さて、舞台では間を置かず次のメロディーが流れます。
場面も変わり、夜の紐育。
レースカーテンが上がり、周り舞台の上に円形に形作られた摩天楼のセットの正面が少しだけ開き、中から登場したのは昴!
♪舞台−playing
もう、カッコいい!の一言です。間奏部分のダンスでは昴もかなり踊るんですが昴は本当に踊りが綺麗!
一つ一つがしっかりしていて、尚且つしなやかさがあるんですよ。何度見ても、いいです。
一番で回り舞台が回る中、昴は歩きながら歌っているのですが、それゆえに昴はずっと中央に居るのに周りの背景がどんどん流れるという演出になっていて、それも好きです。
昴「♪ナイロンの天の川 綿クズの雪景色 マネキンの舞踏会
星空は豆電球 切り紙の紙吹雪 ペンキ絵の摩天楼
シュビドゥビダ シュビドゥビダ シュビドゥビダ……」
最後まで見事に歌いきった昴に拍手が贈られる中、暗転しその間に昴は足早に下手へ。
続いて聞こえた曲に合わせて、真ん中にあった摩天楼の背景の裏面で場面転換を図ります。
摩天楼の裏面に描かれていた風景は、ダウンタウンの街並み。
そこで生活する人々の格好をしたアンサンブルのみなさんがセットを整えると、一番奥にあるセットのベンチに腰掛けていたサジータが立ち上がり歌い出します。
♪ブラックペッパー
歌詞にドラマ性がある歌で、振り付けもその歌詞のドラマに沿うようになっていました。
朗々と、響くサジータの歌声はとても心地よいです。「♪ピリッとするだろう ブラックペッパー」の部分で口元に人差し指をちらっと当てる仕草がらしくて好きです。
サジータ「♪夢の国を 夢見ていた 鎖に つながれ はるか遠く
歌をうたう こんな歌を 綿をつみ 砂糖をかつぎ 毎日小麦をひいた
焼けたステーキ ピリッとするだろう ブラックペッパー
汗と涙 あんたのために 焼いたステーキ
ピリっとするだろう ブラックペッパー」
舞台中央に佇んで曲を終えると、周りに居たダウンタウンの住人たちが一気に拍手をサジータに贈ります。
男性2「いや〜いい歌だったぜぇ〜!」
サジータ「サンキュ。」
男性1「そうだよ、俺たちのママやそのまたママはこの国に夢を求めてきたんだよ!」
手にしていたバスケットボールを高々と掲げる男性に、周りも同調します。
盛り上がる中、一人の男性がサジータの前に布にくるまれた酒瓶を差し出します。
男性3「姉さん、飲もうぜ!」
サジータ「サンキュ。」
その瓶を受け取ったサジータは、瓶に口をつけてそのまま一気飲み!
豪快な飲みっぷりに周りはどよめき、一気飲みをしたサジータは口元をぬぐって男性に瓶をパスします。
サジータ「美味いバーボンだぜ!」
ますます一同から気に入られたのか、今度は女性陣から瓶が。
女性1「こっちはラム酒よ。」
女性2「こっちはテキーラよ!」
右手にラム酒。左手にテキーラの瓶を持ったサジータはそれも交互に飲み干し、それぞれに瓶を軽やかに投げ返し…
サジータ「っぷは…最高だぜ!!」
一瞬ふらついたかなと思ったらパッと顔を上げて笑顔を見せます。
大盛り上がりの一同に笑いかけて、身を翻し奥へ歩いていこうとすると…
男性1「ああああ、危ない!!!」
全員が一気に顔色を変えてサジータの針路を塞ぎます。
サジータ「な、なんだよ。怖いな。」
男性1「危ないよ。」
サジータ「は?」
男性1「この先はこのダウンタウンでも一番危険なストリートなんだ!」
サジータ「いや、いつも通ってるから。」
構わず歩き出そうとするサジータをさらに必死の表情でとめる一同。
男性1「いやいやいや危ねぇって!」
サジータ「なんだよ!」
男性1「なぜってよ…穴があいてるんだ。」
その簡潔な答えに、サジータが改めて前方を覗き込むと……たしかに!(笑)
納得したサジータは、全員と一緒に下手側に迂回して、舞台の奥へ。
サジータ「…ホントだ。」
男性1「な!この穴は危険なんだよ。この前もよ、陶山って東洋人が落ちたんだよ!
でもな、たまたま流木が下にあって助かったんだとよ。」
サジータ「聞いたことある!大変だったらしいな。」
本名でネタにされてますねぇ。(^^;;
もしわからない方がいれば、武道館ライブの情報をちょっと探せば出てくると思います。とんでもないハプニングでしたから。
ここの落下に対するコメントは日々細かく変わっていきましたね。
16日昼ではサジータは「今回は流木が無いから気をつけないとな。」とコメントしてました。夜は「ああ、こっちも助かったよ。」とその後の展開に影響が無くてよかった事を言っていました。
17日はサジータが「知ってる!危なかったなぁ〜」と言ったら「な、ドンくさい奴なんだよ〜」とハーレムの男性に言われてました。(爆)
男性1「でも姉さん、気に入ったぜ!俺っちの特別な酒をご馳走してやるよ!」
ずいっと差し出した酒瓶を軽く受け取ったサジータが先ほどと同様飲み干そうとしたら、さらに注意が加わります。
男性1「ああでもよ、この酒は飲みすぎ注意だ。
この酒は飲みすぎると、ピンクのゾウが見えるんだぞ〜う。」
サジータ「駄洒落!?」
全員「ピンクのゾウが見えるんだぞ〜〜う。」
サジータ「…ピンクの、ゾウだぁ?」
言いながら、周りはそれぞれ上手と下手へ下がっていき、残されたサジータは首を傾げつつも、瓶をあおります。
すると、舞台中央の奈落からふよふよとした音楽に合わせて…出てきましたよ、ピンクのゾウが3匹!(笑)
思わず目をこすってから改めて凝視するサジータ。
サジータ「み、見えた…!ピンクのゾウ、見えた!
…あはははは……見えた見えた…」
回によっては「はい!見えました!ピンクのゾウ見えましたー!」と敬語で叫んでもいましたね。
曲が始まる直前に、登場時に座っていたベンチにもたれかかって、夢の中へと落ちていくサジータ。
リカ「♪夢のなかで いつも 空を飛んでる ふわふわ
青い空に いまは こころ 溶けてく ふわふわ」
♪ピンクエレファント
アメリカでは酔っ払うとピンクのゾウが見える…らしいですね。酔っ払いでピンクのゾウと言うと、私の場合はディズニー映画の「ダンボ」が真っ先に浮かびました。
まさに、酔っ払ったときに見ていた夢に嫌と言うほど出てくるんです、ピンクのゾウ。(苦笑)
登場したリカは、本当にピンクのゾウの格好をしているんです。(笑)シルエットのイメージとしては、ディナーショウのエリカのクロネコスーツが近いですね。
あれに、頭は大きなゾウの帽子を被っていると思ってくだされば。
のんびりとした曲調ですが、この曲に合わせるダンスはなんとタップ!去年よりも格段とレベルアップしてます。
舞台の中央の最も客席に近い場所に設けられたタップ板で、リカを真ん中に歌い踊っていると、先ほどの住人のうち女性二人、男性二人が戻ってきて背景となっていた看板をはずして即席のタップ場に。
リカ「♪おなかすいた なんか 食べたいけど ふわふわ
レモネードが あんな おっきい海だよ ふわふわ」
歌の途中、サジータはふらふらと立ち上がっておぼつかない足取りで舞台を下手から上手にまわって、夢の世界をさ迷っているようでした。
二番の終わりでは、またベンチに座ってうたた寝。「♪ふわふわ ふわふわ」が続く部分でのリカのソロタップの所では左右のダンサーさんの靴の裏をリカの横に見えるようにポーズをとり、その見えているチップをリカが弾いて音を出す。という振りがとても可愛らしくて好きです。それにしても、こんなにタップを踊りながら歌声が伸びるなんて、リカはすごい!
リカ「♪ふわふわ ふわふわ ピンクエレファント
にこにこ にこにこ いつも笑っている
パオーン パオーン パオーン 空飛ぶ象さん」
最後は、住人の皆さんは看板を元通りに戻して、一足先に戻り、ピンクエレファントたちはそっとサジータの傍に。
しー、と人差し指を立ててサジータの眠りを妨げないようにそっと二匹のピンクエレファントはそれぞれ上手と下手へ。
サジータ「酔っ払ったぁ〜……」
最後に残ったリカは、可愛らしい笑顔で肩をすくめるポーズでキメ!
いやぁ、いいコンボですね。
ここで舞台は暗転。
舞台は鳥が囀る紐育の朝。
双葉さんの曲のイントロが流れる中、街の人たちが登場し背景を素早く反転させて、ダウンタウンから摩天楼へと場所を変えていきます。
その上手側の背景の一つから出てきた一組のカップル。仲睦まじく話、上手の一番手前にある建物にもたれてキスを。その現場を、下手から鞄を片手にやって来た双葉さんが見て声を上げます。
双葉「うわぁ〜街中でキスしてる。(客席のほうを見て)あ、あっちでも。こっちでも!
そうかここは紐育だもんな。それに、世界は男の子と女の子で作られている。
そう、二人の愛で。」
♪それから…
もう、本当にかわいい歌声だなぁと思っていたのですがショウで聴くと違和感はあまり無かったです。
今回は二番をカットした短縮版でした。双葉さんの歌に合わせて、周りでは4組の恋人たちが踊っています。双葉さん自身の振り付けは、まさにアイドルという感じでしたね。
「♪かわいい男の子よ」の部分で、舞台中央に鞄を下ろして、可愛く踊ります。
双葉「♪女の子は 恋を知って 大人になるの
男の子の キスを待って 眠れない夜 数えている」
最後には再び鞄を持って(通りがかったカップルの針路のジャマになりそうだったので、ちょっと慌てて持ってました)
そのカップルを目で追って、上手側で前を見据えてポーズ。
そのまま上手側に歩いて行く双葉さんとは反対方向、下手から一人舞台に駆け込んでくる人物が。
大河「1、2!1、2!1、2!
ぜんたーい、止まれ!1、2!!
いやー紐育は今日も快晴だなぁ〜…よし、運動でもするか!
健全な精神は、健全な肉体に宿る!って言うからな。」
大きく腕を上げて、舞台の真ん中で体操を始める新次郎…って、その動きはいま巷で大流行のあれじゃないですか!!(大笑)
ビリーズ・ブート・キャンプ……入隊する人増えてるみたいですね。
15日の夜では「いや〜晴れたなぁ〜!良かったなぁ〜」と台風が去ったことにしみじみとコメントを。
そんな新次郎を、上手でじっと見つめている双葉さん。やがて新次郎もその視線に気付き…
大河「…って、あれ?(上手側にいる双葉さんに気づいて)
あそこにいるのは…まさか…!?」
双葉「新くん!」
大河「か、母さん!?なんでここに?!」
双葉「新く〜〜ん♪」
鞄を持ったまま、新次郎の元に駆け寄り、その勢いで思いっきりハグ!
…街中でキスには驚くのに街中でハグは自ら率先してOKなんですね。(笑)
にこにこと笑う母に、新次郎はただただ驚いています。
大河「母さん、どうしたの?!なんで紐育にいるの?」
双葉「新くんに会いに来たんだ。」
大河「一人で?」
双葉「もちろん。(肩に手を置いて)どうだ、頑張ってるか?」
大河「は、はい!頑張ってます。」(17日はちょっと気弱に「一応…」と付け加えてました)
双葉「そうか、頑張ってるか。じゃあ、行こう!」
頷きながら、双葉さんは鞄を持ってスタスタと上手に向かって歩き出します。
それを、慌てて追いかける新次郎。
大河「ちょ、ちょっと母さん行くってどこに?」
双葉「もちろん、新くんの所に泊まろうと思ってな。」
大河「え、じゃあ劇場に?」
双葉「劇場に寝泊りしているのか?(頷く新次郎)
それは興味深い。」
あれ?設定混じってません??それとも、今は特訓中で劇場寝泊りとか?
とにかく、行く気満々で上手に向かう双葉さんですが、今度はその腕を掴んで止める新次郎です。
大河「ああ、母さん!もう、早とちりはいつもなんだから。劇場は、あっち。(下手を指す)」
双葉「そうか。じゃあ、あっちに行こう。
さっきな、道を聞いたんだが右か左かよくわからなかったんだ。」
大河「ああ、そういう人いますよね。
(双葉の鞄を見て)持ちます。」
双葉「ありがと。」
新次郎、えらい。
新次郎を先頭に、双葉さんは辺りを見上げながら付いていきます。
双葉「いや〜さすが紐育だな。すごいビルディングだ。
新くんには、狭い日本よりこの紐育で広い世界を見るほうが合っているな。
新くん…(呼び止められた新次郎は足を止めて振り返る)大きな男になれよ。
優しく、愛情がたくさんあって、強い男に!」
母の言葉に、新次郎は素直に頷くと、正面を向いて自分の決意で答えます。
大河「はい。ぼくは、世界中見たいと思っています。
そしていつの日か、大きな男になってみせます!さぁ、行きましょう!」
頼もしくなっている息子に満足げに頷くと、再び歩き出します。
すると、軽快な音楽が流れそれと同時に、下手からスターファイブが全員登場!
スターファイブ登場時に、電車ごっこのように前の人の肩に手を乗せて一瞬出てきたのがなんだかかわいらしかったです。
ダイアナ、サジータ、ジェミニ、リカ、昴と、昴を先頭に出てきたので昴はリカに押される形でしたね。
新次郎が「スターファイブです!」と紹介すると、それぞれに会釈を交わして歌へと入ります。(歌が始まる前に、新次郎は鞄を舞台の奥に置きます)
♪あなたとならば〜アラウンド・ザ・ワールド〜
スターファイブたちでこの曲が聞けたのは素直に嬉しい♪
新次郎、双葉さんを中心に歌い上げます。今回は昼の紐育とロンドン、そしてラスサビの短縮版。紐育、ロンドン共に双葉さんが歌っていました。
歌の途中で、上手から杏里、サニー、プラム(レッドベリー)、ラッシー先生も登場して双葉さんにご挨拶。
全員「♪世界は 回るよ どこまでも
あなたと ならば どこまでも
うれしはずかし 素敵な 夢の旅」
ラスサビではダンサーさんたちも加わり曲の雰囲気にふさわしい華やかなシーンに。
最後は再び鞄を持った新次郎と、その前に腰を下ろした双葉さんを中心にスターファイブ、サニーたちが囲み、中央でポーズ!
OVAでは新たな敵が現れたりして大変なときに双葉さん襲来でしたが、こちらでは何も無い平和な状態みたいですね。
ここで、舞台は暗転し、レースカーテンと共に上の方から大きなスクリーンが下りてきます。
ノイズが走る画面が徐々に鮮明になると、そこにはある人物が映っていました。
さくら「あー…あー、マイク入ってますか?
こちら、帝国華撃団花組、真宮寺さくらです。」
昼の浅草の雷門を背景とした冬服のさくらさん!ああ、ちゃんと帝都にいらっしゃるのですね…と感慨ふけっていると、画面の半分に再びノイズが。
今度は夜のエッフェル塔を背景にしたエリカ!
エリカ「映像チェック、映像チェック!
あ、ちょっと邪魔しないでくださいよ〜!えいっ!」
さくら「あっ!?」
両手をひらひらさせて踊っていたのですが、画面半分なのが不満だったようでぐぐっと押すと、さくらは抑えようとしましたがむなしく画面外へ…
大写しになったエリカは、こちらに向かって思いっきり手を振って叫びます。
エリカ「こちら巴里花組、エリカでーす!
おっはよう、おっはよう、ボンジュール♪エリカですよ〜」
挨拶が済んだ所で、再び画面にさくらが戻ってくるのですが、先ほどの仕返しと言わんばかりにエリカを押して、画面の4分の1サイズにしてしまいました。(笑)
さくら「ん〜〜!!
(姿勢を正して)…真宮寺、さくらです。」
エリカ「ちょっとさくらさん、押さないでくださいよ!」
さくら「エリカさんが押したんでしょ。」
さくらさん、笑顔ですがちょっと怖いです。(爆)
まさにその通りのエリカはぷぅっと頬を膨らませて不満そうな顔を見せます。でも、名案が思いついたのか、あ!と表情を崩してそろそろとさくらに訊ねます。
エリカ「さくらさん…?」
さくら「なんですか?」
エリカ「半分半分にしませんか?」
さくら「…そうですね!」
エリカの提案にさくらも頷いて、お互いに距離を測りあって、ピッタリ半分にして笑いあってます。(ちなみに、こちらから見てさくらが右、エリカが左です)
そして改めてエリカがあたりを見渡して感嘆の声をこぼします。
エリカ「いや〜大型のキネマトロンはいいですねぇ〜」
さくら「はい、大型キネマトロンの実験ですね。」
エリカ「これが世界中に広まったら、すごいことですよ〜!」
さくら「すごいことですか。」
エリカ「そうですよ!だって、これがあれば世界中どこにいたって
世界中どこもかしこも、世界中の誰もかれもが覗けちゃうんですものね!」
さくら「紐育星組どうぞ。紐育どうぞ〜!」
興奮した様子で語るエリカに、さくらも頷きまだ現れていない紐育に応答を求めます。
すると、上手からカウガール姿のジェミニが登場し、ぺこりと画面に向かって頭を下げます。
ジェミニ「はーい!ごめんなさい!
こちら、紐育のジェミニです。」
さくら「こんにちは、ジェミニさん。」
エリカ「こんにちは〜!」
さくら「実験は大成功ですね。」
ジェミニ「はい。こちらの大型キネマトロンに、お二人の姿が映っています!」
手を振る2人に、ジェミニも同様に手を振って映像感度良好なことを伝えると、二人とも改めて髪を整えてました。2人とも、人に見られるエンターティナーですからね。
エリカ「これで、いつでもどこでもサムライトリオが勢揃いですね!」
ジェミニ「サムライ…!」
エリカの発言に、ジェミニははっとした表情になり…自分の妄想の世界へと入っていっちゃいました。(笑)
その間、エリカの発言にツッコミを入れたのはさくらさんでした。
さくら「(顔は正面を向けたまま横目で)いつからサムライトリオになったんですか?」
エリカ「いやだなぁ〜さくらさん、この前決めたじゃないですか!」
さくら「決めてませんよ。」(エリカの方を見て、ぴしっと指を指す)
エリカ「えええーー!?
…じ、じゃあ、今決めましょう!いいですよね、ジェミニさん!」
ジェミニ「はいっ」
上手の方にいたのに、ジェミニはいつの間にか妄想の赴くまま、刀を振るう振りをして下手へと来ていました。(笑)
その返事も、妄想の中のものかも?うっとりとした表情でサムライに思いを馳せるジェミニに気付いたさくらとエリカは、改めて呼びかけます。
さくら「ジェ、ジェミニさん?」
エリカ「…ジェミニさ〜ん!」
ジェミニ「(はっとなって画面へ向く)あ、すいません!」
エリカ「もう、ジェミニさん!お尻なんかかいてないで!」
ジェミニ「お尻はかいてないですよ…」
エリカ「え…あはは。
じゃ、じゃあそういうことで!いいですよね!」
ないない、と顔の前で手を振るジェミニに、エリカは乾いた笑い声を洩らしていました。
どこからお尻をかくという発想に…と思いましたが、エリカですから深く考えないことにしました。(爆)
サムライトリオについて、了承を求めるエリカに、ジェミニは快く頷いたのですが、隣でさくらがぼそっと口を開きました。
さくら「…さくらさんは?」
エリカ「さくらさんも、いいですよね!」
さくら「いいですよ♪」
エリカ「じゃあ、結成を記念して3人で歌いましょ〜!(それぞれに頷く二人)
それじゃあ、音楽スタート!」
エリカが高らかに宣言すると画面に桜吹雪が舞い、桜の花が咲いて色づくとしっとりとした曲調が流れてきます。
♪花雪洞(HANA BON−BORI)
まさか歌を歌うとは思ってなかったので、驚きました。
武道館では三都全員で歌っていたこの曲、今回は映像ではありますがオリジナル版でフルコーラスでした。
一番と二番の間、ジェミニは下手の階段、上手の階段とそれぞれ腰掛けて2人の歌を口を動かしながら見つめて、自分のパートでは舞台中央に立って歌い上げていました。(といっても、この曲は映像とのズレを無くす為か、口パクでした。)
その間、画面の2人は夜の摩天楼の画面をバッグに並んで踊っています。
さくら「♪今年も桜 道の端までピンクに染めて
全員「♪夢の国へとみんな いま連れて行くでしょう」
曲が終わると、ジェミニに当たっていたスポットが徐々に狭まり、暗転へ。
キネマトロン通信も終わり、画面にはリトルリップシアターのロゴが大きく映し出されています。
サニー「いや〜大型キネマトロンの実験は大成功のようだな。」
そこへ、上手から声が。顔を向けるとサニーさんが手を背中に組んで立っていました。
サニー「やはり、アメリカは何でも大きくなくちゃいけないな!
全てに大きく、なんでもビッグに!」
16日の夜公演からは「私のように。」と最後に自分を強調する言葉を加えてました。(笑)
満足げに舞台中央に向かって歩いてくるサニーさんとちょうど鉢合わせするように、レースカーテンの向こうからおずおずと現れる人物が一人。
大河「あの〜……」
大河、としていますがその格好はプチミント!(爆)
その姿を見たサニーさんは満面の笑みですよ。(笑)
今回、衣装が改良されてました。肩が隠れて、肩幅をごまかせるようになってました。でも、化粧が明らかに厚化粧すぎです。(笑)
頬が不自然に赤くて、唇も嫌味なほどピンクな上につやつやしてますよ!(汗)
サニー「いやぁ、似合ってるねぇ大河くん!」
大河「ははは、ありがとうございます。(スカートをつまんで軽く礼)
…あの、でも問題がー……」
サニー「問題ってなんだい?難題かい。」
去年に続き駄洒落ですねー(笑)今年は、さほどつっこまれずにスルーされてましたが。(爆)
さて、言い出したはいいもののどう切り出すか迷っている新次郎はほとほと困り果てた表情で俯きます。
大河「母が来たから女装はヤダって言えないしなぁ…
…そうだ!(サニーの方に向き直り)
あの、サニーさん。ぼくは紐育華撃団の一員として、悪と戦う為にここに派遣されました。
なのに女装をするなんて、どう考えてもおかしいと思います。」
サニー「大河くん、何言ってるんだい。ほら、ニッポンの世阿弥も言ってるだろう。
秘すれば花なり秘せずは花なるべからず。(新次郎を置いて、上手へと向かいながら)
これは、秘密にすることが花だということだよ。この意味、わかるかい?」
大河「はぁ…」
熱弁するサニーですが、新次郎は返事はしているものの、真意はわからないようで首を傾げています。
サニー「秘する意味を知るという事は大事なことなんだよ。
まぁ、まだ君は若い。これからいろいろな事を経験していくんだ。その女装の意味も、いつかわかるときが来るさ。」
大河「…女装に意味があったんですか!?」
サニー「もちろん!全てに意味があるんだ!」
思いっきり怪訝そうな新次郎に、キッパリと言い切るサニーさん。
そこからどう展開していくのかと思っていると、上手からあたりを見渡しながら双葉さんがやってきました。
双葉「新く〜ん、ドコにいったんだ?新くーん。」
その声を聞いた新次郎は慌ててサニーさんの後ろに隠れます。
そのことについて特に何かアクションを起こす前に、サニーさんと双葉さんが鉢合わせます。
サニー「これはこれは、大河くんの母君。」
双葉「双葉だ。」
サニー「失礼、ミセス双葉。」
サニーさんは丁寧にお辞儀をするものの、双葉さんは訂正を求めて、その後に自分も礼をしていました。
サニーさんが動くたびに、それにあわせるように小さく動く新次郎が妙にツボです。(爆)
名前を大事にする方なんでしょうか。
挨拶がすんだところで、双葉さんが本題を口にします。
双葉「いやな、新くんが客席で見ててくださいって言ったきり、慌ててどこかに行ってしまったのだが…」
サニー「ほう、そうですか。
…ああ、新くんならここに。」
大河「ああっ!?」
やっぱり面白そうな方に事態を転がすんだ、このお人は!(爆)
一瞬の間に新次郎の肩を掴んで前に出すと、自分は下手側に数歩離れて傍観者モード。
一方、とうとう母に見られてしまった新次郎と、息子の思わぬ姿を見てしまった双葉さんはしばらく硬直していましたが…
大河「かっ母さん、これには事情が…!」
双葉「…かわいいっ!!」
大河「へっ!?」
サニー「でしょう!あ〜母君もそう思いますか!」
なんとか喉を動かした新次郎ですが、言い募る前に双葉の意外な言葉を聞いてまた硬直してしまいます。
一方、そんな展開に一気にテンションが上がったサニーさんは自信満々に笑みを湛えています。
戸惑う息子の周りを、軽い足取りで周りながら双葉さんはとっても楽しそうです。(笑)
双葉「いや〜なかなかよく似合っているじゃないか。
実は女の子も産みたかったんだ〜けど、新くん一人しか産めなかったんだ〜
(こちらから見て新次郎の右隣で立ち止まり)新くんは、女の子にもなれたんだな。すごいぞ〜!」
大河「いや、なってないですよ!」
双葉「新くん、大きな男になったなぁ。母は嬉しいぞっ」
首をかしげたり、小声で抗議しますが感激している双葉さんは構わずまたもハグ!
双葉さんほど豪胆な方も、そうそういませんよね〜(笑)
これで一段落だろう、と判断したのかサニーさんが声をかけてきます。
サニー「まぁまぁ、親子の事情はそれくらにしておいて…
大河くんはそろそろショウの準備があるだろう。」
大河「は、はい。」
双葉「え、新くんも今夜のショウに出るのか?」
キラキラした表情でサニーの近くに双葉さんが足を進めると「ショウ(そう)。」とまたも駄洒落をかますサニーさん。(爆)
大河親子がちょっとこけてる中、サニーさんは数歩足を進めて新次郎の肩に手を置きます。
サニー「ええ。母君、大河くんはこれから人気者になりますよ〜」
双葉「それは楽しみだな、ミスターサニーサイド。」
盛り上がる2人をよそに、本人はいや、どうかなぁ…と首を傾げ続けています。(笑)
サニー「それじゃあ、大河くん。母君をお席までご案内してあげなさい。」
大河「はい。
母さん、こちらです。足下に気をつけてください。」
双葉「ありがと。」
案内は板についてるのか、すんなりと聞き入れて双葉を下手へと案内していきます。
その後姿を見送ったサニーさんは、一言。
サニー「仲良きことは良き事かな。人生の薬味はサプライズ。
そして、人生の薬味のサプライズはこの劇場にある!」
ばっと両手を広げて高らかに宣言するサニーさん。
なんだか、最近サニーさんのモットーが「人生はエンターテイメント」じゃなくて「人生はサプライズ」に思えてきましたよ。(爆)
そんなサニーさんのもとに上手から駆け込んできたのはワンペア!
プラム「サニー大変よ〜!」
杏里「にゃうん、大変なんです〜!」
サニー「なんだい、2人とも。今度はどんなサプライズだい?」
プラム「もう大人気よ!当日券も完売しちゃったのよ!」
杏里「それでもまだ、たくさんの人が並んでるんです!」
サニー「ファンタスティック!さっそく、立見席を用意したまえ。」
少々のことじゃ驚かないよ、という風情のサニーでしたが、2人の報告を聞いて思わず叫びます。
すぐさま2人に指示を出しますが、2人は余裕の笑みを交わして胸を張ります。
杏里「それはもう、用意しました。」
プラム「嬉しくて、ご報告に来ちゃいました。」
さすが!有能なスタッフで嬉しいですね、サニーさん。
で、帰ろうとする2人ですがサニーさんがすかさず呼び止めます。
サニー「ところでプラム…君はなんで昼の会にしか出ないんだい?」
ズバリ言われたプラムは苦笑いを浮かべて絶句。
隣の杏里は2人を交互に見て様子を窺っています。
サニー「なんでも、噂によると…あくまでも噂だけどね。他の舞台に出ているとか。」
杏里「ええー!?プラム、舞台に出てるの?」
プラム「…じゃ、失礼しまーす。」
驚く杏里やつっこむサニーをかわす為にそそくさと去ろうとするのですが、杏里ががっちりつかんで離しません。(笑)
そのまま舞台中央につれてこられてしまいます。
サニー「まぁまぁ、真ん中に。
なんでも各州を又にかけ、いろいろ公演しているらしいね。名古屋、仙台、山形…」
プラム「そ、そんな州アメリカにはないじゃない!」
サニー「ああ、そうだね。だから噂だよ。
それに、風間杜夫と一緒にやっているそうじゃないか。
いや、違う所で新しい人と組むのはいい経験になるから決して、私は責めているわけではありませんよ。」
プラム「責めてる…」
ぼそっと呟いたプラムさんが切実すぎます。(笑)
サニーさんは笑顔でとんでもない事を言い出す人ですからねぇ〜
サニー「ですから、ぜひとも!パフォーマンスをしてもらいたい!」
でも、こちらはそんなサニーさんの提案に大喜びで乗りますよ。(笑)
サニー「では、プラムが、踊ります!!」
プラム「ちょっ、そんないきなり!」
サニー「いやいや、これはすぐ終わる!すぐ終わるから!音楽、スタート!」
有無を言わさずとはこのことか。(笑)
流れる音楽に合わせて踊りだすプラムさんなのですが、その踊りがまたすごいんです!
身体が柔らかいといいますか…かなりダイナミックな振りつけもちゃんとこなしています。
ちゃん♪と音楽が終わると同時に決めポーズをすると、サニー、杏里はもちろんのこと客席から大きな拍手が。
サニー「さ、それじゃ杏里。ついでに踊ってくれるかい?」
杏里「ええっ!?そんな!」
サニー「はい、音楽スタート!」
まぁ、ここに居たのが運のつきですね。
ということで杏里も踊るのですが、杏里は両手を広げて回ったり、盆踊りのような振り付けでした。ニッポンですね!(笑)
思いがけず2人のダンスが見れた嬉しさで拍手をしていると、誰かが「サニー!」と叫んだので、それがどんどん会場中に広まっていきました。
サニー「聞いたかい、2人とも!喝采だよ!」
プラム「サニーって、言ってるけど…」
それに構わず話を進めようとするサニーですが、プラムが逃しません。(笑)
プラムがサニーの台詞を止めたことで一層声援が大きくなり、とても逃げられる方向じゃありませんよ。
ワンペア「それじゃあ、音楽スタート!」
で、踊りだすサニーなんですが……なんだか、すごい珍妙というかなんというか(笑)
この人が踊ると、なんでも独特になってしまうのでしょうか。(爆)
曲が終わり、拍手を受けるサニーですが、それを手で制して静かに一言。
サニー「…私はオーナーです。
(腕を大きく広げて)これがサプライズだ。ホントのサプライズですよ。
みなさん、乗せ方がうまいですね。」
サクラのショウに長年付き合っていますから。(笑)
これで一段落、だったようでサニーさんは上手にいる二人の方へ身体を向けます。
サニー「それじゃあ、2人とも。準備のほう、よろしく頼みます。」
ワンペア「イエッサー!」
元気よく返事をした2人は、仲良く並んで上手へ。
残ったサニーは「それでは、私もショウの準備がありますので、これで!」と下手に去っていきました。
―――レッドベリー編
上手からやってきたのは、レッドベリー。別段興奮した様子も無く、無愛想なままです。
レッドベリー「オーナー。大変です。」
サニー「今度はどんなサプライズだい?」
レッドベリー「切符が足りません。」
サニー「どういうことだい?」
サニーが驚いて振り向くと、レッドベリーは腰に手を当ててぶっきらぼうに説明を始めます。
レッドベリー「だから、当日券も全て完売してしまったんです。それでもまだ、たくさんの人が並んでるんです!」
サニー「ファンタスティック!すぐに、立見席を用意しなさい。そんなことは、現場で考え処理するものだろう。臨機応変にね。」
レッドベリー「…わかりました。」
大喜びのサニーさんの指示を実行するべく、上手へ戻ろうとするレッドベリーですが、2、3歩進んだところでサニーの呼び止められて、舞台中央を示されます。」
サニー「ああ、レッドベリーくん。ちょっとこっちへ…踊りなさい。」
レッドベリー「は?嫌です。」
サニー「いいから、さっこっちに来て。」
レッドベリー「嫌です!」
サニー「音楽スタート!」
腕を引っ張って、舞台中央に立たせたサニーさんは、すかさず離れて合図を!
流れてくる音楽に、仕方なく踊りだすレッドベリーですがその顔は笑顔なんですよね〜振り付けも相まってかわいい!
そんなレッドベリーの姿に、客席からは大きな拍手が。
サニー「レッドベリーくん、この音を聞いたかい?
アプローズ、喝采だよ!私たちは、この音を忘れてはいけない。
私たちはこの喝采に全てをかけているんだ。それがエンターテイメントってことだよ。」
それを聞いたサニーさんは嬉しそうに語りかけますが、レッドベリーの心には響かなかったようで素っ気無い様子で上手へと足を進めて行きます。
レッドベリー「あの、あたしこの劇場を見直しました。こんなに人が集まるなんて…
(サニーの方を見て)あたし、人が集まる劇場は、認めます。」
サニー「…キミに認められて嬉しいよ。」
さらにサニーさんが言葉を重ねようと口を開きかけたのですがそれには構わず言いたいことだけを言って上手へと消えて行っちゃいました。
サニー「あ……いや、たしかにお客様に来てもらうこと、それは大事なことだ。
しかし本当の喜びは、その先にあるんだけど…行っちゃったな。
では、わたくしが…」
にこやかに笑って両手を広げたのでこちらが色めき立っていると、ぱっと手を下ろしてしまいます。
サニー「と言いたいところですが、まだまだ準備があるんです。
では、また後ほど!」
右手を上げてそれだけ言うと、サニーさんは足早に下手へと去っていってしまいました。
――――――
そのサニーさんと入れ違いで上手から現れたのは、ラッシー先生!
ステップを踏みながら登場です。(この間に、舞台には紗幕が下ります。)
ラッシー「ワン、ツー、スリー、フォー。ツー、ツー、スリー、フォー
華麗にに回って、ターン!
…はい、出演者のみなさん、スタッフのみなさん、ダンサーのみなさん集まってくださーい。
皆さんは、今日のこの日のためにたくさんたくさん、ベリーたくさん!稽古をしてきました。
しかし、ショウは発表会ではありません。稽古どおりやればいいってものではないのです。」
どうやら、客席側に今回のショウに関わる全ての人が集まっているという設定みたいですね。
語りながら、ラッシー先生は舞台の方へと足を向けていきます。」
ラッシー「ショウで大切なのは、お客さんへのアピールです。
その第一は、笑顔です。スマイル!
スマイル。スマイル。スマイル、スマ〜イル!笑顔は、お客様を幸せにします。
第二に…エロス!」
このエロスの言い回しが「エロォス」という具合に、かなり艶かしかったです。(爆)
この時点で、ラッシー先生が居る場所は舞台の中央あたりです。
ラッシー「舞台とは、生の肉体。身体の曲線。腰、胸、首筋、アンド手先!
お客様の視線をぐいぐい、ぐいぐいぐいぐいと惹き付ける魔力!それが!…エロス。
そして最後に、アガペー。
アガペーとは、愛です。皆さんが一生懸命歌い踊ると舞台の神様が愛してくれます。
その愛を感じたとき、みなさんは舞台に立つ意味がわかるのです。
その時、皆さんは劇場を包む愛の1つ、ひとつとなっていることでしょう。
お分かりいただけましたか?(客席が拍手で応えると、満足そうに小さく頷く)ありがとう。」
ちなみに、アガペーとはギリシャ語起源の言葉で、ラッシー先生の説明どおり神様の愛。無償の愛。を示す言葉だそうです。
この時点でラッシー先生は下手へと到達しています。ふと、客席の奥を見つめて個別に声をかけます。」
ラッシー「ああ、新次郎くん。新次郎くん!
稽古熱心なのはいいことだけどね、その…君がいまやってるそのダンス。
ワタシが振付けたダンスなんですけどね、新次郎くんが踊るとなんだか様子が…変!」
ああ、相変わらず新次郎は空回ってるんですね;;
うん、がんばれ新次郎!
ラッシー「…さあ、オープニングショウがはじまります。
心を込めて、歌い、踊ります。がんばりましょう!」
最後は静かに締めて、ラッシー先生に当たっていたスポットが消えると、荘厳な音楽が流れて舞台の幕が上がります。
ほの暗い、青い照明が照らす舞台の中央にはピッタリとしたノースリーブにロングスカートの女性ダンサー。
曲調に合わせて舞台に広がると、その中からダイアナ演ずるピンカートンが登場。その後には、ダンサーさんを挟んで蝶々さんも隠れています。
ピンカートン「♪ガラス細工の 白い蝶々のように 愛の真実は 壊れやすい」
♪マダムバタフライの夢
曲は「愛の花」そのものなのですが、他の公式記事を見ると、曲名がこうなっていたので。去年とはまったく違う振り付け、衣装。セットも、昨年は障子窓がありましたが、今年は舞台の後方に真紅の布が敷かれているのみ。
ピンカートンは見た目はあまり変わりませんが、蝶々さんはすぐにわかります。昨年は赤に緑色が目立ったのですが、今年は全てが真っ赤。帯も足袋も。簪も白い花ではなく、小さな赤い蝶が3つ付いたものに。ピンカートンの白い軍服と全てが対照的に見えます。
ピンカートン「♪夢に見た 愛の花よ 異国の地に咲く 愛の花よ」
蝶々 「♪私ひとりで 祈りました あなたの神様に 祈りました」
互いに目は合わさず、ダンサーが2人を隔てる中、ピンカートンは青い照明の下で。蝶々さんは赤い照明の下で歌い上げます。
「♪たとえ嵐が来ても 繋ぎ合ったこの手を 離さないで」で寄り添う二人ですが、直ぐに邪魔が入り離れ離れに。
歌いながら、ピンカートンは上手側の舞台奥へ。蝶々さんは、上手の方へ向かいます。
「♪可愛い人 ある晴れた日に あなたはその青空 瞳に映して わたしの名を呼ぶ」で、ダンサーの一部が上手に素早く入り、真っ白な扇を持って戻ってきます。ピンカートンは歌いながら、高台になった舞台を下手へと歩みます。
最後の盛り上がりでは、ピンカートンが居る舞台奥がせり上がり、赤い布がそのまま段を隠すように、また広がるように一緒に上がって行きます。
蝶々さんの後ろからは白い布が下りてきて、ダンサーがそれを素早く広げて形を整えると、彼女たちはスカートが広がるようにターンをしながら舞台に倒れます。
「♪おどまかんじん かんじん あん人達ゃ よか衆 よかしゃよか帯 よか着物(きもん)」に合わせて右手に掲げられた扇を次々に落として、微動だにしなくなりピンカートンには白い花びらが。蝶々さんには赤い花びらが降り注ぎます。
ピンカートンが空を仰ぎ、蝶々さんが前を見据える中、幕が静かに下りていきます。
昨年よりも、より精神面を重視した作りに、この歌の新たな魅力を見たような気がします。
一幕の終わりに見た素晴らしい舞台に惜しみない拍手を贈り、その余韻も終わる頃、幕前に照明が入り、下手から新次郎がやってきます。
大河「1、2!1、2!1、2!(中央まで行かずに、下手で止まる)ぜんたーい、止まれ!1、2!
只今より、20分間の休憩です。」
休憩と伝える前に、掛け声が入った日は「ありがとうございます!」とか「でっかい男になってみませす!」とかその言葉に応じた返しをしていました。
大河「休憩の後、紐育レビュウナイト、第二幕をご覧頂きます。
それからですね、グッズのほうがたくさん発売しています!
パンフレットやブロマイドはもちろんのこと、今回は
公演記念Tシャツやオリジナルネクタイ。
それから、このショルダーバッグ。こちら、ぼくの私物となっています。」
このショルダーバッグ、意外と人気があったらしく、2日目からは「今回の公演の分は完売になってしまったのですが」と付け加えてました。まだ、後日の分は確保してあるとお知らせしてました。
大河「それから、クリームパフ!こちらは日本ではシュークリームという名前で発売されてますね。
それからですね、このバッグの中から…じゃじゃん!
こちらも、ぼくの私物なんですけども、カードケースとなってます。
これはスイカやパスモ、イコカなどを入れてもらうことができます!
コレに入れると、改札でエラーがおこりにくくなる!という優れものです。
たまにありますよね、チャージしてるのにガチャンって閉まっちゃうのが。
おこらなくなる、じゃなくてあくまでもおこりにくくなる!ということで。」
そこは、くれぐれも強調なのですね。(笑)
大河「バッグから団扇を取り出して)いや〜それにしても今日は暑いですね〜こう暑いと団扇が欲しくなっちゃいますね〜
(手元を見て)ああ、これは!!(笑)
はい、公演記念団扇も販売しておりますので、是非とも売店にお立ち寄りくださいませ。
それでは、また第二幕でお会いしましょう!大河新次郎でした!」
もう、初日は「そして今回の目玉はですね」とカードケースのみ詳しく紹介していたのですが、回を増すごとに紹介が長くなっていきました。(笑…初日初回は、ショルダーバッグをかけてませんでしたし。)
16日夜公演ではネクタイまで仕込んでました。「それから、お気づきの方もいらっしゃると思いますが…」と言ったら、客席からネクタイ!という声があがったのでベストの中にしまってあるネクタイを前に出してアピールしてました。「こちら公演記念ネクタイとなっています!もちろん、これも私物です!(笑)これから普段でも使っていこうと思っています!というわけで…ちょっとしまうのに時間が掛かってますが」と去る前に加えてました。「ぼくがネクタイを前に出しているのは珍しいですよね。」とも言っていたような?
もう、セールストークがうまいです。(笑)
去っていくときも「1、2!1、2!」と声を出しながら下手へ向かっていました。
さて、休憩時間。こちらも第二幕に備える時間ですね。
ではまた、20分後に!
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