかってない!?(^^;;

岩本「は、はろー?」

マリア「hello?」

岩本「ハローワーク?」

マリア「hello work?」

岩本「あ、あばんちゅーる?」

マリア「aventure?」

とりあえず知っている英単語を並べる岩本ですが、次いだマリアの流暢な英会話に、どんどん逃げ腰になって…
ここもアドリブで14日は「ユーセイ、ミンエイカ?」と英語で答えようの無い単語にマリアさんがうろたえたり
16日は「イソフラボ〜ン」でマリアさんは「イ…いそふらぼん!?What do you mean!?Do you speak English!?」と英語で乗り切っていたみたいです。
18日は「シロガネーゼ?セレブ〜?」だったり。
何となく極めつけだったのが19日の「えー…テイクアウトOK?」で「Take...me!?」とマリアさんが素で驚いてるのが面白いです。
でもツボにははまったらしく、しばらく台詞が笑い交じりでした。(笑)

岩本「うわあ〜〜!!僕英語ダメなんです〜〜!!!正味の話。」

と、あっさり玉砕。(笑)
思わず笑ってしまうマリアさん。

マリア「ふふっ…日本語で大丈夫よ。新人くん。」

岩本「えっ?…あ!!」

マリア「やっと気づいてくれた?」

マリアさんの声が、何となく低いのは気のせいでしょうか?(^^;;

岩本「タチバナさん!」

マリア「マリア、タチバナね。」

岩本「タチバナさん!」

マリア「マリアでいいわよ…」

岩本「おう、マリア!」

マリア「呼び捨て…」

ひっと思わず岩本に身が竦みます。
そりゃ…マリアの低い声での呟きには独特の凄みがありますから……

マリア「あなた、お名前は?」

岩本「い、いわもとです…」

マリア「いわもと…」

岩本「はい…」

マリア「岩本…」

岩本「はいっ……」

どんどん低くなるマリアの呟きに怯えまくって身をひねる岩本の運命やいかに?

マリア「岩本?岩本って、カンナの付き人の!?」

岩本「はい!」

が、意外にもマリアの声は弾んで、ただの問いかけに。ほっとしたように岩本もことさら大きな声で答えます。

マリア「あなた、付き人はどうしたの?」

岩本「クビになりました〜!(えへっと頭をかきながら)」

マリア「ああ、やっぱり…」

岩本「ああ、でも親方に声かけてもらって!
   それで新青い鳥の舞台作り手伝わせてもらってるんですよ。」

マリア「そう、親方が……仕事、大変でしょう?」

岩本「いいえ、全然。」

マリア「えっ?」

愚痴が飛び出すかと思っていたのでしょうか、目を丸くするマリア。

岩本「だって、仕事楽しいですもん。
   舞台作りって、人生のそれに似てますよね。」

マリア「人生の、それ…?」

続いた岩本の言葉に、少し頭をひねりますが…気持ちは伝わってますよね?
うんうん、と自分の言葉に頷いていた岩本ですが、自分の仕事を思い出して弾かれたように顔を上げると電柱の大道具を再び抱えて「急がなきゃ!」と下手へと走っていきます。
下手まで進んだあたりで、マリアが再び声をかけます。

マリア「あ、岩本!…いろいろあるだろうけど、頑張って。」

岩本「…ありがとうございます!!」

ちょ…思いっきり頭を下げるのはいいんですが、電柱ちょっち危ないでーす!(汗)
嬉しそうに下手へと駆けていく後姿を見守ったマリアは一言。

マリア「……なんかいいなぁ。」

岩本くんは、どうやらマリアさんのツボにはまるキャラみたいです。(笑)
楽しそうに上手へと進むマリアですが、その前方から切迫した様子のレニが現れて…

レニ「マリア!大変、アイリスが!」

マリア「アイリスが、どうしたの?」

レニの様子に、マリアの表情も引き締まります。

レニ「ぐったりしてる…」

マリア「何処にいるの?」

レニ「地下に…今かえでさんが医療ポット用意してくれてる。」

マリア「それで、意識は?」

レニ「朦朧としてる。
   多分、霊力を全開放したんだと思う。それで、体力が…」

マリア「そう…とにかく、行ってみましょう。」

急ぐ二人は上手へと駆けていきます。
そして、その同時刻…やや前かも。の大帝国劇場地下室では戦闘演習が行われている様子。
紗幕はかかったままで、照明の角度や効果で上手に居る戦闘服姿の大神さんと舞台の奥…ほとんどシルエット状態ですがさくらさんの光武二式が。

大神「我々は帝都を守る秘密部隊!
   それぞれに宿る霊的な力でこの光武を操り、帝都に蠢く魔物たちと戦うのが使命だ。
   だがその力はか細く、儚く、見失いやすい力だ。
   だから、日頃の訓練が必要である。

   戦闘訓練だけではなく、歌や踊りを中心とした舞台に立つことで
   その力を高めていかなくてはならない。
   これは、古来より能、狂言、または歌舞伎といった芸能者には
   特別な精神力を必要とするという事実に裏付けらた訓練方法である。
   ……舞台には、神が宿る。
   では、訓練を始める!(光武の目に光が宿る)
   …さくらくん!通信状況確認!」

さくら「はい!通信状況、良し!」

大神「霊子メーター、確認!」

さくら「霊子メーター、良し!」

大神「霊子エンジン、始動!」

さくら「霊子エンジン、始動します!」

大神「戦闘シュミレーション、開始!」

さくら「はい!!」

大神の声と共に、光武が独特の蒸気音を響かせて、少し動き出したところで暗転。
光武……とりあえず出てきましたね。やっぱり日々訓練はしているんですね。
紗幕は下りたままで所変わって…下手の舞台通路が帝劇近くの道端に。
「インケツ豚」と書かれた手押し屋台に、近くに置かれた椅子に座って食べるはカンナさん。
あれ?政さんまた職変えたんですか?
と、そこに下手からかけてくる親方が。

親方「なぁ、この豚丼ってのは美味いのかい?」

政「へい!そりゃあもう。」

親方「じゃあさ、10人前大盛りで頼むよ。
   後で岩本って若い奴に取りに来させるからよ。
   そのとき、受け取り頼まぁ。」

政「はい!!ありがとうございます!」

政の様子に、何となく振り返ったカンナはそこに見知った顔が居ることに気づき、声をかけます。

カンナ「親方!」

親方「あれ?カンナさん!
   いいんですか、お稽古の方は?」

カンナ「いいんだよ、稽古の方は真面目なマリアがちゃーんと考えてくれてるんだから。
    あたいたちは大船に乗ったつもりで、あんま考えなーい。
    これもな、チームワークってんだ。」

親方「はぁ〜…そういうもんなんですか。
   偉いなぁ、カンナさんは。」

腕を組んで頷く親方に、カンナは軽く笑って豚丼を食べ続けます。
そうこうしていると、下手から親方を呼ぶ声が…

親方「ああ、いけねぇ。すぐ行くよー!
   じゃあ、カンナさん。あっしはこれで。」

カンナ「あ、親方。
    あたいがここにいること、みんなには秘密だよ〜」

秘密、の発音は「しみつ」でお願いします。
頷く親方が走っていくのを見届けて、カンナは再び食事に戻ろうとしますが

カンナ「しかしさ…すみれの奴、バッカじゃねぇの。
    花組は、おかしいですわぁ〜…って
    ああ、花組はおかしいんだよ。最初(はな)っから。
    あたいなんて子供の頃から親父に空手しか教わってねぇんだよ。
    子供時代も青春も無かったよ。
    そういう意味じゃ、花組は帝都を守るために
    何かしら見失っちまってるのかもしれねぇな…大事なもんをよ。」

伏し目がちの言葉に、一瞬静まりますが…カンナの心を象徴するかのように「島風」のメロディーが流れてくると
再び顔を上げて言葉を繋ぎます。

カンナ「けどよ、本当に見失ちまってるかって言うと
    そうでもないんだよな。
    あたい、子供の頃は嫌だったけど…
    今は空手やっててよかったぁ〜って思ってるしな。
    そのお陰でみんなに会えたんだしよ。
    あたいにしか出来ないことで、ここに存在している。
    それって結構、幸せなことなんだよなぁ〜」

うん!と自分の結論に満足したカンナは、今度こそ食事を再開。
「ははっうめぇ〜!しあわせだなぁ〜」と今を噛みしめながらのその笑顔は、本当に幸せそうで…
カンナなりの答えが出たところで暗転。

再び場面は舞台上に戻ります。紗幕が上がると、ここは帝劇の地下…医療室。下手、上手それぞれに階段があります。
舞台の中央の医療ポットで眠るアイリスを心配そうに見守る大神さん、さくら、レニ。
(医療ポットは進化しまして、服を着たままでも大丈夫になったみたいです。(爆))
奥の…制御装置でしょうか。それを見ていたマリアが、一つ頷くと大神へと顔を向けます。

マリア「……これで、大丈夫だと思います。」

大神「(頷く。眠っているアイリスに目を向けて)アイリス、しっかりするんだぞ。」

マリア「霊力を一気に開放しただけです…すぐに回復するでしょう。
    アイリスは、ここに居る誰よりも強い子ですから。」

大神「……そうだな。」


♪可憐な花よ、強い花よ

アイリスの歌じゃないけど、アイリスの歌。という事前のイメージそのままの歌でしたね。二番部分の無い短縮版。
歌う二人の横…上手側の階段の側で心配そうなレニを気遣うさくらという流れも二人らしくて、いいと思います。
最後の1フレーズにはレニとさくらも加わり、みんなアイリスを大切に思っているというのが、ひしひしと伝わってくるシーンでした。
アイリス…早く目を覚まして。
ところが、その静寂を破る空気を切り裂く音が!!

大神「何事だっ!?」

マリア「敵襲…!」

弓矢が飛び交う中、警戒体制に入る四人。そこに現れたのは…根来忍者!

マリア「…問答無用ってことね!」

襲い来る忍者たちを振り払う花組たち。
眠ったままのアイリスがいる医療ポットを囲むように下手側に大神、マリア。
上手側にレニ、さくらが立ちその位置を極力離れないようにしながら応戦していると、下手の階段から幻夜斎が登場。

マリア「何者!!」

その姿を認めたマリアが聞き返しますが、幻夜斎はそれには応えず眠ったままのアイリスを指差します。

幻夜斎「まずは、霊力を使うあの少女をやれ!」

幻夜斎の指示を受けて、一斉にアイリスを目掛けて襲い来る根来忍者!!
当然、そんなことはさせない!と相手をする面々ですが一瞬の隙をついて一人の忍者がアイリスに刃をつき立てます!

レニ「アイリスはボクが守る!!」

それを間一髪止めたのがレニ!
乱闘状態の医務室。そこに、上手階段からカンナと織姫がやって来て…

カンナ「なんだてめぇらは!(階段にいた根来忍者を殴ってフロアへ)
    (ポットの中のアイリスを見て)アイリス、どうしたんだ!?」

マリア「説明は後よ!」

なし崩し的に戦闘に参加するカンナと織姫。
敵を掃いつつ医療ポットを囲む陣形に。

大神「こいつらアイリスを狙っているんだ…なんとしても防ぐぞ!」

花組「了解!!」

大神「さくらくん、カンナ!前に!」

さくら・カンナ「はい!」

大神「マリア、織姫くん、レニは後方守備を!」

マリア・織姫・レニ「はい!!」

指示通りに前に出るカンナとさくら。そして、ポットの周りを固める三人。
それを見た幻夜斎はニヤリと笑う。

幻夜斎「ほぅ…やはりそうか。貴様ら全員霊力を使うのか。」

大神「花組に手を出す奴は許さん!!」

幻夜斎を指差し、そう言い放った大神さんの強い目線すらも受け流す幻夜斎。

幻夜斎「お手並みは拝見した。引くぞ!」

マリア「待てっ!!」

立ち去ろうとする根来衆、みすみす逃してなるものか!と
幻夜斎を追おうとするマリアですが、幻夜斎は煙幕を使い、見事に逃げ去りました。
とっさに袖口で口を覆い、一歩引くマリア。大神も同様に袖口で口を覆いますが、カンナは勢いのまま幻夜斎がいた、今だ煙の残る階段上に向かいます。

かえで「みんな、煙を吸っちゃダメ!!」

上手の階段上から袖口で口元を覆ったかえでさんが現れ叫びますが、一拍遅かったです。
レニやさくらはかえでさんの指示通りに手の甲を口元に当てて煙を防ぎますが
煙の只中に入ってしまったカンナの足がふらつきます。

カンナ「な、なんだこの煙…」

大神「!…カンナに解毒剤を!」

マリア「はい!」(カンナに肩を貸して下手へ)

大神「かえでさんは排煙装置を動かしてください!」

かえで「わかったわ!」(再び上手の階段上へ)

大神「さくらくんは、敵の動向を探ってくれ!」

さくら「はいっ」(上手へと駆けていく)

大神「レニはアイリスを守ってくれ!」

レニ「了解!」(医療ポットの制御盤を確認する)

大神「織姫くんは?」

レニ「奴らの後を追いました。」
 
大神「そうか…それにしても、奴らは一体何者なんだ…」

排煙装置が作動したのか、袖口を下ろした大神さんの呟きに、レニも黙します。
けたたましくサイレンが響く中、カーテンが下ります。
とりあえず、アイリスは無事…ですが、帝劇内―――帝撃施設に易々と進入してくるとは…根来衆、恐るべし。
緊迫した空気のまま舞台には上手からかえでが、下手からマリアが現れます。

かえで「上は大丈夫よ。」

マリア「ロビーはかすみが固めてます。」

かえで「とにかく、敵の足取りと目的を探らないとね。」

はい、と頷くマリアの肩を軽く叩いて下手へと駆け出そうとするかえでさん。
その背中に、マリアが問い掛けます。

マリア「かえでさん…辞める気ですか?
    (何故それを?と足を止めて振り返るかえでに)…すみれから聞きました。」

かえで「……そう。内示があったの。」

マリア「…陸軍とは、関係ないですよね!?
    ここはそういう組織ですよね!」

かえで「市民を守るのは、軍も同じよ!」

マリア「同じじゃありません。
    軍は…市民を守りますが、その市民を犠牲にもします!」
    
かえで「…あなたと、今議論をしている場合じゃないわ。」

マリアの揺るがない瞳から目をそらして会話を断ち切ろうとするかえでさんに、マリアはさらに言い募ります。
かつて、革命軍という組織にいた、マリアだからこそ…そんなマリアにしか言えない言葉もある。

マリア「…かえでさん。ここに、花組が居ます。
    あなたはここの副指令ですよね!?」

必死のマリアの言葉も、今のかえでには届かず…下手へと駆け出すかえでの背中に
声をかけようと口を開きかけますが、ぐっと口を噤んで悔しそうに手で膝の辺りをたたいてマリアも上手へと駆け出します。
今、なすべきことをするために。

舞台は暗転し、その中で紗幕が上がるとそこは薄暗い場所……帝都の地下水道。
それを下手の奥から現れた小型の船で進むのは織姫と…薔薇組の二人!
そうか…一人で追うなんて無茶な、活動写真の二の舞になりかねないと危惧していたんですが、この二人が一緒だったんですね。
でも、どうして船の先頭に小さなあひるちゃんが付いてるんですか?(爆)そして、このシーンは「オペラ座の怪人」を意識してますよね?
ここでもまた隠し曲が。

薔薇組「♪あー 恋よこい
     あー 恋よこい」
織姫「♪この胸を焦がすのは」
三人「♪あなたを愛しすぎたから」

♪恋歌

舞台の奥から前方へ進み出てきたら、今度は角度を変えて下手から上手へ横断……
あのー…後ろから鯉が付いてきてるのは何故ですか??(笑…歌の恋とかけて?)
あ、琴音さんと菊ちゃんが餌を…飼ってるんですか?(爆)

織姫「♪あー わたしの思い 暗い水辺をすり抜けて
    行き場の無い不安の中をさ迷うのよ」

菊之丞「かもーん!」(バシャバシャと鯉が跳ねる)

三人「♪あー わたしの思い あー わたしの恋は」
織姫「♪あー あなたを求める」

張り出し舞台ギリギリまで前進してきた船は、歌が終わると同時に舞台中央へ。
うーーん……真面目な、本当に真面目な歌なのに。どこか首をひねりたくなるのは鯉ゆえか。(^^;;

琴音「鯉さんたち、どうもありがと〜!」

だって現に、歌が終わったら鯉たちは下がっていきましたよ。跳ねながら。(笑)
手を振ってそれを見送る琴音さん。それも一段落したら、今度は織姫に目を合わせます。

琴音「さぁ、いよいよわたしたち薔薇組の本領発揮ね。
   まずは敵の居場所を探りましょう。」(座って船に取り付けられているモニターらしき部分を見る)

織姫「お願いしまーす。」

琴音「あ、いた!この鋼船の探知機で敵を発見!
   敵は…一時の方角よ!菊之丞、ゆっくり全速前進!」

菊之丞「了解です!」

琴音さんの指示通りに船を操る菊ちゃん。ゆっくりと下手方面に向けて船を進めます。

琴音「…あ、でもその右のほう気をつけて。
   あたし去年そのあたりに機雷沈めちゃったのよ。」

織姫「どうして地下水道に機雷なんて沈めるですかー!」

琴音「だってプールにだって機雷沈めてたでしょ!
   すみれさんなんか機雷の間を泳いでたじゃない。」

ああ、あのミニゲーム(笑)
でも…泳いだのは大神さんですよ!!(爆)懐かしい…ヘマをして機雷三連撃受けたこともあったなぁ…

琴音「そういえば、あたしこのあたりに斧彦さんも沈めてるのよね…」(水面を伺う)

織姫「ええっ!?」(慌てて水面を覗き込む)

菊之丞「(さらりと見ながら)随分長いこと潜ってるから、もしかしたら半魚人みたくなってるかもしれませんね。」

冗談半分の菊ちゃんですが、タイミングよ〜〜く何かが跳ねましたよ!(汗)
思わず言葉が詰まる一同…

琴音「…い、今のは斧彦じゃないわね。」

織姫「じゃ、なんなんですか〜?」

琴音「み、未確認せいぶつ……
   …!危ないっ」

と、織姫を標的に何処からとも無く飛んできた弓矢を手で掴む!!
そのまま鏃をじっと見つめる琴音さん。どうやら見覚えがあるようで…

琴音「この鏃は……確か根来衆!」

その記憶を肯定するかのように、根来忍者が船を取り囲みます。

菊之丞「…来ましたね。」(隠し持っていた短刀をすっと構える)

織姫「こいつら、水の上を…!?
   (忍者たちを警戒しつつ)…根来衆って、なんなんですか?」

菊之丞「影の軍団。情報収集と暗殺の、専門です!」

説明が終わらないうちに、襲い掛かる根来衆!
それぞれに応戦をしながら、敵の手を掴んだ琴音さんが説明を続行します。

琴音「神門の僧兵上がりの根来衆は鉄砲と毒薬と妖術に優れていて
   天海僧正の手足にもなってたらしいの(掴んでいた手を離して扇子で叩く)よ!!」

ばっしゃん!と敵を追い払う三人。やや織姫の息が上がっています。
が、聞くべきことは聞いていたようです。

織姫「天海って…花組が戦った、あの天海ですか!?」

琴音「…そう。帝都は近代化したけれど、根来衆は天海僧正の呪縛から逃れられないの。」

と、さらに新手が!!ここはもうすでに敵のテリトリーなんでしょうか…
再び応戦しながらの説明に。

菊之丞「江戸を作るときに、此処にエネルギーが溜まりやすいように設計したんです。」

琴音「けどその反面、悪のエネルギーも噴出すってことよ!」

菊之丞「エネルギーに、善悪は無いですから。ね!」

新手も倒した三人。今度こそ、一段落でしょうか?
悪のエネルギーなのに、善悪は無い…それは、えっと…悪意を持ったものがエネルギーを利用する、または悪意がエネルギーに乗って増幅されるってことでしょうか?

織姫「こいつらの狙いは何なんですか?」

琴音「それを探りましょう。」

頷く一同。と、そこにまた新手が…!!
が、今度の奴らはどこかフラフラしてて虚ろで…

織姫「…こいつら、なんか変でーす!」

琴音「もしかしてこれは……(忍者たちを指して)幻覚の術ね!」

織姫「とすると操ってるのは……そこっ!!!」

自分たちの背後に当たる部分を振り向きざまに攻撃する三人。
それらは見事に実際の敵を貫き、幻術を使っていた忍者は水面へと沈んでいきました。
お見事!!
操り手がいなくなったのでようやく静かになりました…ふう、と一息つく三人。

琴音「…恐るべし根来衆…でも、これで終わったとは思えないわ。
   気を引き締めていきましょう。(頷く一同。再びモニターに目を向ける)
   菊之丞、今度は…三時の方角よ!」

菊之丞「はい!」

するすると船を滑らせて舞台の奥へと向かうと、織姫が右の方になにかを発見したようです。

織姫「あ、これクラゲ?」

菊之丞「わ、本当です〜」

琴音「綺麗ね〜って……それあたしが沈めた機雷よーー!!!」

織姫・菊之丞「ええっーーー!?」

そんな形だったんですかーー!!
って、あーあ……船、機雷に触っちゃったみたいです…爆発音と悲鳴が響く中、暗転…あ、あのメンバーなら無事だろうとは思いますが……(滝汗)
紗幕が下りると、やや舞台が明るくなり独特の羽音…
そう、ハエにされてしまった武田と川岡です!!武田のハエは、まぁ…普通のハエです。黒いし。
川岡刑事のハエは、ライダーカラーです。(笑…体の部分が緑なので。)
それぞれ、ハエを操っている黒子が本人たちなんですね。ぴたっと舞台中央で紗幕に止まって相談相談…

武田「おい、川岡!俺たち、なんでハエにされたんだ!?」

川岡「さぁ〜?…意味不明です〜」

武田「俺たち、このまま終わったら困るよな?」

川岡「もしこのまま終わったら…正月公演もこのままですよ〜」

武田「うおぉぉ!?そりゃヤベェ!ヤベェヤベェ!!」

取り乱して飛び回る二人…いや、二匹?(^^;;
ってか、正月公演今年もやってくれるんですね。良かった。<いや、いまそれどころじゃ…
ぶんぶん飛び回っていた二人ですが、武田がはたと気づきます。

武田「そうだ!大帝国劇場に行こう!
   花組さんたちだったら俺たちに気づいてくれるよ!
   で、訴えるんだ!なんとかしてくれぇ〜!!って!」

川岡「花組さんでなんとかできるんですか?」

武田「つべこべ言うな!今はそれしか考えられん!」

うーん…まぁ、たしかにどうにか出来ちゃいそうなんですがね。実際。
武田は本能でわかってるのでしょうか?それとも

川岡「お前バカだな。」

川岡刑事のツッコミ通り、短絡思考なだけなんでしょうか??<失礼な

武田「うるせぇ!行くぞ!!」(上手へ飛び去ろうとする)

川岡「ちょっと待て。」

武田「なんだ!」

川岡「カワちゃんって呼んでください。」

唐突ですね、川岡刑事。(苦笑)

武田「は?」

川岡「カワちゃんって。」

武田「…カワちゃん?」

川岡「俺なんて呼んだらいい?」

武田「……ベロちゃん?」

愛称呼びは親密度を高めるもの。
愛称が決まったら、川岡刑事はなぜか黒子の顔の部分にある布を上げて…

川岡「…ベロちゃん。」

無駄に色っぽい声で呼びかけてますよ!(^^;;
それに倣って、武田も布を上げて呼びかけるんですが…

武田「…カワちゃん。」

やや照れ笑いが入ってます。(笑)
なんだかよくわからない友情が芽生えた二人。ばっと布を元に戻すと頷きあって

武田「……行くぞ!」

川岡「うん!」

上手へと飛び去っていきました。(大笑)
うーん……頑張れ。
二人が去った舞台ですが、まだ紗幕は上がりません。
そのかわり、奈落からマリアとカンナが現れました。
背もたれの無い椅子が三つ…医務室ですかね。医療ポットがあるフロアではない、ごく一般的に見える方の。

マリア「カンナ、大丈夫?」

カンナ「これくらい、なんてことねぇよ。」

どうやら、煙にやられたといっても軽症だったようですね。良かった。
そこに、下手からレニとかえでさんに連れられたアイリスが。

レニ「カンナ、マリア。アイリスもう大丈夫だよ。」

笑顔のレニに、マリアとカンナは立ち上がり、カンナはアイリスのもとへ。
かえでさんに促されて一歩前に出たアイリスは、駆け寄ったカンナ前に立ってぺこりと頭を下げます。

アイリス「…迷惑かけて、ごめんなさい。」

カンナ「何言ってんだよ。ほら、こっち来い。」(マリアが居る舞台中央へつれてくる)

マリア「無事でよかったわ。」

心の底からアイリスの無事を喜ぶ二人に、はにかむように笑うアイリス。
それを見守るレニとかえでさん……かえでさんは、何か思うところがあったんでしょうか。やわらかい笑顔を見せています。

アイリス「えへへ…でも、なんか忘れてる気がするの。なんだろう?」

首をかしげるアイリスに、他の面々も疑問符を浮かべますが…
そればっかりは本人が思い出さないことにはなんとも…と、そこに上手からさくらさんが駆け寄ってきました!

さくら「みんな!織姫さんから連絡がありました!!
    敵は上野に向かったそうです!」

さくらの報告に、表情を固める一同。

カンナ「よし、上野に行こう!!」

カンナの気合が入った言葉に同意し、上手へと駆け出す花組。
ですが、一歩進んだところで大神さんが上手から登場、花組の足を止めます。

大神「待つんだカンナ!俺に作戦がある。」

カンナ「作戦?」

大神「ああ。敵は根来忍者…一筋縄ではいかない。
   だから、おとりを使う。」

カンナ「おとり?」

大神「今は時間が無い。詳しい話は後だ。
   (花組を見渡して)…よし、上野に向かうぞ!」

花組「はいっ」

大神の言葉を受けて、再度走り出す花組。それに続こうとするかえでさんですが、その前に大神さんが立ちます。

大神「かえでさんは、劇場の警備を固めてください。」

かえで「…わかったわ。まかせて!」

お願いします、と頷いた大神は花組を追って上手へと駆けて行き…一人残されたかえでさんは自分に言い聞かせるように表情を引き締めて一つ頷きます。
しばしの暗転。(この間に、張り出し舞台の上にいたかえでさんが奈落に下がります)
再び明るくなると、あの独特の羽音と共にハエの二人が…うーん、入れ違いになってしまったみたいですね。

武田「あれ!?なんだよ、花組さんたちいないぞ。
   おい、カワちゃんちょっと聞き込みしてこいよ。」

川岡「はい!
   ……ってハエじゃ無理ですよ〜!」

武田「ああーーそっかーー!!
   でも、カワちゃん名刑事なんだろ?なんとかしろよ!」

川岡「名刑事って言ったって、自分で言ってるだけですから…」

武田「そうなのかよ!」

川岡「自慢じゃないですけど、いまだかつて事件を解決したことありません…」

武田「それ全然自慢じゃねぇよ!
   ったくしょうがねぇな…とにかく、探すぞ!」

武田が主導権を握ってるのって…珍しい。(爆)
下手へと飛び去ろうとするんですが、その前に立った川岡刑事が一言…

川岡「…この、意気地なし!」

武田「うるせぇよ!!!!」

特に意味は無いみたいです〜(^^;;
ここの捨て台詞も日替わりで13日・夜は「この…泥棒ネコ!」
14日・昼は「どスケベ!」夜は「お前…もてないだろ」
16日「お前…いろんな意味で小さい男だな」だったそうです。
17日「お前…三人娘がいるからってテンション高いな」
18日「お前…いい奴だな。」「…お前もな!」
19日「お前…三人娘がいないと元気ないな。」

と、こんな感じでした。武田は三人娘が好き?
漫才コンビのようですなー…下手へと去ったところで、ようやく紗幕が上がって舞台全体に照明が。
祭り太鼓の響く中、たくさんの屋台が立ち並ぶ…ここは上野の寛永寺。
その中の一人、りんご飴屋は…なんと政さん!また商売変えですか?
そこに、舞台中央奥からボスが一人で登場。ふらりと一人で祭り見物、っていうところでしょうか。

ボス「よぉ、政!精が出るな。」

政「あ、ダンディさん…!
  すいませんでした…せっかく紹介してくれたのに
  石焼き芋屋も、飴屋も、豚飯屋も、サンドイッチマンも…みんなダメにしちまって
  あきれた女房実家帰っちまうし…俺……」

落ち込む政の肩を、手にした扇子でぱんっと叩くボス。

ボス「何泣き言言ってんだよ。
   いいんだよ、堅気の商売ならなにやったて、お天道さんをまともにおがんで歩けるんだ。
   そのうち母ちゃん戻ってくるよ。」

政「ありがとうございますっ…!
  あ、よかったら(水あめを一つ取って)どうぞ。」

ボス「おう、貰おうか。
   (ポケットからお代を出して)釣はいらねぇよ。」

どう考えても水あめ一つには多い金額をぽんっと渡して颯爽と去るボス…男だねぇ
その後姿に、政は深々と頭を下げます。
政さん、頑張ってくださいね。
舞台上での些細な…粋なやりとりが人段落したところで上手の舞台通路から織姫と薔薇組の二人が…服の裾を絞りながら登場ですよ。(爆)

織姫「は〜!…船は沈んだけど、どうにか!」

あ、やっぱり船は沈んじゃったんですか。(^^;;

菊之丞「帝都の地下は、わたしたちの庭みたいなものですから。」

織姫「もっと綺麗な庭に下りたかったでーす!」

琴音「しかし…敵を追って着てみれば、寛永寺とはね…」

しみじみと、噛み締めるような呟きに、菊ちゃんも表情を引き締めます。
が、織姫はいま一つわかっていない様子。

織姫「どうかしたんですか?」

琴音「この寛永寺はね、天海僧正の呪縛が一番強く残っているところなの。」

菊之丞「あそこに、天海僧正の毛髪が祀られてるんです。」

織姫「!…どうりで。
   とりあえず、大神さんの指示通りに。」

頷きあって、辺りを見渡しながら舞台中央を経由して上手へと進む三人。
それと入れ違いで下手からカンナとレニがやって来ました。

カンナ「いや〜このイカメシってのはうめぇな〜!」

レニ「…わかってる?」

いつも通りぱくぱく食べているカンナの後ろを付きながら、不安げに声をかけるレニ。
手にしてる団扇が自分の団扇(昔、浪漫堂で販売していた各キャラクターの団扇です。)なのがさりげなくもいいネタです。

カンナ「ああ、わかってるよ。さくらとアイリスがおとりになって…」

レニ「しー!!…口が軽すぎるよ。もう、イカ食べてて!」

カンナ「はい。」

レニ「…あっちの屋台、行ってみよう。」

辺りを警戒しながらなので少し表情は厳しいまま、レニとカンナは舞台の奥へ。
なるほど…花組を各所に散らして、じわじわと外堀を固めてるんですね。
と、ここで真打…さくらとアイリスが籠一杯の花を手に上手から登場。

さくら「アイリス、大丈夫?」

アイリス「うん。」

気遣うようにさくらが確認すると、アイリスは力強く頷きます。

さくら「じゃ…いくわよ。(たっと舞台中央に踊り出て)
    さーて、お立あい!!夏の祭の寛永寺!
    そこに咲きます可憐な花は帝国歌劇団の名花、アイリスでーす!」

さくらが高らかに紹介すると、人々の視線は一気にアイリスに集中!
突然のスタア登場に沸き立つ中、可愛らしい笑顔を見せるアイリス。

さくら「では、歌います!アイリス、どうぞ!」

お、またまた隠し曲ですね!今回はアイリスのソロがないなぁ…と思っていたらこんな所に。

♪花を飾ろう

アイリス「♪晴れた日も 雨の日も
      花を飾ろう 心の中に
      いつも笑顔で町を歩けば みんなが幸せになる
      ニコニコ ニコニコ」

さくら「こんにちは!」(人々に花を渡しながら)

アイリス「♪ニコニコ ニコニコ」

さくら「お暑うございます。」

二人「♪晴れた日も 雨の日も
    花を飾ろう 心の中に
    笑顔の花を」

二人のポーズがかわいらしく決まったと同時に、雑踏を掻き分けて一人の顔を隠した女が二人の背後に忍び寄る!!

さくら・アイリス「!!」

マリア「危ないっ」

パンッ…間一髪のところでマリアの銃口が女が振り上げた短刀を弾きます!
叫び声を上げて散る人々…舞台にはマリア、アイリス、さくらといまだ顔を隠した女のみに。
上手側でその女が衣を脱ぎ捨てると…現れたのは幻夜斎!!

マリア「…罠にかかったわね。」(銃を構えたまま舞台中央にいるアイリスたちに合流)

幻夜斎「ふっ…いでよ根来衆!!」

幻夜斎の一声と共に、舞台の各所から根来忍者が登場!
そして、下手から現れた一人の前に投げ出されたのは…

菊之丞「…ご、ごめんなさ〜い…」

菊ちゃん…また捕まって;;
マリアが助けようと身を動かそうとすると…

幻夜斎「動くな!銃を捨てろ。」

それよりも早く幻夜斎の声がマリアの動きを封じます。
一睨みしてから、ゆっくりと銃を地面に置くマリアさん。

幻夜斎「罠にはめたつもりだろうが、そうはいかないよ!」

カンナ「それは、どうかな!」

絶体絶命かと思いきや、ここで大神さんの作戦が活きました!
上手から現れたカンナが忍者が囲む一角を崩す!

幻夜斎「!?まだ仲間がいたのか!」

織姫「こっちにもいまーす!」

レニ「ここにもいるよ!」

さらに、下手、舞台奥から織姫とレニも登場し、心強い状況に!
この間にマリアさんも銃を拾っています。

琴音「清流院琴音、参上!!」

さらにさらに!琴音さんが上手からバズーカ片手に登場!膝を突いて砲撃体制に!

菊之丞「紅蘭さんから受け継いだ、バズーカくん5号やで!」

…が。菊ちゃんの補足に「えっ?」となる花組…そりゃ、バズーカくんシリーズは本人が使ってこそですからね;;

琴音「いくわよー!!!」

ちょ、待った待った!!とうろたえる花組ですが、それには構わず琴音さん、発射!!
が……狙いはそれてそれて…あ〜〜どこか遠くに着弾してますよ;;

菊之丞「もう!どこ撃ってるんですか!」

琴音「やっちゃった…」

もう、琴音さんってば…今回は見せ場が多いと思ったに外すときは外すんだから。
ここから乱戦に突入です!!それぞれが忍者の相手をしながら、徐々にはけていき…

織姫「わたしと戦おうなんて十年早いでーす!」

まずは織姫が三人を相手に大立ち回り。
織姫、強いです!そう…織姫ってかなりの実力者だったんですよね。

織姫「(蹴り上げたと同時に先に地に足つけていた忍者で)あ、見ましたね!
   はっ弱っちすぎてお話になりませ〜ん。
   (舞台奥に移動しびしっと忍者たちを指差して)わたしシエスタしてきま〜す。」

余裕綽々で、去る織姫。
それを追おうとする三人の忍者ですが、それよりも早く舞台に現れた人物が…

レニ「行くよ…!」

アイリス「うん…!」

そこに鉢合わせてしまったのが上手からやってきたレニとアイリス。
レニは、アイリスを守りながらの戦いなんですね。
会ってしまったら仕方が無い。応戦するレニですが、アイリスを守りながらのため動きが制限されがち。
二人に同時攻撃されて身動きが取れない隙に、残りの一人がアイリスに…!!

大神「アイリス!!」

そこに間一髪現れたのは大神さん!…かばうコマンド、アイリスで発動!?
そのまま大神さんが忍者を弾くと、アイリスが「ピンチだパーンチ!チャンスだキック!」とちょっとだけ攻撃。

大神「さ、二人とも早く逃げるんだ!」

自ら開いた突破口。
頷き、二人が手を取り合って舞台奥に逃げるのを大神さんはその場に留まって新手と対峙する事で成功させます。

大神「…ついて来い!」

やや挑発的に手招きをして上手へと去る大神さん。それを追う忍者たち。
次に現れたのは下手からまた別の根来忍者二人と…

マリア「待て!」

銃を片手に持ったマリアさん!!
銃を使わずに、体術で応戦…流石マリア、踏んでる場数が違うんですね。
遅れて下手から現れた鉄砲を持った忍者にも、愛銃で対処!早撃ちの精度もマリアが上のようです。
見事忍者を撃退したマリアは、警戒しつつも上手へと。
それに引っ張られるように下手から登場したのは幻夜斎と一人の根来忍者、そして…荒鷹を持ったさくら!!

さくら「はっ!!」

忍者の一人を見事撃退したさくらさんは、その緊張感を解くことなく幻夜斎と対峙。

幻夜斎「…やるね。
    じゃあちょっと、頑張ろうかな。
    いっちに、さんし、ごーろく、しち…はち!!」

屈伸運動で身体をほぐしつつ、さくらに切りかかる幻夜斎。
が、さくらさんはそれをかわして鞘で幻夜斎の鳩尾を打つ!

幻夜斎「いててててっ
    はは…あんた強いや。」

さくら「はっ!!」

刀のぶつかり合う音…さくらの華麗な太刀捌きが幻夜斎の肩を捉える…!?

幻夜斎「待った!!(ゆっくり身を起こして刀身を遠ざける)
    ……危ないでしょ、こんなことしたら。」

幻夜斎のつかみどころの無い態度に、さくらさんは困惑しますが間合いを計りつつ構えと警戒はときません。

幻夜斎「あ〜ビックリした!あたしもね、悪気があるわけじゃないの。
    ただ頼まれただけなのよ〜
    決して、命のやり取りをする気はないんですよ…ね!!!」

刀を鞘に納めるような動きから、不意打ちの突き!
刀がぶつかり合った勢いで背中合わせになる二人。

幻夜斎「あたしの名は、根来幻夜斎!あんたは?」

さくら「(くるりと幻夜斎と位置が入れ変わる)…真宮寺、さくら!」

名乗った、ということは…ここでようやくさくらを真から認めたってことでしょうか。
さらに刀をぶつけ合う二人。

さくら「はぁぁぁっ!!」

と、ついにさくらの懇親の一撃が幻夜斎に届きました!!
ぐっと苦しみ、張り出し舞台の上で肩口を押さえる幻夜斎に、さくらさんは驚愕の表情を浮かべたまま幻夜斎を凝視します。

カンナ「さくら!大丈夫か!?」

そんな二人の現場に、それぞれ忍軍の相手を終えた花組の面々と薔薇組が合流します。

さくら「あなた……人間じゃないわね!!」

霊剣荒鷹は、魔を切る刀…それがこれほどまでに効いているということは…さくらの達した結論に、全員の視線が一斉に幻夜斎へと向けられます。
ゆらりと体制を整えた幻夜斎のその顔は、先ほどまでのどこか見下したものは無く、冷徹な魔物のものに…

幻夜斎「…そうかい、わかっちまったか。(振り返り)じゃ、しょうがないね。
    出直すとしよう!破っ!!」

幻夜斎の一喝が響くと、舞台の奥の上で爆竹が炸裂!!
咄嗟に防御姿勢をとる華撃団の面々。

織姫「なんですかこれ〜!!」

琴音「これはきっと…天海僧正の祟りよ!」

カンナ「カーッ!マジかよ!?」

どうやら、身動きが取れないようですね…紗幕が下りてきて、華撃団と幻夜斎を分断させます。
またも、逃げられてしまいましたね。振り返った幻夜斎がこちらに向かって一言。

幻夜斎「二幕に続く!」

カンナ「マジかよ〜!?」

マジみたいです、カンナさん。(^^;;
幻夜斎は笑い声を響かせながら奈落へと下がっていきました。
これにて、一幕終了です!
本当に……今年の敵は一味も二味も違うというのを見せ付けられましたね。

……さて、一幕終了ということは休憩に入るんですが、休憩前の名物といったら…

アイリス「1、2!1、2!1、2!…」

先ほどの緊張感を吹き飛ばすような明るく可愛らしい声とともに上手から歩いてきたのアイリスと、いつものように「3分間ショッピング」というワゴンを押すさくらさん!

さくら「(舞台中央付近で)ぜんた〜い…止まれ!1、2!
    恒例となりました3分間ショッピングのお時間です!」

アイリス「今回は、紅蘭が紐育に出張しているので、アイリスがやります!」

さくら「うん、えらいな!」(^^)

アイリス「今回の商品は…これだ!!」

ちゃらららっちゃら〜〜ん☆
音もアイリス使用で可愛らしい感じです。(笑)
アイリスが高らかに掲げたそれは、「新青い鳥」のロゴが入ったコップ!

さくら「それはコップね。」

アイリス「ただのコップじゃあありません!
     こうやって〜お水を注ぐと〜〜…」

からからと氷水の入った容器を傾けてグラスに注いでさくらに手渡しますと…

さくら「はい、この白い文字がなんと、青く変わりました〜!!」

本当に、その場でみるみるうちに変わりました!!

アイリス「すごーい!」

さくら「後ろはピンクに変わりました〜!」

アイリス「かわいーい!」

おお〜…暖かいものを入れると絵が変わるコップは持ってますが、冷たいものを入れて色が変わるコップはまだ持ってないので、ちょっと心惹かれますね。

さくら「さて、気になるのがお値段ですよね。」

その通り!(笑)

アイリス「この〜不思議な新青い鳥クールグラス。
     一個なんと…1000円!!」

紅蘭の口調を真似たアイリスの堂々の値段発表に会場からは「安い!!」と声が気持ちよくかかります!

さくら「安い!うん!!」

これにはすすめるさくらさんも納得のようで、にっこりしてます。
でも、今年はこれで終わらないんですよ!もう一つ、ワゴンの上には商品があるんです!

アイリス「さて、続いての商品はこちら!
     今回特別に作らせました、帝国歌劇団花組トランプ〜!」

さくら「はい、絵柄が全部花組なってまーす。(ずら〜とトランプを見せる。基本的に「2」の絵柄)
    かわいいですね。こちらも、気になるのがお値段ですが…」

アイリス「一個なんと…2500円!!」

……ちょっとこれには「安い!」の声はかかりにくいぞ!!(^^;;

さくら「安い…とは言ってみたものの……(トランプを手にした腕がふるふると震えてます)
    ん〜〜……目指せ完売でございます!!」

よろしくお願いします!と深々と頭を下げる二人……大丈夫です、結果的に二つとも買ってしまった阿呆もここにいますから!(爆)

さくら「では、休憩は20分です。
    この間に、お手洗い、お買い物等おすませください。
    1、2!1、2!1、2!1、2!」

頭を上げた二人は、そう言うと退場するべく下手へと行進を始めました。
毎度毎度、ありがとうございます。この3分間ショッピングは確実に売上げ向上に一役かってますよ。(笑)
そして、これも密かに期待してるんです…去り際の日替わりアドリブ!
下手を目の前にしてぴたっと止まるアイリスがさくらを振り返ります。

アイリス「あ!さくら、アイリスね新しい日本語覚えたよ!」

さくら「どんな日本語?」

アイリス「やぶさかでない。」

さくら「どういう意味?」

アイリス「…………………いっち、に!いっち、に!」」

さくら「知らないのかよ〜…1、2!1、2!」

うん、意味がわからないのに使うのもある意味アイリスらしいので良し!(笑)

―――13日・夜―――――

さくら「どんな日本語?」

アイリス「とりあえず…生(ビール)!」

さくら「アイリスは…未成年なのにね〜」

アイリス「ね〜〜」

だったそうです。お酒ネタ、早々にあったのですね。(^^;;

―――14日・昼―――――

さくら「どんな日本語?」

アイリス「指圧の心は母心。押せば10円、お小遣い。」

さくら「…ちゃっかり!」

指圧って、かなり親指の力が要るんですよね〜…って10円ってすっごい高くないですか!?(爆…いえ、アイリスは多分遠い遠い未来の金銭感覚で言ったのでしょうが、一応ね。)

―――14日・夜―――――

さくら「どんな日本語?」

アイリス「ヒアルロン酸で10歳若いお肌に。」

さくら「アイリスは…赤ちゃんになっちゃうわね〜!」

アイリス「ねぇ〜〜!!!」

ねぇ〜〜!(笑)アイリスって今は…14歳でしたっけ?(^^;;

―――16日―――――

さくら「どんな日本語?」

アイリス「三人娘、モエモエ」

さくら「キターーーーー!!」

だったそうです…ア、アイリスちゃんどこからそんな単語を!!(爆)
さくらさんもどこからそんな返し単語を!(^^;;

―――17日―――――

さくら「どんな日本語?」

アイリス「万が一、他店より高い場合は、お申し出ください!」

さくら「そういう電気屋さんって助かるわよね〜」

でも、最近あまり見かけないような?(私だけですかね?)

―――18日―――――

さくら「どんな日本語?」

アイリス「体脂肪燃焼。」

さくら「燃やしたいわよね〜〜!」

アイリス「ねぇ〜〜〜!!!」

袖に行きながら、アイリスはさらに「…ねぇ〜〜!!」と強調してました。(^^;;

―――19日―――――

さくら「どんな日本語?」

アイリス「焼酎はやっぱり芋だね。」

さくら「…アイリスはまだ未成年だもんね〜!」

アイリス「ね〜!」(^^)

ね〜!がちょっと白々しく感じるのは何故だろう。(爆)

――――

さ、休憩時間です。
長いようで短い休憩時間…まずは、売店に行ってみようかな。
みなさまも、思い思いお過ごしくださいませ。



→第二幕・ダンディ団編へ続く

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