それを合図に音楽が流れ、舞台の幕が上がるとそこは紐育・ブロードウェイに燦然と輝くリトルリップシアター!
羽を背負ったレビュウ衣裳のダンサーさんたちに囲まれて後姿でスタンバイしているのは下手からプラム。杏里。そしてその中央にはサニーサイド!
♪ここはパラダイス
やはり、レビュウショウの幕開けはこの曲から!
第一回公演と同じ、きらびやかなタキシードに身を包んだ三人が高らかに劇場の素晴らしさを歌います。
「♪破産しても絶望しても」で上手からレッドベリーが
「♪いいじゃないか またやり直そう」で下手からラッシー先生が踊りながらステージに現れ
「♪今夜はあなたが主役だ」で大河が舞台の奥に設置された階段の上へ現われてスターを支えるシアタースタッフが勢ぞろい!
一番のサビは上手側にプラム、サニー、杏里。下手側にラッシー、大河、レッドベリーが向かい歌い上げます。
そして、間奏に入ったところで舞台中央奥の階段からスターファイブが登場!!下手からダイアナ、サジータ、ジェミニ、リカ、昴が並ぶ王道パターン!
全員、今回初のレビュウ衣裳に身を包んでいます!
サニーさんが曲調に合わせて各スターたちの名前を呼ぶとそれに呼応してポーズを解きダンスを踊るスターファイブの面々。
全員の紹介が終わると、踊りながら堂々と舞台前方へ。「Now
Let's Dance!」「Just Sing a
Song!」では息の合ったダンスを披露。そして……
サニー「ラチェット・アルタイル!!」
間奏が終わりに差し掛かったところでついにラチェットさんが階段上に登場!!
ひときわ大きな拍手に包まれながらサジータとジェミニの間へ。
二番からは全員が勢ぞろいした状態でより華やかに、より高らかに!!
最後のサビでは下手からダイアナ、ラッシー、サジータ、プラム、ラチェット、サニー、ジェミニ、杏里、リカ、大河、昴、レッドベリーと一列に並んで高らかに歌い上げ、
ラストは下手側にラッシー、大河、レッドベリー。中央にダイアナ、サジータ、ラチェット、ジェミニ、リカ、昴。上手側にプラム、サニー、杏里が向かい、それぞれにポーズ!!
リトルリップシアターならではのオープニングに早速大興奮で拍手を送っていると舞台はしばし暗転。
その間に、スターファイブを残して他の面々は舞台袖へ。紗幕が下りたステージ前に並んだスターファイブ。
ジェミニにスポットがあたり、時が動き出します。
ジェミニ「ここは華やかなブロードウェイ!
ワクワク、ドキドキ。
でも、それは夜の顔…」
♪街の灯
ジェミニが歌う中、他の面々は思い思いに空を見上げています。
ダイアナは膝立ちになり、膝に手を添えて。サジータは腕を組んで。リカは片膝を抱えて座って。昴は背を見せるように斜めにまっすぐに立って。
ジェミニ「♪午後の陽射し 街角のカフェで 頬杖ついて
故郷(ふるさと)を捨てた あの日の事を思い出してみる」
曲調が変わる前に、紗幕が上がるとそこには摩天楼を表すセットが。
中央で歌うジェミニを残して、他の面々はそのセットに寄り添うように後ろへ。そして
ジェミニ「♪この街は 夢を叶えてくれる ドリームシティ
この街は 夢を台無しにする ナイトメアー」
ここでそれぞれソロダンスが!
ダイアナ、昴、サジータ、リカと間をあけず続き上手、下手へと交互にはけていきます。
残ったジェミニも歌いながらソロダンスを披露!(ジェミニはちょうどナイトメアーの部分でした)
ジェミニ「♪街の灯り 夜を輝かせ
まばゆい光の洪水が あの夢この夢 映し出す
街の灯り この腕に抱いて
みんながスターに憧れて 魔法の時間が 流れゆく」
ブロードウェイで毎夜繰り返される夢を歌うジェミニは、やさしい笑顔で中央のセットにある階段部分に腰かけて空を見上げます。
そのジェミニを乗せたままセットは下手奥へと下がり徐々に小さくなる曲調に合わせてスポットも徐々に細くなっていきます。
ですが曲が完全に聞こえなくなる前に次の前奏が。
プラム「♪きらめく夢」
杏里「♪輝く夜」
二人「♪ここはすべて 叶う場所だ
ブロードウェイ!ブロードウェイ!ブロードウェイ!」
♪バラ色の人生
下手からプラム、上手から杏里が登場し(衣装はオープニング同様タキシード)歌い上げると曲調に合わせて次々にブロードウェイに夢をかけるダンサーたちが登場し、場は一気に華やかに!
プラム「♪ああ バラ色の人生 ああ 世界中ショウアップ」
二人「♪さあ カバン一つ 持って 外へ飛びだそう
未来が待っている」
この部分で、歌詞通り上手の舞台奥から大きなカバンをもって駆け込んでくる一人の女性が。
ダイアナさん扮する田舎娘。夢だけをカバンに詰めてやってきたブロードウェイの華やかさに右を見ては驚き左を見ては圧倒される。
プラムや杏里に値踏みされるようにつま先から顔までを見られて思わず倒れそうになるところを男性ダンサーに支えられてなんとか事なきを得る。
二人は、それぞれに娘の手を取りこの世界へと導く。
杏里「♪ああ ライトが照らす」
プラム「♪ああ あなたこそスター」
ふたり「♪すべての若者が 夢の扉を持っている
開け!
Open the
Door!」
娘を囲み、全員がこの場所を歌い上げる。
プラム「さっ!ここがブロードウェイよ!」
二人「♪開け! Open
the Door!」
杏里「あなたの未来があるわ!」
二人「♪開け! Open the
Door!」
娘「私の…未来!?」
肩に手を置かれて、唐突に差ししめられた道に目を大きくあけて驚く娘。
にっこりと二人が微笑む。
二人「♪ブロードウェイ!ブロードウェイ!ブロードウェイ!」
プラム「♪きらめく夢」
杏里「♪かがやく夜」
タップのステップを確認する人や体力作りにいそしむ人たちを後ろに、娘は両手にいた二人の間から一歩出て胸を張る。
娘「あたし、シェークスピアが得意なんです!」
プラム「(ぽん、と娘の肩を叩いて下手へ)ブロードウェイで大事なのは、歌と踊り!そして、かわいい笑顔なの!
演技はその次よ。」
杏里「大切なのは、プロデューサーに気に入られること!」
娘「(うろたえて)あたし、踊れません!」
プラム「踊れなくたって、あたしはダンスが得意ですって言うのよ!
さっまずは売り込みからよ!」
二人のアドバイスを受けて、三人は上手へ。
すると、下手からフォーマルタキシードを着こなす男(ラッシー先生)が着飾った女たちに囲まれてやってきます。
プロデューサーの目に止まろうと、自慢のダンスを見せますが、どれを見てもプロデューサーは渋い顔。
そこへ、二人から背を押された娘が前へ。一際大きな声でプロデューサーへ話しかけます。
娘「あたし、踊れます!誰よりも上手に踊れます!!」
娘の全身を見たプロデューサーは顔に笑みを乗せると、彼女に握手を求めます。
けれど、その手を娘が握る前に取り囲んでいた女性たちが割って入りそう簡単にはいきません。
でもプロデューサーは娘の手を取り、踊る女性たちの中へと導き踊ってみなさい。とダンスを促します。
最初こそうろたえていた娘ですが、すぐにほかの女性たちと一緒にステップを踏み出します。
満足げにそれを眺めるプロデューサーですが、下手から「ニューヨークタイムス」を手にした男(武田)が駆け寄ってきた言葉に顔色がさっと変わります。
男「ラダクシさん!ニューヨークタイムスに劇評が出ました!
酷い書かれようだ!目も当てられない失敗作!こんな酷いショウ見たことがない!!
歌はゴミ、本はクズ!これは舞台への冒涜である!!」
吐き捨てるように書かれた文章を述べると、奪うように新聞を手に取り劇評を自分の目でも確かめたプロデューサーは思いつめた表情で新聞を男につき返すと懐から銃を取り出し…こめかみへ。
ためらう様子も見せず、引き金を引くと周りからは悲鳴が。
でも、それも一瞬ですぐに場は元の様子に包まれ時が流れだす。
杏里「新聞に叩かれたら、ショウはおしまい!」
プラム「グッバァ〜〜イ(男に引きずられ、プロデューサーは下手へ)
それでも、次から次へとショウができる!」
杏里「ここでは夢が叶うから!」
プラム「めげないこと!」
杏里「さっ自信を持って!」
娘「あたし、夢への扉を開きます!!」
舞台中央で両手を広げて高らかに宣言した娘に下手のプラム。上手の杏里が微笑みます。
ラストは、娘もダンサーに混ざり夢を追う若者へ。
プラム「♪きらめく夢」
杏里「♪かがやく夜」
二人「♪ブロードウェイ!ブロードウェイ!ブロードウェイ!」
ラストは、鞄を手に中央に立つ娘の前にプラムと杏里が膝をつき、袖から戻ってきた武田やラッシー先生も加わりポーズ!
ブロードウェイを語る大ナンバー、お見事でした!!!
そう、ここは夢を追う者が集う街!
ですが舞台が暗転し、紗幕が下りると場面は一転し……華やかさとは程遠い海のど真ん中へ。
そんな何もない場所へ上手から現れたのはなんとダンディ団ボスと西村!!
いつものスーツではなく、ボロボロの服を着ています。髪もセットしていません。
これまたぼろぼろのダンディ号に乗っての登場です。(これは…OVA轟華絢爛「水のある街」で登場したあれですよね)
ボスは船首に立って、子供用のピンク色の浮き輪をつけて。西村は釣竿を海に下げながら歌い上げます。
ボス「♪船はゆくゆく〜〜 素晴らしい夢のせて〜
あの町」
西村「♪あの町」
ボス「♪この町」
西村「♪この町」
二人「♪素晴らしい船旅行〜〜」
パフ!パフ!と浮き輪についているおもちゃの音を鳴らして曲を締めると拍手が。さすがボス!無駄に良い声は健在です!!(爆)
日によってこの音が鳴らないときもあり、その時には「鳴らねぇな、これ。」とつぶやいてました。
ボス「ありがとう、ありがとう。お魚さんたち。
懐かしい顔ばっかりだよ。」
ええ、今の元曲もばっちりわかりましたよ。(笑…バスは行く行く夢乗せて、ですね。)
それにしても…これがボスが最後に言っていた「身の振り方」?と思っている間に二人の会話が始まりました。
ボス「海はいいなぁ〜」
西村「いいっすねぇ〜」
ボス「それにしても…腹減ったな西村。」
西村「そうっすねぇ…ここは大西洋のど真ん中。きっと、いろんな魚がいますよ。」
見てて下さい!と意気込んで釣竿を下げますが…手ごたえはあったものの、途中で根負け。
西村「あっ……バレた…」(釣り用語で魚が逃げること)
ボス「ダメじゃねぇか。」
西村「よーし、今度こそ…うりゃっ」
ひゅんっと竿を投げますが…その釣り糸は後ろで引っかかってますよ〜
西村「おっきたきた!!」
ボス「…おい。」
西村「こりゃあ大きいですよ!」
ボス「…おい、なに釣ってんだよ。」
ボスの口元で。(笑)
大きく口を開けてひっかかった釣り糸でしゃべりにくそうでしたが、なんとか気づいてもらい振り返った西村にはずしてもらっていました。
西村「ボス、いくら腹減ってるからって魚の餌食べないでください。
(外した釣り糸に新しく餌をつけ直す)よーし、今度は遠投…それっ!!」
おお、飛んだなぁとボスが感心していると、今度こそ本当にヒット!!
西村が懸命に竿を立てて魚と格闘しています!
西村「おお!デカイっす!赤ザメかもしれません!(笑)
…うりゃーー!!」
気合いで西村が釣り上げた魚はなんと鯛!しかも大きい!!
ボス「おお、めでてぇめでてぇ。さっそく、さばいてくれ。」
西村「はい!(魚を船の陰へ)……ヘイ、お待ち!!」
ボス「早ぇな。」
ええ、まるで最初から作ってあったものを出したかのようです!(笑)
ひとまず西村の見事な手腕で刺身になった鯛を二人で食します。
船盛りなのですが、船がちゃんとダンディ号モデルで、旗に「花組丸」って書いてあるのがなんだか嬉しいですね。
―――――
ちなみに、この魚微妙に日替わりです。
28日の昼ではすごく細長い魚でしたよ!しかも、船の上に乗らず、海原に投げ出され…西村が「ちょっと、泳いで取ってきますね。」と船を下りてザバザバ泳いで手にしていました。(笑)
ボス「そりゃなんだ?」
西村「ウツボです!」
ボス「ウツボもうまいんだよ。さっそく、さばいてくれ。」
でも生き造りは同じなので(笑)何かが違う気がするとつっこむボスに「細かいことは気にしない!」と強行する西村でした。
夜は鯛でした。
29日はなんだか黒い魚。
西村「おっ?カツオかこれ?」
ボス「マグロじゃねぇか?
ま、なんにせよ早くさばいてくれ。」
で、出てくるのはやっぱり鯛のお頭な船盛り。(笑)
ボスが「早いけど、これは鯛だ。」とつっこむと、またも西村「細かいこと言うな!」と押し通していました。(笑)
まぁ、美味しければ良しですよね。
30日昼はなんか、すさまじかったですよ!!
西村が「よーし、赤ザメ狙ってみるか!」と気合を入れて海へ向かい釣竿を振って、辺りを見渡します。
西村「どこかにいるはずなんスけどね!」
ボス「声ぐらい聞こえるかもしれねぇな。」
と、ボスが耳を澄ました瞬間…客席という海原から「ゲヒゲヒ!!」という声が!!(驚)
ちょっ!えっ!?ほ、本物の赤ザメくんがどこかにいる〜〜〜!!!!2階下手側ボックス席あたりから聞こえる!(笑)
「お前ぇらに捕まる俺様じゃねーや!!」と反論まで!それを受けてボスが西村に話しかけます。
ボス「捕まらないらしいぜ。」
西村「くっそー…鮮度が悪いから止めだ!!」(笑)
鮮度、悪いんですか。(笑)
もう一度、竿をふる西村。今度はヒット!「きましたよ、これ!赤ザメじゃないことだけは確かです!」と言って釣り上げたのは…ロブスター!!
意外なものが釣れて驚く二人ですが、さばいて出てくるのはいつもの船盛りです。(笑)
いやぁ……まさに、サプライズな出来事でしたよ。今日は花組さんが見に来ていたのですね。
30日夜公演でもこれまでと違ったものを釣り上げていました。
今回はイカとカニ!イカの足にカニが絡まるような感じでしたね。西村も「イカとカニのダブルです!ラッキ〜!」と上機嫌です。
…でも、出てくるのは船盛り。(爆)
ボスが「カニがない。」とつっこみを入れると西村は「そうカニ!」とダジャレで返していました。(笑)
31日昼公演では、またもウツボ。
西村が船盛りを出すと「早〜い、けど品物が変わってしまったな!」とネタに関するツッコミは忘れないボスでした。(笑)
―――――
ボス「うん、うまい!」
西村「日本人は、やっぱり刺身っすねぇ〜」
二人で刺身をぱくついていましたが、ふと西村が船縁に手をついて辺りを見渡します。
西村「しかし、行けども行けども波ばかり…アメリカ、遠いっすね。」
ボス「まだほんの一ヶ月…人生の長さに比べたら、ほんの瞬きよ。」
西村「…さすがボス、言うことが違いますねぇ〜!」
ボス「人生は常に前向きに。くよくよしててもしょうがねぇだろ。」
銀座のギャング撲滅キャンペーン以来、どうしているのかと思っていましたが…さすが、ボスと呼ばれるお方なだけあります。
西村も、だからこんな大西洋を横断してアメリカへという無茶についてきているのでしょうね。
西村「ところでボス、本当にアメリカでダンスを習うんすか?」
ボス「ああ。本場のギャングは踊るんだ。映画で見たんだ。
カポネもコステロも、タップの名手だった。」
西村「歌もですか?」
ボス「歌もだ。♪オ〜〜ソーレミ〜ヨ〜〜」
おお、無駄に良い声だ!!(笑)
がんばれ歌って踊れるギャング団!!
と、ボスが良い調子で歌いだしたのですが、同時に突然あたりが暗くなって雷鳴が轟きだす!
西村「ボス、嵐ですよ!!」
ボス「♪オーそ〜〜ら見〜〜よーー!」
西村「(船底を見て)うわー!船に穴があいたーー!!」
ボス「♪クヨクヨするな〜〜」
海水がどんどん船に入っていくのを、西村が必死で小さなタライを使って外へ出すのですがとても間に合わず…
さすがにボスも危ないと思ったのか、声をひと際張り上げて…
ボス「♪たすけーて〜〜〜!!」
西村「歌ってる場合ですか!!」
歌っていたのですが、西村にスパンっと後ろからタライでつっこまれて真面目モードに。(31日夜は、この「♪助け〜〜て〜〜〜!」が一段と気合が入っていました)
本格的にヤバいと悟ったのか、二人で急いで船を下手へ進めるのですがその前にはボスたちと同じ身の丈はある波が立ちはだかります!
西村「高波だぁ〜〜!!」
二人「うわぁぁぁ〜〜〜!!助けてぇ〜〜〜!!!」
ザザザザザッ…と波に飲まれる二人。
そのまま暗転……って、そんな大ピンチな場面で!!
そんな事を言っても、場面は変わるわけで…紗幕が上がり舞台に照明が入るとそこはなんとも珍妙な部屋。
天井には鯉のぼり、舞台奥の雛壇のような階段の上には富士山の巨大絵、上手でひときわ目立つ巨大な招き猫。上手にはなぜか女物のカツラを被ったお地蔵さんや赤の色内掛けもあります。
それらを下手の長椅子に座り、扇子であおぎながら眉をひそめているのは大河の母、双葉さん。
ちなみにこの長椅子の後ろには金の屏風、長椅子に影を作る傘があります。
双葉「なんだ、この部屋は……(パチン、と扇子を閉じて手に持ったまま立ち上がって舞台中央へ)
どうして日本好きという外人はみんな間違っているんだ?
テンプーラ、スシ、フジヤーマ!Oh、ゲイシャ〜!
スモウレスラー!どすこいどすこい!はい、ごっつっぁんです!
いよぉ〜〜!!ポンッポンッ…ポンポンポンポンポンポンッ(上手奥へと回りこみ、キッと下手を睨む)
(腰の刀を抜いて)チェストー!てりゃーズバッ!とりゃーズビシッ!
…くるくるくるくるくる〜カシンッ(鞘に戻す)
今宵も虎鉄がないている…
…サムライ、サイコー!!やったー!やったー!!」
すごい、双葉さん…外人の間違った日本感を完璧に理解していらっしゃる!(笑)
ゲイシャではかわいい声だったのに、スモウレスラーのときは野太い声だったり張り手までしたり
扇子を刀に見立ててサムライのチャンバラまでやりきって、さすがです!!
やったー!やったー!!で手をあげて飛び跳ねているところへ
レッドベリー「やったーー!」
下手から突然レッドベリーが乱入!
突然の参加者にびっくりした双葉さんが慌ててやめると、レッドベリーも顔に不機嫌を浮かべて腰に手を当てて双葉を見ます。
双葉「なんだ?」
レッドベリー「あなた、何やってるんですか。ここ、サニーさんの部屋ですけど。」
双葉「…新くんを探していてな。」
レッドベリー「(上手へ行きながら)新次郎なら、頭抱えて悩んでましたけど。」
双葉「(レッドベリーの後を追いながら)えっ!?…それは何故だ?」
レッドベリー「さぁ?どうせまたサニーさんに無理難題を言われたんでしょうけど。」
双葉「まぁ…かわいそうな新くん。」
レッドベリー「…まぁ。かわいそうな、新くん。」
下手で両手を胸の前に当てて瞳を潤ませる双葉さんでしたが、その後ろでマネをしたレッドベリーにぐるりと振り向きます。
双葉「って!なんかトゲがないか?」
レッドベリー「いい加減子離れしないと、新次郎が自立できないんじゃないですか?」
双葉「そうか?手助けできるものなら、親はいつでも子供のためになにかしてやりたいものではないか。」
レッドベリー「それ、馬鹿親です。」
双葉「子供がかわいいからだ。子供を愛しているからだ。
それを馬鹿だと言うなら言うがいい。
私は、この命に代えても…あの子を守る。」
最初こそ、小馬鹿にする様子で双葉さんの言葉を聞いていたレッドベリーですが
双葉さんの嘘偽りのない深い深い愛情を垣間見た言葉に、伏し目がちになり薄笑いの表情を引っ込めます。その顔はどこか悲しそうで、寂しそうで…
双葉「…君のご両親は?」
振り返り、何気なく問われた言葉にハッと表情を引き締めて、下手側へと歩きながら吐き捨てるように答えます。
レッドベリー「…そんなのいないわ。」
双葉「いない?」
レッドベリー「(立ち止まり、腕を組む)捨て子だもの。」
双葉「…そうか……すまなかったな。」
レッドベリー「別に、謝らなくてもいいわ。」
双葉の方を見ず話すレッドベリーに、双葉さんは真剣な表情を向けて呼びかける。
双葉「レッドベリーくん。新次郎を、よろしく頼む。」
腰に手を添えて、真面目に頭を下げる双葉を見たレッドベリーは戸惑うような表情をみせるが
双葉さんはそれには何も言わず、微笑みだけ返して下手へと颯爽と歩いて行く。
レッドベリー「双葉さん……」
その後姿を見送りながらレッドベリーが呟く。
ぶっ飛んだ部分がつい目立ってしまう双葉さんですが、とても愛情深いお母様ですよね。
大河「ああ、ダメだダメだ〜!!さっぱり思いつかない!!」
そんな、静寂を破ったのはどこからか聞こえる大河の声。
どこ?とレッドベリーが見渡すと、上手に置かれた巨大な招き猫の顔の部分が開いて、新次郎の顔が!!
びくっと驚くレッドベリー…そりゃそうですよね。あんな所から人が現れちゃあ…しかも、招き猫の後ろから出てきた大河の恰好が又ね…プチミントなんですよ。(笑)
レッドベリー「新次郎!?なにしてるの?」
大河「サニーさんに今度のショウの構成を頼まれたんだけど、良いアイディアが思いつかなくて…
それで、サニーさんみたいにサプライズなことをしたらなにか思いつくかなぁ〜って思って…」
レッドベリー「それで…プチミントでその中に?バッカじゃないの!?」
いつものキツイ口調でつい言ってしまったレッドベリー。
きっと普段の新次郎なら、突っかからなかったのでしょうけれど、今日の新次郎は思い悩んでいたため、俯き気味だった顔をあげて反論します。
大河「…はい。どうせぼくはバカです!
(再びうつむいて、目もとを拭う)………ぼくはバカだっ」
泣きながら、招き猫の後ろ…というか中に入り込み小さく「バカだっ」ともう一度言って招き猫の顔を閉じて閉じこもってしまいます。
レッドベリー「ちょっと、泣かないでよ〜!…もう、ホントにバカって言ったわけじゃないんだから!新次郎〜!」
思ってなかった展開に焦ったレッドベリーは、優しめに声をかけながらその後を追って招き猫の後ろへ。
二人の姿が舞台上から招き猫の影になって見えなくなったと同時に、下手からサニーさんと杏里、プラムがやってきます。
サニーさんは「大福帳」と書かれた大きな短冊のような帳簿を手にしています。
サニー「へ〜〜!これが売上帳!
さぞかし売上がいっぱいある……えええーーー!?」
ぱらぱらとめくったサニーは、そこに書かれている数字に大絶句。
それを見つめる杏里やプラムは呆れたような、怒ったような表情を浮かべています。
サニー「これ、間違ってないかい?これじゃあ、赤字じゃないか。」
杏里「だから、赤字なんです!」
サニー「そんなバカな。劇場は連日満員状態だったんですよ!」
プラム「…バカ。」
杏里に赤字という事実を言われたにも関わらず舞台中央で両手を拡げて笑顔のサニーに、プラムが思わず呟きそのまま言葉を続けながらサニーの傍へ。
プラム「バカ、バカ、バカバカバカバカバカ!!もう、大バカよ!!」(左耳をつかんで、耳元で叫ぶ)
サニー「ホワット!?」
プラム「衣装と装置に、お金をかけすぎたのよ!!
だから切符が全〜部売れても、赤字よ!」
帳面を指して、直球に言うことでようやく“赤字”を実感できたようで、陽気な笑顔が一瞬引っ込みます。
まぁ…たしかに経理を預かるプラムとしては、そのバランスの悪さには怒りたくもなるのでしょうね;;
杏里も、下手からは動かないものの口を尖らせて頷いています。
プラム「経営者として、失格ね。」
サニー「オーマイガッ!!ってそうですよ、思い出した。
キングコング!(下手側から客席に降りて)あの時は客席をぜーーんぶジャングルにしたねぇ!(一気に最前列を上手へと駆け抜ける)
ボバンババンボン、バンボボン!
あれはたしかにやりすぎだったね。(上手階段から舞台へ戻り、奥の階段まで一直線に移動)
それからクリスマスのセット。空中からトナカイが降ってくるやつ、あれ本物のトナカイ使ってさ!
嫌がってたっけ〜
雪も降らせたし!客席中に!!」
28日昼公演ではキングコングの後に「あれだよ、あれがモデルだったんだ〜帝都でやった新宝島!あれも金かかってたもんなぁ〜…それと、新西遊記!あれも本場中国からゲストを呼んだりしてね!」と帝都ネタを交えていました。「これは我々だけではないが、一緒にやった武道館!あれもお金かかってたねぇ〜」とも言っていました。
…ショウってお金がかかるんですねぇ;;
29日や30日昼でも武道館発言はありました。
次々に豪華な仕掛けを思い出していくサニーに、杏里とプラムも続きますがこちらは呆れが前面に出てきています。
杏里「南太平洋では、劇場中を中を砂浜に!
それに人魚姫のときには、舞台に巨大な水槽!」
プラム「大体、本物のサメを使う必要性が、どこにあったのよっ
あのサメちゃんね、どこから連れてきたか知らないけど、本番ではピクリとも動かなかったわよ!」
二人が突っ込みを入れている間、サニーさんは海を泳ぐ動作をしたり、両手を大きく上下に広げてサメの口を表現したりしていました。
オーナーへのお説教中のはずが、暖簾に腕押しみたいな印象を受けるのはなぜでしょう。(爆)
杏里「だから、セットを豪華にするんじゃなくて…本来の、レビュウをやりましょうよ!」
最後にそう締めくくった杏里に、プラムがぱっと笑顔になって乗ってきます。
プラム「きゃふきゃふきゃっふ〜〜ん!!それ、良いわね杏里!」
杏里「にゃうにゃうにゃう〜〜ん!」
プラム「歌と踊り、そしてみごとな構成!(二人、舞台センターへ向かう)
これぞレビュウ!」
笑顔で二人がポーズを決めたところで、上手から踊りながらラッシー先生が登場!
ラッシー「ワンツースリーフォー、ツーツースリーフォー!
そうです!レビュウこそ、ショウの花形!!
ソング&ダンス!!
ダンダダダダ、ダンダダダダ…はい、ポーズ!」
ステップを踏みながら、舞台中央まで来たラッシー先生は杏里とプラムに挟まれて、ポーズ。(もちろん、杏里とプラムも)
なにかアドバイスがもらえそうなラッシー先生が気になったのか、すっと招き猫の後ろからレッドベリーが顔を出し、続いて新次郎も出てきます。
けど、そんな二人にサニーさんは気づかず、階段を下りてくるとやや下手に移動したラッシー先生に話しかけます。
サニー「いや〜ラッシー先生。やはりショウは、レビュウショウですよねぇ」
ラッシー「そうです。レビュウ!!レビュウ、レビュウ、レビュウ…!
レビュウとは、フランス語です。」
サニー「あ、フランス語なんですか!」
ラッシー「フランスのヴォードヴィル、イギリスのバラエティーから発展して
歌や踊りやコントを、合っ体させた!!」
サニー「…い、いやなにも私と合体しなくても…」
上手側からサニーさんの肩をがしっとつかみ、左足をぐっとサニーの腰のあたりまで上げてのセリフに、サニーさんはちょっと嫌そうでした。(笑)
説明に熱心になっていたラッシー先生は「失礼」と一言言ってサニーから離れると上手へと歩いて行き次の説明は舞台前面で下手へと横断しながらとなります。
ラッシー「ようするに、レビュウは面白ければなんでもありなんです。
最近ではかの国、ニッポンの帝国歌劇団が歌謡ショウなる珍妙なるショウを作り、喝采を浴びています。」
サニー「あの、帝国歌劇団がですか!?
でも、ねぇ…やはりショウは、この紐育が本場でしょう!」
両脇にいる杏里とプラムに笑いながら目を合わせて堂々と言い放つサニーさんですが、ラッシー先生はそれには返事をせず厳しい表情のまま下手側から再びサニーへ近づいて行きます。
ラッシー「その本場というプライドが、落とし穴になるのがショウの世界です。
(また肩をがしっとつかんで、今度は右足を上げる)お気を付けくださ〜い!」
サニー「あ…合体にですか?」
ラッシー「落とし穴にでーす!」
この発言、ショウが後半になると「合体には、身をおまかせくださーい!気をつけるのはプライドという落とし穴です!」というものに変わっていきました。(笑)
ラッシー「…では失礼。
ワンツースリーフォー、ツーツースリーフォー…
お気を付けくださ〜〜い!
ダンダダダダ、ダンダダダダダ…!」
再び踊りながら…でも、念を押すことを忘れずにラッシー先生は下手へと去って行きました。
―――30日夜
ラッシー先生、なんと台詞につまりました!「レビュウこそ、ショウの花形!」と言ったあとが出てこなくて、サニーを見つめていると「あ、わたしですか!?」とサニーさんは言いましたが、ラッシー先生で合っています。でもすぐに出てこなくて「おや?おや?…ああ、ハハハ…ポーズでした!」となんとか流れを戻そうと杏里とプラムの間でポーズをとるのでした。(爆)
サニーさん、ラッシー先生が帰った後「なんか出てきた瞬間真っ白になっちゃったんじゃないか?」と言っていました。(笑)
―――――
それを見送ったサニーさん、くるりと振り向いた先にいた大河にビシッと指さしながら近づいて行きます。
サニー「いたいた君君、君だよ大河くん!
東洋の神秘!その頭脳!君に、今回のショウの構成を頼んだったね。なにか思いついたかい?」
このセリフ、今回のサニーさんには鬼門だったらしくうまく言えた公演の方が少なかったです。(爆)「頼んだったんたんだね!」になったり「頼んだんたったね!」になったり…それでもすすめられるのがサニーさんです。(笑)
大河「はいっ(笑顔で敬礼するも、くるりと横にいるレッドベリーの方へ向く)
レッド、たった今ぼく、ひらめいたんだ!」
レッドベリー「新次郎〜!」
大河「レッドのおかげだよ。ありがと!」
嬉しそうに安心したように名前を呼ぶレッドベリーに、新次郎もニコニコ笑っていて……それを見た瞬間、杏里が不機嫌になり、ぷいっと下手側へそっぽを向いてしまいます。
プラムはそちらをちらっと気にしますが、サニーさんはそれよりもレッドベリーがいることが気になるようでそちらへ近づいて行きます。
サニー「あれ?レッドベリーくん。君なんで私の部屋に?…あ〜〜!なんか二人、ラブラブ〜!」
レッドベリー「ちょっ…そんなんじゃありません!!」
サニーさん、下世話な親父になってますよ。(爆)
つっこまれたくないところをつっこまれたレッドベリーは否定の言葉を残して上手へと足早に去ってしまいました。
現在、渦中の人のはずの大河は、きょとんとした表情でそれを見送ると、もじもじと下を向いてプチミントの毛先をいじりだしました。
サニー「あれ?どこいくの?ジョークだよ、ジョーク!イッツジョーク、You
Know!」
プラム「ジョークになってないんじゃないの?」(呆れたように)
杏里「大河さんは、レッドベリーさんが好きなんじゃないかしらっ」
杏里のトゲがある発言に、驚いたのはプラムとサニー。新次郎は…聞こえてません。(爆)
サニーさんがテン、テン、テン、テン、テン…と杏里の意識の先にいるのが新次郎だと確認したら、今度は下手側へ回り込み、この展開を楽しんでいるようでした。
サニー「お?お?なんか、デンジャラスな展開になってきましたよ!(杏里の隣に立ち)強力なライバル現るですか!?」
杏里「もう、知りませんっ」
サニー「知りませんって…きゃい〜ん!あれ?言わないの?(杏里、プラムの後ろに隠れて何にも言わず)
いやいやいや、全部ジョークですよ。ジョーク!」
プラム「だからジョークになってないんだってば!!もう!」
なんだか、プラムさんが一番の大人ですね。(笑)
怒鳴り声でサニーさんをたしなめるとぐっと腕をつかんで新次郎の方を向かせます。
プラム「それより、サニー。タイガーのあの格好…気にならないの?」
サニー「…全然!」
プラムと杏里は内心なぜプチミントの恰好をしているのか気になって仕方がなかったようです。
でも、サニーさんは「それが何か?」とまったく気にしてないようです。(爆…「けっこう気に入ってるみたいだよ。」と付け加えちゃったりした日もありました。)
サニー「だって、もう三年もやってるんですよ。見慣れてきたでしょ〜!
で、どうなんだい大河くん。」
大河「どうって言われましても、レッドさんとはまだ知り合ったばかりで、これからじっくり…」
サニーに直接話しかけられ、ようやく顔をあげた大河はちょっととんちんかんなことを…ああ、また杏里が頬をふくらませてしまいましたよ。
サニー「そっちじゃないよ!ショウの話だよ!」
大河「あ、そっちでしたか!
はい!たった今思いつきました!!」
サニー「お、何だい?」
大河「(舞台中央に行き、高々と手を広げて)妄想テレビジョンです!」
三人「妄想テレビジョン?」
大河「はい!それでは皆さん。ご説明しますので、席におつきください。」
張り切る大河に促されるまま、三人は下手にある椅子に座ることに。
この間に富士山の書き割りと「妄想テレビジョン」と書かれた枠のようなものが入れ替わり、準備完了です!
大河「これは、未来のテレビジョン!
紐育星組たちが作り上げてきた珠玉の演目たち。
その配役を自由に交換して日替わりで演じるんです!
それでは、どうぞ〜!」
あのピンクのドレスに身を包んで登場したのは……サジータさん!!
♪その名はロデオ
〜「ロデオとジュリエット」より〜
すっごいかわいらしい声で「ハーイ!ハーイ!」と手で踵を打ったり、階段を降りながら「カモーン!カモーン!」と両サイドからへそ出しカウガール姿の女性ダンサーさんを呼び
「ギャロップギャロップギャロップギャロップ!」と前に出ながら言うのがたまりません。(笑…でもこのギャロップ、29日からは「みんないくよ〜!」の掛け声にかわっていました。)
そのトーンで歌も歌おうと思ったら、見事に外してましたが。(笑)
まぁまぁ、そこはご愛敬〜(日によって普通に最初からハイトーンで歌ったり、第一声を低い声にしてダンサーさんに「もっとキー上!上!」と突っこまれてハイトーンにするとかいろいろやってくれました。)
1番を歌い上げたところで、次の妄想さんが!
♪ジャングルレビュー
〜「ジャングルレビュー」より〜
なんと、ダイアナさんがあの猿の衣装を着ていますよ!
歌い終わったサジータさんが軽く「ジャングルレビュー」の振付をしながら下手へと下がると、入れ替わるようにダイアナさんが両サイドと後ろから猿たちを呼び出し(こちらは男性三名)
真中で妖艶といっても差支えないほど色っぽくジャングルを歌い上げます。(これには聞いていたサニーさんも驚いてましたね〜)
サビを歌いきったところで、さらに妄想は続きます。
♪モノクローム
テレビジョンの枠に最初に現れたのはアラビア衣装に身を包んだレッドベリーとラッシー先生。(女王猿なダイアナは、猿を一匹誘惑しつつ上手へ。)
次いで現れたのはクレオパトラの衣装に身を包んだリカ!!
1番、サビ前まで歌ったリカは、中央でポーズを取っていたラッシー先生とレッドベリーの傍で最後まで大人っぽい雰囲気を出していました。
続いて聞こえてきたのは、壮大なメロディー
♪愛の花
〜「マダム・バタフライ」より〜
真っ白な軍服がりりしい、ジェミニピンカートンです!(この間、リカは上手でラッシー先生にお姫様だっこされて、投げキッスを残して去って行きました)
この曲はデュエットなので蝶々さんは誰に?と思っていたら…なんと、神の啓示でも受けたかのごとくサニーが立ち上がり、止めるプラムや杏里の言葉を聞かず猛ダッシュで上手側にあった内掛けとお地蔵さんがかぶっていたカツラもかぶり、準備完了!!(爆)
間奏部分で優雅に踊って下手にいたジェミニは、上手に現れた明らかに理想と違う蝶々さんにビクッとなり心底残念そうに顔をゆがめています。(後ろで眺めていたワンペアも同じような顔でした)
それでも歌わねばならないので二人で「♪たとえ嵐がきても〜」の部分を歌いますが…ものすごく、手をつなぎあうことに抵抗していました。(爆…サニーさんががしっとつかんだので仕方なくという具合です)
「♪離さないで〜」と歌った直後に「離せっ」と言って上手へと言ってしまうピンカートンを、勢いで下手へと投げだされた蝶々さんが見つめますが、二人が歩み寄った際に別に二人を隔てるものは無いのに意図的にピンカートンは蝶々さんを無視して階段の上でポーズ。階下で蝶々さんがうなだれていようと、罪悪感はなさそうです。(爆)
そんな蝶々さん、次の曲のために出てきたシスター姿のダンサーさんに素早く内掛けとカツラをはがされ、席に戻されていました。
♪ビバ!
ハーレム 〜「ビバ!
ハーレム」より〜
ジェミニは、そのまま階段を上がり、現われていた黒いコートを着た昴さんとハイタッチして後ろへ。
そのまままっすぐ階段を下りてラストのサビの部分を歌い上げる昴さんはたいそうカッコよく、最後のハイキックはたまりませんでした!!(すみません、書き手かなりハイキックの入っている振付が好きなもので;;)
ポーズもばっちり決めた昴さんたちは、曲が終わると颯爽と下手へ歩いて行きました。
入れ違いで上手から駆け込んできた大河は拍手をしながらとても楽しそうな笑顔を浮かべていたのですが…
大河「いやー!!すばらしい!素晴らしい、素晴らしい!!(ブラボー!ブラボー!と続く日もあり)
どうですか?こんな風に、毎日衣装を交換しまして―――」
サニー「却下!」
大河「どうしてですか?!」
サニー「…小さい。」
かなり楽しんでいたはずのサニーさんから即座にダメを受け、納得がいかない新次郎。
でもサニーさんは立ち上がって舞台中央にいる大河の傍でさらに続けます。
サニー「小さい小さい小さいよ!いいかい、大河くん。前にも言ったけどここはアメリカだよ。
もっと大きく、ビッグに、でっかく!
人間、小さくまとまっちゃあダメだ。
…大河くん、君…人間が小さいんじゃないかい?」
大河「ぼく、小さいですかっ…!?」
サニー「ああ!小さいっ!!」
大河「ガーーーンっ!!!」
背中を向けられたまま、キッパリと言われた言葉に、雷で撃たれるよりも大きなショックを受けた大河は頭を抱えてその場で崩れ折れてしまいます。
そりゃ、でっかい男を目指しているのに、まったく正反対な評価を下されてしまってはねぇ…が、サニーさんはそこまで嘆くと思わなかったのか目を瞬かせて振り返りますが時すでに遅し。
サニー「あれ?冗談だよ、冗談。」
プラム「ちょっと、知らないわよっ」
杏里「大河さんはナイーブなんですから!」
大河「ぼく…小さい……小さい…は、ははは…」
プラムと杏里が心配してフォローも入れるも、ショック状態の大河には聞こえず、ふらふらと笑いながら下手へ…
その壊れっぷりにだれも声をかけられずそのまま見送ってしまい、追うように立ちあがったプラムと杏里はサニーへ非難の目を向けます。
杏里「あーあ……大河さん、壊れちゃった。」
プラム「もう、どうするのよタイガー壊れちゃったじゃない!」
サニー「なんですか、二人揃って!いつからあの東洋人のお味方になったんですか?」
サニーの指摘に、ちょっと言葉を詰まらせる二人。このシーン、サニーさんだんだん寂しくなってきたのか30日夜公演では「なんですか、私の事をそんなに!私だってねぇ…」と拗ねたり、31日昼公演では「なんだよ、もう!じゃあ…!!」と上手に向かって歩き出してしまい、そのまま去ってしまうのか!?と思ったところでUターンして「帰ると思った?」と二人に笑いかけてました。
サニー「いいですかショウビジネスを甘く見てはいけません!
ちょっとでもつまらないものを見せれば、どんなスターでもすぐ地に落ちる。
だから、常に努力。そして…サプライズ。
サプライズサプライズサプライズ……サプラーイズ!!
ああ、すっきりした!」
もう、飛び跳ねて飛び跳ねてサプライズを連呼するサニーさんを止めることはワンペアではできません。(笑)
襟を正し、収まるのを待ってからプラムが苦笑いとしか言いようのない笑いを浮かべて首を振ります。
31日昼では「手伝ってくれる?」とプラムに振りますが、残念ながらプラムも杏里もやらずに、サニー一人でした。(笑)
プラム「ねぇ…何言ってるのか全然わかんない。」
サニーさん、飛び跳ね損!!(爆)
サニー「だから大事なのはサプライズを生み出す…そう!ひらめき!!」
杏里「ひらめき?」
プラム「ひらめき?」
リカ「はい!ひらめ!!」
3人「えっ?」
サニーさんの言葉を繰り返す二人ですが上手から唐突に駆け込んできたリカの笑顔と持っていた魚のヒラメにすべて奪われました。(笑)
リカがにっと笑うと、暗転してこの場は終了。リカにしかできないオチのつけ方でした!!
舞台には紗幕が下ろされ、再び照明が入ると、そこは3年連続登場の入国管理局のカウンター。
上手側に立つ見慣れたアフロヘアーの管理官の後ろには、見慣れないドレッドヘアーの管理官が。
ジェームス「俺の名はジェームス。今日、俺はこの入国管理官を引退する!」
あれ?去年と声が…と思っていたら後ろにいたドレッドの管理官が「お疲れさまだぁ〜〜よ〜〜、ジェームスさ〜ん」と声をかけます。
あら、去年までジェームスを演じていたのは岩本さんだったのに、今年はドレッドヘアーの方が岩本さんなのですね。(ということで、今年のジェームスは高橋さんなのでありました。)
ジェームス「(振り向いて)お前が、俺の後任の管理官か。名前は?」
ウボボ「ウボボだよ〜〜」
ジェームス「ウボボ?お前、どこの国の出身だ?」
ウボボ「ボク、チャドだよ!」
ジェームス「チャド!俺は、ニジュールだ!」
ウボボ「ニジェール!?ボク、チャドだよ〜!」
二人「オ〜〜!お隣サーン!」
二人で、顔の前でクロスさせた二人は楽しそうに「お隣サーン!」のイントネーションに合わせて向かい合うと、槍を持っているかのようなポーズをとり
おっおっおっおっおっおっ……と小さく跳んでました。(笑…音としては「お」なのか「ほ」なのか微妙なところですが「お」の方が近く感じたのでこちらで。)
国が隣なら、友好手段の動きもとても似ているってところですね。
一気に仲良くなった二人ですが、ジェームスが先に先輩として上手からやって来る人の気配を察してジャンプを止めてウボボに話しかけます。
ジェームス「って、おい!来たぞ、初仕事だ。やれるな?」
ウボボ「おう!」
ジェームス「おう、ってため口かよ!(べしっと頭をたたく)…やれるな?」
ウボボ「う、うん!ウボボ、やる!」
右手を顔の前に挙げたウボボは、おどおどした様子でやってきたみすぼらしいカバンを大事そうに抱えた中国人に手を出します。
ウボボ「パスポートプリーズ!」
その堂々とした言い方にジェームスが後ろで「Good!」と親指を立てると、ウボボもあいている方の手で親指立てて返します。
さて、中国人が取り出した一冊の本…パスポートにしては分厚く大きいです。それを管理官に渡すと、その本に二人同時に食いつきました!
ウボボ「オー!地球の」
二人「歩き方〜!!」
ウボボ「これさえあれば観光は間違いなしネ!」
ジェームス「まさに、ガイドマップのエキスパート!」
二人「だけど!パスポートじゃな〜〜い!!」(本を投げだす)
ウボボ「ヘイ!ちょっと、こっち来なさーい!」
ウボボが中国人の腕をつかもうと近寄りますが、それを一歩引いてすっとよける中国人。気を取り直してもう一度行くウボボですがまたもかわされ…両手でつかみにかかると、バク宙で逃げる!
その見事なアクロバティックに、管理官二人仕事を忘れて、おっおっおっおっ…と先ほどの動きをしてしまいます。(なぜか中国人も一緒に(笑))
でも、すぐに我に帰ったウボボが拳銃を取り出し、中国人に向けて構える!油断していたのか、尻餅をついて銃口から逃れようとする中国人は必死にここへ来たわけを話します。
ウボボ「ウボボなめるなぁ〜〜〜!!」
中国人「ごっごめんなさい!ユルチテ、ユルチテ!!
私ノ国、トテモ貧シイ!アメリカが希望ネ!
オ願イ!プリーズ!入国サセテ!!」
ウボボ「ダメだぁよ〜〜、密入国者には、死をだぁよ〜〜!」
ジェームス「ウボボ〜〜!!!」
中国人の懇願も届かず、膝をついて硬く掌を握りしめた背中にウボボの足が乗せられ、銃口が向けれ…今まさにその引き金を!というシーンでジェームスが突如ドロップキック!!
「…ウボボ〜〜!!……ウボボォ〜〜!!」と三回ほど繰り返してました。(笑)
ジェームス「俺の引退の日に、ひでぇことするんじゃねぇよ!」
ウボボ「オゥ、ジェームスさーん!」(銃をしまう)
ジェームス「いいか、移民ってのはな、こいつみてぇに職も無く食うものも無く
祖国に絶望した奴がやってくるんだ。(ぎゅっと鞄を握りしめる中国人)
アメリカに、わずかな希望を抱いてな…」
中国人が持っていた、地球の歩き方を拾い上げたジェームスは、一時ためらいますが意を決して入国スタンプをその本へ!!
驚く二人をよそに、ジェームスは優しく本を中国人へ差し出します。
ジェームス「…ようこそ、アメリカへ。」
中国人「シェ、シェイシェイ!!シェイシェイ!!
この御恩は一生忘れないダヨ!シェイシェイ!」
しっかりと本とジェームスの手を握った中国人は転ぶように立ちあがり、何度もお礼を言って下手へと向かって行きました。
そんな後姿に「がんばれよ!」と声をかけたジェームスは、ウボボに語りかけます。
ジェームス「いいか、ああいう奴がなハングリー精神でオリンピックに出たりするんだ。
それでアメリカの国旗を掲げるんだ、わかるか?
それが、アメリカの強ささ。」
ウボボ「おう!」
ジェームス「おう、ってまたため口かよ!」
なんか、良い話をしてるのに締まらないのは落ちがついてしまうからでしょうか。(笑)
二人「ネクスト!!」
気を取り直して、二人で上体をそらし、両手で次の入国希望者を呼びます。
次に現れたのはよたよた、身重の女性。
二人「オ〜、妊婦サーン!!」
ウボボ「お荷物、持ちますよ〜〜」
大きなお腹を抱えながら歩いて来る姿に、ウボボがフェミニスト精神で近づき、鞄を持ってあげます。その素早い動作に、ジェームスも「Good
job!」と親指を立てています。
ウボボが「大きいですね〜」と語りかけると、臨月だという言葉が返ってきました。
二人「臨月妊婦サーン!!
…ヒッヒッ、フー……ヒッヒッ」
ウボボ「フー!!」
ジェームス「出ちゃうよ!」
静かに呼んでいたハズですが、ウボボのなぜか気合が入った言葉にジェームスが即座にツッコミます。(笑)
ウボボ「パスポートプリーズ!」
女性「イエス。」
ウボボ「オゥ、パスポートOK!ヨウコソ、アメリカへ〜!」
ジェームス「ウボボ〜〜!!!」
女性が出してきたパスポートを確認したウボボは、意気揚々とスタンプを押そうとしますが、下手で手足をほぐし、準備をしていたジェームスにまたもドロップキックをくらってしまいます。
あ、ドロップキックは三回で1セットのようです。(笑)
ウボボ「なんで!?」
ジェームス「お前の眼は節穴か!こいつはな、偽妊婦だ!」
心底納得がいかないウボボは両手を広げて抗議しますが、ジェームスはビシッと女の人を指さします。
どうも近寄ってきたところから態度が変わったなぁと思ったらそういうことですか。
女性「違います!」
ジェームス「ふん!俺の眼はごまかせねぇ!ウボボ、こいつの服を脱がせろ!」
ウボボ「服ヲ脱がす〜!?」
ジェームス「ウボボ…脱がせ、られるね?」
ウボボ「ウ、ウボボ脱がせ…られるよ!」
即座に否定する女性ですが、どことなく声に焦りが混ざっているように思えます。
ジェームスがウボボに身体検査を命じると、ウボボは目を大きく見開いて固まりますが、ジェームスが静かに聞き返すとやる気満々な答えが返ってきました。(笑)
女性に近づくウボボに当たる照明がピンク色なのはツッコミどころでしょうか。(爆)
ウボボ「ハーイ奥さーん、ウボボだよ〜。怖がらないでーウボボに身をまかせて〜
あ、電気消そうか?(カチッと電気のひもを引っ張る動作をすると本当に舞台の照明半分が落ちる(笑))
…うわ〜奥さんのココすごいよ!奥さんの中から白いのがって何だこの白いのー!?」
舞台中央で座り込んで頭に巻いていたショールをとり、上着を脱いだ女性のお腹からあるものを取り出すウボボ。
高々と上げた30cmほどの袋に入っていたのは、真っ白の粉。
ジェームス「それは麻薬だ!」
ウボボ「麻薬!?」(思わず手を離し、大仰に驚く)
ジェームス「そいつは没収!女は国外退去だ!」
ジェームスの入国管理官としての厳しい言葉が飛びますが、薄着になった女性の体を見てふっと語気が勢いをなくします。
ジェームス「って女…お前すごいイイ体してんな。
お前も没収だ、さっ俺のところに来い。」
下心見え見えで女性の肩にジェームスが手を置きますが、その手を逆に掴まれ投げ飛ばされてしまいます。
仰向けに倒れたジェームスは、無防備な腹に一撃をくらってしまいます。
女性「ディス、イズ、ストロングアーム!!
アーンド、バックマッスル!!」
ビシッと背中を向けたポーズにウボボが「切れてる!」ジェームスが「ナイスポーズです!!」と相の手を入れると、女性は落ちたショールを拾って「センキュ〜」と投げキッスを残してさっさと下手へ進んでしまいます。
ジェームス「っちょっ!!(慌てて立ち上がる)…ウボボ、あとはやっておきなさい。俺は女を追いかける!
待てー!!マッスル女〜〜!!」
ウボボの返事を待たずにジェームスは女性を追って下手へ。
ウボボ「え〜〜!?ウ、ウボボ一人〜!?で、でもウボボ、仕事やるよ!ネクスト!!」
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