ここは蓮花洞―――三角柱のセットの最後の一辺は迷彩柄(けど配色は蛍光色;;)でしたね。それに加え、舞台中央奥には滝が設置されていました。その前、舞台中央で金銀財宝に囲まれそれぞれ豪華な椅子に座った金角と銀角が杯片手に(色はそれぞれに合わせて金銀です)4人の手下を連れて高笑いの宴の真っ最中。
紗幕が上がると、芝居が続きます。

銀角「よーしお前ら!今日も一発ドカンッと笑わせてくれ!」

手下ども「喜んで!!」

金角と銀角の後ろに控えていた四人の手下が前に出てきます。一列整列して自己紹介。

三角「三角!」
四角「四角!」
五角「五角!」
六角「六角!」
三角「全部で」
全員「十八角!!」

右手をビシッと突き出したそろいの決めポーズが笑いを誘います。(笑)

三角「好きな言葉!喧嘩上等!」
四角「極悪非道!」
五角「世界最強!」
六角「絶対合格!」
三角・四角・五角「なんでやねん!!!」

ビシッとツッコミを入れる三人。
六角がオチ係のようです。(笑)ちなみにこのオチ、毎回毎回変わります!
14日・夜は「仮面夫婦!」<これがカメルーンに聞こえた私の耳って…(汗)
15日・昼は「独身貴族!」<金角と銀角の表情が可笑しかったです。(笑)
15日・夜は「美人秘書!」<妙に男性客の笑い声が…って気のせい?(^^;;
18日・夜は「桃色吐息!」<これが一番ウケてました!訳わからなすぎて逆に笑える!
他にも「駅前留学!」「成田離婚!」などあったそうです。

四人の芸に、立ち上がって笑う銀角。

銀角「あっはっはっは!六角、お前バカだな!
   魔物養成所からもう一回やり直せ。」

養成所なんてあるんですか!?煤i ̄▽ ̄;;
この台詞、18日・夜では小道具付きでした。ええ、銀色のハリセンをもって銀角がスパーン!と六角にツッコミを入れてからの台詞でした。(笑)
楽日前夜から仕掛けてきますね。(笑)
さてツッコミも入り、銀角と十八角が元の位置に戻ると、下手から商人の四人が仰々しくやってきました。

商人(菊之丞)「宴の最中に大変申し訳ありません、金角様銀角様。
       (下手の方で膝をつく)先ほど買い占めました米と野菜を
        全て外の倉のほうに入れておきました。」

金角「そりゃあいい、これでまた米と野菜が足りなくなる!」

銀角「米と野菜の不足は死を」
全員「招く!」

金角「それでますます米と野菜の値段が」
全員「上がる!」

金角「それでいい!それでまた米と野菜が高く売れる!!益々儲かる!」

銀角「金持ち偉ーい!金持ち、一番!」

椅子から立ち上がって、前の方に出て様々なポーズを取る銀角。
ここも日替わりでした!初日は忘れてしまったのですが(汗)
14日・夜は車のハンドルを握る動作で十八角のツッコミは「ロールスロイス!!」答える銀角は「今日はトラックだ!」と急ハンドルをきってました。(笑…この日の昼がロールスロイスだったみたいです。他の日では車つながりでベンツもあったとか)
15日・昼は背負い投げのポーズ。銀角が客席に背中を向けてしゃがんだまま「やわらちゃん!」と言うとツッコミは「金メダル!!」銀角は立ち上がって「おめでとう!」と…時事ネタですね。
15日・夜は手を胸の前で横に並べてゆらゆらフラダンス。ツッコミはもちろん「ハワイ旅行!!」銀角の「アロ〜ハ〜」が妙に可愛いです。(大笑)
18日・夜はちょっと違いましたね。銀角がブルンブルンッドゥルルルルッ…とバイクに乗る動作をすると十八角のツッコミが「暴走!!」と入りましたが、これに答えたのは金角で「千葉県!」と…(暴走と房総半島をかけてるんですね。)先に言われてしまった銀角はかくっと肩を落としてしばらく無言でした。(^^;;

この他、時事ネタは北島康介選手の最初の金メダルや福原愛選手のベスト16も祝っていたらしいです。愛ちゃんの方は「目指せ銀!」で締めたそうです。銀角だから。(笑)17日・昼は苦しそうにしながらも右足を高く上げようとして「それなんですか?」と十八角につっこまれ「バカ!体操日本だ!」と言ったそうです。男子体操の団体金メダルのことですね。アテネでは日本選手本当に大活躍でしたね〜
時事ネタ以外だとダイヤモンドといかにも金持ちという雰囲気のネタもあったみたいです。

金角「ほら、今回の代金だ。」

銀角が椅子に戻ると同時にぽーんと袋を投げる金角。
その袋に期待を込めて集まる商人たちですが出てきたのは小さな金の粒1つだけ。

商人たち「これだけですかぁ〜!?」

思わず不満を声に出してしまいます。

銀角「なぁんだとぉ〜!つべこべ言ってんじゃねーよ!!」

すると、いいタイミングで椅子に隠れていた長剣を取り出し商人たちの前でぶん回す銀角。
……あー、ノリノリの彼女はすんごい素敵です。(笑…でも本当に、今回の公演で金角銀角はかなりお気に入りです)

商人たち「も、申し訳ございません〜〜!!」

上手に商人琴音と西村、下手に商人菊之丞と武田が散り、ひたすらに平謝り。
「わかればいい。」と剣を下げてイスに座りなおす銀角。

商人(琴音)「で…次は、何を買い占めましょうか?」

金角「そうだな…薬、買って来いや。」

金角に近寄ってそう聞いた商人に手を顎に当てながらそう呟く金角。
「薬!」とメモを取る商人たち。

三角「なるほど!米と野菜が不足して病気になるが薬がなくて尚大変。
   こりゃぼろ儲けですな。さすが金角のアニキ!魔物にしとくにゃもったいない!」

金角「いやぁ〜それほとでも、あるかな。」

三角のヨイショにちゃっかり乗る金角。(笑)ちょっと周りがこけてる間に、杯を片手に立ち上がる銀角。

銀角「戦争は止めろと言うが、経済戦争は止めろと言わない!
   おんなじ戦争でも、血が流れなきゃいいのさ!」

ぽーんっと杯を後ろにいる六角辺りに投げる銀角。すると、金角も立ち上がり銀角と並ぶ。

金角「戦争で勲章を貰っても何の役にも立たない!
   だが金はいい。金は快楽!金はエクスタシーだ!」

銀角「そしてみんな」

二人「亡者になる!!」

首に巻いていた紐を解くと、地面をびしっばしっと叩き、そのまま肩にかける。
この紐、かなり太目の紐でロープと言っても差し支えない太さです。パンフレットには載ってないので、剣の代わりに後から作った金角と銀角の武器なんでしょうね。

銀角「おい!!」

ぴっと右手を上げて上手を見ると、いつの間にか手下達がエレキギターを持っています!彼らが伴奏を奏でると、張り出し舞台の奈落からマイクの部分が髑髏の形をしたマイクスタンドが二つ並んで登場!

♪亡者の歌

二番を削った短縮版。これは絶対舞台で化ける曲だ!と思ってCD聞いてたんですが、あたりでした。やっぱり動きがつくと違いますね。
商人たちが合いの手に入れつつ、力いっぱい歌う金角と銀角。こんな役柄でもなきゃこの二人でロックなんて絶対ありえない!と思ってそれはそれで楽しんでました。蹴り上げる振り付けが入っていたのがちょっと嬉しい。(笑…個人的に好きなので)
「♪俺は金角 カネの亡者だ〜」と「♪俺は銀角 争いが好き〜」では実はお互いにマイクを取り合ってるというのも二人の表情が可愛く面白く好きです。

金角「♪自分だけが」
銀角「♪良ければいいのさ」
金角「♪他人は蹴落として」
銀角「♪一人勝ちの世界どぅああぁぁぁ〜!」

ええ、特に銀角のシャウトがすごかったです。(^^;;

二人「♪だから俺達 亡者が蔓延るんだ
    人の世は いつも不可解
    人の心は いつも愉快だ」

マイクをスタンドごと持ち上げる動きも、ロックっぽいですよね。
間奏部分では十八角の見せ場。まぁ、やりすぎて(?)金角と銀角に突っ込まれてますがね;;

二人「♪人の世は いつも不可解
    人の心は いつも愉快だ」

再び二人がビシッと決めるシーンで、銀角が後ろを向いてしまって隣りの金角を見てくるっと向き直る動きがまた好きです。(笑)
なんだか銀角ばっかりですが……なんか、すごく目で追いかけちゃったんですよね。(^^;;
金角ももちろん見てましたが…金角のほうが桟敷席の人と目を合わせたりと客席とさりげなく絡んでましたね。
バッと両手を高く上げて決めポーズ!!商人たちの拍手喝采を浴びて、金角がさりげなく拍手を煽ってぱっと手を横に振って止めると

金角「寿司、食いに行くぞ。」

と一言。「ゴチになります!」と十八角が一礼。(笑)
まぁ、そのゴチに商人たちはもちろん入ってないんですが。(^^;;
最終的に張り出し舞台の横で合いの手を入れていた商人たちを置いてスタスタと上手へと移動して行く金角銀角。と、そこへピンクと青の可愛い魔物が下手から殴りこみ!

八戒「うりゃあぁぁ!!
   アニキを返せ、このおたんこなす!!」

沙悟浄「おたんこなす!!」

それぞれ手に武器を持って興味なさそうな金角と銀角を睨む。
と、そんな二人の視界の隅に髑髏のマイクスタンドを抱えて隠れている商人達が映りました。

八戒「あ!お前ら人間の癖に魔物に取り入って儲け話してたな!」

沙悟浄「うっわ、人でなしぃ〜!」

えい、えい!と武器で商人たちを突付く二人。

商人(琴音)「な、なんだよどこが悪いんだよ!」
商人(菊之丞)「金儲けに、人も魔物もあるかー!」

そんな捨て台詞を残して、商人たちはマイクを持ってさっさと下手へと退散していきました。
それと入れ違いで、馬を連れた三蔵法師が下手から登場。

銀角「やぁっとお出ましか!」

三蔵「悟空を返してください!!」

銀角「ああ、返してやる。ただし!お前の命と、交換だ!」

交換だ!のところで手を胸の前でぐるぐる回す銀角。うわーかわいい。(笑)

八戒「何言っちゃってくれてんのよ!こいつ!」

そんな条件、のめるわけないでしょ!!と三蔵を庇うように前に立ちながら武器を構える八戒と沙悟浄。
けれど、それを鼻で笑う金角と銀角、手下たち。

金角「ま、時間がたてばその紅葫蘆の中で、悟空は融けっちまうけどな。」

なんだか楽しそうですね。(^^;;
融けてしまうと聞いた三蔵一行は驚き、八戒と沙悟浄は「アニキ〜!」「強いアニキ〜!」と紅葫蘆に近寄って慌ててます。

銀角「(三蔵に向かって)あんたの大事な仲間なんだろ〜?
   (銀角を先頭に金角、十八角が一列に並んで順々に顔を回してビシッと三蔵を指差す)
   自分の命に代えて、悟空を助けたい〜〜〜って…思わねぇのかよ!」

ここの銀角の言い回しは素敵だと思います。動きがわからない方はエ○ザイルやZ○oの振付で一列に並んで順々に動く…というのを想像してくださればいいと思います。(^^;;
銀角に言われてしまった言葉に、うろたえる三蔵。

三蔵「…それでは…経典が手に入れられなくなってしまいます…!」

自分がやらなくては…という使命感がきっと三蔵にはあるのでしょう。でも、それは悟空を犠牲にして進むということ?
まぁ、この発言の時点ではそこまで覚悟してないと思いますが…ただ単に、ここで自分が死んだら…を考えた言葉かと。
八戒と沙悟浄が「あぁ…」とちょっと残念そうな顔をしていますが;;
逆に大笑いなのは金角、銀角と手下たち。

金角「(前に出て)ならばカネだ!
   悟空の代金、大粒五個の黄金だ!!」

三蔵「そんなお金はありません…」

金角「ならば悟空は、死ぬ!」

親指を下に突き出す金角、銀角と手下たち。そして大笑い。
完全に小バカにされた三蔵一行。八戒と沙悟浄はもう黙ってられない!!と武器を振り上げます!

八戒「こんちくしょー!!」

それがバトル開始の合図!八戒と沙悟浄が振り上げた武器を、ギターで受ける手下たち!
音楽も緊張感があるものになり、舞台中央では八戒と沙悟浄が四人の手下たちと激しくバトル!!
その間に三蔵は馬を連れて下手へと下がり、金角と銀角はと言うと…上手の一番端に立ち、バトルを余裕綽々で見ています。
十八角がギターで不協和音攻撃をしていますが、一瞬の隙を突いて八戒と沙悟浄が十八角を退けると

八戒・沙悟浄「今だ!X攻撃!!」

武器をクロスさせてXを作ると、その姿勢のまま紅葫蘆に突撃!!
すると、紅葫蘆が真っ二つに割れて、中から威勢のいい石猿が飛び出しました!!(フライングを使って、本当に飛び出してます!)

悟空「なんだこのヤローー!!!」

沙悟浄「やったぁ!!」(^^)

八戒「悟空のアニキィ!!」(^^)

無事救出成功!の八戒と沙悟浄は満面の笑み。
一方、してやられてしまった金角と銀角は慌てて舞台に戻ってくると、張り出し舞台の下に潜んで様子見。
やっと出てこられた悟空は嬉しそう。

悟空「へへっほんじゃ、ちょいと暴れちゃうよ。
   出て来い!おいらの分身ども!!」

髪の毛をちょちょいといじり息を吹きかける悟空。
すると、三角柱の中と紅葫蘆の裏から5人の猿が出てきました!!(この面だけ下の部分がゴム布になっていて、中に潜むことができるようになってました。)
今度は猿たちの大立ち回り!猿なだけあってアクロバットが見事!!
思わず、敵のはずの金角と銀角も身を乗り出して拍手してしまうほど。(笑…お互いが拍手しているのを見て「あ!」と指差してまた引っ込むのも可愛いです。)
この間に、悟空は沙悟浄の甲羅リュックから八戒が取り出してくれた飯を頬張ってパワー補給しています。補給し終わったら、笑顔で観戦モード。
トドメは猿4人による連続攻撃!二列に並んだ十八角の肩の上を次々と渡っていきます!このとき初日では踏み台にされた十八角が「俺を踏み台にした!?」と言ってたみたいです。(笑)

十八角「こ、降参です〜〜〜!!!」

悟空たちに平謝りして一目散に去って行く4人。
喜ぶ悟空たちは、金角銀角のイスと金銀財宝があったところに集まった悟空の分身を見送ります。(奈落に下りていったので。)
残った金角と銀角は思わず「あ、こらお前ら待て!!」といった感じで立ち上がり、止めつつ張り出し舞台の上に戻ってきます。二人を囲むように見送りを終えた三人が立ちます。
でも金角銀角も頑張ります。肩にかけたままの紐を回して威嚇。

金角「やりやがったなぁ〜〜!」

銀角「今度はこっちから行くぞ!」

お、二人が戦うのか?悟空、八戒、沙悟浄もそれぞれに武器を抱えて応戦モードですが、二人がやったのは…

金角・銀角「せーの!
      W(ダブル)攻撃!!」

二人並んで両手をぴっと上げて「W」の字を作る二人。
……ええ、それだけです。(爆)ずいっと一歩詰める悟空たち。

銀角「待て待て!!次はすごいぞ!!」

慌てて止める銀角。そのまま座り込んで、隣りにいる金角と自分の足を紐で括る。(その間に悟空たちを止めていたのは金角)

金角「金銀財宝ざっくざく!
   二人三脚攻撃!(銀角立ち上がる)
   別名…」

金角・銀角「Y攻撃!せーの…」

Y攻撃!の部分ではお互いぴったりをと身体をくっつけてくっついている方の手でお互いの腰を持って支え、外側の手をぴしっと斜めに上げて「Y」字を作ってました。そして、一歩踏み出すわけですが、呼吸が合わずすぐに転倒。(笑)
「右からだって!」とよたよたと立ち上がろうとする二人ですが「カッコ悪いんだよ!」えいえいっと八戒と沙悟浄に攻撃…いや、ツッコミ?を受けてしまう二人ですが、まだめげません!再び立ち上がってきます。

銀角「こーなったら最終攻撃だ!」

金角「へっへっへ〜泣くなよ〜〜」

紐を回して「覚悟しろよ〜」といった感じに見渡す二人ですが…前置きが長すぎたのか、技を出す直前で悟空に如意棒でスパンッパコンッと叩かれて、アッサリ膝をついています。(^^;;

悟空「おりゃおりゃおりゃおりゃ〜〜〜!!!」

頭上でぶんぶん如意棒を回して、ドンッと床に叩きつけ駄目押し。
さすがにもう勝てない!と思ったのか、悟空の方に土下座。

銀角「ゆ、許してくれ!」

金角「か、勘弁してくれ!」

悟空「いいや…!お前ら絶対許さねぇ!!覚悟っ…!!!」

三蔵「こら悟空!!」

頭を下げる二人に如意棒を振り上げる悟空ですが、事が終わって下手から戻ってきた三蔵法師に止められてしまいます。

三蔵「許してあげなさい。」

悟空「けど、こいつらは…!!」

三蔵「慈悲を求める声には耳を貸さねばなりません。」

二人は土下座の方向を三蔵に変えて、うんうん!と頷いて助けを請います。
三蔵にそう言われてしまっては、悟空も手を収めるしかありません。すごく不服そうですけどね::

三蔵「さぁ、お前たちも念仏を唱えるのです。」

金角・銀角「へっ?」

まさかそうくるとは思ってなかったのか、心から驚いた顔です。
ど、どうしよう?とお互いの目を配らせますが

悟空「唱えろ!!」

悟空の命令に「は、はい!!」と答えて、正座をして渋々合掌をする。
三蔵様はとっくに合掌して目を閉じて念仏を唱えるモードへ。

三蔵「南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏…」

「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏……」ととりあえず念仏を唱える金角と銀角ですが、そこに突然鋭い声が!

牛魔王「金角、銀角!!!!」

すっごく怖い声です!雷まで鳴るし…驚く三蔵一行に対して、すっかり怯えている金角と銀角。

金角「ぎゅ、牛魔王様!!」

銀角「こ、こいつらに言われてイヤイヤ念仏を!
   本心ではありません!」

あたふたと言い訳をしていますが、そんなことは知らん!!とばかりに大きな雷が再び落ちます!
うわあぁぁぁ!!とその力に弾かれた二人は、先ほど猿が潜んでいた三角柱の中へと消えていきました。(金角が下手に一番近い柱の中で、銀角がそのちょうど反対側でした。)
そんな二人と入れ違いで女子ダンサーさんが登場し、その仲の二人は三角柱の途中に設置されているゴムを引っ張り張り出し舞台の両側あたりに固定します。そして、奈落からは今回の大ボスが…

牛魔王「♪三蔵さんよ 出会えてよかったよ
     お前が この世の中をかえるだって?そりゃお笑い草だね。」

♪悪徳の花びら

フルバージョンでした。今年の魔物軍団はロックでまとめているのでしょうか?こちらもかなりシャウトしています!
でもこれがまたカッコいいんだわ!!最初聞き取りにくかった部分がいくつかあったんですが;;
魔物軍団(ダンサーさんたち)や先ほど下りた奈落からはボスを中心とした軍勢も登場。三蔵を罵る牛魔王に、それを助けようとボスや魔物軍団と戦う悟空たち。舞台を横切って大きく×を描いているゴム布が舞台を四つに分けてるように見せて、これも今までにない演出で新鮮でした。左側で悟空たちが戦ってる。前面では三蔵が苦悩している。後面では牛魔王が歌っている。右側ではダンサーさん達が軽快に踊っている…こんな感じですね。

牛魔王「♪だが三蔵 よく見てみろよ 世の中は 偽善者の皮を 被って
     腹ン中じゃ舌出して どんなに正しい心を 育んでも
     悪徳の花びらが 舞うだろう」

このシーンで印象に残ってるのは、心底楽しそうな牛魔王と、その牛魔王に罵られ本気で泣きそうな顔の三蔵と2番のコーラスから顔を出した金角銀角ですね。(^^;;
いや、可愛いんですよ。ひょっこり顔出してコーラスを歌う二人が。楽しそうで。悟空、八戒、沙悟浄も頑張ってましたよ〜ちょっとボスが演じる魔物に押されぎみでしたが…

金角・銀角(コーラス)「悪徳の花びらが舞うだろう 悪徳の花びらが咲き乱れ」
牛魔王「♪三蔵さんよ 出会えてよかったよ
     念仏唱えろ 南無阿弥陀 南無阿弥陀
     南無阿弥陀 南無阿弥陀 南無阿弥陀仏
     はっ!お笑い草だね
金角・銀角(コーラス)「悪徳の花びらが舞うだろう 悪徳の花びらが咲き乱れ」
(歌いながら柱から出てきて牛魔王のもとへと進む二人)

牛魔王「♪三蔵さんよ 三蔵さんよ あんた素敵だね
     DARADARADARARA DARA!(金角銀角の腕をつかんでそれぞれ左右に振り払う)
     Oh YEAH〜」

金角、銀角…捨てられた?(汗)
曲が終わると同時に、手下たちは一旦退却。(×に仕切っていたゴム布もなくなります)舞台上に残ったのは三蔵(中央の奈落部分が一段高くせりあがっている、その上)悟空、八戒、沙悟浄(その三蔵を守るようにせり上がっている部分の前に立つ)と牛魔王(張り出し舞台の階段部分に腰を下ろして、ふてぶてしい感じ)のみ。

牛魔王「念仏なんて、クソの役にも立たねぇ。
    この世の中は死に向かってただ不確実な日常が続いてるだけだ。
    生きるってのはな…欲望そのものなんだよ!
    (立ち上がって三蔵を見る)それを思い知れ偽善者ども!!!」

三蔵「私は善なる心を信じます!!」

牛魔王「この愚か者!!!!」

ばっとてを大きく広げると雷鳴が轟き、悲鳴と共に三蔵が宙に舞います!(「新宝島」に続きのフライング!)
「三蔵様!!」と悟空たちが叫びますが三蔵はそのまま下手へと飛ばされてしまいました!

牛魔王「三蔵は貰った!!」

両手を大きく広げて高笑いの牛魔王は、そのままの姿勢で奈落へ。
舞台に残った三人は、牛魔王を追いかけるように舞台の前面へ。三人の後ろで紗幕が下りると、沙悟浄がぺたんと座り込んでしまいます。

八戒「三蔵様ぁーー!!!
   あたしたちどこに行けばいいんですかぁ…!」

沙悟浄「三蔵様がいないと、迷子になっちゃうよぉ!!」

八戒「(悟空に近寄って)もうお家に帰りたいよぉ…」

悟空「泣くな!
   三蔵様を助けに行くぞ!」

八戒「でも牛魔王怖かったよ。強かったよ…」

沙悟浄「(悟空の足を掴む)あ、あんなすごい魔物、見たことないよ!
    死んじゃうよ…!」

すっかり怖気ついてしまった八戒と沙悟浄に、悟空は力強く言い放ちます。

悟空「俺を信じろ!俺の力を信じろ!!
   (八戒の頬に触れて)お前達は俺の可愛い子分だ。
   (沙悟浄の肩に触れて)絶対に死なせやしねぇよ!!」

八戒・沙悟浄「アニキ…」

悟空の力強い、頼れる言葉に二人も頷き、立ち上がります。
キッと悟空が空を見ます。

悟空「三蔵様、あんたは俺達を…いや、この世の中を照らす光だ!
   必ず助け出すからな!!
   金斗雲ーー!!!」

悟空が指を空にかざすと、奈落から黄色のライトに照らされたスモークが勢いよく噴出し、その後暗転。
三人は金斗雲で三蔵を助け出しに向かったのですね。
一拍ほど間を置いて、舞台は紗幕が下りたまま、照明がつかないまま、張り出し舞台の奈落にのみスポットがあたります。
そして、奈落から登場したのは、ひたすらに念仏を唱える囚われの三蔵法師。

三蔵「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…南無阿弥……」

ふと、合掌していた手を解き、念仏を止めて俯く。

三蔵「♪わたしは この世を疑う 人々の心を 疑い始めた
    我が心の光は おぼろげに揺れる頼りなく」

♪嘆きと悲しみ

これもフルバージョンでした。悟空に信じると言い続けてましたが…一人になり、囚われの身となった三蔵の心には疑いという闇が差し込んでいるようです。
そんな三蔵の背後…(舞台の構成上背後であって、物語上では三蔵の目の前)紗幕が下りたままの舞台の中に設置された高台に観世音菩薩(かえで)が現れます。

菩薩「♪嘆かないで 疑わないで
    正しい心は 時には 心許ないものです」

菩薩の言葉でも、三蔵の闇を振り払う力は無いようでまだ目を、顔をまっすぐに上げることが出来ません。
間奏部分での振り付けは、とてもおとなしいものでしたが、左右対称に同じ動きを見せる菩薩と三蔵は面白いかな、と思いました。

三蔵「♪わたしは この世を疑う」
菩薩「♪だけど 思い出して 母の手の優しさを」
三蔵「♪人々の心を 疑い始めた」
菩薩「♪その気持ちで 皆が手を見つめれば」
三蔵「♪我が心の光は おぼろげに揺れる頼りなく」
菩薩「♪光が満ち溢れる」

迷う三蔵の前から、すっと姿を消す菩薩。思わず手を伸ばしてしまう三蔵ですが、菩薩が完全に見えなくなると再び顔を俯けて首を左右に振ります。
そして、再び合掌して目を閉じ、念仏を唱えます。

三蔵「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……!」

そう、それは祈り。今の三蔵には捧げることしかできない祈り。
念仏を唱えつづける三蔵がゆっくりと奈落の下へと戻って行きます。
三蔵を照らしている光は、三蔵には見えない。

さて、所変わって…舞台の紗幕が上がると、そこは牛魔王の玉座。祝いの席。満足げに座り、隣に立つ腹心の魔物が注ぐ酒の入った杯を片手に舞台に勢揃いした軍勢に言い放ちます。

牛魔王「さぁ、皆の者!踊れ!!」

魔物軍団「はっ!!」

牛魔王の合図で一斉に踊りだす軍勢。腹心の魔物も、一礼をして宴に加わります。(それに限らず、牛魔王の前に来た魔物は必ず主である牛魔王に一礼をしています。)

軍勢「♪さぁ歌え さぁ踊れ
    我らが勝利の日だ
    さぁ食らえ 踊り食え」

♪牛魔王の大宴会

これも隠し曲。このシーンも好きですね!本当に魔物たちの舞が勢いがあって迫力があります!先にCDで聞いておきたかったけど…これは物語の重大なバレになってしまいますものね;;

魔物(ボス)「♪今日の 良き日に 永遠の命を 我らが持つのだ」

軍勢「♪さぁ歌え さぁ踊れ
    我らが勝利の日だ」

ここで長い間奏。軍勢が踊り、最終的には舞台両端(舞台兼通路も含む)に一列に並び、腰を下ろすと曲調が変わり、下手から黒装束の役者がマントで顔を隠して登場。
舞台中央で、曲がぱっと途切れた時その役者さんもマントを下げて顔を見せます。その顔は素顔ではなく、面。黄色の面です。
そう、この方は京劇の女性役者さん!牛魔王に一礼をして踊りのスタートです。
冒頭の京劇は物語に溶け込んでるとは言いにくかったですが、この京劇は宴の席での一興ということで、すんなりと見れました。

このシーンの凄いこと!!踊りの最中で次々に面が変わるのです!それも一瞬で!!
京劇の絶技「変面」をまさかこの場で見れるとは……これは嬉しすぎる誤算でした。後々調べたのですが、この変面、継承者も少なく日本ではこの方しか出来ないそうです。これは是非映像で見てください!本当に一瞬です!升席で見ていてもどうやって面が変わっているのか全然解かりませんでした;;
(ただ、面といっても硬いものではなく、布のようなものでした。)
この「変面」京劇の「西遊記」の中で妖怪が美しい娘に変身する時に見せるらしく、筋的にも本当に合ってますね。
今回は黄色、紫、白に赤や青の隈取、青、朱色、緑、金、銀、白、赤…と10回の面変えを披露してくださいました。
(面が変わるたびに動きも替わってましたが…私は猿(白に赤や青の隈取)と娘(朱色)の動きしかわかりませんでした;;)
最後に素顔が登場して、もう拍手喝采!!牛魔王も立ち上がって拍手!
下手に下がるのを見送り、素晴らしさの余韻に浸っていると今度は牛魔王が張り出し舞台までそのまま出てきて歌い上げます。(余談ですが、14日・夜でこの変面、ちょっとうまくいかなかったんです。5回目くらいの面変えで、面が変わらなくなっちゃったんですねー…しばらく顔を隠して、顔を上げた時にはもう素顔でした。やっぱりどんなに極めても失敗は絶対なくならないものなんですね;;)

牛魔王「♪さぁ歌え さぁ踊れ
     闇が地上を包む 人の心も包む
     悪が栄える 永遠の命を 我が持つのだ」

軍勢「♪さぁ歌え さぁ踊れ 立身の日
    さぁ歌え さぁ踊れ 立身の日」

牛魔王「♪さぁ踊れ!!」

曲が終わると同時に全員がカッコ良くポーズを決めます!…本当に、今年の敵役・魔物軍団はカッコいい!!
ところが、この盛り上がっている宴に乱入者が!!

悟空「待て待て待てーーい!!」

魔物(ボス)「何者だ!」

悟空「(空を飛びながら)斉天大聖・孫悟空様だ!!」

下手からフライングで登場し、舞台の中央に着地!それを追って八戒と沙悟浄も下手から武器を構えて登場します。

牛魔王「ほぉ…ここまで追ってきたか。」

悟空「おいらのこの毛はアンテナさ!
   (張り出し舞台にいる牛魔王を指差して)やい牛魔王!
   お前なんかギッタンギッタンにして、吉野家に売り飛ばしてるぞ〜!」

お調子者の孫悟空は挑発もお調子者。(笑)吉野家って…(^^;;
太正時代に吉野家があったのか!?(爆)
まぁ、それはさておき…

牛魔王「ふん。」

そんな悟空を鼻で笑うと両手を上げて左右に合図をする牛魔王。すると、左右から矢が雨のように飛んできました!!
必死で避ける三人ですが、矢の一本が沙悟浄の腕に命中!

沙悟浄「うっ!!」(よろけて上手の方へ)

悟空「沙悟浄!?(沙悟浄に八戒と共に駆け寄る)
   大丈夫か!?」

沙悟浄「だ、大丈夫だよ、このくらいの傷…!」

八戒「ぬ、抜くよ…」

えいっと矢を抜く八戒。一瞬痛そうな顔を見せますが傷を庇いつつも武器を構えます。

悟空「よくもやったな…出でよ、如意棒!!」

ぽんっと軽快な音と共に悟空の手に如意棒が現れて(手品みたいですね)振り上げる!
そのまま魔物の軍勢との戦いへ。
牛魔王も参戦しようとしますが、腹心の魔物に「ここは私が。」と止められて玉座の後ろで観戦です。
刀を手に悟空とにらみ合う魔物。

悟空「てめぇ、どこの馬の骨だ。」

馬頭王「牛魔王様の家来、馬頭王だ!」

悟空「へぇ、馬か!じゃ桜鍋にしちゃうよ〜ん」

鼻に親指を当ててからかう悟空に、切りかかる馬頭王。
下手では沙悟浄、上手では八戒がそれぞれ戦いを繰り広げています。(八戒はさりげなく側転も披露!どんどんアクロバットのレベルが上がっていきますね。)
ですが、多勢に無勢。最初は勢いがあった悟空たちですが徐々に押されて八戒と沙悟浄は腕をとられ、完全に攻められてしまっています。
そんな中、悟空と馬頭王の戦いは悟空が気張って、チャンスを掴みます!

悟空「しゃあぁーー!!トドメだぁーー!!!」

如意棒を振り上げて屈んでいる馬頭王に襲い掛かろうとする悟空!ですが…

牛魔王「図に乗るな猿!!」

牛魔王の声と共に玉座から煙が噴出し悟空を直撃!
不意打ちを受けた悟空は吹き飛ばされ張り出し舞台の前へ。沙悟浄と八戒も、同じように投げ出されて三人そろってピンチ!
追い詰めた三人と手下の軍勢に向かって牛魔王はただ一言

牛魔王「殺せ。」

静かにそう告げると魔物軍団が一斉に襲い掛かります!!
ここで座り込んでいる八戒にスポットが当たり、歌に入ります。

八戒「♪死ぬのは怖い たとえ魔物でも
    死ぬのは怖い」

♪絶体絶命

まさに、タイトル通りの状態の三人。八戒がそう叫ぶと、武器を手に立ち上がり、三人でじりじりと近寄ってくる魔物軍団を睨む。(ちょっと八戒と沙悟浄は逃げ腰ですが)

沙悟浄「♪もっとやりたい 事があったのに
     死にたくないよ」

必死に抗う二人に、悟空が前に出て守りながら励まします。

悟空「♪弱音を吐くな それじゃあ奴らの思い通り
    世界が悪徳に染まる」

でやぁぁ!!と如意棒を振りかざして敵をなぎ払いますが、牛魔王に一撃浴びせさせようと向かった先でアッサリと腕を取られ、がっちりと背中を組まれてしまいます。如意棒も取り上げられて、手下の手に。

牛魔王「♪身の程知らずが 我が力の前に
     ひれ伏すがよい」

どんっと前に投げ出される悟空。歌いながら攻めてくる軍勢(歌詞は…完全には聞き取れませんでした;;「鋼鉄の刃をその胸に突き、玄奘三蔵を殺せ」や「解き放てその思い」など悟空を攻め立てる言葉でした)を何とか交わす悟空。危ういところを、今度は八戒と沙悟浄に助けられます。

八戒・沙悟浄「♪立ち上がれ 負けたくない
        弱音はかない!(如意棒を敵の手から奪い返す悟空)」

三人「♪そう俺達は 仲間だ助け合おう!」

お互いを見て心強く感じた三人は笑顔で頷く。

悟空「こんちきしょうパワー!!
   でやぁぁぁ!!!」

迫り来る軍勢をいわゆる火事場のバカ力でなぎ払う悟空。(このとき牛魔王は一旦舞台から姿を消します)
軍勢がひるんだところを見過ごさず、八戒が次の攻撃に繋ぎます!

八戒「今だ!必殺技を出すわよ!!
   ピンクタイフーンボール!」

ピンクタイフーンボール??訝しがる軍勢のもとに上手から現れたのは巨大なピンクのバルーン。(笑)
それを沙悟浄とキャッチすると客席へと落としてきました!

八戒「皆さんの力をこのボールに込めてくださーい!」

会場内が明るくなり、一部の魔物が手伝う中(笑)ふわふわと一階席をめぐるピンクタイフーンボール。元気玉みたい。(笑)去年もあった客席巻き込み型がパワーアップしてますね;;
さて一階はこれですが、二階はといいますと…

沙悟浄「二階のみんなは、ウェーブを作ってくれ!
    それ、ウェ〜〜ブ!!」

沙悟浄が動きを舞台で指示すると、それを二階で助けるのはこれまた一部の魔物(というか十八角)となんと金角と銀角!!か、改心した!?(大笑)
金角銀角が通った通路側の皆さんはラッキーでしたね。(^^)
(ちなみに、人が少ないときはウェーブではなく手拍子でした。メロディーは「ゲキテイ」ですね。)
で…ある程度これをくり返したところで、二階は沙悟浄の「ありがと〜!」の声で終了し、一階はピンクタイフーンボールが再び八戒たちの所に戻ってきたところで終了!

八戒「ありがとうございますー!皆さんのパワーをたくさん頂きましたー!」

沙悟浄「金角銀角もありがとね〜!」(^^)

証明が元の暗さに戻ると、八戒たちの攻撃!

八戒・沙悟浄「せーの!!いっけぇーー!!」

ぽよんぽよん、と魔物の軍勢に当たるピンクタイフーンボール
すると、馬頭王の苦しそうな声が。

馬頭王「な、なんだこのパワーは!?
    うわぁああぁぁぁぁ!!!」

ドドーンッと轟音の中ピンクタイフーンボールを抱えたまま上手へと去る魔物たち。
か、勝ったね……(^^;;
やったぁ!!と大喜びの三人。

三人「♪立ち上がれ 悪に負けるな
    弱音を吐かない(悟空は「弱音を吐くな」)
    そう俺達は 仲間だ助け合おう」

それぞれの武器を三銃士のように同時に掲げてポーズ!!
悟空たちの大勝利!!でも、まだ最後の大一番が残ってますよ!

牛魔王「そこまでだ。」

声と共に牛魔王が舞台中央あたりの奈落から三蔵(縛られて完全に囚われの身)をつれて戻ってきました。
三蔵様!と顔を強張らせる三人。(牛魔王は奥にいますが、悟空達は張り出し舞台の上でこちらの方に顔を向けながら話を進めます。)

牛魔王「仲間なんて言ってもな、いざとなりゃ仲間を命懸けで助ける奴なんていない。
    この三蔵とて同じ事よ!」

三蔵「(ゆっくりと顔を上げて)……悟空。」

悟空「はい。」(如意棒を置いて膝をつく)

三蔵「……八戒。」

八戒「はい。」(同じく膝をつく)

三蔵「……沙悟浄。」

沙悟浄「はい。」(上に同じく)

三蔵「…逃げなさい!!」

三蔵の言葉に驚いて目を見開く三人。それとは対照的に嘲笑を浮かべる牛魔王。

牛魔王「美しい…てめぇの言葉に酔ってるのか坊主!」

悟空「三蔵様!!何言ってんだよ。あんた、天竺に行くって…」

三蔵「もうよいのです!!
   所詮…天竺に行くなど叶わぬ夢だったのです……」

諦めの表情を浮かべる三蔵。「そんな…」と困惑の表情を浮かべる八戒と沙悟浄ですが、悟空だけは違いました。怒りの表情です。

悟空「何バカな事言ってんだよ!!
   三蔵様、それじゃああんたを信じてついて来た俺達がバカみたいじゃないか!
   いいか?二度とそんな言葉口にするなよ!」

三蔵「悟空…」

牛魔王「愚か者めが。」

悟空「このやろぉーー!!」

悟空が牛魔王に向かっていくと、牛魔王は余裕の表情で剣を呼びます。

牛魔王「出でよ魔竜剣!!」

そう叫ぶと、玉座の後ろから片刃の大きな剣が登場し、それを牛魔王が掴むと、悟空との一騎打ちです!
数回刃を交えた結果…悟空が上手へと吹き飛ばされてしまいます!!「アニキ!!」と慌てる二人。牛魔王と目が合うと「ひっ…」と怯えながらも武器を構えます。

牛魔王「さぁ、パーティーをはじめようか。」

余裕綽々な牛魔王。まるで子供相手でもしているかのように八戒と沙悟浄の攻撃を捌いていきます。

牛魔王「いいぞいいぞ、小童ども!」

二人の戦意がそがれた所で、さらに剣を振りかざしますが…

悟空「待て待て待てー!!」

上手から如意棒を構えて飛ぶように(いや、実際はフライングで浮いてますが)牛魔王の剣先を止めます。

悟空「てめぇの相手は、俺だ!」

牛魔王「ふん。いいだろう。」

八戒・沙悟浄「アニキ!」

悟空「ここは俺に任せて、早く三蔵様を!」

わ、わかった!と下手から回って三蔵のもとへ行く八戒と沙悟浄。三蔵の縄を解いて上手の方へと連れて行きます。
その間、悟空は牛魔王を足止めしてましたが……やはり牛魔王は強大な存在のようで、如意棒を落とされてしまいます。

牛魔王「お前…弱いな。」

丸腰になった悟空に容赦なく刃を突きつける牛魔王。悟空が体力の限界で立ち上がれないと見ると、今度は三蔵に剣先を向けます。
が、アニキでも勝てないほど強い牛魔王に三蔵を守る為立ち向かう八戒と沙悟浄に阻まれます。
ですが……絶対な実力差というものが、たしかにあるのです。必死の守りもむなしく、三蔵へと牛魔王の魔剣が振り下ろされます!!

悟空「三蔵様――!!!」

とっさの動きで立ち上がり、三蔵をその身を呈して庇う悟空!(このシーンの悟空はずっとワイヤー背負ってます。動きのほとんどがフライングによるものなのです。)
背中から思いっきり切られてしまいます!

悟空「ぐわっ!!」

三蔵「悟空っ!!!」

魔竜剣を振りぬいた牛魔王は、舞台中央によろよろと間を取った悟空をさらに追う。
鈍い音共に空気が凍り、悟空の身体を魔竜剣が貫きます…!

牛魔王「この魔竜剣はな…(悟空を刺したまま持ち上げる・フライング)
    どんな魔物の命も吸い取る。虚しい夢に散れ悟空!!」


そのまま悟空をさらに深く刺す。声にならない苦痛の表情を見せると、がくりっ…と全身の力が抜けた悟空に息を呑む八戒、沙悟浄、三蔵。

三蔵「っ……死ぬな悟空!!!!!!!!」

悟空「…あいよぉ〜…!」

三蔵の空気を切り裂くかのような叫びに、意識を呼び戻される悟空。
完全に息絶えたと思っていた牛魔王の顔に少しの驚きの色が浮びます。
気力を振り絞って魔竜剣を掴んで力ずくで下へ押す。

悟空「こんなんでやられる悟空様じゃねぇや…!
   第一夢ってのはな、信じ抜くもんなんだよ。
   信じていれば、何時か必ず叶うもんなんだよ!!」

地面に再び足をつけた悟空はそう叫びながら素早く魔竜剣を牛魔王の手から奪い取り、逆に貫きます。

牛魔王「ぐっ…!」

悟空「貴様は、自らの魔剣で…地獄に落ちろ!!」

さらに深く突き刺す悟空。一瞬の沈黙が走ります。
が、牛魔王は力を振り絞って悟空を下手袖まで吹っ飛ばすと、一歩二歩…よろけつつも魔竜剣を抜いて玉座の下に捨てると、正面に向き直ります。
そこに立ちはだかるのは、アニキの思いを無駄にはしない!!と武器を構える八戒と沙悟浄。

八戒・沙悟浄「でやぁーーーーっ!!!」

八戒が上手、沙悟浄が下手から同時に牛魔王を刺す!!
魔竜剣で致命傷を負っている牛魔王はトドメの攻撃を受けますが、それぞれの武器の柄を掴むと、二人の手から武器を放させ…そのままの姿勢のまま二歩三歩下がると、尻餅をついていた二人に笑みを浮かべます。

牛魔王「おめでとう、諸君。キミたちの勝ちだ…!
    ふっふはははははは……!!」

笑いながら玉座に座り、そのまま赤く燃える奈落へと沈んで行く牛魔王。
……悟空たちの、勝利です!それにしても、カッコいい悪役というのは死ぬ時も高笑いというか…決して命乞いをしたり見苦しくのた打ち回ったりしないものなのですね。
「か、勝った…勝った!」とお互いの肩を持って震えながらも喜ぶ八戒と沙悟浄。と、そこへ下手から悟空(ワイヤーはもうついてません)が笑顔を浮かべて戻ってきました!

三蔵「悟空!」

沙悟浄「傷はいいの?!」

悟空「ああ、この通り。ピンピンしてらぁ―――」

張り出し舞台の前まで来た所で心配顔の仲間を安心させようと片足を上げて膝小僧を叩いて元気を見せようとした悟空ですが、そのまま崩れ落ちてしまいました…慌てて駆け寄る仲間達。イの一番に三蔵が悟空の目の前へ駆け寄ります。

悟空「あぁ、三蔵様。八戒も沙悟浄もよ〜く戦いました。」

三蔵「…そうだね。」

どことなく落ち着いた声の悟空に、涙声の三蔵。そんな二人を後ろから見守る八戒と沙悟浄。

悟空「いやぁ〜牛魔王の魔剣には、負けん!って思ってたけどよ
   ありゃあ…本物だったな。
   ……………あれ?おかしいな…目が、見え……」

やはり負った傷は深かったのですね……悟空の命の灯火が、揺れています。
自分の姿を教える為に、三蔵はしっかりと悟空の手を握り、その手を頼りに、見えない目で三蔵を見ます。

悟空「三蔵様、天竺行けよ。
   そんで、経典もらえ?」

三蔵「ああっ行く…!経典は必ず貰う!!」

悟空「この世の中は、仲間同士助け合って生きてりゃきっと平和な世の中になる。」

三蔵「うん…!私はお前の夢を信じるよ!」

悟空「(ぱっと三蔵の手を放す)よせやい、こいつはあんたの夢じゃねぇか。」

三蔵「悟空……」

そう、それは三蔵が経典を手に入れて成そうとした夢…世の幸せ。それを語っていたのは三蔵…なのに、今それを思っているのは悟空。
三蔵は己を振り返り、後悔と悲しみと…それらが入り混じった顔を一瞬見せると俯いて頭を振ってしまいます。
その間に悟空はゆっくりと立ち上がり、その目は…遠くを見つめています。

悟空「あぁ…見てぇなぁ…みんなが幸せそうな顔して笑ってる……
   そんな世の中が…見てぇな」

がっくりと倒れる悟空。今度は沙悟浄と八戒が駆け寄ります。沙悟浄が悟空の背中を支え、八戒が悟空の手を握ります。

沙悟浄「アニキ…」

八戒「アニキ…!」

悟空「…ばっかばかしーくも…ありがたくも…仏信じりゃ」
三人「幸せにな…る…と…こーいつは、お気楽…」
八戒・沙悟浄「ごくら…く……じょうど……」

ゆっくりと、目を閉じる悟空。その目はもう二度と開くことは無く。もう二度とその身体に力がみなぎることも無く。歌は途中から二人の声だけになり…それも徐々に涙声へと変わっていきます。

八戒「アニキィ……!」

沙悟浄「っ…アニキィーーー!!!」

嗚咽が止まらない二人。そのまま悟空を抱えたまま奈落へ。一人舞台に残った三蔵は……目の前で起こったことが未だに信じられない、受け入れたくない。そんな表情で立ち上がり、首を横に振りますが…これが現実。照明が最も暗い中、スポットが三蔵だけを照らすというがらんとした舞台の中央で三蔵がそれを理解した途端、口から激しい感情が噴出します。

三蔵「なんということだ…悟空に被せた禁固冠を被るべきは私だ!
   戒めを受けるのは私であった!!
   私は……なんと愚かな!!
   悟空は教えてくれた。この世にあって素晴らしいのは命を惜しまぬ無償の行為だということを
   そして…夢を信じ抜く強き心だと……!
   だが………私はっ……!!
   ♪ああ 私は なんと無力な
    我が友の命果てるときも 私には成すすべが無い」

♪命果てるとき

凄く静かな曲です。アカペラにも近い感じ…三蔵の悲痛な声だけが、ただ響くのです。

三蔵「一体…私は何者であったのか!?
   一体!…私は何をしたのか!!!
   ♪(合掌して)祈るだけか 涙を流すだけか
    ああ 私は なんと無力な
    涙枯れるまで 泣こう」

力なく膝をつき、嘆く三蔵。

三蔵「すまない…悟空…!!」

このまま、三蔵は嘆きつづけるのか…?そう思ったところで三蔵を照らすスポットが広がり、三蔵の周りをも照らします。
そして聞こえてくるのは、明るいあの声

悟空「謝ること無いぜ、三蔵様!(はっと顔を上げ、立ち上がる三蔵)
   おいら、三蔵様や八戒や沙悟浄と出会えて良かったよ。良い旅だったよ。
   この世に絶対の力も、永遠の命なんてものも、無いんだよな。
   お互いに助け合うって事が、生きるって事なんだよな。それがわかったよ。
   じゃあな、三蔵様…あばよ。」

三蔵「っ…悟空ーーーーーーーー!!!!!!!!」

去って行く悟空の気配に手を伸ばし、再び叫ぶ三蔵。
己を抱きしめるように腕を回すと天を仰ぐ三蔵。そのままスポットも消えて幕。
そう、三蔵の叫びで一応の幕なのですよ!
そして次に幕が上がると全てのキャストが居並ぶ中で最後の曲に…だったのが15日までで、16日からはこの幕の所に菩薩の後日談が入りました。

菩薩「後に三蔵は八戒、沙悟浄と共に
   天竺に辿り着き、経典を手に入れた。
   そして生涯旅を続け、善なる心を説き
   孫悟空の物語を語り、広めた…」

私は、この一言が入るだけで大分観劇の後味が変わりました。ちゃんと三蔵は立ち上がって、悟空との約束を果たしたのですね!
そして……この素晴らしき魔物の存在を語り継いだのですね。
さぁ…最後の幕が上がります。

♪新西遊記〜命がめぐり世界が繋がる時〜

全員「♪泣くな人よ 命に終わりは 必ずあるが
    泣くな人よ 命はめぐるよ 心のなかに」

悟空以外の全員が集合。舞台中央部分では三蔵を軸に▽形に花組とダンディのボスが並んで、その脇に八の字で並ぶかえでさんと大神さん(手持ちのドラを持っています)や錫杖を手に持つダンサーさんたち。そして一番奥まった所の一段高くなっているところに親方、金田先生などのサブキャラ陣が長錫杖をもって整列しています。花組の部分のみを再現するとこんな感じ。


馬頭王             金角
  牛魔王        銀角
    沙悟浄    八戒
        三蔵

CD版ではこの曲はカンナと織姫のみですが、最後の曲という事で全員が歌います!

三蔵「♪世界に終わりが ないように 人は思い出を 語り継ぎ」
八戒・沙悟浄「♪愛する心を持つことで 永遠に繋がってゆける」
全員「♪諸行無常 あるがままに 命の限り」

八戒・沙悟浄「♪思いがめぐり 命がめぐり 重ねる夢がある」
全員「♪たくさんの愛が 大地を満たし 世界が繋がる
    泣くな人よ 命に終わりは 必ずあるが
    泣くな人よ 命はめぐるよ 心のなかに」

間奏部分。ここで、全員が合掌(両手なのは三蔵のみで後は片手なので合掌とは言わないかもしれませんが;;)して膝をつく中、奈落から如意棒を片手に、悟空が登場!!冒頭と似たような登場の仕方ですが…表情は全然違います。

悟空「俺は悟空! 永遠に語り継がれる、不死身の物語だ。
   俺は孫悟空! 人は俺を忘れない。俺は、永遠の命を持った!!」

命は廻る、心の中に……一時は悟空の夢であった“永遠の命”を、三蔵が生涯の旅で多くの人に悟空の存在を伝え、その人々の心で彼の命を繋ぐことで、叶えたのかもしれません。いや、悟空は「叶った!」と喜んでいるようですね。人が、本当に死ぬのはいつか?それは人々に忘れ去られた時…親から子へ、子から孫へと語り継がれる物語は、決して死にはしない。そう、それは永遠の物語。命の物語。

悟空「♪この世に絶望 しちゃだめだ 人よ未来を 嘆くなよ
    人と人とが愛し合い 思い出の数を増やそう」
全員「♪諸行無常 あるがままに 命の限り」

悟空「♪思いがめぐり 命がめぐり 重ねる夢がある」
花組「♪たくさんの愛が 台地を満たし 世界が繋がる
    泣くな人よ」
三蔵・ダンサーさん達「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏
           南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」

花組「泣くな人よ 命に終わりは 必ずあるが
   泣くな人よ 命はめぐるよ 心のなかに
   生きろ人よ 命に終わりは 必ずあるが
   生きろ人よ 命はめぐるよ 心のなかに
   生きろ人よ (泣くな人よ)
   愛を信じて」

CD版での悟空の声もよかったですが、ライブ版…全員で歌うとまた迫力が違います!
花吹雪が舞う中最後は三蔵、悟空を中心に両脇に沙悟浄、八戒。その斜め後ろ上手側に牛魔王と馬頭王、下手側に金角と銀角が並び、曲の最後の盛り上がりと共に見得を切り、見事な終曲となりました!!
幕が閉じます。それを、心からの拍手で見送ります…ありがとう!!
何時しか拍手が手拍子に変わると、16日からは幕が上がると出演者が一堂に並んでいるカーテンコール!
悟空…いや、カンナが一歩前に出て礼をすると全員が礼を…カンナ、お疲れ様!いい舞台でしたよ!!
惜しみない拍手を贈っていると、再び幕。
…これにて「新西遊記」の公演は終了です。

ですが、拍手が鳴り止まぬうちにまた幕が上がります。そして聞こえてくる打楽器の音…舞台の中央には冒頭と同じく四人の京劇の演奏者が!そして、その音色に乗って現れたのは京劇の役者さん!
これより再び京劇です。なんだか今年は二部構成ではなく三部構成のような感じもしますね。でも、京劇なんて普段見に行こうとなかなか思わないものなのでこうして一緒に見れて、私はラッキーでした。

ここで皆さんが披露された演目は西遊記には関係のない「盗仙草」という京劇演目のようです。
物語は『白蛇伝』からきているそうで…白蛇の化身、白素貞は人間に姿を変え、許仙という男と夫婦になりますが、端午の節句に飲んだ雄黄酒で元の姿に戻ってしまい、それを見た夫は驚いて死んでしまいます。
夫を生き返らせる妙薬、霊芝仙草を手に入れるため、一人で山へと向かう白素貞。ですが、山を守る鶴童、鹿童に行く手を阻まれてしまい、やむなく戦いを繰り広げた結果、みごと霊芝を手に入れる…というお話の筋だそうです。(HP参照)
なるほど、だから衣装が真っ白だったんですね。<白蛇
鶴と鹿は衣装で先に解かったのですが…この演目は槍術が立ち回りのメインなので、凄く動きがある舞台でしたよ。一部デビルスティックを見ているような気分になるワザもありました。(^^)
最後の決めポーズがバッチリ決まると、上手へと去っていきました。こちらにも惜しみない拍手を贈ります!!

そして再び幕…今度は紗幕ですね。が下りると、二幕冒頭と同じように「新西遊記」のロゴが映し出されました。
最初と最後が同じだと、ここからここまでが演目です。と明確な区切りが出ますね。
しばらくして、ロゴが消えると下手から白いドレスに身を包んだ一人の女性が二胡をもって登場しました。そのまま下手に設置された譜面台の前に座り、ソロ演奏を始めます。曲は「ユンホォア〜レビュウ桜花乱舞〜」
これも貴重でしたね。オリジナルとはまた違った良さがありました。パンフレットの京劇ゲストの所に二胡とあったのですが、劇中の演奏者の中にもいないし、一体どこで出てくるのだろう?と思っていたら、ここでした〜オリジナルよりもしっとりとした曲に仕上がってました。

二胡の演奏が終わると、今度はオリジナルの前奏が流れてきました。
紗幕が上がると、冒頭と同じレビュウ衣装に身を包んだ女性ダンサーさん達が…そう、グランドフィナーレです!!
一列に礼をして去っていく皆様。そしてそれを皮切りに舞台の最奥から次々と出演者の皆様が登場します。
続いては男性出演者…というよりはアクロバット担当の方々。手を振って一礼をすると、二手に分かれて下がります。(今回は舞台の上には残らず、一旦袖に入ってしまうのです。)
続いて山田警部と川岡刑事。武田と団耕助、西村。金田先生、親方。琴音さん、菊ちゃんと続いて(この辺になると声援が目立ってきますね)大神さんとかえでさんが一礼をした後に登場してきたのは夏服の織姫!(今回皆さん劇中にて衣装チェンジありませんでしたね。)
今回、花組は個人のパフォーマンスは無く全員一礼で終わりましたね。そして、花組からは舞台にそのまま残ってステップを踏んでいます。
織姫に続いてレニ、アイリス、紅蘭、カンナ、マリアそして最後にさくらが登場して舞台上は
下手からレニ、紅蘭、マリア、さくら、カンナ、アイリス、織姫と一列に並んでいる中、歌へと入ります。

花組「♪ユンホォア 夢の花 ユンホォア 幻の花
    幸せを 歌う花 優しく舞う花よ
    ユンホォア 夢の花 ユンホォア 幻の花
    幸せを 歌う花 優しく舞う花よ」

花組が歌い踊っている間に、一度袖へ下がった出演者の方々が順番に戻ってきます。
曲が終わると、全員勢揃い。そして……間髪いれずにあの曲へ!!

♪ゲキテイ

もう、お約束で何も言うことありませんね。会場内が一番熱く揺れる一時、皆さん一緒に楽しみましょう!!

全員「♪走れ 高速の 帝国華撃団
    唸れ 衝撃の 帝国華撃団」
さくら「もう一回!」(^^)
全員「♪走れ 高速の 帝国華撃団
    唸れ 衝撃の 帝国華撃団」

決めポーズもバッチリ決まって、言うことありませんね!(15日の夜だけ、さくらさんが歌1番と2番の歌詞を間違えて歌ってちょっとうろたえてましたが;;)
割れんばかりの拍手は、花組がポーズを決めて口を開くと同時に止まります。

さくら「えー13日の金曜日だというのに。(笑)オリンピック開会式だと言うのに。(再笑)
    皆さんとこうしてゲキテイを一緒に歌って踊れて本当に嬉しいです!ありがとうございました!(礼)
    楽屋には、甘いもの、しょっぱいもの、滋養のある健康ドリンクなど(笑)
    健康面からわたしたちをお気遣いくださり、ありがとうございます。(礼)
    …こうして長きに渡りショウを続けられるのも、皆様のおかげです。
    本当にありがとうございます!!」

御礼を言ってくるさくら。こちらこそ、こんなに長きに渡り夢の舞台を見られること、大変嬉しく思います。
こちらからも、言いたいです。ありがとうございます!!と…

さくら「ではここで、今回のスペシャルゲストをご紹介します!
    中国青年京劇団の皆様です!!」(^^)

さくらさんの紹介と共に下手からぞろぞろと登場したのは(そう、いなかったんですよね今まで…グランドフィナーレに。)素晴らしい演技や演奏を見せてくれた京劇の皆様!!(役者さんの衣装は最後の演目のままですね。)本当に素晴らしかったです!特に変面を披露してくださった劉妍(Liu Yan)さんは素晴らしかったです。最後の演目で鹿童を演じた陸海栄(Lu Hairong)さんも鶴童を演じた劉東風(Liu Dongfeng)さんも素敵でした。もちろん、演奏してくださった皆様や最後に二胡のソロを聞かせてくださった于雪原(Yu Xueyuan)さんも一緒に挨拶…皆様の演奏もとても楽しみました。ありがとうございました!
ご挨拶をし終えると、優雅に去っていく京劇団の皆様。

さくら「ありがとうございました。
    大きな拍手でお送りください!」

さくらの声音共に一際大きくなる拍手。
京劇団の皆様が完全に見えなくなると陣形も元に戻し、さくらさんの締めの言葉へ。

さくら「…では、第三回スーパー歌謡ショウも、これが無ければ終われませんね!(待ってました!と掛け声)
    お二階の皆様もー!!(少ないながらも声援頑張ってます!)
    一階席の皆様もー!!(大歓声!)
    桟敷席の皆様も!(絶対数が少ないのでイマイチ声などは響きませんが、心意気は同じです!)
    心を一つにして、いきますよ……?
    ……全国の、サクラファンの皆様に敬礼!!」

ビシッと会場中が決めると、これまたお約束の銀テープが飛んできました!
銀テープが落ちきるとポーズを解き「ありがとうございました」など口々に言葉を発しながら、幕が閉まるギリギリまで手を振ってくださいました。
「花咲く乙女」のBGMが流れる中、拍手はすぐにアンコール拍手へ。そして…カーテンコールです!!
閉まっている僅かな間に、花組と花組の間に京劇の方々を入れて手を繋いでいます。

さくら「本当にどうもありがとうございましたー!!
    またお会いしましょう〜!」(^^)

隣りのリウさんに「謝謝(シェイシェイ)」と言うさくらさん。もちろん、それぞれの所で皆さん京劇と触れ合っている模様です。
今度こそ幕が下りました。会場が徐々に明るくなりと、何時しかアンコール拍手は終わり、みなさま終演のアナウンスを聞くモード。

さくら「これをもちまして本日の公演はすべて終了いたしました。
    楽しんでいただけましたか?
    もしまた公演を見たくなったらどうぞ、劇場に足をお運びください。
    お待ち申し上げております。
    まだまだ暑い日が続きます。朝ご飯はちゃんと食べてくださいね。
    お忘れ物なきよう、お足下にお気をつけてお帰りください。
    本日は、本当にありがとうございました。」

―――14日・夜―――――

これももちろん前説とセット。ということで、織姫です!

織姫「これで、本日の公演はお終いでーす!
   みなさん、楽しかったですかー?
   楽しかった人は手を上げてくださーい!(ほとんどの人が挙手)
   ……みえなーい。(爆)楽しかった人は大きな声を上げてくださーい!!(大歓声!)
   もう一回!楽しかったですかー!?(大大歓声!)
   日本人素直ですね〜(笑)グラッチェ!
   みんな、暑いからってジェラートばかり食べてちゃダメですよ。
   お腹に気をつけて、しっかりシエスタして元気に過ごしてくださいね。
   それから、お時間があったらまた劇場にいらしてくださーい。
   織姫からのめいれ…お願いでーす!(笑)
   じゃあ、お家に着くまでが歌謡ショウですよ。
   忘れ物とか、落し物とか、失恋とか、しないように気をつけてお帰りくださーい。チャオ!」

……長いよ、織姫!(^^::

―――15日・昼―――――

アイリス「これで新西遊記はぜ〜んぶお終い!
     みんな、楽しんでくれた?
     アイリス、河童好きになっちゃった。
     みんなも河童好きになってくれた?(歓声!)
     あ!みんなも、カンナみたいにご飯たくさん食べて元気に過ごしてね。
     そうそう!落し物や忘れ物に気をつけてね!
     じゃあまたね。バイバーイ!」

ええ、アイリス…特に貴女のファンは貴女にメロメロだったと思います。(笑)

―――15日・夜―――――

かえで「これを持ちまして、本日の公演はすべて終了いたしました。
    明日からも、新鮮な気持ちで公演を続けたいと思います。
    どうぞまた、お時間がありましたら劇場に足をお運びくださいね。
    まだまだ暑い日が続きます。夏バテ夏風邪には十分お気をつけて
    栄養のあるものを食べてくださいね。
    お忘れ物なきよう、お気をつけて…あ!特に
    今日の良き思い出を、忘れないで下さいね。
    かえでからのお願いです。
    では、またお会いしましょう。」

う〜ん、こっちはどうやら録音のようですね。(^^;;

―――18日・夜―――――

マリア「これを持ちまして、全ての公演は終了いたしました。
    最後までご観賞いただき、ありがとうございました。
    まだまだ暑い日が続く模様です。
    冷房をかけて裸で寝てはダメですよ。
    なお、お帰りの際はお忘れ物などなさらぬようお気をつけてお帰りください。
    本日は、ありがとうございました。」

さすがマリア、ツボを心得つつもナイスな終演アナウンス!!(笑)

―――――――

終演アナウンスも聞き終わり、宜しい気分で会場を出ます。
夜公演だと、外はもう真っ暗…でも蒸し暑い;;
今年の舞台は、個人的には概ね満足のスーパーになってからは1番好きな舞台になりました!
そして、今回の公演の思い出をつれと語り合いながらも別のことも考えていた。
新春公演はやるのか?来年の演目はなんなのか?……今から期待で胸がいっぱいです。(^^)
楽しい夏を、ありがとうございました!!


NEXT→
←BACK