歌謡ショウ楽日から10日前後が書きあがり目安な昨今。
今年最初の書き込みとなったので、遅い感は有りますが…あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
最近舞浜通いが止まらない如月紫水です。いやぁあちらも楽しかったです。(爆)
正月早々5年ほど付き合っていたパソコンがご臨終したり(泣)今年はいろいろあった正月でした。
でもでも!正月の締めくくりは大帝国劇場で締めますよ!ってことで行ってまいりました新春歌謡ショウ「笑え!花組」
考えてみればこの公演が新春5周年公演だったのですが、今回も趣向を凝らした舞台で大いに楽しめました!新春は本当に肩の力を抜いて笑って楽しめますね。
今回の観劇日程は初日、9日・夜、10日・昼、千穐楽でした。
この四公演を元に頑張ります。
追記――いがぐり〜どさんより補足をいただきました。どうもありがとうございました!
―――レポート開始―――――
今回は正月休みからずれたので、初日でも人の出が割りとゆっくり目でしたね。
もう恒例となったご挨拶回りを拍手で迎え劇場へ。
前にも書きましたが青山劇場は椅子が綺麗なので好きです。(笑)
今回はチラシも少なめですねぇ〜今回の公演のDVD、PS2版「サクラ大戦3」、OVA「ル・ヌーヴォー巴里」第二巻、光録音館、第六期ドラマCD(最初は巴里で〜疾走!チームシャノワール〜という…イギリス公爵の喧嘩をグリシーヌが買ってしまってレース対決をするという話っぽいです。今までに無いタイプですね。)の告知。
後は出演者の他作品の告知がちらほら…という感じでした。
あ、今回もアンケートが入ってました!今回はゲーム関連の質問もあったので嬉々として答えておきました。(笑…やっぱり本筋が盛り上がってこそ、ですよね。)
いつもどおり、開演を待っていると開演ブザーが鳴り、下手側の客席通路の出入り口から掃除人の広井さんが登場!!
ここ数年は前説も公演に含まれてきてますねぇ〜
広井「ようこそ!!」
これも恒例となりつつある(笑)飴を配りながら舞台へ進む広井さん。
舞台上へと上がるといっそう拍手が盛り上がります。
広井「ようこそ、いらっしゃいました!
…初日の楽屋に、七草のフリーズドライと白粥ってのが届きましてね。
久々に食べましたよ!みなさん、今年は七草粥食べましたか?」
この部分は初日ではなく、もちろん9日・夜の会話。
でも、共通して七草粥の話題でしたね。
広井「あれ、昔は本当にがぶがぶ食べてたらしいね!
で、昔の人は歌歌いながら作ったらしいね。こう…(まな板の上で草を切るしぐさ)
なくさ七草、唐土の鳥が渡らぬうちに、ストトンストトン…って。
で、この唐土ってのは唐の国ですよね。
唐の国から渡ってくる鳥がこないうちに食べてしまおうって…これ鳥インフルエンザですよね!(笑)
だから、昔の人は鳥が渡ってくる前にビタミンCをたっぷり取っておこうって、そう思ったわけですね!
あたしはそう解釈しました!」
あっはっはっは!!いやぁ〜先人の知恵とはやっぱり馬鹿にならないものってことですかね。
広井「あ、恒例となりました…携帯電話。
最近発覚したんですが、マナーモード。あれもなんかノイズが入っちゃうみたいなんで
電源を、もう一度ご確認くださいますよう、よろしくお願いします。」
ああ、えーと…DVD収録用のカメラやみなさんがつけているマイクに反応してしまうんでしたっけ。
元がダメじゃなんともなりませんものね。大丈夫です、今確認しました。電源切れてます。
広井「それから拍手!掛け声!(「王子!」と声がかかる)
そうです!それです!もう、どんどんやってください!
盛り上がりましょう!!」
なんだか、今回は簡略化された諸注意ですね。(夏はうちわなどがあるから長く感じるのでしょうか?)
でも、公演後半に差し掛かると最後の花組の歌のところでは一緒に歌わずに、心の中で声を出してくださいとも言ってました。
広井「いやいや、今年は正月公演7日からだったでしょ。だから31日休みで、
1日、2日、3日って4日間も休みだったよ!
いつもなら休み無いですからね。
それが今年は四日間!楽だったなぁ今年は…」
しみじみとそう呟いている掃除人ですが、こうくるといつも下手から現れる人がいるんですよね。
……ほら!
親方「広井!」
親方登場!
…あれ?でもなんだか雰囲気がいつもとは…?
親方「おまえ、今楽だったとかなんとか言ってなかったか?」
広井「いや、今年は正月4日も休めて楽だったなぁ〜って…」
親方「ったく…そんなんだからいつまでたっても変わらないんだ。
大体な、お前は掃き清めるっていう気持ちが足りねぇ!
掃除しろって言ったのに隅のほうとか履き残してるじゃねぇかよ。
雑巾がけ頼みゃだらだら、だらだら続けて
釘打たせりゃ大事な大道具壊しやがる!
ほら、貸してみろ。(と、掃除人が持っている箒を手に取る。)
…新品だな。」
広井「ええ、青山劇場の青木さんがくれたんですよ。」
この、青山劇場発言。初日はスルーされたんですが、その後の公演では「大帝国劇場だろ!」とツッコミがはいって広井さんが「そうでした、すいません。」と頭を下げてました。(笑)
そうですよねぇ、ここは大帝国劇場ですものね!
親方「たく…宝の持ち腐れだなぁ。
いいか、掃除をするときは隅のほうから真ん中へと集めてくるんだ。」
広井「はい…」
親方「もっと大きな声で、短くはっきりと!」
広井「はい。」
親方「もっと腹から出せ!」
広井「はいぃ!」
このあたり、掛け合い漫才のようでした。(^^;;
広井「なんか怖いよちょっと!」
そうですねぇ…たしかにいつもより口調がキツめですね。
それに、なんだか言うことが細かい。まるで一から十まで全てを教えようとしているよう。
親方「いいか?俺たち裏方は、スタアさんに気持ちよく舞台を勤めてもらうために働くんだ。
俺たち裏方の仕事には、拍手はもらえねぇ」
広井「拍手はもらえない…!」
ちらっとこちらを見る広井さん。そしてノル客席。(笑)
ほら、満場の拍手ですよ親方!
広井「ほら、親方!拍手ですよ、拍手!」
親方「(ちょっと笑って)馬鹿野郎、あおってるんじゃねぇよ!
ここにいる皆さんは優しいから、俺たちみたいな裏方にも拍手をくれるけど、普通はそうじゃねぇ。
いいか!俺たち裏方には拍手はもらえねぇが、スタアの皆さんが舞台が終わったときに
ありがとうって言ってくださる、その気持ちが支えになってんだろ。」
広井「あ、今それずきっ!ときました。」
ああ、そうですよね。それが裏方冥利に尽きるということですよね。
縁の下の力持ちでなければ味わえない幸福感と申しましょうか。
ちなみに、この部分の広井さんの反応は回を重ねるごとに面白く加速していったみたいです。9日・夜では箒の柄を胸に当てて、言葉が突き刺さった感をわかりやすく表現してました。(笑)
親方「俺だっていつまでも居るわけじゃねぇんだからよ。」
広井「あ、いつまでもいないんですか?」
親方「…では、最後までお楽しみください!」
な、なんかいきなり終わりましたね;;
広井さんも慌てて親方に倣いますが…しかし、最後の一言は意味深ですね。今後の展開にかかわってくるのでしょうか?
親方「ほら広井!幕開けるぞ!」
広井「はい!
…やっぱ怖いよねぇ。」
親方の後を追いかけながらそうぼやく広井さん。
うんうん、それは同意いたします。
いつもの親方っぽくないですよね。
と、一抹の謎を残しつつも会場が徐々に暗くなっていき、いよいよ幕が上がります!
開演アナウンスを聞き待ちしていると……あらら?
♪ユンフォア〜レビュウ桜花乱舞〜
まだ記憶に新しい去年の夏公演のレビュウ曲が流れる中、幕が上がりました。
振りつけなどはほぼ夏と一緒でした。
余談:今回のパンフレットの花組紹介のページに「最近で一番「笑った」話をひとつ」という欄があったんですが、そこでカンナは“マリアが「ユンフォア」のさくらのソロ部分(♪いつも君と〜の部分)で、間違えて立ち上がって存在を誇示したこと、と書いてあったのですが…それを9日・夜、生で見てしまいました!(笑)マリアさん、その部分が終わるまで中腰体勢で振りを続行しておりました。思わず連れと顔見合わせてにやけてしまいました。こういうことだったのかぁ(^^;;
華やかな雰囲気のまま曲が終わり、暗転。幕が下りると、ここでアナウンスが。
マリア「これにて、今回の新春公演は全て終了いたしました。
短いショウでしたが」
いやいやいや!!短すぎますからマリアさん!(大笑)
マリア「お楽しみいただけましたでしょうか。
本年も、皆様にとって幸多い、良い年となりますように。
ではまた、お会いしましょう。」
うわぁ〜終演から始まるショウはさすがに初めてだ。(^^;;
と、とりあえず幕が上がると、そこにはまだ紗幕が。
間髪いれずに、下手から黒子さん(顔は見えています。中年の男性ですね。)が「はい、本日の公演は終了でーす」と言いながら登場してきます。
黒子「あきらー緞帳とばしちゃってくださーい。(緞帳が上がって、紗幕のかかった舞台に)
照明さんも音響さんもおつかれー!
あ、山本さん。今日がんこ休みなんでがんこジュニアで待ってまーす。」
さまざまな所に指示や伝言を飛ばすこのお方、いったい誰なんでしょう?
と、疑問に思っていると上手からユンフォア衣装のままのカンナが登場!
カンナ「いや〜終わった終わったぁ!あ、眞理さん、お疲れ様!」
黒子「ああ、お疲れ様です。」
カンナ「何、また飲みに行くの?あんまり飲み過ぎないようにしてくれよ〜
また明日も頼みますよ。」
眞理さんって誰…?とまだわからなかったのですが、後にパンフレットを見てたらわかりました。舞台監督だったのですね…!!とうとう舞台監督さんまで出てきてしまったんですね!(笑)
(9日・夜ではカンナが眞理さんの奥さんについてつついてました。「そうとう年離れてるみたいじゃないの?」と。「ホントに言うんですか!?」と驚きつつも、眞理さんは7つ上だと答えてました。「7つ上なんだ、逆に解釈してた。すいません。」とカンナがその場でぺこりと謝ってました。)
和やかに会釈をして下手に戻っていく黒子さんを、こちらも笑顔で見送るカンナ。
そこに、カンナの背後、上手から籠を持った若い裏方さんが現れて…
裏方「いやーお疲れー!」
カンナ「お疲れ様でした
…って、うわぁ!?だ、誰だお前!」
裏方「つ、付き人?」
カンナ「付き人?誰の?」
裏方「カンナさんの!」
カンナ「あたいの!?付き人だったらその挨拶はないだろう。
おい、ちょっとこっち来い。」
言われるままに籠を置いてカンナに近づく裏方さんですが…
カンナ「近い近い近い!」
ええ、体がぴったりくっつくぐらい近づく必要は無いと思います。(笑)
一歩離れたところで、カンナの話がスタート。
カンナ「いいか、挨拶ってのは目を見て話すもんだ。」
裏方「はい!」(腰を低くしてカンナの視線に合わせる…?)
カンナ「おい!カンナの目は、どこにある!
イマジネーションを働かせろ!
カンナの目は、どこだ!」
裏方「ここです!」(顔を上げてかなり上のほうを見る)
カンナ「そうだ、そう!」(笑)
どうも本当に「若い」みたいですね。サクラ的にも世間的にも。まぁ後者は私も言えた歳ではありませんが;;
久々にカンナのイマジネーションの説明を聞きました。(笑)
カンナ「いいか、挨拶ってのは…」
と、話を切り出そうとするカンナですが…どうも相手の目線とかみ合わないというのは落ち着かないらしくて…
カンナ「〜〜やりずらい!戻せ、戻せ!」
と、視線を戻させてから話を再開しました。(笑)
カンナ「いいか、挨拶ってのはこの業界で一番大事なんだ!
いや、挨拶ってのはどの業界でも大事だ。
挨拶がちゃんとできない奴は、絶対うまくいかねぇぞ!
……ってどこ扇いでんだよ。」
カンナのまじめな話を、扇子で扇ぎながら聞いていた裏方さんですが、最初は顔を扇いでたんですが…脇の下だったりお腹の辺りだったり。(^^;;
裏方「いや、ここ汗ばんでるんで。」
カンナ「そうそう、汗ばんじゃうんだよなってもういいよ!」
裏方「はいっ」
カンナ「ん〜〜、じゃあ来週の予定はどうなってるんだ?」
裏方「はい、来週は千葉の実家に帰ってのんびりしようかなって考えてます。」
ニコニコ笑顔でそう語る裏方さんですが…この場合はそういう意味で聞いたんじゃないと思いますよ〜
カンナ「…そりゃお前の予定だろ!
あたいの予定だよ、付き人なら知ってんだろ!」
裏方「あ、カンナさんの予定ですか!
な〜んだそれならそうと早く言ってくださいよ〜
僕はカンナさんの予定知りませんよ。」
カンナ「おい!」
いやぁ、つくづく話がすれ違ってますねぇ(^^;;
カンナ「たしか来週は青山の養老院に行くって言ってただろう!」
裏方「あ、なぁ〜んだ、知ってるんじゃ〜ん!」
カンナ「…ため口か。(頭に置かれた手をわなわなと指差して)……この手はなんだ、この手はぁ!!」
礼儀を重んじる性質のカンナ、そろそろ堪忍袋の緒が切れそうですか?;;
と、慌てた裏方の彼がとった行動とは…「ユンフォア」の振りのまね!(笑)
でも、これも「あってないだろ!」とカンナが即座にツッコミを入れる結果に。
カンナ「もういいから、早く楽屋掃除してこいよ!」
裏方「は、はい!」
と、籠の中から返事とともに取り出したのは、手持ち箒とちりとり。それを渡されたカンナは…
カンナ「そう、地面に一番近いあたいがね…」
裏方「早くやらないと親方に怒られる!」
かんな「って違うだろ!怒られるのはお前だろ!!
お前が掃除するんだよ!」
うーん、カンナはすっかりノリツッコミですね。(爆)箒とちりとりを返したカンナ。それを慌てて受け取って下手へ走りだそうとする裏方さん。
ですが…ここで、時々道端で遭遇してなんとも気まずい雰囲気に陥りやすいあの状況が!お互い避けようとして同じ方向にずれてしまって一向に進まないあの事態が!(笑)
裏方「邪魔だこの人!」
カンナ「お前が邪魔なんだろ!
(一歩引いて)もう、いいからお前は楽屋をきれいにしろ!
(返事をしながら通り過ぎようとするが)前を通るな、後ろを通れ!」
裏方「はいぃ!!」
お、ようやくノリツッコミ押し問答が終わったかしら?と思ったら…
カンナ「おい!」
再びカンナが呼び止めて、裏方さんの足を止めます。
振り返る裏方さんに数歩で歩み寄ったカンナがポケットから取り出し、彼の手に握らせたものは…
カンナ「お年玉だよ。
実家に帰るんだろ?親孝行しろよ。」
裏方「…っありがとうございます!」
深々と頭を下げる裏方さんに、満足そうに頷くカンナ。
終わりよければ全てよし、といった感じで背中を向けたその瞬間
裏方「あ、意外と少ない。」
カンナ「バカヤロー!今開ける奴があるか!!」
完璧なオチがついてしまいました。(^^;;
「早く行けー!」と怒号一発。ええ、今度こそ彼は下手へと走り去って生きました。
カンナ…正月早々大変でしたねぇ
カンナ「なんだあいつは!
怒ったら、腹減ってきたな。飯でも食ってこよ〜…」
レニ「カンナ!」
腹ごしらえをすべく、下手へと一歩踏み出したカンナを呼び止める声。
上手から駆け寄ってくるレニはレビュウ服ではなく私服。でも、これが冬服ではなく夏服に黒いカーディガンを羽織ったもので歌謡ショウオリジナルな出で立ちです!レニ、今度はしばらく夏服なのかしら?
カンナ「よぉレニ。お前も一緒にどうだ?サバの味噌煮ブルゴーニュ風、うまいんだこれが。」
レニ「(ブルゴーニュ風?と怪訝そうな顔)…そんなことより!大変なんだよ。実は…」
ぐいっとカンナを引き寄せて、耳元で内緒話。しばしレニの話を聞き入っていたカンナの顔が驚き一色になって思わず叫びます。
カンナ「ええっ!?辞めちゃうの!!?な、なんで?」
レニ「それは…ボクたちに関係があるんじゃないかな。」
カンナ「あたいたちに関係があるって…………あ。…
で、でも!もともと裏の仕事が好きではじめたんだろ?
それをいまさら辞めるなんて…」
レニ「だから、マリアと相談して…」
再び耳に手を当てて内緒話。今度はカンナの顔もにんまり。
カンナ「そりゃいい!
でも、もうひとひねりあったほうがいいなぁ(え?と虚をつかれるレニ)
よぉ〜し!あたいがナイスなアイディア考えちゃうぞ〜
で、決行日はいつだ?」
レニ「…一月七日。」
カンナ「一月七日かぁ…よ〜し!」
よし!よし!よし!…と、上機嫌で下手へと下がっていくカンナですが、残ったレニはしかめた顔を隠すことなく一言。
レニ「なんか不安……」
ええ、カンナが上機嫌で自分のアイディアを褒めてるときは体外予定外の事態を引き起こしてきましたものね;;
ここで暗転。
レニが下手へ下がった時点で照明が入り、紗幕が上がるとそこは下町のとある一軒屋。
ラジヲがBGMの居間には軍服姿の大神さんと、ねじり鉢巻をまいた武田、そして家主であるいつもの仕事着ではなく、着物にどてらを羽織った親方がちゃぶ台を囲んでいます。ちゃぶ台の上に置かれた徳利とお猪口を見ると、これから宴会でしょうかね。(ちゃぶ台の上に置かれた熱湯入り急須に徳利入れて熱燗も用意してるみたいですし。)
親方の家ってはじめて見ましたが(あれ?でも去年は確か長屋住まいでしたよね。実はこっちの家が改装中だったので、長屋で仮住まいしてたのかしら?)
いやぁ……花組公演のポスターが壁に沢山貼られてますよ。
下手側の台所から見た居間の壁には「リア王」のポスター。居間の真ん中あたりの壁、神棚の下には「つばさ」「西遊記」「愛ゆえに」のポスターがあり玄関に近い壁、ラジヲが上に置かれた箪笥のあたりには「青い鳥」のポスター。
その斜め下には花組が集合したポスター(えーと、昔…第二期ドラマCDのときに出たポスターですね。)。下手側からしか見えない居間の玄関側の壁には今回のグッズ、花組メモリアルキューブの面にもなっているレビュウ衣装で花組勢ぞろいのポスター。そして玄関の壁には「あぁ、無情」のポスター!うーん、花組に対する愛情がひしひしと伝わってきます。
それ以外でも、左側の壁の上の方にはおばあさんやおじいさんなど親方家のご先祖様の写真が三枚ほど…いやぁ親方そっくりですね!(笑)
ラジヲ「里帰り。春七草の香り。正月も、七日となりました。
お昼の歌謡ショウの時間です―――」
武田「お、もうお昼の歌謡ショウの時間かよ。」
親方「ええ、好きなんですよぉこれ。」
武田「あっしもね、(リクエストの)はがき沢山書いてるんですけど
ぜんっぜん読まれないんですよねぇ。」
ああ、ありますよねぇ〜ラジオで読まれるために、かなりのはがきを書いた経験がありますよ。(笑)
大神「そんなことより、まずは乾杯しようよ。」
大神さんの仕切りで、それぞれの手にお猪口や湯飲みを持ちます。
三人でお猪口や湯飲みを持って「乾杯!」と手を掲げたところで、ラジヲから流れる声で止められました。
ラジヲ「ベロ…あ、変わった名前ですね。
ベロムーチョ武田さんからのリクエストです。
…この曲は、あっしが大好きな曲です。必ず、かけて下さいね。
はい。では、お送りしましょう。帝国歌劇団花組、真宮寺さくらさんが歌います「夢見ていよう」。」
武田「っいやったぁぁーーー!!!」
立ち上がって思わず万歳をして喜びを表現する武田。その様子に、一緒に居た二人も笑顔になって大盛り上がり。
あ、でも曲が始まると同時に「しー!しー!静かに!」と曲を聞き入る体勢に。
ほどなくして、さくらさんの優しげな歌声がラジヲから流れてきます。
最初の1フレーズは聞き入っていましたが、だんだんノッてきたのか三人で大合唱に。(笑)
が。1メロが終わって、2メロに入ろうとしたそのとき!ラジヲが不穏な音を立てて急停止!
武田「あれ?おいおいおい、どうしたんだ?」
親方「あああ、最近調子悪いんですよ〜真空管が切れたのかな?」
武田「なんだよ、おい〜〜しっかりしてくれよ〜〜!!」
がっくり、と肩を落とす武田。軽く叩いたり拝んだり祈ったりしてますが…うんともすんとも言いません。(爆)
その様子に目を奪われていた大神さんですが、ふとちゃぶ台の方へ視線をずらしてみたら
大神「あーー!!親方!御燗が煮えたぎってます!!」
わ、やりすぎちゃいましたか?
慌ててとろうとする大神さんと親方ですが、ともに慌てていたため直接触れてしまい「熱っ」と声を上げて手を引っ込めてしまいます。
とりあえず親方が手ぬぐいごしにつかんで対処しました…大神さんは、念のため台所で手を冷やしてます。
が、親方は一安心できませんでした。武田が思いっきりラジヲに向かって変な拝み方(必死な拝み方)をしてます。(笑)
親方「武田さん、あなた何教なんですか!そんなことしてもダメですよ。」
うーん、これはあきらめるしかないですね、武田さん……残念!
武田「なんだよ、せっかくかかったのによぉ〜〜!」
しぶしぶ座りなおす武田さん。うんうん…悔しいですが、きっとまたチャンスがめぐってきますよ。
いじけモードに入りつつある武田をスルーして、持った拍子に中身が零れてしまった熱燗の後始末をする親方。(この間に、大神さんも戻ってきました。)
親方「もう、お酒これしかないんですよ〜」
武田「あれ?さっき注文しとけって言っただろ。」
親方「注文しましたよ。けどまだ届いてないんですよ。」
武田「ったく、しょうがねぇなぁ〜そんじゃあこのお茶と混ぜてっと…」
ひょいっと急須と湯飲みを手にして二つを混ぜようとしますが、即座に親方に止められました。
親方「ダメですよ!それじゃお酒がお茶酒(おちゃけ)になっちゃいますよ!!」
武田「かまわねぇよ。(立ち上がって)
ほれ、ちゃっかぽこ、ちゃっかぽこ…!!」
親方「武田さん!!鍋の用意はできたんですか?」
武田「ああっといけねぇ、今やりますよ!」
立ち上がってふざけていた武田に、親方が軌道修正の一言を。
お、今日のメインは鍋なんですね。
大神「へぇ〜、鍋ですか!でも、普通正月七日は七草粥じゃないんですか?
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。春の七草!」
と、お正月行事の締めくくりとも言える七草粥の話へとつながっていきました。
武田「でも花組の皆さんも来るってのに、お粥ってわけにもいかないでしょ〜」
それに返事をしたのは鍋を手にして戻ってきた武田。鍋をちゃぶ台の真ん中に置くと、次なる疑問が大神さんの口から発せられました。
大神「え?みんなも来るのかい?」
武田「あれ?モギリちゃんなんにも聞いてないの?」
大神「年末、いろいろと忙しくてね。」
武田「じゃあ、花組の皆さんは、モギリちゃんがここに来てるってこと知らないの!?」
大神「うん、誰にも言ってないからね。」
あちゃぁ…と顔を隠す武田。何のことか、話が見えない大神さんは首を傾げるばかりです。
と、そこへ親方宅の玄関から威勢のいい声が。
酒屋「ちわー!大丸酒店ですー!」
自転車に乗って配達にやってきたのは、酒屋のお兄ちゃん。
親方とは顔なじみらしく、はいはーいと親方が玄関に向かい応対します。
と、その隙に武田が大神さんを引っ張って居間の隅で内緒話。
武田「あのね、モギリちゃん。今日これからいろんなことが起こるけど
絶対に、驚いちゃダメだよ!俺に話し合わせてよ!」
大神「?なんか趣向でもあるのかい?
あ、わかった!みんなで親方をおどかすんだ!」
武田「ん〜まぁとにかく、話し合わせてね!」
了解、と頷く大神さん。
何とはなしに一歩踏み出したところで、武田ががしっと腕を掴んで…
武田「絶対だからな!」
大神「何だかよくわからないけど、わかったよ。」
と、さらにさらに念押し。
……どうも大神さんは“予定外”だったみたいですね。(^^;;
話が一段楽したところで、武田は台所で鍋の具の準備にとりかかりました。
と、それと同時進行で玄関ではこんな会話が…
酒屋「お客さんですか?」
親方「ん、どうしてだい?」
酒屋「だって、特級酒とサイダーの注文なんて初めてじゃないですか。」
注文の一升瓶が入った木箱を玄関に置き、親方に勘定を渡します。
渡された勘定を親方が広げた瞬間……!!
親方「どわぁぁぁぁ!?!」
酒屋「どうかしましたか!?」
親方「…た、高いなぁ〜って…」
酒屋「そりゃ、特級酒ですから。」
親方「そ、そうなの…?」
酒屋「そういう注文でしょ?」
親方「(ちらりと武田を見やる)武田さん、これってやっぱりあっしが払うんでしょうかね…」
武田「お願いします!いま持ち合わせが無いもんで!」
弱気な声の親方に対し、武田はえらくきっぱりとした口調で答えました。(笑)
親方「持ち合わせって、いつもないじゃないですか!」(爆)
ちょっと名残惜しそうに財布から代金を出すと、酒屋さんは「へい、たしかに。」と笑顔で受け取り、巾着袋へとしまいました。
酒屋「じゃ、毎度どうも!失礼します!」(くるりと振り返り、玄関を出ようとする)
親方「ああ、塚ちゃん。」
酒屋「へい!」
親方「帰りに、たばこでも買って。」(と、手に小銭を握らせる)
酒屋「…いいんすか?」
親方「お年玉だよ。」
酒屋「ありがとうございます!」
親方の心遣いに深々と頭を下げた酒屋の兄ちゃんは、笑顔で元気に自転車をこいで上手へと戻っていきました。(^^)
さて、と親方は箱を持って居間へ。何とはなしに座っていた大神さんの徳利片手に「親方、これやっぱり薄いよ。」という進言を聞いて
親方「大丈夫です、今、高〜い特級酒が届きましたから!」
と武田への少しの嫌味もこめた返し方をしてました。(笑)
ですが、そんな様子を気に止めた風も無く、武田は鍋の材料をまな板の上に載せたまま居間に戻ってきました。
大神「うわぁ、これ武田さんが裁いたんですか?!」
武田「昔、築地をうろちょろしていたころがありましてね。
ま、見よう見まねでね。」
…つくづく思います。武田って、数奇な人生送ってますよねぇ…
武田「へい!ベロ鍋入りまーす!」
ってベロ鍋って!!(笑)
どんな鍋ですか!と思わず突っ込みを入れたくなりましたが、とりあえずスルーして…(^^;;
ノリノリで「カモナ浅草」の替え歌とともに鍋の準備準備。
武田「いいね〜鍋はいいね 親方の家には〜ある〜…ワォ!
昆布をひいて〜お水を入れて〜〜ちょーっとお酒も入れちゃいましょか!
隠し味!ワーォ!ワーォ!!」
武田さん、隠し味という量ではありません、それ。(爆)
おいしく出来るといいんですが…
と、室内は鍋で盛り上がっておりますが、ここで客席の目線は新たに上手から登場したかえでさん(和服姿。髪は「サクラ2」ですみれが3話で見せていたような感じで結われています。)とダンディのボスへと注がれます。
かえで「…さぁ、着いたわよ。」
ボス「かえでさん、やっぱりこういうのは部外者のあっしが言うことでは…」
かえで「何言ってるの、ダンディさんは身内同然でしょ。
お願い、ダンディさん。あなただけが頼りなの。」
頭を下げるかえでさん。…なにか、わけありの様子ですね。
ボス「…かえでさんが、そこまでおっしゃるなら…」
かえで「(頭を上げてひとつ頷く。)…じゃ、行きましょう。」
すすす、と親方宅の玄関の前へと進むかえでさん。うーん、でもボスはまだ煮え切らない様子ですよ?
かえで「親方〜?」
親方「あ、かえでさんだ。」
いそいそと玄関に向かう親方ですが、玄関を開ける前にボスがかえでさんの腕を引っ張って、来た道(たぶん曲がり角)まで戻ってしまいます。
ボス「やっぱり、あっしにはちょっと荷が重過ぎますよ。」
かえで「何言ってるの、こういうのは男の人でなきゃ!」
ボス「それなら、大神さんが居るでしょう?」
お、意外なところから出てきましたね。
ちなみにこの会話、縁側近くにいた武田と本人、大神さんには聞こえているようです。
「俺?」と自分を指差す大神さんですが、かえでさんは少し言いよどみますが…
かえで「お、大神くんは……か、風邪で寝込んじゃって!」
武田「なーに言っちゃってくれてるのかな!?」
あれー!?寝込んだ人が親方の家の台所にいますよー!?
それを聞いてあわてたのは武田と当の大神さん。
武田がとっさにとった行動は、大神さんを台所の影に簾で隠すこと!
…こ、これで大神さんの出番がなくなってしまいました!?(爆)
ああ、玄関の靴まで隠されて(^^;;
ボス「新年早々風邪ですか?」
かえで「ええ!…だからダンディさん、このとおり!」
先ほどよりも丁寧に、深くお辞儀をするかえでさんに、今度こそボスの腹は決まったようです。
ボス「あ、頭を上げてくださいかえでさん!
…わかりました。あっしでよろしければ。」
かえで「(顔を上げて)…ありがとう。」
さぁ、今度こそ玄関を叩きますよ。
かえでさんが呼び声をかけると、程なくして親方が玄関を開けます。
親方「あ、かえでさん!ダンディさんもご一緒ですか!」
かえで「ええ、ご一緒。(^^)
あ、親方…あけまして、おめでとうございます。」
笑顔の年始の挨拶に、少し照れたように笑う親方。それに倣って頭を下げるボス。
うーん、かえでさんが居るとあたりがなごみますねぇ
親方「ああ、いいえ…もう七草ですから、堅苦しい挨拶はなしにしましょう。ね。
さっどうぞ!狭いところですが…」
かえで「ふふっそれもそうね。じゃあ、お邪魔しま〜す。」
二人が履物を脱いで家に上がると、ボスと武田の目が合います。
ボス「おい武田、お前なんでこんなところに居るんだ?」
武田「あ、いやー…年末の家賃が払えなくて、家追い出されちまって!」
親方「ああ、で、上野に行ったとき偶然出会いましてね。
それなら次の家が見つかるまで家でってことになったんですよ。」
へぇ〜っと聞き手モードに入ってるかえでさんですが、ボスは思うところがあるのか膝をつき、親方に丁寧にお辞儀をします。
ボス「…お世話を、おかけします。」
親方「いいえ、いいえいいんですよ。
さっお外は寒かったでしょ。一杯やりましょ!」
と、二人にちゃぶ台の席に勧めます。先ほど大神さんが座っていたところにかえでさん。武田さんが座っていたところにボスが座りました。
親方が注ぐお酒を、それぞれのお猪口で受けます。
和やかな雰囲気で酒を飲み交わしている面々ですが、かえでさんが一杯あおったとき、静かに置かれるべきお猪口がダンッと音を立てて置かれて空気が一変!
かえで「親方!!水臭いじゃない!!」
親方「え?(武田の方を見る)」
武田「いや、薄めてねぇよ。」
かえで「お酒の話じゃないわよ!
…あたしたちに内緒で、大帝国劇場を辞めるだなんて!!」
武田「えええええっ!?親方が帝劇を辞める〜!?」
大神「ええええっ!?!!」
思わず身を乗り出して一緒に驚いてしまう大神さん!!そりゃあ、衝撃ですよ!こっちもビックリです!(でもこの直後、大神さんは武田さんの手によってまた台所に押し込まれてましたが;;)
かえで「武田さんが驚くのも無理ないわ。
…ねぇ、そうでしょダンディさん。」
そ、そんなことが…まさか、前説の普段は見せない厳しさが出ていたのはこのせい!?
かえでさんの問いただすような視線から心をそらすために、うつむいてそっぽを向く親方ですが、そこにボスが追い討ちをかけます。「:
ボス「そうですよ。親方は裏方の要だ。
大帝国劇場の釘一本、塵ひとつ知ってる人でしょ。
その親方が居なくて、どうして舞台の幕が開けられるんでしょう?」
親方「あっしなんかいなくても、舞台の幕は開きますよ!」
ボス「幕は開くかもしれねぇ!!
でもそれは、今まで慣れ親しんだ幕とは違うんじゃないかい!?
親方の居ない帝劇の舞台なんて
オムライスを出さない煉瓦亭、マグロを握らないすし屋だ!」
かえで「…シャリだけ?」
や、かえでさんそこはぼけるところじゃないですよ。(笑)
時々「おにぎり?」ともボケていたそうです。(^^;;
親方「……すいませんっ!」
ボス「…この世界、すいませんじゃ済みません。
義理と人情を大事にするあんたが、どうしてそれを踏みにじるんで?」
親方「……その、義理と人情が重たくて…!
花組さんはこれからどんどん新しいことに挑戦していかなきゃならないのに
あっしみたいな古い人間がいつまでもいちゃいけないんですよ…!!」
かえで「そんなことないわ!」
ボス「そうです。新しい人が新しく何かを始めるときは、必ず古い人間の支えがいるんじゃないでしょうかね。」
親方「…………………」
嫌気が差したわけではなく、花組を思っての辞める決意だったんでしょうか…でも、親方は無くてはならない人。
重い空気が流れる中、所在なさげに座っていた武田がちゃぶ台の上の方を見ながら一言。
武田「…煮詰まってきたな〜」
ボス「たこ!」
武田「いや、鍋ですよ鍋!
ね!鍋食べましょ!話はそれからってことで!」
ね!ね!と場を盛り上げようとしますが…から周り気味。(^^;;
かえで「お酒!」
武田「あ、へい!」
親方「いや、あっしが…」
くいっと飲み干した徳利を差し出すかえでさん。それを受け取ろうとする武田ですが、それよりも早く親方が動き、すごすごと台所へ向かいます。
その後姿を見て、武田が素早くボスの隣へ移動して三人で内緒話。
武田「…本当に、辞めちゃうんですかね?」
かえで「はぁ…困るわっ
ねぇ、ダンディさんもそう思うでしょ?」
ボス「はい。親方にとって花組さんは家族同然…」
かえで「ねぇ、ダンディさん。なんとか親方を説得してちょうだい!」
かえでさんの懇願に、神妙に頷くボス。
大神さんが「どういうことなんですか?」と裾を引っ張るのを「あとで!!」と振り払って(笑)戻ってきた親方がお酒を置くのと同時に、ボスが立ち上がります!
ボス「親方。あっしは口下手ですから、うまく言えませんが…
この世界に足踏み入れたときの、熱い気持ちを…思い出してくれませんかね…!」
♪「愛ゆえに」
だ、男性版「愛ゆえに」!(驚)まさかこんなものが出てくるとは…いやぁ相変わらずボスはいい声ですなぁ。
が、聞きたくない!と台所の隣の扉の中へと入ってしまう親方。慌ててそれを追いかけ扉をたたくかえでさん。
ボス「♪ただあなた 忘れられなくて
今宵もひそかに 見上げる バルコニー」
マリアさんパートが終わると、次はさくらさんパートなのですが…ここで親方がばんっと扉を開けて帰ってきました!
…手にはマイク、頭にはさっくらさんのカツラをかぶって!!(爆)
さすがにこれには全員腰抜かして驚いてます。(^^;;
大神さんなんか、思わず台所から舞台上に転がり出てましたよ。
親方「♪愛ゆえに 人は苦しみ 愛ゆえに 人は涙する」
驚いている面々を尻目に、親方はすぐそばの壁の一部、ちょうど「リア王」のポスターが貼られてる部分ですね。そこを開けて(隠し扉!?)中にある二つのスイッチのうち、左側を押す!
すると明かりが消えて変わりに柱や壁に這わされた電飾が点灯!照明まで!!
続いて右側のボタンも!今度は天井からスモークが立ち込めてきましたよ!?
親方「♪たとえそれがはたせぬ愛でも ただひととき今 私を 抱きしめて」
曲が進むごとに柱に沿った紐を引っ張るとミラーボールが出てきたり…ここはからくり屋敷ですか!Σ( ̄□ ̄;;
極めつけはもう一本の紐を引っ張ったら出てきた神棚の下部分の壁がせり出て簡易ステージ!!
あ、大仕掛けに目を奪われがちですが二人が手にしているマイクにも小ネタがありました。親方が持っているマイクには親方人形が。ボスが持っているマイクには広井人形がそれぞれくっついていました。(笑)
二人「♪何ゆえに 人は生まれ 何ゆえに 人は生きる
愛ゆえに この命を あなたのためにささげる」
歌い上げる二人に、簡易ステージで踊るかえでさんと武田。両手を広げてゆれたり、指を鳴らしながらステップを踏んだり…
い、いやぁ…盛り上がってますなぁ。(笑)
ボス「たとえ君がどこに行こうと、誰のものになろうと
ぼくの愛は変わらない」
親方「愛はあるがままに。愛は、思いのままに。」
ボス「園山がどんなに高く険しくとも、今なら越えられる(ちゃぶ台を超える振り9
そして、君を強く抱こう…!」
ボスが親方のずれたヅラを動かして直すのが笑いを誘います。(爆)
と、曲はここまで!室内爆笑の展開を引き受けたのはかえでさんでした。
かえで「素敵だったわ〜「愛ゆえに」!(壁に貼られているポスターを見る)
あ、親方も出てたわよね!」
親方「ええ、こんな役で…」
と、口ひげが一杯の男の役を示します。おお、ここからはリアル歌謡ショウの思い出話になりそうですね。
たしかに、あのころは親方は親方ではなかったんですよねぇ。(笑)
それに続いて武田も…
武田「あー!「つばさ」!!
これ、ボスのデビュー!!」
手できらきらをつくってボスをたたえる西村。
ええ、たしかに!照れ笑いを浮かべるボスですが、軽くお酒の入ったかえでさんがさらにまくし立てます。
かえで「かっこよかったなぁ〜ダンディボス!
子分の人たちが舞台壊しに来て大変だったのよねぇ」
武田「ああ、はい!それあっしです!」
手を上げてうれしそうに話題に入ってくる武田ですが、それは自慢にはならないのでは…(^^;;
武田「あっしなんかね、正式な名前なかったんですからね!」
親方「たしか、アラビアのバラからでしたよね。急にベロムーチョ武田なんて言い出して、ビックリしましたよ。」
武田「本人もビックリしてたよ!ベロムーチョ武田なんてついててね!(笑)
挙句の果てに日系ブラジルだもんね!」
かえで「…日系ブラジルじゃないの?」
武田「ブラジルですよ!」(笑)
ええ、そうそう、設定は大事です!(笑)
ボス「いやぁ、いろいろ思い出がありますね〜」
かえで「家族の思い出アルバムね。
……だからっ……やめちゃダメなのよ!」
再びかえでさんが親方に視線を注ぐと、また親方は顔をうつむかせて視線を泳がせてしまいます。
空気が凍りついたかと思えましたが…
武田「それにしても……
ど〜なってるのかね、この家は〜!」
武田の家への興味がそれをさえぎりました!それはかえでさんもボスも気になってたらしく、あっさり便乗。
武田が「家でもこんなことやってんの!?」という言葉を受けて親方「いやぁ…」と照れ笑いを浮かべる親方。やっぱり好きなんですねぇ
かえで「ほーんと、素敵…なんだか小さな劇場みたい。
あたし、なんだか歌いたくなってきちゃったわ。」
武田「歌!歌イイっすね!!」
かえでさんの美声を聞きたい!共通の思いが生まれた三人は準備も早かった。(笑)
武田が舞台を出し、親方が箪笥に隠された蓄音機を稼動させて、ボスの片手にはマイクが!
照明も入って、準備OKです!
武田「霧雨の降る中、傘の代わりにマイクを持って、はりきってどうぞ!」
武田がそう振ると同時に歌いだし!
♪「バスはゆくゆく夢乗せて」
かえでさんとボスのデュエットといえばこれですよね。盛り上がってますねぇ親方宅は。歌いながら家が後ろに下がり、徐々に暗転、舞台回転。
場面は変わり、ここは大通り。下手には隣の岸へと渡るための橋があり、家の塀には「向島三丁目」と書かれた看板。上手よりには松の木、その下にはゴミ箱。そんな場所です。
通りなので人々の行き交いもあります。あ、さっきの酒屋の兄ちゃんが彼女らしき人と自転車で二人乗りして上手から下手へ走り抜けて行きましたよ。
大笑いしながらおでん片手に下手から歩いてくる主婦二人。そのうちの一人が話に夢中でこけてしまい、おでんを落としちゃいました!まぁ、それすらも話の種で可笑しいみたいですが。(笑)落としたおでんをゴミ箱に捨ててそのまま歩いていきました。
また、上手からは痴話喧嘩中の若いカップルが…男性が女性の怒りを買ってしまったみたいですね;;平手打ちが炸裂!!思わずやり返そうとする男性ですが、女性のほうが身のこなしは上ですね。かわしてさらにもう一発ヒットさせましたよ。(汗)
「こんなものっ」とはめていた指輪をはずしてゴミ箱へ!そのまま走り去ってしまった女の人を追いかける男の人……この後どうなるんでしょうね(汗)
今度は下手から一人の女性が…そしてその後を無邪気に追いかけてくる茶色い仔犬。(ぬいぐるみをテグスのような透明な糸で引っ張っているんですよ。)「〜〜〜もう!ついて来ないでよ〜家では飼えないのよ〜!」…あ、なつかれて困ってるんですね。でも、舞台の真ん中で意を決して振り返って飛びついてきた仔犬を抱きとめます!(引き寄せ方がうまいです。)「よ〜しよしよし!……いい人に、拾われるのよ。」と、ゴミ箱へ…ってそりゃ“拾ってください”と言うにはあんまりな場所じゃないですか!?Σ( ̄□ ̄;;
女の人は一度ゴミ箱を振り返り、振り切るように走っていきました…と、今度は上手から買い物籠を片手の主婦が一人。「マサオちゃ〜ん!」と子供呼びつけると…
「ゲヒゲヒ!」
うわぁぁぁぁぁ!?!!あ、あのトカゲの丸焼きを持った彼が!!子供だったんですか!?(爆)まぁ、母親らしき人に「そんなもの捨てなさい!」と言われてゴミ箱に向かいましたが…トカゲの丸焼きをゴミ箱に捨てようと蓋を開けたその瞬間!
川岡「捨てないでください!」
ご、ゴミ箱から川岡刑事が生まれましたよ!?(爆)
驚き慄いて下手へと走り去る親子を気にもせず、ゴミ箱のまま立ち上がる川岡刑事。その手には先ほど中に入れられた仔犬が。
川岡「よーしよしよし。(頭をなでながら)これからは、ずっと一緒だからな。」
あ、いい人には拾われたみたいですね。笑顔で仔犬を見つめていた川岡刑事でしたが、はっとこちらの視線に気づき、客席を見ます。
川岡「はっはっは…優しさを見られてしまいましたね。」
いや、自分で言うなって。(笑)
―――9日・夜
この犬との触れ合いは毎回微妙に変わってて、この日は犬を見つめて…
川岡「おまえはかわいいドッグだね〜
ほっとドッグ!……ぼくはウケませーーん!!」
うん、かわいかったですけどね!(爆)
―――10日・昼
川岡「どうしたんだい、そんなに震えて。
まさかブルドッグなんて言うんじゃないだろうなぁ〜〜
(箱の中に犬を入れて)わ!わーー!!
子供生まれちゃったー!!」
え…メスだったの!?(爆)
この日は、この後もずっと犬は二匹いました。(笑)ちなみに、子供の毛並みは薄茶です。
―――――
川岡「お久しぶりです!みなさん、私のこと覚えてますかー!?」
もちろんです、川岡刑事!!
川岡「去年の夏、あの!難事件を解決した川岡です!
山田警部が今巴里のオペラ座に怪人を倒しに行ってるんですよ。
ですからこうして、ゴミ箱に身をやつして張り込みをしてるんですよ!」
そ、それって……み、実になるといいですねぇ;;
川岡「今日は一月七日!絶対七日なのです!(笑)
七草でお正月気分が抜けないこういうときこそ犯罪が起きるんです!
…む、人の気配!隠れよ!」
人が来る気配を察した川岡刑事はまたゴミ箱に身を隠します。
そして現れたのは…
マリア「言問橋で待ち合わせだったわね。」
さくら「はい、向島方面の袂で。」
あ、その橋は言問橋だったんですか。まぁ…割となじみのある橋です。(笑)
上手の客席通路からマリアさんとさくらさんが登場!二人とも冬服です。
さくら「うわぁ〜浅草はいつも人で一杯ですね〜!」
マリア「ふふっ…そうね。
商売繁盛、家内安全、良縁祈願…みんな一年の幸をお願いしに来るのね。」
さくら「みなさんどこからきてるんでしょうかね?」
マリア「そうね…聞いてみたら?」
さくら「通りすがりの人にですか!?」
マリア「疑問は早く解決したほうがいいでしょ。」
おお、マリアさんが静かな強制力を着々と身につけてきてますね。(笑)
さくら「は、はい…
(近くの方に)すいません、どちらからいらしたんですか?」
さくらさんが尋ねると、横浜や神奈川との答えが返ってきました。
さくら「なんだか、意外と関東近辺の方々が…」
マリア「さすが浅草、日本一に繁華街ね!」
予定では関西や東北方面の回答を期待していたのでしょうか?(^^;;
無理やりに繋げて、舞台に上がる二人。
マリア「ふふっそうね、人が集まる乗ってわくわくするわね。」
どうやらこの二人が一番乗りみたいですね。
あたりを見回す二人ですが、さくらさんはしきりに手をこすって合わせて寒そう。
マリア「寒い?」
さくら「あ、はい。マリアさん寒くないですか?」
マリア「この程度の寒さ、ロシアの寒さに比べたら…」
さくら「…ロシア、寒いですか?」
マリア「…凍てつく大地に、涙は落ちない。」
青暗い照明に、木枯らしの音が重なり…
♪「赤いカチューシャ」
登場率多いですねー(^^;;
そしてマリアさんまたもプチ陶酔モード。(爆)
でも、さくらさんも免疫が出来たのか割とかわせてましたね。(笑)
下手から現れた石焼き芋屋に、これまたどこからとも無く現れてきた人々(町の人ですね)とともに並んでます。
そして、今度はこさっく人ダンスではなく焼き芋ダンス。(笑)割と地味に見えるけど、けっこう難しそうな振りですね。
マリア「♪ラララララ ラララ!」
曲が終わると同時にさくらが焼き芋をゲット、マリアもキャッチ!(振りで全員が焼き芋でキャッチボールするような振りだったんです。)
が、これ日によって取れる日と取れない日があるみたいです。9日・夜は焼き芋屋さんがほおった焼き芋の描いた放物線がたどり着いたのはマリアの手ではなく、素通り!!…落ちちゃいましたね;;
実はうまくいくほうが少ないのでは…(^^;;
さくら「マリアさん、落ちちゃいましたね::」
マリア「ううん、平気。大丈夫。」(手で焼き芋をはたく)
結局、この日のマリアさんは「大丈夫」と言い通しておりました。食べましたし。(爆)
焼き芋屋「あの、お代のほうは?」
さくら「あ、はい。おいくらですか?」
焼き芋屋「お!ねぇちゃん美人だねぇ〜!
よし、二人まとめて50銭でいいよ!」
さくら「あ、ありがとうございます。」
さくらがお代を払おうと袖に手を入れたとき、マリアと焼き芋屋さんの眼が合って…
マリア「あああああ!」
焼き芋屋「あああああ!」
政「その節は、どうも…」
マリア「インケツの政さん!」
あ…似た別の人ではなく本人だったんですか!(爆)
話の見えないさくらは「え?え?」ときょろきょろとするばかり。
政「…バナナ、ありがとうございました。」
お、楽日ネタですね。去年の夏、楽日だけはマリアが「お金返して。」と財布を取り戻して、代わりにバナナを投げたんですよ。(笑…詳しくは「新西遊記」DVDの千穐楽ダイジェスト、または464ページにあるレポで。)
政「ずっと、お守りで持ってるんです…」
と、ポケットからすっかり黒く、しなびてしまったバナナが…(笑)
これにはさくらもマリアも驚いた様子でした。(^^;;
マリア「石焼き芋屋さんになったんだ。」
政「へい。ダンディさんの紹介で…」
マリア「…足、洗ったんだ。」
政「…へい。」
マリア「……………………」
しばしの沈黙。が、マリアがすばやく腰の後ろに手を回し、視線の照準セット!!
政「撃たないでくださーーいっ!!!!
……結婚したばかりなんです〜〜〜〜…!
…嫁がこれなんですぅ〜〜〜……!!
僕は死ねましぇ〜〜〜ん!!!」
これ、とお腹が大きいジェスチャー…もうすぐ父親にもなるんですね。それにしても「死にましぇ〜〜〜ん!!」って、古いなぁ!(笑…え?そんなに古くないですか?)
二人の間合いの真ん中に挟まれたさくらは両手を挙げて双方を見ています。先に均衡を崩したのはマリアさんでした。
マリア「…馬鹿ね。」
優しい声と笑顔で、引き抜いて投げたものは財布。(9日・夜は投げずに近寄って財布で頬をぱしっと叩いて、一言「馬鹿ね。」といって財布を渡してました。)
とりあえず受け取った政は、財布とマリアの顔を交互に見ます。
マリア「そこに10円入ってるわ。おつりはいらない。」
政「あ、ありがとうございます!!」
マリア「真面目に働くのよ。」
深々と頭を下げて屋台を押すために背中を向けようとする政ですが、思い立ったかのように反転すると…
政「…石焼〜き芋、お芋。」
えっらい美声で焼き芋屋のうたい文句を歌ってから、去っていきました。(笑)
その姿が完全に下手に隠れたとき、手を振っていたさくらがマリアの方を向いて、ようやく口を開くことが出来ました。
さくら「お知り合いですか?」
マリア「夏にね、ちょっと会ったの。」
ふふっ笑うマリアさん。夏は夏でいろいろありましたものね。
と、そこへ明るい声が響いてきます。そちらの方、つまり下手側の客席通路を見ると、アイリス(夏服にマフラー手袋着の冬使用)、紅蘭、織姫(共に冬服)が歩いてきてます!
織姫「こっちでーーす!番号!1!」
紅蘭「2!」
アイリス「3!」
織姫「あっちでーーす!番号!1!」
紅蘭「2!」
アイリス「3!」
織姫先頭でたったか進んできますが、舞台のすぐ下のところで道を間違えたらしく、そのまま下手へと折れてしまいます。(笑)
織姫「あっちでーす!」
さくら「こっちよ〜!」
そこをさくらが舞台上から軌道修正。無事にさくらとマリアに合流できました。(^^)
ちなみに、紅蘭(小物バッグを肩からさげてます。)と織姫は冬服。アイリスは夏服冬使用(手袋、マフラー)です。
マリア「あら?カンナとレニは?」
織姫「カンナさん腹ごしらえだって言ってまーた食べてましたー!」
アイリス「心配だからって、レニが後から一緒に来るって。」
マリア「まったく、いつも大事なときに居ないんだから…」
そう、そしてそれがいつもトラブルの種に…(爆)
ですが、今回は首に縄つけるために待つこともできないようです。(汗)
織姫「もう、早く行きませんとかえでさん待ってますよー
こういうのはタイミングが命ですからね!」
マリア「いい?いつもより気をつけて、ちゃんとやるのよ。
これは、エチュードよ!」
紅蘭「わかっとる!エチュード、即興芝居やね!」
うん!と頷き合って互いの意思を確認すると、急ぐように上手へ向かう面々ですが…エチュードと聞いて一人だけ、足並みが違う方が…
アイリス「エチュードかぁ…」
やっぱりそうきますか!そうですよね、正月の花組がスルーするわけ無いですよね!(笑)
♪「エチュード」
え?と動きを止めてアイリスを振り返る面々が見たものは、下手側の階段に座って歌うアイリスでした。
アイリス「♪言葉にすれば 切なくて 小さな胸震える」
と、ここでアイリスが思わぬ行動に出ました!なんと、階段を駆け下りて客席の人の手をとって…
アイリス「ねぇ、アイリスのこと、好き?」
と聞いたのです!!手を握られてまっすぐに見つめられてそう聞かれたら…そりゃもう、頷くしかないでしょう!
そのまま、二人目を聞いたのですが、慌てて駆け下りてきた紅蘭に「はい終わり!!」と止められて(つかまって)ここで強制終了。
アイリス「あ〜〜ん、もっと歌いたい〜!」
紅蘭「また今度な。」
舞台に戻ってきて、やれやれとりあえず一安心。
―――10日・昼
この日のアイリスはとってもチャレンジャーでした。
なんと、近場の人ではなく、わざわざ遠くの、上手側の通路SS席後方にいた黄色い法被の方に聞きに行ってました!!(驚…ちなみに、有名な黄色ではないのですが、黄色い法被です。)なので
アイリス「ねぇ、アイリスのこと…好きでしょ。」
と質問よりも確認になってました。(笑)
追いかけてきた紅蘭や花組の面々もこれにはビックリしてましたが、いやはや、アイリス…面白かったです。(^^)
―――――
と、ここでまたさくらが手のひらを合わせて暖を取ろうとしています。
紅蘭「あれ?さくらはん寒いん?」
さくら「末端部冷え性なの。」
紅蘭「末端!それを待ったんや!」
待ってた、と末端、をかけたんですね。嬉々とした紅蘭がバッグに手を突っ込んで掲げたものは…
紅蘭「これあげるわー!」
ちゃらららっちゃら〜ん♪
取り出だしたるは手のひらサイズの桜型の何か!
さくらがお決まりの「それは!」と聞くのですが、このときのマリア、アイリス、織姫の反応は面白かったです。
もう、条件反射で逃げるようになってるんですね!(爆)…マリアの後ろに隠れる二人。二人をかばうように両手を広げるマリア。
まぁ、そんなことは気にした様子も無く3分間ショッピングモードに入る二人です。(笑)
さくら「ぱっちん君ね。」
紅蘭「せや!これは一昨年発売して大好評やったぱっちん君を改良したものです〜」
さくら「こうやって中の金属板をぱっちんって…(このとき、他の三人は頭を抱えて守りの体勢!)
あ〜あったかーい。」(恐る恐る様子を伺う三人)
アイリス「…爆発しない?」
さくら「これは大丈夫みたい。」
安全だとわかったら、便利なのが紅蘭の発明品。(笑)
アイリス「じゃあアイリスもほしーい!」
織姫「わたしにもくれるがいいでーす!」
紅蘭「はいな。はいな。はいな。」
あっという間に三人の手にはぱっちん君2号が。
さくら「あれ?マリアさんも…?」
マリア「…ぱっちん。」
あ、ごまかしましたね。(笑)
マリア「さ、行くわよ。」
マリアを先頭にさくら、紅蘭、アイリス、織姫と次々に上手へと歩いていきます。
みんな口々に「ぱっちん君いいでーす!」と言ってました。これで休憩時間の売り上げ増?(笑)
4人が上手へと去ると、ゴミ箱の蓋が開きます。
あ、川岡刑事が居たんでしたね!
川岡「ふっふっふっふっふ……!!
山田警部の言いつけで張り込みをしていたら思わぬ収穫だ!
(手帳を開いて)たしか、ロシアとか言ってたよな…それから、え…エ…えちゅ〜〜……
…僕はウケませーーーん!!」
この川岡刑事も毎日言うことが変わるみたいなんですよ。(汗)
いやぁ…さすが新春公演、あなどれません;;
でも、ここでの共通事項は…思いっきり誤解してるということですね。
川岡「えーと、後は…発明、改良型、爆弾…爆弾!?
…銀行を襲うのか!帝都大学卒業のこの川岡のカンに狂いはない!
(上手に向かって)金田一さーん、事件でーす!(舞台を右へ左へ移動)
やっぱりあいつか、真宮寺さくら!あいつこそ本物の桃栗小僧だ!
夏に捕まえたのは替え玉だったに違いない!!
う〜ん、なんて大胆で不適な推理!
築地警察一の名警部、山田警部の訓等を受けた俺が言うんだ、間違いない!
……それにしても謎なのはぱっちん君だよなぁ…だれだろう?
う〜〜〜ん…ねばーり腰!ねばーり腰!」
あっはっは…ぱっちん君は人じゃないですよー真剣に悩んでるので面白いです。
デューク○家のウォーキングさながらのねばり腰で、ゴミ箱のまま下手へと歩み去っていく川岡刑事。
…自体がより複雑な方に転がらなければいいのですが……
ここで暗転。場面は転換して再び親方の家。
縁側で膝を抱えて全てを拒絶しているかのような親方と、居間でちゃぶ台のを囲んでいるかえでさんとボス。この二人の表情は硬めですね。そして、その間をうろちょろする武田…
武田「ねぇ〜鍋食べましょうよ、鍋!」
かえで「んもう、勝手に食え!」
武田「へい!」
あ、ホントに食べちゃうんですか。(^^;;
一人でいい具合に煮えた鍋を食べる武田を尻目に、かえでさんはお酒片手に親方のもとへ。
かえで「ねぇ、親方。辞めないでって言ってるうちが、男の花道なのよ!
そうよね、ダンディさん。」
ボス「男の花道…そうかもしれませんね。」
かえで「さっ飲もう、親方!」
ああ、もうそうじゃないのよ…!でも言いたげな顔を一瞬見せたかえでさん。
今日のかえでさんはやたらとボスに話を振りますね。
と、そこへ上手からぞろぞろやってきたのは先ほど言問橋の袂で落ち合った花組の面々!
さくら「親方!」
代表してさくらが声をかけると、縁側に座っていた親方が立ち上がってお出迎え。気分転換早いですね。(^^;;
親方「あ、これはこれは皆さん、わざわざこんなところへ…
さ、上がってください!」
アイリス「えへへっお邪魔しまーす!」
招待を受けた面々は、玄関からと縁側組に分かれて親方の家の中へ。縁側から紅蘭、アイリス。玄関からさくら、織姫、マリアが入ります。
マリアが上がろうとしたとき、ボスの存在に気づきました。
マリア「あ、ダンディさんも来ていたらしたんですか。
あけまして、おめでとうございます。」
さっすがマリアさん、しっかりしてますね。あ、新年の挨拶を交わしたところでかえでさんがずんずんそちらに進んでますよ。一升瓶片手に。(爆)
かえで「マリア!さぁ飲もう!
今日はとことん話し合おう!そのために集まったんだから!」
織姫「(ちゃぶ台の近くに腰をかける姿を見て)…かえでさん相当いっちゃってますね、今年も。」
マリア「そうね。」
ええ、お酒回ってるみたいです。(笑)
マリアがブーツを脱ぐために玄関に腰をかけて足に手を伸ばしたところで、アイリスが先ほどからループしている問題を改めて口に出しました。
アイリス「…ねぇ、親方はホントに辞めちゃうの?!」
さくら「…辞めないですよね?」
紅蘭「せや!!ウチな、発明するからわかるんや。
親方の、道具やセットに対する愛情が。その親方が辞めるやなんて…」
先ほどまでの和やかで華やいだムードが一変して、水を打ったように静かになります。
答えあぐねている親方に代わって、口を開いたのは先ほどまで使っていた湯飲みを台所に片しに行った武田でした。
武田「やめるって言ってましたよ!結構決心固いみたいようなこと言ってました。
辞めないでって、すがって頼む…この世界がイヤになったみたいですよ!
一人になりたいって言ってましたよ!」
堂々巡りを見ていた武田だからこそ、こんな言葉が出たのかもしれません。
が、一人というキーワードに反応する子が、花組にはいます。
アイリス「…一人よりみんなの方が絶対絶対楽しいよ!」
親方「………………」
かえで「仲間なんだから、助け合えばいいんじゃないのぉ〜?」
親方「…ちょっと、疲れましてね。」
ようやく搾り出した声に、花組の面々は一瞬言葉に詰まりますが、次の言葉は恐ろしいほど静かで怒気をはらんだものでした。
マリア「…疲れたなんて言わないでほしいわね。
じゃあ舞台に立ってる私たちはどうなの!」
親方に背中を向ける状態で座っていたマリアが立ち上がって親方を怒鳴りつけました…!
さくら「マリアさん…!」
かえで「マリア。」
さくらとかえで、双方から止めの声がかかりますがその言葉には弱い力しか備わってなかったようです。
マリア「いいから言わせてください。
親方、あたしたち好きでやってるんじゃないの!?(親方のすぐそばに腰を下ろす。)
人間みんなが、好きなことやれてるわけじゃないのよ!
好きなことしてて、それで疲れたなんて…
そりゃあんまり贅沢、いえ我侭よ!」
ばんっと床を叩くマリア。ふ、普段の彼女ではなかなか見れない激昂モードはいってますね…;;
ダンディのボスも恐れ戦慄いてますよ…いや、戦慄いてるのとはちょっと違うかもしれません。どちらかというと、思い当たる節があるような…そんな感じの目の泳がせ方でした。
武田「み、みなさん鍋どうっすか?!」
マリアのあまりの迫力に気おされ気味だった空気を流したのは、やっぱり武田でした。
ベロ鍋、おいしいといいですねぇ(笑)
武田の提案にいち早く乗ったのはアイリスで「アイリス食べるー!」をいつもの明るい声でみんなをひっぱってくれました。(^^)
マリアも返事のない親方を一瞥し、ちゃぶ台の周りへ。
アイリス「あれ?お箸は?」
武田「あ、あっちの戸棚の上にあるよ。とってきて。」
アイリス「はーい♪」
あっちって、台所…あ!大神さんが隠れてるところじゃ!
……あ、でも意外と気づかれなかったみたいですね。(笑)
まだ輪に入ってこれない親方…そこに、またもマリアさんの氷の一撃が!
マリア「辞めれば。辞めちゃいなさいよ。」
親方「…………っ
ええ!!辞めますとも!!!
辞めてやるぅ〜〜〜!!!!!」
とうとう切れましたか!?半ばヤケ気味に庭、縁側に立ち、そのまま表にあるくみ上げ式の井戸の前へと進み、勢い任せで水を出し(ほんとに水が出たんですよ!)その水を両手ですくおうとした瞬間、この場に居るメンバーの中でもことさら舞台にかける情熱が激しい人が告げます。
織姫「ああそうですか!そんなに簡単に辞められるもんなんですかね!
(立ち上がって、前に出る)音響さんも、照明さんも、あの掃除人にも親方親方って呼ばれて…
それはなぜ?…頭がハゲてるからじゃないでしょーー!!!」
紅蘭「織姫はん!」
ちょっと頭がはげてるってのはいきすぎなネタでしたか?(汗)
マリア「親方。花組は…まぁヤクザの組で言えば頭ね。
…頭といっても、ハゲのことじゃないわよ。」
そ、そのまじめなところでそんなギャグを織り交ぜてくるとはさすが新春!(爆)
座り込んでいる右足を立てて、いかにも気の強そうな姉さん然のマリアが…あ、もちろんこのまままじめな話に戻りますが。
マリア「頭はね、交換がきかないのよ!(立ち上がって)
親方は裏方の要なんでしょ、ボスなんでしょ!?
簡単に辞めたなんて言えないのよ!!
ねぇ…もう一度だけ考え直してみない?」
親方「……………………………」
しばし悩む親方。それを見つめる花組の顔に走る緊張感。ボスの表情も、揺らぐ波のように定まりません。
親方「………………………………………はい。」
この瞬間の、空気から緊張の糸が切れた瞬間、今度は正真正銘の和やかな空気があたりを満たしてくれました。
よかった、と言葉や態度が親方の家中に響いてますよ。(^^)ボスは縁側に降りて親方の肩を隣にたってぽんぽん叩いてます…これは男同士ならではの光景ですね。
さぁ、ひと段落したらお腹がすくものですね。
さくら「武田さん、この鍋は何の鍋なんですか?」
武田「さっくら(さっすが)、流石(さくら)さん!!」
え?と怪訝そうな顔を作るさくらや織姫、紅蘭ですが、武田さんはそんなことを気にした様子もなく嬉々として語り始めました。
武田「これはね、今朝方東京湾で取れたトラフグですよ!
ま、玄界灘って風には行きませんがね、江戸前もなかなかっすよ〜」
へぇ〜と関心した様子の面々でしたが…紅蘭、かえでさん、マリア、さくらと「…フグ?」という表情に移り変わって顔を見合わせます。
それを見ずにひょいひょいと小皿に具を取り分ける武田。
武田「はい、できたよアイリスちゃ〜ん。」
アイリス「は〜〜い!」
花組の中で唯一素直に返事をするアイリス。台所から嬉々として駆けてくるアイリスを、途中に立っていた紅蘭が腰をつかんでストップをかけます。
さくら「フグ!…武田さんが捌いたんですか?」
紅蘭「フグ!捌いたことあるん?!」
武田「魚はどれもおんなじっすよ〜」
花組「えええええーーーー!?」
えええええーーー!?こっちだってビックリですよ!!
さくら「…武田さん、フグに毒があるって知ってます?」
武田「いいえ?」
花組「ええええええーーーーーー!!??」
あまりにあっさりと「いいえ」と言われてしまってさらに声を上げる面々。
思わずその場で下がれる限り引く花組に、鍋を作った本人は慌てふためいてます。
武田「だ、だって冬場フグちりとか食べるじゃないですか!
フグ刺しとか高級ですよ!?」
紅蘭「フグは肝に毒があるんや!調理師の免許いるやないの!」
武田「ぅええええええーーーーー!??!」
さくら「知らなかったんだ…」
思わず頭を抱えるさくらさん筆頭の花組の面々。慌てたのは作った本人とボス、親方でした。
ボス「馬鹿野郎、すぐに捨てて来い!」
武田「へ、へい!」
ボス「いやぁ皆さんがお食べにならなくてよかった…!」
頭を下げつつ胸をなでおろした様子のボス。ええ、本当ですよ…
……あれ?でも、一人だけ……
武田「い、いますぐに…あれ?
か、かたづけま…あれ??」
手が不自然なほどカタカタ震えて、鍋を持つことができない武田…ってそれはもしかしなくても、あれですか!(滝汗)
織姫「…ベロ……もしかしてこのフグ食べました!?」
武田「た、た…食べましたぁ!」
全員「ええええええええええっーーーー!!!?!!」
やっぱりー!!
全員で慌てて武田を縁側へと押し出して四つんばいにさせ、何とかフグを吐き出させようとしますが…
武田「だ、ダメですもう胃の中に入っちゃいましたーー!!」
“えぇー…!?”とも“ああああ…”とも取れる顔を見せる面々。
が、その表情はすぐに緊迫したものへと戻りました。
武田「あ…か、体が…し、しびれてきました…」
親方「い、医者呼んできますー!!」
アイリス「な、何これ…」
さくら「エチュードかなぁ…」
泡くった様子で上手へと走っていく親方に、武田を囲んでいる中では一番外側の台所近くの柱のあたりに立っていたアイリスとさくらは手を取り合ってこの状況に戸惑っている様子。残りの面々はがくがくと全身を震わせる武田を悲痛な面持ちで見つめています。
もう自力で立てないようで、こちらから見て左側に居る紅蘭の方へ倒れます。
抱きとめた紅蘭の腕の中で、武田は何とか手を伸ばして、縁側に立っていたボスへと伸ばします。
武田「ボ、ボス…俺、ボスのこと、本当の兄貴だと思ってました。
…こんなあっしを、ひ、拾ってくれて…飯食わせてくれて、小遣いくれて、子分にしてくれて…!!
(武田の手をしっかりと握るボス)…でも、なんの恩返しもできずに…すいませんでした!
すいませんでした…!!!」
ボス「バカ野郎!…今、医者連れてくるからよ…!」
ぐっと、力強く武田の手を握り締め、離すと同時に下手へと駆け出すボス。
残った花組の面々の視線を受ける武田。その声はだんだん弱弱しくなっていきます…
武田「み、みなさん……
今まで…お、おせわに…なり……ま……」
言い終える前に、かくり。と首を落としてしまった武田。
紅蘭「武田はん…?」
マリア「武田さん…武田さん!武田さん!!」
紅蘭が軽く、マリアが腕をつかんで体をゆすりますが、反応は無し。
一瞬、息を飲んだ音が聞こえたような気がしました…
さくらが名前を呼んで絶叫、かえでさんが力なく膝をつき、織姫が「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」と絹を引き裂くかのような悲鳴をあげる中、暗転。
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