今回は2幕のアナウンスは無かったです。ちょっと寂しいな…と思いながらファンファーレと共に幕が上がると、舞台は白いスクリーンのような布でさらに幕がしてありました。全体的に青っぽい照明に照らされていて、何も無い不思議な空間ですね。
そして奈落からゆっくりと後姿で登場してきたのはジョン・シルバーの衣装に身を包んだマリアさん!(ここからはセリフなどは役名で表記します。)
張り出し舞台の上で振り向き恭しくお辞儀をするマリアさん。凛々しいです!
シルバー「♪さぁ 客席の皆様
ようこそ 物語の世界へ!」
今回の舞台は曲が多いと聞いておりましたが、このように語り口調の中で歌ったりするようです。(メロディーに乗ったりセリフを言ったりといった感じです。)
シルバー「これから始まる物語は昔々の倫敦の
貧しい少年・ジムの宝捜しの冒険譚!
遠い世界を夢みて嵐や荒波、南海の魔女や不思議な仲間!
そしてジャングルや海賊どもや地下に眠る宝物。
そのどれもがかつての私をワクワクさせた。
もし今少しでも少年少女の夢が膨らむのならば
そんな昔話もいいだろう。」
抑揚の効いた音楽に乗せて腰に挿してあったナイフを抜き、舞を見せるマリアさん!それがまた絵になり、綺麗なのです!
シルバー「さぁ、用意はいいか!幕を上げよう!!
♪さぁ 客席の皆様
心の準備はよろしいか
浪漫の扉を開けろ!」
シルバーが高らかに物語の始まりを告げると、ドンっ…と大砲が放たれたような重低音と共に、奈落の上で背中を向けるシルバー!見事な口上…!
シルバーの姿が完全に奈落の下へと消えると、舞台が明るくなり、白いスクリーンカーテンが左右にばさっと落ち、そこはまるでどこかの城、あるいは館の入り口のような場所。
台形の形をした階段にズラリと並んでいるのはハートとダイヤマークのトランプダンサーたち。その中央の入り口からひょっこりと顔を出したのはトランプの騎士(レニ)
トランプダンサーの真ん中に進み出ると…
騎士「敬礼!!」
ちょっと高い声でとっても可愛いトランプの騎士です。(笑)
でも、左右に並んでいるトランプダンサーはまったく動かず…
騎士「あれ?
……あ、そうだ!!」
思い出したかのように腕を一振り。すると銀粉が舞い、魔法をかけられたトランプ達は一斉に動きだしました!
♪トランプの裏表
まさか冒頭にこの曲が来るとは思いませんでした。
けれど、陽気に元気よく歌うレニは本当に楽しそうで、トランプダンサーたちの動きも揃っていて、面白かったです。
騎士「♪いさぎよく前に進もう 誰に馬鹿だと言われようと
物語の主人公なんだぜ
だから人生は一か八か まるでトランプの裏表
人生は一度だけ だから好きなことしよう」
ちなみに、ハートの裏はスペード、ダイヤの裏はクラブのマークが描かれていました。
レニの衣装であるナイト(J)のマークも表がハート、裏がスペード。
曲の最後、レニが囁くように歌う部分でトランプダンサーたちは上手下手へと散り、紗幕も降りて照明もスポットのみに。残った騎士は奈落から直に座りながら登場してきた今回の主人公…紅蘭扮するジムの後ろから歌いかけます。
騎士「♪負けても やりなおせるさ
夢だけ なくしちゃダメだよ」
ゆっくりと上手へ去って行くトランプの騎士。
去り際にシャラララ…と銀粉を撒いて魔法をかけると同時に動かなかったジムが自分の左に落ちている金色のコインに気付きました。
ジム「…!これはもしかして…(コインを拾い上げる)
トランプ金貨だ〜!」
興奮した面持ちで立ち上がり、喜ぶジム。
どうやらこのトランプ金貨はとても貴重な金貨のようですね。
ジム「これで夢に見た冒険の旅に出られる…!
やった〜!!!わぁ〜〜い!!!」
浮き足立つ心のまま駆け足で上手へと消えるジム。
それと同時にゴーン、ゴーン…と時計塔の音が響くなか、ゆっくりと紗幕が上がります。
そこは先ほどまでのトランプの館ではなく、様々な人々が行き交う大都会・倫敦。
その中で一際目立つ集団が。市長トリローニ(かえでさん)と三味線を抱えた黒紳士(雲国斎先生)
道行く人達に挨拶をしながら舞台の奥から中央、前へ。
紳士(江戸川先生)「市長!トリローニ市長!ご機嫌如何ですかな?」
市長「おお。はは…まずまずといったところですな。」
紳士「応援しています。頑張ってください!」
市長「ありがとう!」(^^)
紳士「では、これで!」
警官(金田先生)「これは、市長閣下!」(敬礼)
市長「お勤め、ご苦労さん。」
そこへ上手から走ってきたカラフルな三人組(てぶくろ三銃士。アイリス・西村・武田)が通りがかり…
アイリス「市長!こんにちは〜!
…さよなら〜!」
またすぐに下手へ走っていきました。(笑)
その子ども達の様子を笑って見送る市長。
市長「ははは…元気があってよろしい!
(日によっては「はいさよなら〜。ははは、忙しいねぇ!」と変化)
この倫敦は今や世界一の人口密度です。」
黒紳士「世界はまさしく、この倫敦を中心に動いておりますからな。
まさに日の沈まない街、倫敦万歳!!
(三味線をベベベンっと鳴らす!)
嗚呼、倫敦!倫敦!愉快な倫敦〜〜〜〜!!
…なんてね。」(^^)
通りすがりの紳士(ボス)「世界一!」
市長「ははは…相変わらずいい喉をしている。」
黒紳士「海で鍛えておりますからな。ははは」
ジム「こんにちは!トリローニ市長!」
下手から上機嫌で歩いてきたジムも、市長にご挨拶!
市長「おお、こんにちはジム。」
ジム「市長、今日はいいことがありました!!」
市長「ほぉ、なんだね?」
ジム「はい!トランプ金貨を拾ったんです!」
ジムが胸ポケットから取り出して見せた黄金のコインを見た途端、息を呑み驚く市長!
どうやらこのトランプ金貨とは、かなり価値のあるお金のようですね。
市長「おお!!それはラッキーだったね!
この倫敦にはたくさんのラッキーがある!」
ジム「ラッキーが?」
市長「ああ!幸運な、ラッキーがね!!」
♪ラッキーなロンドン
CDには収録されていない、言わばシークレットのような曲の一曲が早くも出てきました。
かえでさんが中心ですが、合唱曲のようですね。たくさんの人が舞台狭しと歌ったり踊ったり軽快な曲です。
雰囲気としては去年の「ドキドキオーディション」と似ています。ですが、人数は圧倒的にこちらが多いです!
そうそう。このシーンは様々な人が登場しています。私が確認できた方々は…
貴族などの上流階級な人たちに織姫とボス、横道先生、江戸川先生、親方
貧乏人など下級市民の人々にはさくら、大神、菊之丞、そして琴音がいました。(途中からマリアさんも目深にフードを被って参加していらしたようです。)
市長「♪ラッキーが落ちている街」
市民「ロンドン!!」
ジム「♪そう!ラッキーが落ちているロンドン」
市民「ロンドン!!」
市長「♪誰でもチャンスが拾える街だ
誰にでもラッキーはある」
上流階級「♪豊な人にも」
下級市民「♪貧しい人にも」
子供「♪子供にも」
大人「♪大人にも」
全員「♪それなりにラッキーはあるさ」
ジム「よし!がんばろう!!」
舞台中央に集まって歌っていた面々がジムの一言から上手側に上流階級の人達。下手側に下級市民の人達と、おおまかに分かれて動きます。
上流階級「♪だからやっぱりお金でしょ
お金がなくちゃね どうにもならない」
あはははは…と笑い声を漏らす上流の人たち。それに少しムッとする下級市民たち。
そんな群集から少し離れた場所、下手の前の方で一人の男とジムが会話。
貧乏人(琴音)「でもなぁ…そんな気休め言われても
しょせん金が無きゃ、どうしょうもない世の中だもんな…」
ジム「…ホントにそうなの?お金がなきゃ、どうにもならないの?」
市長「いいや!そんなことはないよ。
(市民を指して)みぃ〜〜んなに、ラッキーはある!!」
下級市民「♪しかしやっぱりお金でしょ お金がなくちゃね」
やっかみからか、上流の方達に詰め寄る市民たち。それを笑ってしまった紳士がいたからさぁ大変。市民達が上流階級の方達を囲んで身動きを取れなくしてしまいました!
でも、そんな中でもジムは再び男を引っ張って自分の夢を語ります。
ジム「僕、冒険の旅に出るんだ!」
貧乏人「馬鹿なこと言うんじゃないよ。
そんな夢なんか見てないで、貧乏人は働かないと。」
ジム「(懐からトランプ金貨を取り出す)ほら!!」
おっ…と驚く男だが、それを見ていたのがもう一人…上手にいた警官です。
警官「!ジム…お前トランプ金貨を盗んだな!?」
ジム「違うよ!これは拾ったんだ!!」
警官「ウソをつけ!牢屋に、ぶち込んでやる!」
ジム「いやだ〜〜い!!」
警官「待て!!」
貧乏人の男を引っ張って一緒に下手へと逃げるジム!それを追いかける警官も下手に消えたとき、上流の方々を囲んでいた輪が崩れました!
上流階級「♪豊な人にも」
下級市民「♪貧しい人にも」
子供「♪子供にも」(ジムたちも下手から戻ってきて参加)
大人「♪大人にも」
全員「♪それなりにラッキーはあるさ」
あ!と警官の姿を目撃したジムは、そのまま人の間を縫って上手へと逃げます!!
全員「♪しかし
だからやっぱりお金でしょ お金がなくちゃね
しかし
だからやっぱりお金でしょ お金がなくちゃね どうにもならない」
倫敦の街の皆様は、現実的。金は天下の回りもの。
ああ、世の中の真実の一面がまざまざと;;
大人の夢と現実の天秤を陽気に歌いながら突きつける市民たちを紗幕が遮ると…一瞬の暗転の後、奈落から「秘密基地」とつたない字で書かれた土管の上に座るアイリスが。ぴょんっと土管から下りると、ばしっと土管を叩いて中にいた西村と武田を呼び出します。
♪勇気リンリン
先ほどの「ラッキーなロンドン」とは正反対の夢が一杯のナンバー。
子供は目の前の世界を体感し、ときおり空想したりで元気一杯です。(^^)
間奏部分では三人それぞれが目指す王国の旗を披露!グルグルマーク、バッテンマークと西村と武田が見せますが、ブー!!
アイリスが取り出した色鮮やかなてぶくろの形をした旗には全員一致で「OK!OK!OK!OK!」と大賛成!土管から出した旗立てに取り付けて、国旗の完成〜!!
全員「♪我らてぶくろ三銃士 子供だけども知恵がある
いつか必ず作ろうぜ 愛と平和の王国を」
楽しそうに歌い盛り上がる三人。
と、そこに誤解から警官に追いかけられていたジムが息を切らしながら上手より登場。どうやらうまく撒けたみたいですね。
全員「♪立ち上がれ 子供達よ
ぼくらの手で国を作ろう いざ夢の未来へ行こう
エイエイオー!!」
アイリスを中心に三人で無邪気にポーズを決めっ☆
西村「てぶくろ三銃士だ〜!シャキーン☆」(剣を抜いてチャンバラごっこ)
武田
武田「カン!カン!ぶちゅ!」
西村「あ…」(刺された)
二人「あはははははははは!」
武田「カン!カン!ぶちゅ!」
西村「あ…」(刺された)
二人「あはははははははは!」
近くに来ているジムに気付かずにアイリスが(三銃士はそれぞれの名前がわかりませんので、セリフは役者名で書かせていただきます;;)土管の上に立ちカバンからイイモノを取り出しました!
アイリス「じゃじゃ〜ん!これを見ろ!」
ああ!とアイリスが取り出した古い地図に歓声を上げて見せて見せてと手を伸ばす西村と武田
武田「なーになーに!?」
西村「あ!これは宝の地図だね!」
武田「宝の地図!?」
アイリス「そうだよ。おじいさんの荷物から盗んできたんだ!
この地図には、海賊の隠した宝のありかが描かれてるんだ…!」
おじいさん、盗まれちゃってますが!?煤i ̄□ ̄;;
「宝の地図」と聞いて、三銃士以上に興味を示したジムは三人に近づいて行きます。
西村「このバッテン(×)の印がそうだね!」
アイリス「そうだよ!!」
武田「あれ?でも、ここ海の上だよ?」
アイリス「いいや!!そこには、だぁ〜れも知らない宝の島があるんだ!」
まだ見ぬ世界に目を輝かせる三人。ジムはこっそりと秘密基地の裏、土管の影に隠れて様子をうかがいます。
西村「宝の島!?じゃあ、そこに取りに行ったら…
僕たちは大金持ちだね!」
三人「うわぁぁああ〜〜!!」(>▽<)
武田「すげぇぜ!こども銀行が作れるぜ!!」
と、武田のあまりに幼稚な発想に、アイリスがカバンから素早くハリセンを取り出してバシッとツッコミ!!
それは新春の大阪公演で武田が忍ばせていたハリセンですか?(^^;;
アイリス「バカ!!
本物の銀行が買えるぞ!!」
武田「あ!そっか!!」(^^)
西村「ばっかだなぁ〜」
素早くアイリスの手からハリセンを奪うと、流れるような動きで西村のおでこにツッコミ!!再び流れるようにアイリスの手にハリセンを戻します。(笑)
武田「でも!誰が宝を取りに行くんだ?」
アイリス「ああ!それは問題だ…!
僕たちは一応学校に行かなきゃならないし、まだ子供だし…!
……それに…ママが心配するし……」
二人「うんうん。」
とうとう聞いているだけでは我慢できなくなったジムは声をかけます。
ジム「こらーー!!何時だと思ってるのー!!!」
三人「(縮こまって)ごめんなさいっ!!」
…声をかけるというよりは、イタズラ?(^^;;
ジム「へへっ僕だよ!」
アイリス「なんだよぉ〜!」
武田「(振り返る)なんだジムか〜!」
ジム「なんか、面白そうな話してたね!」
武田「うん!この島にね―――」
嬉々として宝物の話をしようとする武田と西村にハリセン一発!
引っ張って張り出し舞台の左端の小さな通路(桟敷席と張り出し部分の間にあります)へと連れて行きます。
ジムは右側に残ったまま。土管に腰をかけてます。
西村「な、なんだよ?」
訳がわからない二人に、アイリスがカバンから取り出したミニハリセンでスパパーンっとそれぞれに一撃!(笑)
アイリス「バカ!あいつは、仲間じゃないんだぞ!
秘密を喋っちゃダメだ!!」
ああ、ありましたよね、こういう会話。(笑)
武田「でも、同じ子供じゃないか!
それにジムには勇気がある。」
西村「うん。」
すっくと立ち上がるアイリス。
アイリス「…本当?」
ジム「ああ、ホントさ。」
アイリス「じゃあ、宝島に行って海賊の宝を取ってこられる!?」
ジム「海賊の宝!?
すごいね!それ冒険だ…!行く行く!取って来るよ!!」
ジムの嬉しそうな発言に、てぶくろ三銃士は笑顔でジムの傍へ駆け寄る。
ジム「何処に行けばいいんだ?」
アイリス「あのね…!
っ(地図を握りしめる)…やっぱりダメ。
なぁかまじゃな〜いからぁ〜〜」
ジム「教えてよぉ!」
アイリス「…タ〜ダじゃ、ダメェ〜〜〜!!」
めちゃめちゃだだっこ三銃士。(笑)
ジム「あ、じゃあさ…(懐から金貨を取り出す)これと交換しようよ!」
三人「!!?!」
武田「うわぁ〜〜!!トランプ金貨だ!!」(^^)
西村「(三人で丸くなりながら)ア、アイスキャンディーが死ぬほど食える〜!」(^^)
アイリス「きゃははは………よし!交換だ!」
ジム「うん!」
しばしの思考(?)の後、三銃士達はジムの提案を受け入れる事に。
嬉しそうに笑顔を見せたジムはアイリスに手を伸ばします。けれど、アイリスは地図を持つ手を高く上げて、空いている手でトランプ金貨を求めます。
仕方なく先にジムが金貨を渡すと…受け取って一拍後にアイリスは投げやりに地図をジムに渡すと武田と西村と共に上手の方へと進み
三人「…(トランプ金貨を確認して)うわぁぁ〜〜〜!!あはは!!」
アイリス「よし!アイスを食べに、行こ〜〜!!」
ウキウキと袖へ走って行く三銃士。
さて。都会の夢の欠片と浪漫の道標を交換したジムも
ジム「わ〜い!たっからじま〜〜!!ラッキー!!」
と飛び上がって大喜び。下手へ走って心は既に大海原へ。
ここで舞台暗転。秘密基地が奈落へと消えると、波の音が…薄暗い照明のまま紗幕が落ち、舞台の上手側には港の酒場が登場。数人の船乗りが酒場に入っていきます。海につきものの(?)ギターを抱えた男(ボス)もいます。
と同時に上手側の照明台をカン、カン…と登る一人の男が…ジムを誤解から追いかけていたあの警官です。今、照明台は灯台か、砦の壁の上なのですね。
警官「…今日も、港は静かだ…
異常、なし。」
海の男「…霧笛が今夜も俺を呼ぶぜ…
(ジャラ〜ンとギターを鳴らして)
ギタァ〜かかえぇ〜てぇ〜〜♪」
歌いながら酒場へ向かう男。酒場から出てきた一人の船乗りと軽く挨拶を交わすと、店の中へ。
その声に見回り中らしい警官がふと下を見ると海の男とすれ違いに出てきた酔った船乗りが…舞台の縁に立って……あ、もしかしてリバースですか?(^^;;
と思ったら、ようをたしていました。(爆)
なぜか慌てて警官は照明台を降りてその場所へ。
その間に船乗りは上手へと去って行きました。警官も、立っていた場所を覗き込んだ後は上手へ。(時折、その船乗りの行為の真下にいた升席の方へマイクOFFにして話かけていたそうです。)
それと同時に、また別の船乗りが酒場から出てきました。酔った足取りで下手へと向かいます。
とそこに地図を見つめたまま希望に胸を膨らませたジムが下手から冒頭、市長と一緒にいた黒紳士に必死に食い下がりながら歩いてきて…
ジム「お願いします!クラリスさん!!
船に乗せてください!!」
クラリス「子供が船に乗れるわけが無い!」
ジム「乗れます!!一生懸命働きます!!」
クラリス「子供なんか雇わなくても、人手は足りてるんだよ!」
ジム「お願いです!船に乗せてくださいっ」
クラリス「ダメだ!ダメだって…!!
あっち行けってんだ!!」
ジム「うわっ!!」
突き飛ばされたジムは舞台中央部分でつまずいてしまいます。その間にクラリスは上手へ。
まったく相手にされないジム。でも、それでもあきらめないジムは今度は通りがかる船員に頼みつづけます。
ジム「船員さん!船に乗せてください!!」
船員「いいぜ。」
ジム「えっ!?」(^^)
船員「大人になったらな!(ジムの片手を置く)
ははははは!!」
軽くあしらって、船員たちは下手へ。まだあきらめないジムは、今度は懐から宝島の地図を取り出して、酒場から出てきた船乗り(親方と男性ダンサーの一人…塚田さんですね。)に突きつける。
ジム「宝島の地図です!!(睨まれるジム)
…あ、あの…宝見つけたら、山分けでいいです!
ですから、船に乗せてください!!」
船乗り「っははははははは!!
(地図を手にとって)おおホントだ!こりゃ宝島の地図だ〜!はははっ」
ジム「はい!」
船乗り「はははっ大事にしろ、よ!(ジムに地図をたたきつける)
あはははははは!!」
ここであきらめたらおしまい!そう思ったのか、ジムはこの船乗りたちに食い下がりつづけます。
ジム「ああ、いや!!ホントに宝島あるんです!!」
船乗り「ああ、ある、あるね!ははははは!!」
ジム「お願いします!船に、乗せてください!!お願いします!!おねが―――」
船乗り「しつこいガキだな!!おい!!」
目で合図をすると、二人ががりでひょいっとジムの足を掴み持ち上げます。
ジム「うわっ!?」
船乗り「海で頭冷やしな!」(張り出し舞台の一番先へ)
ジム「うわっや、やめて!やめて!やだ〜〜〜!!」
船乗りたち「せ〜〜のっ!!」
ああ、ジムは海に落とされてしまうのか!?
あわやというところで、下手から制止の声が。
「おいおい諸君。そんなに邪険にしたらかわいそうだ。」
現れたのは、周りに手下を4人連れた紅い服の海賊(マリア)
船員「シルバー船長!」
ジム「…船長?」
船乗りの手から解放されたジムは、自分に近寄ってくるシルバーと呼ばれた船長を見つめる。(親方たち船乗りは下手へ去っていきました。)
シルバー「君は、冒険がしたいのかい?」
今までとは違う反応を返したシルバーに、ジムはここぞとばかりに思いをぶつけます。
ジム「はい!!冒険が夢なんです!!
ほら、宝島の地図です!」
堂々と宝の地図を広げてみせるジム。だが……やはり、船員たちには一笑されてしまいました。
そしてシルバー船長は……
♪子供の夢は
冷たく現実を突きつけてるようだけど、何処となく気づかいを感じる歌だ…と思っていたのですが、舞台で実際に見て聞いてもその印象は変わりませんでした。
この歌は手下役のダンサーさんたちやマリアさん、紅蘭も全員が張り出し舞台の部分で歌ったり踊ったりしていました。振り付けは切れがよくカッコイイ!!…というか間奏部分でマリアさん、片手が鍵爪側転なんてすごい!
シルバー「♪夢だけ見ていろ 平凡に生きろ 少年たちよ
何にもやらずに 大人になれよ 少年たちよ」
歌が終わり、笑いながら一足先に酒場へと入っていく手下たち。
悔しそうに膝をつくジムを一瞥し、シルバー船長も酒場に向かおうとすると…
ジム「待ってください、船長さん!」
立ち上がって、ジムが呼び止めます。後姿のまま答えるシルバー
シルバー「シルバーだ。ジョン・シルバー。」
ジム「シルバー船長!僕は、何にもやらずに大人になんかなりたくないです!
…お願いです!船に乗せてください!!僕を宝島に連れて行ってください!!
(地図を広げて)僕には、ラッキーだってあるんです!!」
なおも食い下がるジムに、シルバーは振り返り、先ほどの歌と同じ言葉を返す。
シルバー「ジム…」
ジム「はい!…?…なんで僕の名前を…?」
シルバー「俺は君のことを知っている。
だから忠告しているんだ。なにも危険を冒して冒険なんかするもんじゃない。
できれば何もやらずに安全に暮らした方がいい。」
ジム「…そんな一生が面白いんですか?」
シルバー「つまらないだろうね。」
ジム「僕はワクワクした毎日が好きなんです!」
シルバー「そう!今君はそう思っている…
だがそんなものは大人になれば忘れちまう。くだらない一生を送るものだぜ…」
ジム「……あなたもそうやって生きてきたんですか?
僕そんなのいやです!自分の人生は自分で決める!
冒険も出来ないような男になりたくない!
くだらない大人になんか、絶対なるもんか!!」
シルバーがどんなに言葉を重ねてもジムの信念は揺るがない。
その瞳は何処までも真っ直ぐで―――
そんなジムに、シルバーの口元は緩む。
シルバー「ハハハッ…いいだろう、ジム。
君を船に乗せよう。」
2、3歩進み、ジムの肩に両手を置く。やっと望んだ答えを聞けたジムは嬉しそうに頷く。
シルバー「そして連れて行こう。宝島に!」
二人ではるか彼方を見つめる。
さぁ、いよいよ冒険の始まりですね!
しばしの暗転の後、紗幕が上がると、そこは大海原に浮ぶ船の船首。
船の命である帆を支える柱につながれているのは……おっきな緑色のオウム。(笑…菊之丞です。)
コケコッコー!やらクルッポークルッポーとオウムの得意技(?)声真似をしてバタバタと船の上を飛んでいます。
オウム「ボクは、ちっちゃくて可愛いオウム。
ヤコペッティ・ホーヘンバードJr(ジュニア)〜」
どこかで聞いたフレーズで自分はあくまでも肩乗りサイズだとアピール。(笑)
オウム「あ〜!島が見えるぞ〜!」
オウムが地平線を眺めながらそう言うと、「島?どこだどこだ!?」と二人の船乗り(親方と塚田さん)が船首へと上がってきました。一生懸命島影を探しますが…
オウム「右右右!左左左!
右右!左左!
右!左!右!左!
右手上げて!左手上げて!右手上げないで左手上げる〜あーはっはっはっは〜
うそだぴょ〜ん!」
オウムの一言でずっこけてしまいます;;
う〜ん、このオウムかなりずる賢い性質なのかもしれませんね。
船乗りたちはおかんむりです。
オウム「あははははは…!」
船乗りたち「♪おしゃべりオウムは嘘をつく
世の中なめるてるみたい」
ここは歌、というよりもBGMにあわせたセリフ、といった感じですね。
オウムを捕まえてきゅ〜!と柱に押し付ける二人
オウム「♪大人は皆さんウソをつく
世の中なめるんじゃないわよ〜」
オウムも負けじと腕から抜け出し皮肉をこめてメロディに乗せて返す。
オウム「♪あはははは〜
タリラリラ〜タリラリラ〜
ウソをつけるほど頭がいい!
タリラリラ〜タリラリラ〜」
ますます挑発行為を続けるオウム。う〜ん…楽しんでます?(^^;;
船乗りたち「♪おしゃべりオウム!」
全員「♪じゃかじゃん!」
ああ、でも最後の最後には捕まってしまいました。(笑)
船乗り「バカー!!島なんて何処にも見えないじゃねぇか!!」
オウム「なぁに言ってんだよ〜よく見てみろよ〜〜(右手を指す)
島が見える…わけねぇじゃねぇか!ハゲ!バカ!!」
げしげしっと一生懸命双眼鏡を覗き込む二人に後ろから蹴りをくれてやっちゃうオウム;;
ああ、またそんな挑発行為を…しかも直ぐに捕まってぱこぱこ叩かれてるし;;
船乗り「この野郎!焼き鳥にしちまうぞー!!!」
オウム「ああイテテテテテ!!
シルバー船長、助けてぇぇ〜〜!!」
でも、そこに出てきたのはジム!
ジム「ああ!オウムをいじめちゃダメだよ〜!」
オウムを二人の手から解放するジム。
船乗り「ふんっこいつはな、ウソツキオウムなんだよ!」
ジム「ウソをつけるのは、頭のいい証拠だよ。」(頷くオウム)
船乗り「はんっ頭なんかよくったってな!海じゃなんの役にも立たないんだよ!
海はな、体力だ!肉体こそが全てなんだよ!」
と、筋肉を見せつけるポーズを取る船乗り…ですが、ジムやオウムの反応はイマイチ;;
イマイチ決まらないまま、船乗りたちは持ち場に戻って行きました。(^^;;
(親方は裏へ。塚田さんは帆の上へ)
残ったオウムは、フォローに入ってくれたジムにすすすっ…と近づきますと(肩に乗ってるのかな?)
オウム「ツン、つんつんつん!」
ジム「痛!痛ぇよ。あはは!」
嘴でつついています。(笑)
オウム「…ありがとう、ジム。」
ジム「(^^)どういたしまして。」
どうやら、このオウムとジムは仲が良いみたいですね。
オウム「お前に秘密を教えてやる!」
ジム「え?」
オウム「カムカムカム!(手招き)
…宝島には、魔女がいる!」
ジム「魔女?」
オウム「ああ!南海の魔女だ!!こわぁ〜〜い魔女だぁ〜!!」
ジム「ええっ〜!?」(汗)
オウム「でも、俺はアイツの弱点を知っている。難解な言葉を何回も言うと魔力が消えるんだ!」
難解な言葉…この場合、役者から考えると四文字熟語でしょうか?(爆)
重大なヒントを知ったジムは…
ジム「南海の魔女には難解な言葉を何回も……って駄洒落?
バカらしい〜!!あははははは!」
オウム「笑うな〜!ウソじゃないぞ〜」
ジム「あはは、ウソツキオウムがウソじゃないって言った〜!」
楽しく聞き流してしまいましたとさ。(^^;;
なんだか和気藹々な雰囲気の船首に、シルバー船長がやって来ました。
船長の姿を確認したオウムは「パタパタパタ…ちょこんっ」とジムの肩からシルバーの肩へと飛び移りました。
…ええ、決して横カニ歩きで羽をバサバサさせて移動したわけではありませんよ!(爆)
シルバー「海に出て20日…そろそろ宝島が見えてもいい頃だが…(帆の上にいる船乗りへ)
おい!島影は見えないか!?」
船乗り「はい!!…あ、まだー何もー!!」
シルバー「そうか…」
ジム「……もうすぐ宝島なんだね…!」
シルバー「そうだ。」
島影を探すシルバーやジムを見ながら思っていると、突然辺りが暗くなり穏やかさから一変、大嵐が!!風にあおられ船は揺れに揺れております!
船乗り「!!船長!前方に巨大な雲が!!嵐が来ます!」
シルバー「くっ……帆をたため!取り舵いっぱーーい!!」
イキナリ荒れた海に、船から投げ出されないよう必死のジムやシルバー
でも、船乗り(親方)は「取り舵」と言われたのに、「とりかじ!とりかじ!とりかじ!とりかじ!」と言いながらなぜかオウムをぽこぽこと叩く叩く。(^^;;
その間にも嵐は激しく…!!
シルバー「ジム!捕まるんだ!!」
言われたとおり、船につかまる為に一度裏に回るジム。
……そんな様子をあざ笑うような、楽しむような声が…
オウム「せ、船長……」
♪海の女王
この歌の前奏部分で織姫が出している声って、どこかの神話に出てくる「その歌声で船乗りを惑わすセイレーン」のような雰囲気があるな…と思ったのですが、まさにそんな魔力を秘めた雰囲気そのもので海の女王が奈落から登場です。
なんと、今回の衣装は電飾付きです!蜘蛛の巣のような柄の部分が青いライトで点滅しております。
女王「♪すべての海は私が支配する
人の夢も希望も儚く散りゆく
あ〜ああー あ〜ああー 私が海の女王」
南海の魔女の魔力によって引き起こされた嵐。指先に繰り糸をつけたようにその風も自由自在―――
ジム「うわぁあぁぁぁぁ!!」
魔女に操られた突風によって船から投げ出されてしまったジム!!
(フライングですね!今年は紅蘭でしたか…!)
そのまま下手へと姿を消し…
シルバー「ジムーーー!!」
船長の叫びも虚しく、暗転。
最後までスポットを浴びていた魔女の顔には笑みが…
真っ暗ですが、この間に魔女は下に戻り、舞台には紗幕が下ろされています。
そして、暗闇の空間に現れたのは…骸骨。下手と上手に一体ずつ、ブラックライトに照らされて妖しくカタカタ踊っています。(黒子さんが操っているんですね。)
しばらくして、今度は人が着ている骸骨ダンサーが下手と上手から登場。計4人、舞台の中央部分で手を組んで踊ります。
そして、最後に奈落から現れたのは、陽気なドクロ男(江戸川先生)とドクロ女(横道先生)それに囲まれるようにいるのは、顔をドクロのお面で隠したジム!
♪笑って死ね
オレンジ色のライトで照らされた張り出し舞台の空間ではとても豪華な二人のコミカルソングが響きます。(^^;;
ドクロ男「♪ワハハハハハハハッ
ドクロ女 ワハハハハハハハッ
ワハハハハハハハッ
誰でも突然死ぬんです」
ジムの周りをくるくる回りながら、歌い上げます。
う〜ん…良い声のドクロが二人。
ドクロ女「♪だけど死んでしまえば」
ドクロ男「♪極楽だ」
ドクロ女「♪どうせ皆一度は」
ドクロ男「♪死ぬんだから」
ドクロ男「♪笑って死ね!」
ドクロ女「♪笑え〜」
ドクロ男「♪笑って死ね!」
ドクロ女「♪わはははは〜!」
ワハハハハハハハ…!と笑いながら下手へと逃げるジムを追いかけ手を掴むドクロ女!…こ、怖い…陽気だけど怖い;;
ドクロ男「笑って死ね 笑って死ね 笑って死ね 笑って死ね!
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」
ドクロ女の甲高いコーラスとドクロ男の攻め立てるような歌にジムは必死で下手に走って逃げます!!
ドクロ男「あ〜っはっはっはっはっは!!」
ドクロ女
曲も終わり、ドクロ男と女も笑いながら下手へ。
そういえば…私、ドクロって不気味なんですけど…ドクロ自体は常に笑っているように見えるんですよね〜…こう思うのって私だけですか?
一瞬の暗転後、ごぼごぼごぼっ…と気泡が立つ音と共に紗幕の向こうに照明が。真っ青です。
ジム「僕は絶対死なないぞ!!」
海の底でもがくジム。(フライング中)
どうやら、今のはジムの夢だったようですね。
上昇して水面へ顔を出し、酸素を補給しますと、泳ぐ為に再び水底へ。すると……上手からコミカルもコミカルなきぐるみ赤ダコ(金田先生)が!!ホントに赤ダコですね〜!!(笑)
赤ダコ「あははは おほほほ うふふふ
♪うまそうなエサが〜いるぞ!
アハハ…おいエサ!」
のそのそとジムの傍に行く赤ダコ。赤ダコは舞台の上ですから、ジムを見上げる形ですね。
ジム「僕はエサじゃないぞ!人間だ!」
赤ダコ「あんだってぇ〜?人間だぁ?
やい人間!お前達はやれ酢だこだたこわさだぁ〜ぬかして
オラたちの仲間さむしゃむしゃ食いやがって!
今日は仲間の敵討ちだぁ!」
がしっとジムの手を掴むと…
ジム「うわわわっ」
赤ダコ「必殺!オクトパストルネード!!」
ジム「うわあぁぁぁっ!」
赤ダコに投げられて、水中を二転三転。
……紅蘭、去年のアイリスの角太郎よりも数段レベルの高いことをしていますね…!!
ジムはこのまま赤ダコにやられてしまうのか!?と思ったその瞬間……2年越しのアイツが!
赤ザメ「ゲヒゲヒ!ゲヒゲヒ!」
わーーい!赤ザメくんも本当に出てきた!!(笑)
「海神別荘」以来ですね〜あの時の青玉殿に殴り込みをしたときと同様、子分を引き連れる歩き方で上手から登場ですが…
赤ザメ「ぜんたーい、止まれ!
ゲヒゲヒ!
…全隊が、いな〜〜い!!」
ええ、今年は残念ながら単独でのご登場です。(笑)
ジム「さ、鮫だ!」
赤ダコ「あんだってぇ?さめざめと泣いてンのかお前〜?」
ジム「違うよ後ろ、後ろ!!」
赤ダコ「後ろ?後ろはおめぇ……サメでねぇか。」
ジムの声に上手の方を見ると、赤ザメと赤ダコの目が合いました!
この隙に…と、ジムは赤ザメの視界に入らないように上昇。
赤ザメ「あ。美味そうな、タコさん見つけた、ポンポコチン!
その少年、ご一緒に。」
ジム「え?」
赤ザメ「美味そうな、タコさん見つけた」
三人「ポンポコチン!」
赤ダコ「あ!思わず一緒にやっちまった!」
ジム「逃げろぉぉ〜〜!!」
ああ、それもあれも当時のままの振り付けで…(^^;;
ジムは、平泳ぎで必死に上手へと逃げて行きます。
舞台に残されたのは赤ダコと赤ザメ―――…なんか、緊張感があるんだかないんだかわからない対峙だ;;
赤ザメ「足の一本、わけてぇ〜〜ぅわけてぇ〜〜〜」
赤ダコ「あ〜〜〜!!サメだあぁ〜〜!!!」
赤ザメ「待て〜〜!ゲヒゲヒ!
待て〜〜!ゲヒゲヒ!!」
赤ダコ「待てって言われて待つわけねぇだろが〜〜!」
赤ザメ「待て〜〜!ゲヒゲヒ!
待て〜〜!ゲヒゲヒ!!
ゲヒゲヒ!ゲヒゲヒ!」
逃げる赤ダコ、追う赤ザメ!舞台をぐるりと一周した所でタコが立ち止まり、「ゲヒゲヒ!」と近寄ってくる赤ザメを止めます。
…って、食われるんじゃないんですか;;
赤ダコ「ちょ…ちょっと…あんまり近寄るでねぇよ、気色悪ぃんだから!」
赤ザメ「あ?…誰に言われてもいいけど、お前ぇにだけは言われたくねぇな。
どう考えたって、お前の方が気色悪いだろ!!」
どう見たってコミカルきぐるみの赤ダコと、頭にビニール製の赤ザメをつけたどぎつい赤のタキシードの赤ザメ……どっちもどっち?(滅)
赤ダコ「いや、そんなことぁねぇ!お前の方が気色悪ぃ!!」
赤ザメ「あ!!言ったな!ポンポコチン!ゲヒ!」
ゲヒ!で赤ダコの足をぽん、と攻撃!
負けじと赤ダコも応戦です。(爆)
赤ダコ「ポンポコチン!ぽこ!」
今度は赤ザメの顔面にヒット!ですが…
赤ザメ「あー!お前のが下品だから明かり消されちゃったじゃないか!!」
そうなんです。(笑)舞台の上が真っ暗にでも、赤ダコくんはもう一回同じ掛語で攻撃を…
赤ザメ「あ!マイクも切られちゃったじゃないか……!!」
赤ダコ「うるせぇ!だいだい、二年前のキャラクターがなんでこんなことろにいるんだ!!……」
赤赤対決は、強制終了によって勝敗つかずで終わってしまいました。(笑)
さて、暗転してすぐに、下手からトランプの騎士が…下手のすぐそばに、そっと銀色の丸い物をおいてシャララン…と魔法の音と共にまた下手へと去って行きました。
照明が戻った舞台には紗幕が降りておりました。そこに上手から流木(琴音さん)が…
流木「♪流れ流れてぇ〜〜流木ぅぅ〜」
流木2、3「♪ワワワワ〜〜」
♪流れる
演歌調に拳をきかせながら琴音流木を先頭に登場。(笑)
流木は全部で4本。うち3本は琴音流木のように人が。そして、動かない4本目の流木は気絶したジムを乗せています。アレから漂流中なんですね…!ジムが乗っている流木は琴音流木が前で、残りの流木たちが後ろから引っ張っています。
流木「♪寄せては返す波に 身を任せぇ〜〜
行く先は 風任せぇ〜〜〜 流木2、3「♪ワワワワ〜〜〜」
ああ〜〜〜 ああ〜〜〜 流木ぅぅ〜〜〜〜!
所詮みんな 流れて〜〜るぅ〜〜〜」
流木2、3「♪ワワワワ〜〜〜」
流木たちって…もしかしなくてもけっこうネガティブ発想?(^^;;
と、のらりくらり進んでいた先頭の琴音流木が舞台中央、張り出し部分で止まりました。
流木「あ…島だ……島が見えたわ…!」
どうやら、この流れ着く先に島を発見した様子。
流木たち「ああ〜〜〜……島だ島だぁ……」
流木「…でも、あたしたち流木は…悲しいわね……
だってそうでしょう?…家にもなれず…仏像にもなれず……
ましてや、割り箸にもなれない…!!
ただただ…こうして流れているだけ…なぁんの役にも立ってない……」
いいえ、そんなこと無いですよ〜立派な流木は部屋のインテリアにもなるし、良質ですと装身具として加工されるんですから!…ってここで言っていても仕方ないですね。(^^;;
あああ〜〜…と落ち込む流木たち。泣いてますよ〜
流木たち「ああ、哀しいぃぃ〜〜〜…!」
流木「でも泣かない!
こうして流れている事にも、きっとなんかの意味があるんだ〜って考えないと…
生きていけ無いもの……
もっとポジティブに、明るく考えましょう…!(頷く流木たち)
……じゃあ、行きましょ…………あら?なにかしら……」
ふっと琴音流木が前を見ると、なにやら光るものが…そう、先ほどトランプの騎士が置いていったアレです。
きゅっきゅっきゅと靴底を鳴らしながら近づいて見つめる琴音流木。
流木「…ブリキのバッチだわ…!」
持ち上げようとしますが…琴音流木、枝が届きません。(爆)
流木ですから、曲げられる膝はありませんものね;;今度は左の枝で引っ掛けようとしますが……う〜〜ん、おしい。(^^;;
流木「あ!あああ〜〜!」
ああ、こけてしまいました;;
でも、ブリキのバッチは取れましたね!
流木たち「兄弟!!」
流木「ちょっちょっと…助けて…!」
一緒に流れている2本の流木に助けを求める琴音流木…
流木「あたしたち、転がると一人で立てないのよね…!!」
まぁ、流木ですからね。(^^;;
一生懸命腕…じゃなかった、枝を伸ばしますが…あとちょっと!!
流木「いいわね!チームワークよ!!せ〜の…!」
よっと気合いをいれて組体操の扇の形を経て立ち上がる琴音流木!!(笑)
良かったですね。
流木たち「おおおっ!!」
流木「やったわぁ〜〜…!!
(拾ったバッチを胸に当てる)どうかしら!?」
ところが、う〜〜ん…と首を振る流木たち。(^^;;
流木「……やっぱり、木にブリキは似合わないわよね…
…そうだわ、あの子につけてあげましょう…!」
と、未だに気絶をしているジムの胸元によいしょっ…とバッチを飾ると…ああ、似合う似合う!と喜ぶ流木たち。
流木「わぁ〜〜!!よかったわ…!
なんかこう…気が晴れてきたわね!」
頷く流木たち。少しは明るい気分になれたみたいです〜
流木たち「はーい!」
流木「頑張りましょうか!
行きましょう!!」
嬉々として流れ始めようとする流木たちですが……
流木「……………………………………」
…そう、ひっぱっていた紐は一人ではまたブリキのバッチの時の二の舞になってしまう位置に!(爆)
手招きで兄弟を呼ぶと、再びしっかりと手をつないで…
流木「…テーマは、一致団結よ…!
せ〜〜のっ!!」
よっ!!と勢いに任せて紐を掴み見事に起き上がる流木!!お見事〜!(笑)
―――19日・昼
この日は失敗してしまったそうです。(^^;;
そして二回目に成功!だったそうです。そのとき、兄弟たちが紐をおいた位置(ジムが乗っている木の上)を見た琴音流木の一言…
琴音「…そこに置いとけば良かったのよね…あんた達頭いいわね〜。」
と言ったそうです。
たしかに。(笑)
―――――
流木「じゃあ、行きましょうか…!」(ジムが乗っている流木を引っ張る紐を掴みながら)
流木たち「流れましょい!!」
流木「準備はいいわね!じゃあ、行くわよ!ワン!トゥ!スリー!
♪流れ流れてぇぇ〜〜〜 流木ぅ〜〜〜!」
流木たち「♪ワワワワ〜!」
流木「♪流れ流れてぇ〜 流木ぅ〜〜〜!!」
流木たち「♪ワワワワ〜!」
えー…最後の流木ぅ〜〜!部分は、下手へと消えるまで続きます。(笑)
いやはや、登場時とはまったくちがう明るいポジティブシンキングな流木になってます!